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TEXT:烏山 大輔
中央電力、月額3,000円で充電し放題のマンション向けEV充電サービスを開始

中央電力(東京都千代田区)は、7月5日より業界初と謳う「月額3,000円の定額制マンション専有区画向けEV充電サービス」の提供を開始したと発表した。同社の「マンション防災サービス」を導入するマンションが対象で、駐車場は平置き限定だ。 マンション管理組合にかかる初期費用・ランニングコストは無料で、初回工事の際にはマンション1棟につき最大10基の充電器(4kWタイプの予定)が設置される。EV・PHEVを所有する居住者の増加に合わせ、充電器の増設にも対応する。 利用者は月額3,000円の定額で、いつでも専有区画の充電器を利用できる。充電のために外出したり、アプリから充電の予約をしたり、充電の順番待ちをしたりする手間と時間が不要になる。 このサービスの充電に使用する電力は、マンション敷地内に設置した太陽光発電システムで発電したものを使用するため、実質再生エネルギー100%になる。マンション1棟あたり年間約8トンのCO2削減が可能となる計算(充電器10基の場合)だ。カーボンニュートラル実現にも貢献できる。 マンション防災サービスは、中央電力が無料で太陽光発電システムと蓄電池を設置する。万が一の災害の際に停電になっても、給水ポンプが稼働し飲料水とトイレの確保ができる、エレベーターも稼働するので移動や物資の運搬にも役立つ、駐車場に電動のシャッターやゲートがある場合も車の入出庫が可能になるなどのメリットがある。

TAG: #BEV #充電 #充電インフラ
TEXT:烏山 大輔
パワーエックスの蓄電池型急速充電器「Hypercharger」がCHAdeMO認証を取得

パワーエックスは7月14日、同社の蓄電池型急速充電器Hyperchargerが国際標準規格 CHAdeMO の最新プロトコルである2.0.1認証を取得したと発表した。今夏より同社のEVチャージステーションなどに設置する予定だ。 Hyperchargerは、蓄電池を内蔵しているため、高圧変電設備が無くても最大240kWという急速充電が可能。 具体的には、通常の急速充電器は高圧鉄塔(電柱ではない)からAC(交流)6600Vの電気を引き込む高圧充電契約が必要で、その電気を高圧受電設備でAC6600VからAC200V/400Vにし、変電器でDC(直流)に変換、急速充電器に供給して電気自動車への充電という段階を踏む。 一方、Hyperchargerは、流れがスタート時点から異なっており、電柱から商用低圧契約のAC200V/400Vの電気をそのままHyperchargerに供給し、蓄電池内でACからDCに変電、電気自動車へ充電するシンプルなものだ。再生可能エネルギーを溜めて電気自動車の充電に使うこともできる。 Hyperchargerは、変電器、パワコン、充電器を備えたオールインワン蓄電池で、低圧契約で使用可能なので、高額な高圧契約のコストがかからず、「簡単な工事」で設置できるとされるため工事費用も節約できる。 同製品は、蓄電池容量が179kWhで充電ポートが1口の「Compact」と蓄電池容量が358kWhで充電ポートが2口の「Standard」の2種類を用意する。両方とも120kWの連続出力が可能で、10分間だけ150kWで出力するブーストモード(Standardは1ポートのみの対応)も備える。 今後のアップデートで最大240kW対応となること、非常時の BCP(事業継続計画)電源としても使える双方向電力機能が追加予定であることも発表された。

TAG: #パワーエックス #急速充電器
TEXT:TET 編集部
ポルシェ、オープンスポーツのコンセプトEV、ビジョン357スピードスターを発表。356にオマージュ

独ポルシェは7月13日、イギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、新しい電動スポーツカーのコンセプトモデル「ビジョン357スピードスター」をお披露目した。 ビジョン357クーペに対してパワートレーンをEV化 今回ポルシェが製作したビジョン357スピードスターは、その名が示すとおり、今年1月に公開されたコンセプトカー「ビジョン357」(クーペ)のオープントップバージョンだ。ビジョン357はポルシェ初のスポーツカーとして1948年に登場した「356」にオマージュを捧げる2ドアクーペコンセプトで、現行ポルシェの中でも特別スパルタンな「718ケイマンGT4 RS」をベースとしていた。 ポルシェでは、ビジョン357をオープントップ化するあたり、パワートレーンも大胆に換装。ミッドシップレイアウトされた500psを発生する4.0リッター直6ガソリンエンジンは、モーターとバッテリーに置き換えられ、ビジョン357スピードスターは完全なバッテリー電気自動車(BEV)となっている。 詳しいスペックは公開されていないが、モーターとバッテリーのテクノロジーは2021年に公開された電動レーシングカーコンセプト「ミッションR」に、シャシーは「718 GT4クラブスポーツ」に、それぞれ由来するという。参考までミッションRはツインモーターで全輪を駆動し、そのパワーは最大で1,088psに達するモンスターマシンだったから、ビジョン357スピードスターもほぼ同等のスペックを備えている可能性がある。 そして、ポルシェ伝統のスピードスタースタイルを採用したことも、このコンセプトカーの大きなトピック。というのも、低いウインドウシールドに簡素な幌を持つスピードスターは、ポルシェの元祖たる356にも設定されたスポーツカーならではのボディスタイルで、ブランドのルーツを表現するビジョン357としてこれほどふさわしいバリエーションはないからだ。 >>>次ページ ケイマン/ボクスターのEV版を示唆か

TAG: #スーパースポーツ #テクノロジー #海外ニュース
TEXT:烏山 大輔
環境エネルギー・リユース事業を手掛ける永輝商事、EV用充電器を販売へ

環境エネルギー・リユース事業を展開する永輝商事は、EV(電気自動車)市場の拡大を背景にEV用充電器の需要が増加することに着目し、EV用充電器の販売事業への参入を発表した。展開するのは、仏IES Synergy社製の充電器だ。 取扱充電器とその特徴 IES Synergy社は、フランスで1992年に設立されたEV用充電器メーカー。先進的かつ多用途、ユニバーサルなモビリティソリューションを標榜し、製品展開を行なっている。 永輝商事によると、耐久性と持続可能性を兼ね備えたIES Synergy社EV用充電器は、日本市場に適した製品であるとしている。 取り扱う充電器は3つあり、いずれもOCPP1.6対応でSmart charge(従量課金対応可)とのこと。 Wallbox G3_CHAdeMO 24kWの急速充電器。壁掛けも可能なコンパクト構造で、独自開発のフィルターなしの設計でメンテナンスフリーな充電器。 インテリジェントACチャージ 左:スタンダード(NEO-07-C,4inch LCDパネルタイプ) 右:プレミアム(NEO-07-P,7inch タッチパネルタイプ) 6kWの普通充電器。デザイン・操作ともシンプルで、屋外使用に適した堅牢な設計が特徴。APPで充電予約や深夜充電、充電停止などの遠隔制御が可能。 180kW Station Dual_CHAdeMO 180kWの急速充電器。デュアル口で同時に2台の車の充電ができる。また、超急速で充電時間の短縮が可能。 バーチャルパワープラント市場へ 永輝商事は、急速充電器からEV用充電器市場に参入し、その範囲を普通充電器市場にも拡大していく計画だ。長期的な目標として、バーチャルパワープラント※(VPP)市場への足がかりを確立することを目指す。 (※再生可能エネルギーや蓄電池、電気自動車など小規模なエネルギーリソースを、IT技術を用いて制御し、ひとつの大きな発電所のように機能させる技術のこと) EV充電器の市場拡大を図るうえで、各地の自治体や企業との連携も積極的に進めていくという。

TAG: #IES Synergy #充電器 #永輝商事
TEXT:烏山 大輔
ヒョンデ、ドリフトもできるアイオニック5 Nをグッドウッドで発表。650psのハイパワーBEV

ヒョンデの高性能ブランド 「N」から初のBEV(バッテリー電気自動車)である「アイオニック5 N」が発表された。ヒョンデは今後も「電動化された、いくつものNモデル」の登場を計画している。 Nブランドの電動化の一歩目 ヒョンデ・モビリティ・ジャパンの記者会見などでもその存在が関係者から語られていたアイオニック5 Nのデビューの舞台は、イギリス伝統のイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」だった。 今年5月にもイタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2023において「N Vision 74 Concept」を披露するなど、ヒョンデのグローバルでのプロモーションの巧さと力の入りようを感じる。 日本に再参入し、アイオニック5とネッソの販売台数はまだ4桁には届いていないと思われるが、ヒョンデはグローバルではトヨタ、フォルクスワーゲンに次いで第3位の販売台数を記録している。日本市場での数字だけを見ていてはヒョンデの世界的な動きを見失うだろう。 今秋、日本への導入が予定される「コナ」(N モデルは設定されているが日本に入るかは未定)は、アイオニック5よりもリーズナブルな価格設定になるであろうから販売状況もより勢いが増すはずだ。アイオニック5 Nとコナの日本での正式発表を待ちたい。 なお、アイオニック5 Nは下記の通り相当な追加装備と機能があり、ボディにも手が加えられている。現状のアイオニック5のトップグレードであるLounge AWDが599万円であることを踏まえると750万円を下回ることはないのではと予想する。 ドリフトとコーナリング性能の向上のために ヒョンデがアイオニック5を「ドリフトできる電気自動車」に仕上げるにあたって重要視したのは、過激な走りに負けないボディを作り上げることだったようだ。リリースで最初に書かれていることからも彼らの思い入れが伝わってくる。ヒョンデは2014年からWRCに参戦し、2019年にマニファクチャラーズチャンピオンに輝いた。そのレースで得た経験が、アイオニック5 Nのボディ開発に生かされているのかもしれない。 アイオニック5 Nでは、ベースモデルのアイオニック5(305ps)の倍以上となるモーターパワー(478kW/650ps)と、車体にストレスがかかるドリフト走行にも耐えられるように、42箇所におよぶ追加溶接と2.1mの追加接着剤によるホワイトボディ構造の強化、モーターとバッテリー取り付け部の強化、フロントとリアのサブフレームの側面剛性アップを実施。21インチ鍛造アルミホイールによりバネ下重量の軽減も図った。 BEVならではの機能として、減速時にモーターを発電機として使い、その時の抵抗で減速Gを生成する回生ブレーキがあるが、アイオニック5にも回生ブレーキを使った、いわゆるワンペダルドライブが可能なi-Pedalが装備されている。 このi-Pedalの回生ブレーキシステムを応用したのが「N Pedal」だ。同システムはエネルギー回生効率よりもコーナリング性能を優先したもので、減速Gを利用した荷重移動によりシャープなコーナーへの進入を可能とする。さらに回生ブレーキは、メインのブレーキとして機能し、必要に応じて機械式ブレーキがブレーキ力を補う仕組みとなっている。これによりサーキット走行時には、機械式ブレーキの耐久性向上に寄与するようだ。 N専用の回生ブレーキは、ヒョンデが「業界トップレベル」と謳う最大0.6Gの減速力を発揮し、ABS作動下でも最大0.2Gの減速力を維持する。さらにサーキット走行に左足ブレーキを使用する場合など、ブレーキペダルとアクセルペダルの同時操作も可能だ。 機械式ブレーキのアップグレードも忘れていない。アイオニック5 Nは、ヒョンデ最強を誇るブレーキシステム「N チューンド・ブレーキ」を採用する。直径400mmの大径フロントディスクに4ピストン・モノブロックキャリパー、リアには360mm径のディスクブレーキを搭載している。 ドリフト走行をサポートする「N ドリフトオプティマイザー」は、テールスライド時にドリフトアングルを維持するのに役立つ機能。後輪駆動のMT車のクラッチ・キック・アクションを模倣した、トルク・キック・ドリフト機能により、即座にドリフト体勢に持ち込むことが可能という。 N トルク・ディストリビューションは、フロントとリアのトルク配分を11段階に調整可能で、さらにリアアクスルのe-LSD(電子制御リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)が、コーナリング性能とコントロール性を最適化する。

TAG: #アイオニック5 N #ヒョンデ
TEXT:烏山 大輔
アルピーヌ、2030年までに7台のBEVを発売すると発表

アルピーヌは、来年から2030年までに7台のBEV(バッテリー電気自動車)新モデルを発売すると発表した。 まず、今年5月にショーカーが公開されたA290は早ければ来年登場予定だ。ルノー5および4のCMFB-EVプラットフォームをベースにしたBセグメント車である。Cセグメント車のクロスオーバーGTは、2025年からフランスのマニュファクチュール・アルピーヌ・ディエップ・ジャン・レデレ工場で生産される予定だ。 そして2017年から始まった新生アルピーヌを支えたA110は、2026年末までに同ブランド独自のAPP(アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム)を基に100%電気自動車として生まれ変わる。 このAPPは長さや幅を必要に応じて調整することができるため、A110ベースのロードスターや新しい4シータースポーツクーペであるA310などにも採用される見込みだ。 DおよびEセグメントに属する車両も2030年までにラインナップに加わる予定だ。 BEVを引っ提げ、新たな市場へ挑戦 そして、このフランスブランドは、一連のBEV戦略により、2026年に損益分岐点を黒字に転換させ、2027年からは米国などの新市場にも挑戦していく意欲的な目標を示した。 今回のリリースとともに公開された写真は、7台がV字型に並びDRL(デイタイム・ランニング・ライト)が点灯している。本来であればクルマの後ろ側は、テールランプの赤に光るはずだがブルーになっている。このブルーはブランドのイメージカラーであると同時に、この7台にかける熱い想いを象徴する青い炎のようにも思える。 2021年からF1でライバルと鎬を削っているアルピーヌは、来年からは新たにWECのハイパーカークラスにも参戦予定だ。世界最高峰のレースで戦うこのブランドからどういったBEVが生み出されるのか。今後のリリースに注目していきたい。

TAG: #A290 #アルピーヌ
TEXT:生方 聡
「BYD アット3」のCEV補助金が満額の85万円に増額

アット3のCEV補助金が85万円から65万円に減額されていた BYD Auto Japanは、同社が2023年1月から日本で販売しているコンパクトSUVタイプのEV「BYD ATTO 3(アット3)」が国土交通省の型式指定認証を取得したことを受けて、「クリーンエネルギー自動車購入補助」(以下、CEV補助金)が満額の85万円の対象車両となったと発表した。 現在、一般社団法人 次世代自動車振興センターは、令和4年度補正予算のCEV補助金を受け付けている。電力消費率や一充電走行距離などが一定の基準を満たした普通自動車のEVでは、外部給電機能がない場合は65万円、外部給電機能がある場合は20万円アップの85万円を上限に補助が受けられる。 アット3は電力消費率や一充電走行距離が基準を満たしているうえ、自宅に給電するV2Hと、家電などに給電するV2Lの機能をともに備えており、令和4年度CEV補助金では85万円の補助対象車になっていた。ところが、令和4年度補正予算では65万円に引き下げられていたのだ。 アット3が300万円以下で買えるかも! これまでアット3は、「PHP(Preferential Handling Procedure)」と呼ばれる認証制度を利用していた。これは年間の販売台数が5,000台以内の輸入車に対して特別に設けられた認証制度で、型式指定に比べて簡素な手続きで販売できるというメリットがある。 一方、令和4年度補正予算ではCEV補助金の条件が一部変更になり、外部給電機能がある場合に20万円の上乗せを受けるには、型式指定自動車の取得が必要になった。 そのため、型式指定を取得していないアット3は、外部給電機能があるにもかかわらずCEV補助金が65万円に減額となっていたのだ。これに対して、BYD Auto Japanは、「なるべく早期にBYD アット3の型式指定を取得するべく準備を進めています」(広報部)と話していたが、2023年6月28日に国土交通省から認可を取得し、CEV補助金が85万円に復活したというわけだ。なお、中国の自動車ブランドが型式指定認証を取得するのは今回が初だという。 では、アット3を個人が東京都で購入した場合の補助金はいくらになるだろうか? 前述のとおり、CEV補助金は85万円。これに加えて、東京都の「電気自動車等の普及促進事業の助成金」は、外部給電機能がある場合は45万円になる。さらに区市町村独自の補助金もあり、たとえば葛飾区ではEVの購入に対して25万円の補助が受けられる。これらを合わせると補助金の額は155万円になり、440万円のアット3が実質285万円で手に入ることになるのだ。コンパクトSUVタイプのEVとして不満のない性能を備えることを考えると、この求めやすさは、アット3の購入をさらに後押しすることになるだろう。

TAG: #BYD #アット3 #補助金
TEXT:烏山 大輔
BMWジャパン、5シリーズ初の電気自動車「i5」を発売、価格は998万円から

ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は7月13日、新型5シリーズの電気自動車(BEV)版「i5」を発売した。納車開始は2023年第4四半期以降を予定する。これまでもTHE EV TIMESでは、ドイツ本国での発表とその詳報、日本での初回限定車の予約受付についてをお伝えしてきた。今回いよいよ正式に発売された。 価格は、RWDの「eDrive40」が998万円、AWDの「M60 xDrive」が1,548万円だ。 「eDrive40」はExcellenceとM Sportの2グレード展開だが仕様表を見る限り、M Sportグレードのステアリングが、M スポーツ・ステアリング・ホイールになるなど内外装デザインの差のみとなるようで、サスペンションやバッテリー、モーターなど走行性能に関わる部分は共通だ。 新型5シリーズは、2Lの直列4気筒エンジンを搭載するガソリンモデルとディーゼルモデルもラインナップされるが、現時点でパフォーマンス面でも価格的にもトップグレードである「M60 xDrive」は、601ps、820Nmのパワートレインで、0-100km/h加速3.8秒(ヨーロッパ仕様値)を誇る。 「バイエルン“エンジン”製造会社」の名にかけて、新型のM5がどこまで「M60 xDrive」に迫る、もしくは上回ってくる性能としてくるのかが楽しみだ。 i5 eDrive40 全長:5,060mm ※ 全幅:1,900mm ※ 全高:1,515mm ※ ホイールベース:2,995mm ※ 車両重量:2,205kg ※ 乗車定員:5名 一充電走行距離:477-582km ※ 最高出力:250kW(340ps)※ 最大トルク:430Nm ※ バッテリー総電力量:81.2kWh ※ モーター数:後1基 駆動方式:RWD フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前後245/45R19 荷室容量:490L ※ 車両本体価格:998万円 0-100km/h加速:6.0秒 ※ ※:ヨーロッパ仕様値 i5 M60 xDrive 全長:5,060mm ※ 全幅:1,900mm ※ 全高:1,515mm ※ […]

TAG: #BMW #i5 eDrive40 #i5 M60 xDrive
TEXT:TET 編集部
2024〜2025年に市販化。ケータハム、電動スポーツクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表

日本の自動車ディーラーグループ、VTホールディングス傘下の英「ケータハム」は7月12日、オールエレクトリック・クーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表した。 軽量化技術により車重1,190kgを実現 スパルタンなスポーツモデル「スーパーセブン」を長年作り続けてきたケータハムが、電動化時代の幕開けを告げる新型クーペを誕生させる。事前予告を経てこのたび発表した「プロジェクトV」は、2025年後半から2026年前半に市場投入される新型EVのデザインコンセプト。このまま市販化されてもおかしくない完成度の高さを見せる。 ボディサイズは全長4,255mm、全幅1,893mm、全高1,226mmで、これはアルピーヌ「A110」を10センチ程ワイドにしたサイズ感だ。大きく膨らんだフロントフェンダー周りの造形や、張り出したリアホイールアーチなどが数値以上にふくよかな印象を与える。 デザインは、イタルデザインとの協業により実現したもの。そのエレガンスな佇まいは、ケータハム・デザインが新たな局面を迎えることを予感させる。 機関面では、スーパーセブン同様にケータハムらしい「軽量かつシンプル」なクルマ作りの哲学が貫かれている。シャシーとボディワークはカーボンファイバーとアルミニウムの複合構造とされ、EVながら車重は1,190kg(目標値)と実に軽量に仕上げられる。参考までにボディサイズが近い内燃機関車(ICE)のアルピーヌA110は1,100kg強であり、重量のかさむバッテリーを積みつつもこの車重が実現すれば、プロジェクトVの高い運動性能は約束されたようなものだろう。 パワートレインは、リアアクスルに搭載する200kW(272ps)のシングルモーターと55kWhリチウムイオン・バッテリーを組み合わせており、0-100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/hとされる。また、航続距離(WLTPモード)は400kmに達するとのことでロングドライブにも対応する。さらに、150kWのDC急速充電器を使えば、15分間で残量20%から80%にまで充電可能とのことだ。 >>>次ページ 英国価格での目標価格は1,450万円ほど

TAG: ##プロジェクトV #スポーツカー #ニューモデル
TEXT:烏山 大輔
横浜ゴム、EV専用タイヤ「ADVAN Sport EV」を発売。電動車対応タイヤを示す独自のマーク「E+」も導入

横浜ゴムは、2023年秋頃から欧州などで、EV専用のウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を順次発売する計画を発表した。サイズは18インチ〜22インチ、16サイズを予定している。 ハイパフォーマンス向けタイヤからデザイン・技術を踏襲 「ADVAN Sport EV」は、横浜ゴムが提供するハイパフォーマンスカー向けタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイイチマルナナ)」を基に、EVや電動車の代表的なニーズである「低電費」と「静粛性」に応えるために開発したタイヤだ。 横浜ゴムはすでに、BMWやメルセデスAMGなどのプレミアムEVを含む様々な電動車に対して新車装着用タイヤを供給しており、「ADVAN Sport EV」にはこれまでの開発で培った技術を注ぎ込んでいる。 「低電費」に関しては、低転がり抵抗のコンパウンドを採用することで航続距離の伸長を図っている。また、ウェット性能も高く、濡れた路面でも安全性を提供する。 「静粛性」については、専用設計のポリウレタンフォーム「SILENTFOAM(サイレントフォーム)」をタイヤの内面に貼り付けることで、路面の凹凸による空洞共鳴音を低減し、ノイズを減らして快適な車内空間を実現する。タイヤサイドには「SILENTFOAM」の刻印がある。 また、トレッドパターンは、ハイパフォーマンスカー向けのOEタイヤおよび市販用タイヤとして評価の高い「ADVAN Sport V107」のデザインを踏襲している。 EV対応商品であることを示す独自のマーク「E+」を導入 さらに、「ADVAN Sport EV」は、横浜ゴムが電動車に対応する商品を示すために採用する独自のマーク「E+(イー・プラス)」を持つ最初のタイヤとなる。 電動車に装着されるタイヤには、バッテリー搭載による高荷重やモーターによる高トルク出力への対応、エンジン音のない静かな電動車にふさわしい静粛性への対応、車両の電費・エネルギー消費効率向上、航続距離拡大への対応など特徴的なニーズがある。 この「E+」マークは、電動車の特徴的なニーズに対応する技術を搭載したタイヤに対して、タイヤサイドにマークを付けるだけでなく、カタログやウェブサイトなどで表示し、顧客のタイヤ選びをサポートする役割も果たす。 横浜ゴムは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)において、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、および「ウィンタータイヤ」の販売構成比率の最大化を目指していくことを発表済み。その実現のため、「ADVAN」と「GEOLANDAR」の新車装着を拡大し、商品開発に力を入れていくという。 「ADVAN Sport EV」発売サイズ

TAG: #タイヤ #横浜ゴム
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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