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TEXT:TET 編集部
日産リーフの再生バッテリーを利用したポータブル電源が「防災・減災×サステナブル大賞2024」の「減災サステナブルアワード」最優秀賞を受賞

現在も停電エリアで使用されている 日産自動車とJVCケンウッド、そしてフォーアールエナジーの3社が共同開発したポータブル電源が、「防災・減災×サステナブル大賞2024」の「減災サステナブルアワード」において最優秀賞を受賞した。 「防災・減災×サステナブル大賞」は、一般社団法人減災サステナブル技術協会が新たに確立した評価手法にて、防災・減災におけるレジリエンス向上ならびにSDGs関連の活動および成果等を評価し、褒賞を授与する。 今回、最優秀賞を受賞した商品は、使用された後でも高い残存性能と安全性を持っている日産リーフの使用済みバッテリーを再利用して開発した、車載も可能なポータブル電源。この商品を通じた取り組みや実績が評価され、受賞に至った。 なおこの商品は、日産が能登半島地震により被災された地域へ無償貸与。JVCケンウッド提供のソーラーパネルと共に停電エリアの支援に活用されている。

TAG: #ポータブル電源
TEXT:山崎元裕
外出先でもスマホからEVの充電開始・終了時間をコントロール! メルセデス・ベンツが持ち運べるウォールボックス「フレキシブルチャージングシステムPro」を欧州で発売

家でも外出先でもEVの充電プロセスを制御する メルセデス・ベンツから、BEVやPHEVのカスタマーの利便性をさらに高める、「フレキシブルチャージングシステムPro」がリリースされた。 いわばポータブルなウォールボックスと表現してもよいこのシステムは、最大充電容量が22kW。家庭用のコンセントや三相コンセント、公共の充電スタンドなどさまざまな電源に対応する、自己検知式のアダプターで、スマートフォンなどの独自のアプリで充電プロセスを制御。すべての充電機能に関するリアルタイムな情報にアクセスすることも可能としている。 これまでとくにBEVを使用したライフスタイルといえば、基本的に毎日の決まったルーティーンに従って、夜は自宅で、あるいは走行距離によっては昼間に会社などでそれを充電、休日には充電スポットを探しながら旅行を楽しむといったものが一般的だったが、このフレキシブルチャージングシステムProは、いずれのシーンにおいても最適なオールインワンの充電ソリューションだ。 充電スポットの空き状況や車両の装備、またアダプターの種類にもよるものの、前で触れたとおり22kWの最大充電容量に対応し、さらに最適な充電電力の自動検出と調整、温度、センサー、安全機能により、最大限の安全性を提供するという。 付属の各種アダプターを使用すれば、1本の充電ケーブルでヨーロッパのほぼすべてのソケットタイプや、公共の充電ポイントに接続することが可能。さらに、ヨーロッパ圏を離れても、フレキシブルチャージングシステムProによる充電は、じつに簡単にそれを行うことができる。 充電システムは、使用するべきアダプターを自ら検出し、さらには最適な充電電力を設定。セキュリティ面では、盗難防止のために付属の壁掛け用固定具を使って、充電システムを壁に取り付けることもできる。 メルセデス・ベンツのほかのアクセサリーと同様に、このフレキシブルチャージングシステムProもまた、最大限の安全性を追求して設計されている。IP67準拠の短時間の水没でも漏電しない防水構造などはその代表的な例だ。 フレキシブルチャージングシステムProは、メルセデス・ベンツ車のみならず、タイプ2のプラグを持つBEVやPHEVとの互換性を持っている。 最大容量の22kWでの充電のためには車載充電器を車両に取りつける必要があるが、このインターフェイスはWLANを自由に使用できるため、カスタマー自身のネットワークで無線更新を行うこともできる。充電の開始と終了をリモートで制御することなどは、そのもっとも典型的で便利な機能といえるのだろう。 ほかにもカスタマーはさまざまなメリットを、この持ち運び可能なウォールボックスから得ることができる。すべての充電プロセスは、アプリを介して充電目標を設定したり、充電コストを調整したり、また最新情報の確認を行うこともできる。すべての充電プロセスはアプリに保管され、実際のステータスはもちろんグラフィカルなダッシュボードにも表示することができる。それをスマートフォンにエクスポートすることも可能だ。 高品質なメルセデス・ベンツ・デザインのバッグに収納され、常に整理整頓されるフレキシブルチャージングシステムPro。その販売はEU諸国を始め、イギリス、スイスですでに開始されており、今後さらにほかの国へと市場を広めていくことになるという。

TAG: #インフラ #ヨーロッパ #充電
TEXT:TET 編集部
ポルシェ4ドアモデル「パナメーラ 」のE-ハイブリッドモデルが新型へと進化! システム最高出力は500馬力超え

パナメーラ「E-ハイブリッド」がマイナーチェンジ ドイツのポルシェAGは、多くの市場において効率的で運動性能に優れたe-ハイブリッドパワートレインへの関心がとくに高まっていることを受けて、パナメーラに新しいパワートレイン技術を採用した新型「パナメーラ4 E-ハイブリッド」と新型「パナメーラ4S E-ハイブリッド」を導入すると発表した。 あらゆる性能が強化されたモーター 新型パナメーラ4 E-ハイブリッドとパナメーラ4S E-ハイブリッドの最大のトピックは、電気モーターが刷新されたこと。先代モデルに対し、電気モーターでの航続距離延長、充電速度の向上、スロットルレスポンスの改善など、ほぼすべての分野での走行性能の向上が図られている。 最高出力140kW(190馬力)、最大トルク450N・mを発生し、大幅なパワーアップを実現しただけでなく、効率的かつ重量を最適化した方法でハウジングに組み込まれ、ポルシェ独自のトランスミッションであるPDKのオイル冷却循環に統合されている。内部ローター設計(ローターがステーター内で回転)により、質量慣性は50%減少し、スロットルレスポンスも向上。最大88kWまで回生可能な電気モーターは、パナメーラE-ハイブリッドモデルの航続距離の大幅な向上にも貢献している。 この新たな電気モーターと組み合わせ「e-ハイブリッドシステム」を形成するエンジンは、大幅に改良された2.9リッターV6ツインターボガソリンエンジンだ。 パナメーラ4 E-ハイブリッドは、最高出力224kW(304馬力)のエンジンを搭載。システム出力は345kW(470馬力)、トルク650N・mだ。これにより、0-100km/hの加速タイムは4.1秒、最高速度は280km/h、モーターでの航続距離は96km(WLTOサイクル、EAER city)という性能を手にしている。 一方のパナメーラ4S E-ハイブリッドは、ドライビングダイナミクスと高回転域での持続的なパワー供給に重点を置いたセッティングが施されている。2.9リッターの6気筒ツインターボエンジンの最高出力は260kW(353馬力)へと高められ、システム出力は400kW(544馬力)、最大トルクは750N・mを発揮するまでに至っている。むろん加速性能も向上し、パナメーラ4S E-ハイブリッドの0-100km/h加速タイムは3.7秒、最高速度は290km/hにも達する。 車両とナビのデータが連携して一歩先を読む 続いて走行モードに目を移そう。新型パナメーラ4 E-ハイブリッドと4S E-ハイブリッドは、4つのE-ハイブリッド専用ドライビングモードと、改良されたスポーツおよびスポーツプラスモードを備え、E-ハイブリッドモデルの効率をさらに最適化する。 各モードの役割を走行シーンに合わせて説明すると、まずクルマは常にフル電動状態の「E-パワーモード」で発進する。バッテリーの充電状態が一定の最小値を下まわると、自動的に「ハイブリッドオートモード」へと切り替わり、そのときの走行条件に応じたドライビングモードが自動的に選択される。 このモードでは車両とナビゲーションシステムの両データを連携した「アクティブルートガイダンス」によって、前方のルートを把握しながら運転戦略の最適化がなされる。これにより市街地走行における電気走行距離の割合を最大化し、効率を高めている。 3つ目のモード「E-ホールドモード」では、バッテリーの現在の充電状態が保持される。一方、「E-チャージモード」では、郊外や時速55km/h以上で走行しているときにはエンジンによってバッテリーを最大80%まで充電。市街地などを時速55km/h以下でを走行するときには、モーターがエンジンをアシストしてハイブリッドドライブならではの効率的な走行メリットを発揮する。 スポーツモードとスポーツプラスモードは、性能を犠牲にすることなく効率を高めるための改良が施されたモードだ。バッテリーの目標充電状態をスポーツモードで20%(先代は30%)、スポーツプラスモードで30%(同80%)に引き下げたことで、ポルシェらしいダイナミックな走りが楽しめる。

TAG: #ハイブリッド #パナメーラ #ポルシェ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
マクドナルドでEV充電! 一部店舗にDMM EV CHARGEのEV充電器を設置

急速充電器と普通充電器を導入 DMMは2023年5月より全国の商業施設や宿泊施設、公共施設等に対してEV充電サービスを提供する「DMM EV CHARGE」を開始し、事業者および利用者双方にとって便利で身近なEV充電サービスの提供と、サービスを通じた地域のビジネス支援を目指している。 一方、マクドナルドは「2050年までにネット・ゼロ・エミッション達成」を目標に、店舗やオフィス、サプライチェーンまでさまざまな取り組みを実施。 そして今回、マクドナルドはネット・ゼロ・エミッション達成に向けた取り組みの一環として、DMM EV CHARGEの急速充電器および普通充電器を一部の店舗に設置する。 DMM EV CHARGEは、全国の商業施設や宿泊施設、公共施設等で利用できるEV充電サービスだ。普通充電器および急速充電器の導入に伴う初期費用とサービス利用料が無料の「0円プラン」をはじめ、事業者のニーズに合わせたさまざまなプランを提供している。 EV充電器の導入に伴う現地調査、工事、補助金申請など、面倒な手続きはすべて代行。24時間365日のサポート体制を完備し、緊急時の駆け付け対応、充電器の修理なども行う。 6kWから180kW出力のEV充電器を用意し、設置場所のニーズ、状況に応じて最適な選択が可能。簡単なアプリ登録とクレジットカードの登録で充電、決済ができる。なお、アプリ決済はDMMアカウントとの連携を予定している。

TAG: #DMM #マクドナルド
TEXT:TET 編集部
「ちょっとそこまでお買い物」に豪華装備はいらない! アントレックスの超小型EV「EV-eCo」は割り切りの良さで低価格を実現

左右のドアで狭小駐車場でも難なく乗り降り アントレックスのビークル事業から新たなひとり乗り超小型EV「EV-eCo」が発表された。環境に配慮しながら利便性と経済性を兼ね備え、「ちょっとそこまで」という短距離移動のニーズを気軽に満たすことができる電気自動車だ。 全長2400mm、全幅1125mmでひとり乗りのコンパクトなボディながら、車内は必要十分なスペースが確保されており、運転席の背後には買い物などの荷物を載せることができる。駐車スペースや道路が狭くても、超小型EVなので取りまわしに優れていることはいうに及ばず、原動機付自転車(いわゆるミニカー)規格にあたるため、車検と車庫証明が不要で年間維持費が抑えられる。一方で、最高速度は時速60キロに制限されているため高速道路は走行できない。 運転席には左右どちらからでも乗り込みが可能なため、左右の幅に余裕がない狭い駐車場でも、片側を壁に寄せて反対側から楽に乗り降りすることができる。 EV-eCoには後部カメラが搭載されている。超小型EVで搭載されている例は少ないが、これにより縦列駐車もモニタで確認しながら操作できるのはありがたい。また、エアコンは搭載されていないものの、代わりにサンルーフが装備されているから、パワーウィンドウと併用してベンチレーション効果を期待できそうだ。 バッテリーは電圧60V、容量58.2Ahのものを搭載しており、家庭用100Vコンセントから専用充電器を介して充電する。1回の充電での走行距離は約40キロだ。距離としては物足りなく感じるかもしれないが、超小型EVを「電動アシスト付き自転車のような気軽さで、自宅や事業所の周辺を短距離移動するための乗り物」として割り切れば十分ではないだろうか。 装備は必要最低限に抑えた内容で、かなり合理的に作られている印象のEV-eCo。それは価格にも反映されていて、車両本体価格は税込み64万9000円というから納得。デリバリーは2024年4月30日から開始する予定で、現在予約受付中とのこと。気になる方は問い合わせてみてほしい。 「EV-eCo」 スペック 全長:2400mm 全幅:1125mm 全高:1619mm ホイールベース:1610mm 車体重量:310㎏ 最高速度:50km/h タイヤサイズ:フロント 125/65-12・リア 125/65-12 モーター定格出力:0.59kw バッテリー:60V/58.2Ah(鉛バッテリー) 充電器:電圧/100V・出力電圧/60V 電源:家庭用AC100V 充電時間:約8~10時間 フル充電時走行距離:約40km 乗車定員:1名

TAG: #アントレックス #超小型EV #超小型モビリティ
TEXT:TET 編集部
水力発電した電気のEV用急速充電器活用でゼロエミッション東京を目指す

奥多摩の白丸発電所に急速充電器を設置 東京都はゼロエミッション東京(CO2を排出しない環境先進都市)の実現に向けて、ゼロエミッションビークル(電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車)の普及を促進している。 そしてこのたび、東京都交通局及び環境局が連携し、東京都交通局が所有・運営する白丸発電所・白丸調整池ダムの近傍に電気自動車用急速充電器を設置することを決定した。 白丸発電所は、CO2を排出しないクリーンな電気を創る水力発電所。急速充電器の電力に水力発電所の電気を活用する取り組みは、東京都内で初となる。 設置基数は1基、充電規格はCHAdeMOで、定格出力は50kWだ。運用開始は令和7年4月頃を予定している。

TAG: #急速充電器 #水力発電所
TEXT:山崎元裕
日本に初上陸した異次元のデザインを見逃すな! テスラ・サイバートラックが全国展示ツアーを開催

日本発売は予定なしもサイバートラックをお披露目 アメリカ、テスラ社の新型ピックアップ・トラック型EV、「サーバートラック」が2024年2月15日、東京で初披露された。このジャパンプレミアイベントは、これから約10日間をかけて、関東、東海、関西、九州の各地を展示ツアーでまわる予定になっているが、残念ながら現在の段階では日本市場における販売の計画は立っていない。 それにもかかわらず、これだけのツアーを実施する背景には、やはりその市場として、日本もまた重要視されていること、そしてEVブランドとしてさらなる認知を狙うことが理由としてあげられるのだろう。 サイバートラックには3タイプのモデルが用意されている。違いはパワーユニットにあり、シングルモーターの後輪駆動モデルをベースに、前後それぞれのアクスルを駆動するデュアルモーターのAWD、そしてさらに後輪の駆動に用いられる3つめのモーターを搭載したサイバービーストがそのラインアップとなる。 テスラはこの3タイプのコンフィギュレーションに対して、すべて同じモーターを使用しており、注目の最高出力はもっとも高性能なサイバービーストが845馬力、デュアルモーターのAWDは600馬力、シングルモーターのRWDは315馬力がスペックシート上には記載されている。 一方、最大航続距離は、それぞれ510km、550km、400kmを可能とするから、実用性の面でもまずは満足できる性能を持つと考えられる。さらにAWDとサイバービーストでは、リヤのデッキ部にレンジエクステンダーを搭載することもでき、それを使用した場合には最大航続距離は各々710km、760kmを実現する。 フロア下に搭載されるバッテリーは4680個のリチウムイオンバッテリーセルで構成されたもの。もちろんその安全性は十分に担保されており、クラッシュ時などにはそれ自身が安全構造体としての役割も担う。気になる最大容量は123kWhで重量は約790kg。DC400Vからの15分間の充電で206km、もしくは219kmの航続距離を伸ばすことができる。また、このサイバートラックは、停車時にはクルマから家に電気を供給する「ビークル・ツー・ホーム」機能を備えているのも特徴だ。 全長×全幅×全高で5682.9×2413.1×1790.8mmというボディが演出するサイズ感は、直線を基調としたボディデザインが採用されていることもあり、この日本ではかなり大きな印象を受ける。これはボディパネルがウルトラハードステンレススチールエクソスケルトンという、非常に加工の難しいステンレス系の素材で作られていることに理由があり、その強靭さと未来的な感覚は、仮に日本に導入されることがあれば、新たなアーリーアダプターに大きな人気を呼びそうな予感を抱かせてくれた。参考までにデッキの最大収納力は3423.5L、また最大牽引力は4990kgを誇る。 じっさいの運動性能にも、この車重から考えると魅力的に思える数字が並ぶ。0-96km/h加速はもっとも強力なサイバービーストが2.6秒。4WDでも4.1秒、シングルモーターのRWDでも6.5秒でそれを走り抜いてしまうのだ。サスペンションにはセルフレベリング機能を持つエアサスペンションを採用。最大で10度の操舵が可能な後輪駆動システムは、混雑した市街地などでは大いに役立つだろう。 アメリカではサイバービーストで9万9990ドル、AWDが7万9990ドル、RWDは6万990ドルと値づけられているテスラ・サイバートラック。はたしてそのステアリングを、日本で握ることができる日はやってくるだろうか。

TAG: #TESLA #トラック #輸入車
TEXT:TET 編集部
EV3車種で国内最高峰の壁に挑む! 日産のTVCM・特別ムービー「THE WALL篇」を公開

日産の新たなCMを見逃すな! 日産自動車は、電気自動車「サクラ」、「リーフ」、「アリア」の3車種でレーシングドライバーの千代勝正選手、高星明誠選手、プロドライバーのシルビア氏が国内最高峰のバンク走行にチャレンジした新TVCM『THE WALL篇』を、2024年2月16日より全国でオンエアする。 日産が電気自動車に対して感じているイメージや魅力についての調査を実施すると、先進的・革新的なイメージを約7割の方が持つ一方で、加速感や走りについてはいまだ懐疑的だという声があがった。 この結果を受けて、日産の電気自動車がパワフルな加速力やドライバーをワクワクさせる走行性能を備えていることをより多くの方に伝えるべく、リーフとジェット機との加速力対決を行うTVCM『日産 電気自動車 vs JET篇』を公開した。 そして今回はリーフに加えて、軽自動車のサクラとクロスオーバーSUVのアリアの3車種で国内最高峰のバンク走行にチャレンジする新TVCM『THE WALL篇』を制作。 なお、今回のチャレンジに参加した3名のドライバーがチャレンジの様子を紹介する特別ムービーも、日産自動車公式YouTubeチャンネルにて公開されている。

TAG: #CM #NISSAN #アリア
TEXT:TET 編集部
EV生活をスマートにこなすなら自宅充電の「映え」にもこだわりたい! リクシルからスタイリッシュな充電器が誕生

住宅周辺機器メーカーならではの「自宅と調和する充電器」 現在、充電機器メーカー各社からリリースされている自宅用充電設備は、建物の外観に馴染むようにデザイン的配慮がなされているものの、どうも機械然とした佇まいに異物感を感じるという方は多いのではないだろうか。 住宅周辺機器の大手メーカーであるリクシルが2024年3月1日に発売する「EV充電器」と「EVコンセントポール」は、住宅周辺機器メーカーとしての知見とデザインセンスを取り入れ、同社の住宅用エクステリア製品と組み合わせることで、より一層住宅の外観に馴染むようデザインされた充電設備となっている。 リクシルの「EV充電器」は、充電ケーブルが搭載されており時短充電が可能な6kWタイプと、スタンダードな3kWタイプの2種類が用意される。「EVコンセントポール」は、自身で用意した充電ケーブルを使用することができる、EV・PHEV充電用コンセントのポールとなっている。 今回発売されるふたつの製品は、リクシルのデザイナーズパーツ枕木材を使ったポールのため、エクステリア製品の枕木材と並べてコーディネートすることが可能だ。また、ポールタイプなので、自宅駐車スペースの自由な位置に設置することができ、スタイリッシュな外観づくりにも貢献してくれる。 それぞれの製品の詳細は以下の通りだ。 「EV充電器」は充電器本体に充電ケーブルを搭載した製品で、充電用コネクタをクルマに差し込むだけで充電することができる。仕様は時短充電を可能にした6kWタイプとスタンダードな3kWタイプに分かれ、必要に応じてどちらかを選ぶことになる。 カラーラインアップは本体カラーが1色、ポールのカラーは6色設定されていて、使用環境や好みに合わせて枕木材や機能門柱と組み合わせることで外観をコーディネートできる。 もう一方の「EVコンセントポール」は、車載の充電ケーブルや自身で購入した充電ケーブルを使用することで、本体価格を抑えたコンセントポールだ。ポールタイプだから好みの場所に設置でき、制御器ホルダやコネクタホルダなどのアクセサリの取り付けが可能となっている。EV・PHEV充電用屋外コンセントはAC200VもしくははAC100Vから選択が可能。 また、コネクタホルダはダイヤルロック付きで、コネクタを保持することができるほか、ホルダの取付位置を変更することができるため、自宅の外観や駐車位置、自車の充電口に合わせてコーディネートできる自由度を持つ。 リクシルのデザイナーズパーツの枕木材100角と同じサイズのため、並べて使用することで自分好みの外観づくりができる。こちらのカラーラインアップも、本体カラー1色、ポールカラー6色の展開となる。 発売は3月1日からで、EV充電器の価格は、6kWタイプのアルミ色が38万7000円、木調色が39万7000円。3kWタイプのアルミ色が32万5000円、木調色が33万5000円だ。 充電ケーブルを自身で用意するEVコンセントポールは、AC200V仕様の場合でアルミ色が5万5600円、木調色が7万1600円。 EVユーザーで戸建て住宅の新築、リフォームを検討中の方は、自宅外観と調和したスタイリッシュな充電環境の整備に、この製品の導入を検討してみてはいかがだろうか。

TAG: #EV充電器 #リクシル #普通充電
TEXT:TET 編集部
「Vintage Club by KINTO」が「AE86 BEV Concept」に試乗できる企画を実施!

抽選の申し込みを受付中! 株式会社KINTOは旧車コミュニティ「Vintage Club by KINTO」で、トヨタ自動車が東京オートサロン2023および2024で公開した電気自動車「AE86 BEV Concept」に乗れる企画を実施する。 事前の抽選に当選した方限定で約3時間の試乗が可能。トヨタ自動車の開発スタッフから直接車両の特徴や、車両への想いについて聞くこともできるという。 日程は2024年3月13日(水)~4月24日(水)の期間中の毎週水曜/土曜(祝日含む)、時間は13~16時、場所はトヨタ会館(愛知県豊田市トヨタ町1)。参加費用は税込み2万円だ。 抽選の申し込み期間は2024年2月13日(火)~2月26日(月)。なお、申し込みをした方全員に「AE86 BEV Concept NFT画像」がプレゼントされる。 申し込みはコチラから 「AE86 BEV Concept」はLEXUSで培ってきた電動化ノウハウを活用し、AE86のボディや車重の軽さ、前後の重量のバランスは維持しつつも、BEVの特徴である高い駆動力やマニュアルトランスミッションの採用により、従来以上の「走りの楽しさ」を感じられる車両を目指してトヨタ自動車が開発。初出展となった東京オートサロン2023以降、トヨタ自動車が開発を続け、出力・トルクともに向上している。 「AE86 BEV Concept」は直近だと、2024年2月17日(土)~18日(日)にパシフィコ横浜で開催される「第14回 Nostalgic 2days 2024」のVintage Clubブースで目にすることができる。 ぜひ今回の企画や「AE86 BEV Concept」に注目してみてほしい!

TAG: #AE86 BEV Concept #KINTO
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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