TET 編集部 記事一覧

TEXT:TET 編集部
2024〜2025年に市販化。ケータハム、電動スポーツクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表

日本の自動車ディーラーグループ、VTホールディングス傘下の英「ケータハム」は7月12日、オールエレクトリック・クーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表した。 軽量化技術により車重1,190kgを実現 スパルタンなスポーツモデル「スーパーセブン」を長年作り続けてきたケータハムが、電動化時代の幕開けを告げる新型クーペを誕生させる。事前予告を経てこのたび発表した「プロジェクトV」は、2025年後半から2026年前半に市場投入される新型EVのデザインコンセプト。このまま市販化されてもおかしくない完成度の高さを見せる。 ボディサイズは全長4,255mm、全幅1,893mm、全高1,226mmで、これはアルピーヌ「A110」を10センチ程ワイドにしたサイズ感だ。大きく膨らんだフロントフェンダー周りの造形や、張り出したリアホイールアーチなどが数値以上にふくよかな印象を与える。 デザインは、イタルデザインとの協業により実現したもの。そのエレガンスな佇まいは、ケータハム・デザインが新たな局面を迎えることを予感させる。 機関面では、スーパーセブン同様にケータハムらしい「軽量かつシンプル」なクルマ作りの哲学が貫かれている。シャシーとボディワークはカーボンファイバーとアルミニウムの複合構造とされ、EVながら車重は1,190kg(目標値)と実に軽量に仕上げられる。参考までにボディサイズが近い内燃機関車(ICE)のアルピーヌA110は1,100kg強であり、重量のかさむバッテリーを積みつつもこの車重が実現すれば、プロジェクトVの高い運動性能は約束されたようなものだろう。 パワートレインは、リアアクスルに搭載する200kW(272ps)のシングルモーターと55kWhリチウムイオン・バッテリーを組み合わせており、0-100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/hとされる。また、航続距離(WLTPモード)は400kmに達するとのことでロングドライブにも対応する。さらに、150kWのDC急速充電器を使えば、15分間で残量20%から80%にまで充電可能とのことだ。 >>>次ページ 英国価格での目標価格は1,450万円ほど

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「モビリティ水素官民協議会の中間とりまとめ」資料より抜粋(出典=経済産業省)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「FCEV普及の見通しが不明で投資計画が立たない」……経産省、官民協議会の中間報告を公表[2023.07.13]

問題点の洗い出しと将来に向けての現実的な議論を確認 中距離・高稼働のFCEVについては35MPaの低圧車載タンクが有用 【THE 視点】経済産業省は7月11日、「モビリティ水素官民協議会の中間とりまとめ」を公表した。 モビリティにおける水素の普及に向けて、2022年9月より水素供給側・自動車メーカー側・物流事業者側・荷主側・国・地方自治体が一体となって将来像を共有し、必要な政策を議論する検討会を行っている。 2023年6月に水素基本戦略の改定があったことを踏まえ、現状の打破に向けて各団体が一定の前提の元に将来の見通しと普及に向けた課題を共有したのが、この度の中間とりまとめと言える。 燃料電池車(FCEV)は、電力を作るための水素の充てん時間が短く航続距離が⻑いといった強みを有している。それを踏まえて走行距離と稼働時間が長い商用車の分野では、FCEVがバッテリー式のEVよりも有用であることは、世界的な常識になりつつあり、欧米でも商用車へのFCEVの導入が加速しつつある。 しかし、自動車メーカーと物流・荷主企業・水素供給企業は、各々がFCEVの需要の見通し、FCEVと水素ステーションの普及台数見通しが不明というのが現状で、投資計画が立てられないといった三すくみの状態となっている。具体例を挙げれば、⾞両や⽔素の価格が高額な点や⽔素ステーションの整備が進まないなどの課題が挙げられる。 今後は野⼼的な導⼊⽬標を策定するとともに、現在は未策定のトラック(8トン超)の転換⽬標や、充填インフラの導⼊プランの設定を検討していくという。 また「⽔素基本戦略」の改定も踏まえて各ステークホルダーへのさらなるヒアリングを行ない、⾞両導⼊価格やランニングコストの低減、商⽤⾞に対応する⽔素ステーションの整備や設備のマルチ化と運営費低減、高い需要が⾒込まれる地域の選定等を⾏っていくという。 FCEVを日常利用する筆者は、電動車としてはエネルギー源(水素)の充填時間が短いという利点は十分に理解している。そして問題だと感じてきた商用車用ステーションの整備不足が、今回の発表で明るみに出たと捉えている。 また、FCEVに搭載する水素用タンクは、これまで70Mpaの高圧がひとつの基準のように扱われてきたが、中近距離を⾼稼働⾛⾏するモビリティについては、35MPaの低圧タンクの導入が有用との報告もあり、方向転換ともいえる内容を発表している。 高圧水素の充填は、それだけ電力のコストもかかっている。低圧にすればそれを低減できることになり、水素価格の抑制に繋げられるだろう。このあたりの議論も行われるようになったのは嬉しい。今回の発表はもちろんこれだけではないのだが、普及に向けた本気度が感じとれる中間とりまとめだった。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ケータハム、クーペの新型EVコンセプトカーボン「プロジェクトV」を発表……2025年後半から2026年前半に発売予定[詳細はこちら<click>] ★★横浜ゴム、EV用サマータイヤ「アドバン・スポーツEV」を発売……2023年秋頃より欧州で発売、16サイズを予定[詳細はこちら<click>] ★★アルピーヌ、2023年に新型「A310」を含む新型EVを7車種発表……独自のEV用プラットフォームを開発へ ★パワーエックス、北海道室蘭市と連携協定を締結……室蘭港にて電気運搬船および蓄電池を活用 ★ホンダ、経産省の実証事業「令和5年度 蓄電池等分散型エネルギーリソース次世代技術構築実証事業」に参画……東京電力など計13社による事業、潜在的なエネルギーソースであるEVなどを活用 ★メルセデス・ベンツUSA、2023年4月〜6月期のEVの売り上げが増進……「EQ」シリーズ全体で1万1,927台を販売、前年同時期比608%増 ★永輝商事、フランス「IES Synergy」のEV用充電器を輸入販売……最高出力6kWタイプの小型普通充電器から180kWの大型急速充電器まで計3機種を用意 ★エネチェンジ、スーツ専門店のアオキにEV用充電器を設置……神奈川県内の2店舗(AOKI横浜三ツ境店<横浜市瀬谷区>/津久井城山店<相模原市緑区>)に最高出力6kWのタイプを1基ずつ ★アウディ、鹿児島県屋久島町にて「e-tron」のレンタカーサービスを開始……屋久島町と連携し脱炭素化を支援、役場の公用車に「e-tron」を1台貸与など[関連記事はこちら<click>] ★日本郵船、中国にて大型EVトラックを使用した実証実験を開始……日系現地法人のパナソニック四維、三井住友海上火災中国と共同、自動車物流事業に導入 ★リョービ、6000トンのダイカストマシン「ギガキャスト」を導入……自動車用のバッテリーケースを生産可能 ★日揮HD、オーストラリアにて水素製造プラントを受注……住友商事の現地法人から受注、年産250トンの水素を製造 ★BMW、芸術家のマルク・ブランデンブルグ氏によるアート絵を描いた「iX1」を発表……ドイツのシュテーデル博物館との長期的なパートナーシップの一環で デイリーEVヘッドライン[2023.07.13]

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EV船「あすか」(photo=旭タンカー)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
カーボンニュートラル燃料の輸送にエコなEV船……三菱重工、新型EV輸送船「あすか」を竣工[2023.07.12]

カーボンフリー燃料の輸送をエコに実施してこそCO2削減に効果 見た目からはわからぬ最新鋭のハイ・テクノロジーを搭載 【THE 視点】三菱重工は7月7日、新型のEV輸送船「あすか」が竣工したと発表した。三菱重工グループの三菱造船およびe5ラボが普及を目指す「内航標準ハイブリッドEV船」のデザインを採用した総トン数499トンのバイオマス燃料輸送船で、建造造船所の本田重工業から旭タンカーに引き渡された。 「あすか」のパワーユニットは、スクリューを回すための機構は完全電動で、電力供給用のバッテリーと発電機・制御ソフトをモジュール化して搭載している。 また、三菱造船が開発し、Marindowsを通じて内航海運への普及を目指すポータブル運航支援システム「ナビコ」も搭載。今後パイロット試験を経て2024年春からの販売を計画しているという。 見た目からは分かりづらいが、三菱造船製の高性能ツインスケグ船型を採用し、推進馬力を従来船より20%以上削減した。これによりCO2の削減に貢献でき、荷役・離着桟・入出港など港湾でのゼロエミッション・オペレーションを実現する。 また、騒音・振動の低減による船内快適性向上、高度な知識と経験を要するディーゼルエンジンの整備作業の削減、操船性向上による離着桟オペレーションの負荷低減などのメリットもあり、総じて船員の作業負荷を低減できる。 駆動するモーターは最高出力360kW(490ps)のものが2基搭載され、最高出力500kW(680ps)の発電機が2基、バッテリーは最大容量221kWhの仕様が2基で合計の容量は442kWhとなる。40kWhのバッテリーを積むEVに換算すると11台分の容量になり、ハイブリッド車の場合は40〜50台分に相当する。EVとは比べ物にならないほどの大容量である。 「あすか」のパワートレインは、自動車で言うシリーズ・ハイブリッド方式に相当する。外観からは気付かないが、CASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)に近い技術が用いられており、公開された資料によれば、「ナビコ」とは映画で見るような巨大なパネルを備えたようなものではなく、小型のタブレット端末にて操作するようだ。電動化に関連する産業構造改革は船舶業界でも起きている。 船舶においてもCO2削減は待ったなしの状態で、EVではないが推進力に風を用いる「帆船」を現代版としてアレンジした推進技術も開発されている。 「あすか」の用途はバイオマス燃料の輸送というが、その輸送に化石燃料を使用しているようでは無意味。運ぶ船も含めてカーボンフリー化して初めてエコと言えるだろう。この問題は自動車用の水素燃料の輸送にも当てはめることができる。 このような取り組みは、乗り物業界全体に増えていくだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★カワサキ、新型EVバイクを「JAIA輸入車普及イベント in 神戸」<神戸市旧居留地/7月14日(金)・15日(土)>にて公開……「ニンジャ」と「Z」ベースのプロトタイプEVバイクに加えて、自転車型の「ノスリス」3台を出展 ★★ヤマダデンキ、EV向けの充電器「ACスマートチャージャー」を全国の店舗にて発売……最高出力6kWでの充電が可能な壁掛けタイプ ★★ZF、商用EV向けのモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)「AxTrax」を欧州で発表……ラストワンマイルの小型EVから大型のトラクター・ヘッドまで幅広く対応 ★ボッシュ、欧州のトラックメーカーのイヴェコに燃料電池を供給……イヴェコ製のFCEVトラックが2023年内にデビュー、水素供給インフラの開発も推進 ★ボッシュ、ドイツ・シュトゥットガルトのフォイエルバッハ工場にて水素燃料電池を大規模生産……既存のトラックのエンジンスペースに収まるサイズ ★京急電鉄、三崎口駅前<神奈川県三浦市>に小型EVと電動キックボードのレンタルステーションを開設……小型EVは15分220円、電動キックボードは初乗り15分250円から利用可能、「ハローモビリティ」のアプリより予約 ★野村不動産、今後開発の分譲マンション「プラウドシリーズ」全物件にて全駐車区画の原則3割にEV用充電設備を導入……「プラウド青葉台」<神奈川県横浜市>では機械式駐車場の7割超えに導入予定 ★ヤマダホールディングス、プラゴと協業のEV充電インフラ事業を自社のエコ施策「ヤマダ・グリーン」に認定……7月4日より予約制のEV充電サービスを開始、買い物中にEVを継ぎ足し充電 デイリーEVヘッドライン[2023.07.12]

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「コーガ」のプロジェクトに関わる企業(photo=工学院大学)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ハイドロニューマチック・サスをソーラーカーが搭載、工学院大学が世界大会に挑むマシンを発表[2023.07.11]

数々の新技術を大学生が開発し新型ソーラーカーを製作 非電動のハイドロニューマチック・サスペンションはドライバーの負担も軽減するか 【THE 視点】工学院大学および工学院大学ソーラーチームは7月5日、「2023ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(BWSC)」<オーストラリア/10月開催>に出場するニューマシン「Koga(コーガ)」を初公開した。レースにおける空力性能の向上が図られ、搭乗者空間の拡充と低重心化を実現する新技術を搭載しているという。 工学院大学ソーラーチームは、30社を超える企業との産学連携プロジェクトとして、研究開発からレースへの参戦までを一貫して行うことで、クリーンエネルギー分野の技術革新・社会実装に取り組んでいる。 「BWSC」への参戦は今回で5度目。レースは、オーストラリア大陸を北から南へ約3,000kmの道のりを約5日間で縦断する過酷な内容。チームは、2019年の大会にて技術賞「テクニカルイノベーションアワード」(1チームのみに与えられる)を受賞しているが、前回大会を超える技術力で世界の頂点を目指すという。 「コーガ」には以下の新技術が搭載されている。 ・グランド・フレーム・サスペンション(GSF)……前輪に採用、内部フレームを必要とせずシャシー側からの支えでも操舵可能 ・リバース・タイヤ・ウォール(RTW)……後輪に採用、ボディ側面にタイヤを直接組み付けボディを支える ・ボディ直付けのホイール……「GSF」と「RTW」により実現、タイヤを支えるフレームが不要となり、狭いボディにサスペンションを格納可能。空力性能の向上と搭乗者空間の拡充・低重心化による操安性能向上の効果 ・改良型ハイドロニューマチック・サスペンション+非線形ばね……電気エネルギーを使用せずに車体のピッチ方向の姿勢を自動調整し空力が最も高い状態を維持(※テクニカルイノベーションアワード受賞の技術) 油圧と空気圧を組み合わせた「ハイドロニューマチック・サスペンション」というとシトロエンを思い浮かべるが、大学生制作のソーラーカーに採用されているのには驚いた。今回は改良型ということで、乗り心地も改善したのではないだろうか。5日間で3,000kmを走る長丁場のレースでは、ドライバーの身体への負担は相当なはずだ。疲労の軽減効果があればと願う。 また、この「BWSC」には筆者の知人がいる東海大学も参戦すると聞いている。日本の大学同士の争いも見ものだが、ブリヂストンがスポンサーの大会だけに、日本勢は是非とも上位入賞を獲得してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、ヨーロッパにて「自動車線変更機能」を導入……EVの「EQ」シリーズにも搭載、遅い車を自動で追い越し ★★ダイムラーバス、オランダ・ハーグの交通企業HTMとEVバス「メルセデス・ベンツ eシターロ」の導入を契約……2024年までに95台を納入、電動化のためのインフラの構築も ★ユビ電、EV用充電器向けのスマート分電盤「ウィーチャージ・ハブ」をアップデート……最高出力6kW〜10kWまで対応、集合住宅への導入コストも低減 ★テラモーターズ、コインパーキングへのEV用充電器の導入をサポート……補助金なしでもハードとランニングコストが無料のプランを開始 ★テラモーターズ、千葉県酒々井町にEV用充電器を設置……町役場など計4ヵ所の公共施設に ★横浜市・みなとみらい21地区での自動運転バスに関連する公募が開始……マクニカと連携し地区の価値を向上させる移動ソリューションの開発が目標、7月10日(月)〜8月09日(水)まで募集 ★東ソーと日本カーリット、グリーン水素製造用の新規触媒の研究開発がNEDOの委託事業に採択……触媒に用いる希少金属「イリジウム」に代わる「イリジウム含有マンガン酸化物」の製造方法や運転方法などを探る デイリーEVヘッドライン[2023.07.11]

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BMWモトラッド CE 02(photo=BMW)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ブランド2機種目のEVはネイキッド…BMWモトラッド、新型EVバイク「CE 02」を発表[2023.07.10]

「ホンダCB125R」のパッケージに近く遊び心は満点 日本の公式WEBにもラインナップされ国内導入は確実 【THE 視点】BMWの二輪部門であるBMWモトラッド(以下、BMW)は7月7日、新型のEVモデル「CE 02」を欧州で発表した。ブランドの3機種目にあたるモデルで、オートバイらしいネイキッドのスタイルを持つ。 BMWはこれまで、EVバイクとしては「Cエボリューション」(2017年)と「CE 04」(2022年)を導入してきた。いずれもスクーターのスタイルをとったが、「CE 02」は先にも述べたようにオーソドックスなネイキッドのスタイルをとったことがデザイン面での大きな特徴である。 都市や市街地での利用をターゲットにしていて、「eParkourer」がコンセプトだという。「Parkourer」とは「パルクーラー」と読むことができ、昨今注目を浴びているスポーツである「パルクール」が語源になろう。「CE 02」はパルクールのスタイルをバイクで表現したモデルと言え、自転車で言えばBMXが近い存在かもしれない。 「CE 02」は、ドイツ本国では免許制度に合わせモーター出力を数種類か用意するが、一番出力の大きいものは最高出力11kW(15ps)/定格出力6kW(8.2ps)で、車体重量は132kgとなる。最高出力を見ると125cc〜150ccのクラスとなるが、EVバイクの場合、定格1.0kW以上20kW未満は普通二輪となるので、「CE 02」に乗るには普通二輪免許が必要だ。ちなみにホンダの原付二種のスポーツモデル「CB125R」は、最高出力11kW(15ps)・重量130kgで、「CE 02」と同等と言える性能だ。 シャシーは、ねじり剛性に優れたダブルループ・フレームを採用。エンジン式のようなベルト駆動を採用したスイングアームも目立つ。BMWのロゴが入れられたアルミホイールにワイドタイヤを装着し、前後にディスクブレーキを採用。フロントにはABSが装備される。 ハンドル周りでは、メーターは「TFTディスプレイ」のデジタル式を採用。USB-Cの充電ポートを備え、ディスプレイに「充電終了」のアナウンスもなされる。 さらに、パワーモード選択機能が装備されているのも楽しいポイントであろう。基本的には「フロー」と「サーフ」の2つが設定されていて、「フロー」がノーマルで「サーフ」がスポーツモードと捉えて良い。さらに「ハイライン」のオプション装備車には、スポーツ・プラスに当たる「フラッシュ」モードも備わる。ちなみに航続距離は90km(WMTC)で、充電は0.9kWの普通充電と、オプションで1.5kWの急速充電が用意される。 ここまで「CE 02」を概略的に紹介したが、このモデルの大きな特徴はデザインにあると思う。昔は「ホンダ・ダックス」「モンキー」といったユニークなデザインの原付が多くあった。昨今、それらは続々と復活を遂げているが、いずれもエンジン車である。今回、それらにみられるようなテイストを取り入れたEVバイクが出たことは、古き良きホビーバイクを知る筆者にとっても嬉しいニュースであり、日本メーカーへの好影響を期待したい。 実は筆者もEVバイクの制作をした経験がある。開発に関わった30年前のEVスクーターは、定格出力0.6kW(0.8ps)のパワーで、鉛電池のため重量が130kgあり、街中の走行で30km程度の航続距離であった。それに比べれば、「CE 02」の航続距離は非常に長い。技術の進化とともに、このような楽しいEVバイクが登場してきたのは非常に嬉しい。 なお、「CE 02」の日本導入は正式発表はないが、実は日本の公式WEBに2024年モデルとしてラインナップに載っている。価格は未公表だが、日本導入は確実であろう。正式発表を待ちたい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★堀江貴文発案のEV軽トラのクラウドファンディングが開始……株式会社縁恩(エノン)が開発と生産を担当、2024年に合弁会社を設立しアメリカ市場への売り込みも狙う ★★アウディ、クラシックカー「NSUプリンツ」をオマージュしたコンセプトEV「EP4」を発表……「e-tron」のモーターと「Q7 TFSI eクワトロ」のバッテリーを流用 ★★メルセデス・ベンツ、北米にてテスラの急速充電ネットワーク「スーパーチャージャー」の利用が可能に……2025年より北米の充電規格「NACS」対応モデルを導入 ★★工学院大学、ソーラーカーレース用の新型マシン「Koga」を発表……学生自ら設計と製作を担当、「2023ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(BWSC)」<オーストラリア/10月開催>に出場 ★東京工業大学、次世代の材料を用いた全固体電池を開発……伝導率が世界最高の固体電解質の超リチウムイオン伝導体を開発、電極面積あたりの容量が現行の1.8倍 ★三菱造船、新世代のEV輸送船「あすか」が竣工……総トン数は499tでEVのバイオマス輸送船としては世界初、蓄電池と発電機を搭載し推進装置は完全電動化 ★ホンダ、IT企業のSCSKと協業……EVや自動運転に対応したソフトウェアを共同開発 ★NTTコミュニケーションズ、EVのカーボンニュートラルの貢献度を検証……日本カーソリューションズ(NCS)・クレアトゥラと共同で実施、NCSがリースするEVのデータを活用 ★BMW、2023年4月〜6月期に合計8万8,289台のEV(MINIを含む)を納入……前年同期比117.5%増 ★ポールスター、2023年前半で約2万7,900台を納入……今年中に6万〜7万台の納入を予定 ★ステランティス、アメリカの鉱物企業NioCorpと契約……ネブラスカ州生産のレアアースを調達 ★ワイトリシティ、EV用充電器利用のエチケットをアドバイス……「バッテリー容量100%までの充電は避けるべき、80%までの充電が最も早い」 ★テラモーターズ、ドライブステーション「神楽の里 舞乃市」<島根県江津市>に、EV用充電器を設置 ★テスラ、ポップアップストア「テスラ おおたかの森」<千葉県流山市>にて特別展示・試乗会を開催<2024年5月19日(日)まで>……「有明 ガーデン」<東京都江東区>でも特別展示を開催<7月15日(土)> ★ブレイズ、新型電動キックボード「KICKBOARD EV」の第二次予約を開始……改正道交法に対応した特定小型原付、7月1日(土)〜8月31日(木)まで受付 ★BMWモトラッド、「CE 02」のプロモーションにメタバースを活用……「BMW Motorrad MetaRide」をオープン デイリーEVヘッドライン[2023.07.10]

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TEXT:TET 編集部
伊フィアット、新型EV「600e」を発表。BセグメントのコンパクトSUVで航続距離400km以上を達成

ステランティス・グループに属する伊フィアットは7月4日、新型電動コンパクトSUV「600e」をワールドプレミアした。先に登場する500eの兄弟分にあたるこのモデル、サイズアップに併せ、デザインも差別化が図られている。詳しく見ていこう。 EVに加え、ハイブリッドも設定予定 今回デビューした600eは、日本国内でも販売されている「500e」の兄貴分(ちなみにフィアットでは“姉貴分”と表現している)にあたるBセグメントSUV。全長は4.17m で、500eに比べて50cmほど長い。こうしたサイズ感でピンと来た方もいると思うが、この600eは現行「500X」の事実上の後継モデルといえるだろう。もっとも、全長が4,295mmある500Xに比べると、600eは若干コンパクトになっている。 600eの発売時に用意されるのは54kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載したバッテリー電気自動車(BEV)仕様。フィアットによれば、600eはWLTP都市サイクルで600km以上、複合サイクルで400km以上の航続距離を持ち、100kW級の急速充電にも対応する。バッテリーを0%から80%までチャージするのに30分以下で済むという。 また、モーターの最高出力は115kW(約156ps)、0-100km/h加速は9.0秒とアナウンスされており、500eの87kW(約118ps)に比べ出力は強化されているが、ボディの大型化等により0-100km/h加速はまったく同じ値となる。なお、600eは500eと異なりBEV専用車ではなく、2024年半ばまでにハイブリッド(HV)仕様も追加されるというから、現行500Xからの乗り換え組も安心だ。 600eのエクステリアは、500eをそのまま大きくして5ドア化したようなスタイリングで、半開きの目を想像させるヘッドライト周囲の処理や、フロントノーズの大きなモデルロゴなどもフィアットの新世代EVとして500eと共通のデザインになっている。ただし、よく見ると、500eではリング状のフォグランプが、600eでは上下に分割された形状とされ、500eではフラットなドアハンドルが600eではグリップ式になるなど細かな違いは多い。また、ハイブリッドが設定されるため、600eのフロントグリルには開口部が設けられていることも目立つ差異となる。 >>>次ページ 快適装備や先進安全機能が充実

TAG: #600e #フィアット #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
ヤマダデンキの駐車場にプラゴの急速充電器が配備。第一弾が大阪のLABI1 LIFE SELECT なんばに設置

ヤマダデンキとEV用充電器の開発を手掛けるプラゴは7月4日より、ヤマダデンキの店舗LABI1 LIFE SELECT なんばにて、プラゴの充電サービスの提供を開始したと発表した。今後、全国に展開するヤマダデンキ店舗に充電サービスを拡充していく予定だ。 充電器を事前に「60分取り置き」可能 全国に約1,000店舗の直営店舗を持つヤマダデンキ。様々な場所でお店を見かけることが多く、駐車場が充実しているのも利用者にとって魅力だ。また大型店舗が多く、目当ての製品の購入がてら各種新製品を眺めて歩くのも楽しい。そこにEV充電が備わるとなれば、EVユーザーは滞在時間をより有効に使えそうだ。 このたびプラゴの充電器の設置が発表されたLABI1 LIFE SELECT なんばは、ヤマダデンキ史上最大級の売り場面積と品揃えを誇る店舗。設置される充電器は、最大50kW出力の急速充電器「PLUGO RAPID」だ。 なお「PLUGO RAPID」は、プラゴの提供するアプリ「Myプラゴ」を介して、充電器の事前予約が可能となっている。Myプラゴには「60分取り置き」という機能があり、駐車場に向かう前にこの機能を使用すれば60分間充電器を確保できるので、安心して現地に向かうことができる。また、現地での充電利用や電子決済も同アプリ上で完結する。 予定している来店時間に合わせて充電器の予約を行い、買い物中に充電が済ませられるとなれば、時間を有効に使うことができる。店舗利用時のみならず、自宅近くにヤマダデンキがあるEVユーザーにも重宝しそうだ。 >>>次ページ 「Myプラゴ」の充電プランを紹介

TAG: #ヤマダデンキ #充電インフラ #急速充電器
ボグゾールが「EVエチケットガイド」を発行(photo=ステランティス)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
英国紳士流の「充電作法」を身につけよう……ボグゾールがエチケットの専門企業と「EVエチケットガイド」を発行[2023.07.07]

エチケット専門企業「Debrett’s」と共同でEV充電器のスマートな使用方法などを指南 ステランティスのネットワークを活用し世界に配布を 【THE 視点】ステランティス傘下の英国ボグゾールは7月4日、EVに乗る際の人的トラブルを避けるための「エチケットガイド」を発表した。 英国を代表するエチケット専門企業「Debrett’s」 と協力して作成されたこのガイドは、EVの普及促進を図ることを目的に、EV所有する上での混乱や疑問を解消する狙いをもつ。 ボグゾールは、英国のドライバーのおよそ90%は、公共のEV充電ステーションの使用方法に関するガイダンスの欠如が、EVへの乗り換えを妨げる一要因と考えている。今回の 「EVエチケットガイド」では、「公共の充電スポットの使用方法」「他のドライバーとの充電時間の交渉方法」「良いEVゲストになる方法」といったEVを所有するにあたって対人関係をスマートにこなすためのアドバイスを記載している。 今後のEVやPHEV普及のためには、より良い充電器の使い方などの案内が必要だろう。ネット上でも「EVの充電器を長時間占拠するユーザーがいる」といった苦情がたびたび見受けられ、実際にトラブルが発生しているとも聞く。 実は筆者も、初めて公共の充電器を使用する際は不安だった。使用方法を見ながら充電したのだが、その充電方法を理解している間に次のEVが来てしまうと焦ったりする。事前に充電方法を理解していれば焦らずに済む。ガイドによる知識があれば、先に充電しようとしているユーザーが初心者で戸惑っているような場面で、アドバイスもできるだろう。 このようなガイドブックの存在が有用なのは、英国に限らず世界共通だと思う。EV普及のためにも世界に向けて発信して良いはずだ。ボグゾールはそれこそステランティスの一員なのだから、そのネットワークを活用すれば世界への配布は困難ではないはずだ。EV普及の黎明期だからこそ、このようなガイドブックは大切な存在である。 ボクソールは英国での電動化に注力している。2024年から同社の乗用車とバンの全ラインナップに電動モデルを提供し、2028年からは純粋な電動ブランドとなる予定だ。そのためにも、普及の妨げの要因をひとつでも減らし、普及促進を図る狙いと思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★オリックス、韓国のEV用充電インフラ企業「EVER」に出資……サムスン電子のスタートアップ企業、日本への進出を目指す ★★プジョー、「E-208」を商品改良(欧州発表)……航続距離が400km(WLTP複合サイクル値)へ ★★ステランティス、EV専用の新プラットフォーム「STLAミディアム」を公開……クロスオーバー、SUV、C/Dセグメントに応用可能、複数のブランドに展開予定 ★EVの車検もヤマダデンキで……ナルネットコミュニケーションズと日本自動車車体補修協会(JARWA)が、ヤマダ×三菱のEV販売のアフターサービスを補完 ★エネチェンジ、「医療法人社団敬寿会前橋城南病院」<群馬県前橋市>に6kWのEV用充電器を設置(1基)……待ち時間などをEVの継ぎ足し充電に活用可能 ★オペル、新コンセプトカーの車名を「エクスペリメンタル」と発表……ドイツでのイベント「IAAモビリティ」<9月5日〜10日>に向けて順次詳細を公表、英国のボグゾール名義でも展開 ★ステランティス、カナダ・オンタリオ州の大規模バッテリー工場の建設を再開……韓国LGとの合弁事業、2024年に生産開始予定 ★メルセデス・ベンツ、燃料電池(FC)を搭載した連接バス「eシターロ」の極寒テストを実施……海抜1,700m以上の高原でもFCの作動を確認 ★エネチェンジ、「未来志向の電力システム改革の実現に向けた当社見解」を発表……「一般電気事業者による一連の不祥事への近視眼的な懲罰措置は行うべきではない。電力システムの未来像を定めた上で行うべき」(※発表より一部抜粋) ★レクシブ、経済産業省主催の「次世代の分散型電力システムに関する検討会」の専門委員に盛次隆宏取締役CPOが選出……昨年度から引き続き、EVを有効活用する企業として選出 ★BYD、ブラジル・バイーア州に工場を建設……EVモデルの生産も、公式Twitterで発表 ★アメリカEVトラックのニコラ、カリフォルニア州から4,190万ドル(約6億円)の補助金を確保……FCEVトラック普及に向けて南カリフォルニアに水素ステーションを6ヵ所建設 ★ボルボ・カーUSA、2023年6月の販売台数は1万2,933台……電動モデル「リチャージ」はそのうちの29.3%、前年同時期比で79%増加 ★オペル、「コルサ・エレクトリック」の6月の販売台数が262台で「エレクトリックBハッチ」カテゴリーでトップ……「モッカ・エレクトリック」は1136台の販売 ★ボグゾール、英国内での6月のEV販売台数がトップ……商用EVバン「ヴィヴァーロ・エレクトリック」の6月の販売は482台 ★ベクトリクス・ジャパン、キャノピー付きの三輪EVスクーター「I-カーゴ」の量産を間もなく開始……荷台に700Lのボックスを搭載し「自治体・公共week 2023」<東京ビッグサイト/6月28日(水)〜30日(金)>に出展しアピール(※イベントは終了) ★アウディ、ドイツ・インゴルシュタット工場での「Q6 e-tron」生産開始で500人を新規雇用……EVは雇用創出にも有効と発表 デイリーEVヘッドライン[2023.07.06]

TAG: #THE視点 #ステランティス #充電
TEXT:TET 編集部
EV充電器やV2Hを10年保証。ワランティテクノロジー、EV設備の保証・メンテナンスサービスを開始

延長保証サービスの構築・運営を行う株式会社ワランティテクノロジーは7月4日、新たに電気自動車(EV)向け充電設備およびV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)送充電設備に関する保証サービス「EV充電設備保証・メンテナンスサービス」の提供を開始した。 国内全域にワンストップサービスを展開 EVの普及を妨げる要因のひとつに充電設備の乏しさが挙げられるが、そんな状況を解決する糸口になりそうなサービスがまたひとつ誕生した。今回ワランティテクノロジー社が導入したEV充電設備保証・メンテナンスサービスは、事業用・家庭用、急速・普通問わず充電器の設備本体はもちろん、充放電コネクター付きケーブルやコネクターガン等の付帯設備までまるごと最長10年間の保証を付与するサービス。また、EVのバッテリーに充電されている電気を家庭に給電し、災害などでの停電時にバックアップ電源として使用するV2Hに関しても、機器の故障を最長10年間保証する。 対象範囲は国内全域で、ワランティテクノロジー社では、問い合わせの受付から修理・メインテナンスの手配まで、ワンストップサービスを提供するという。さらに、手厚いサービス体制ながら、対応するのはすべて同社のコンタクトセンタースタッフで、メーカー・販売店には一切人員的負担が発生しないとのことだ。 こうした保証サービスが提供できるのは、ワランティテクノロジー社が住宅設備機器や建物管理などの保証サービスで、既に豊富な実績を有する企業だから。最近では、スマホに加えワイヤレスイヤホン、ゲーム機、パソコン、タブレット端末を対象にした少額保険も販売しており、年々高額になるスマート家電の故障や盗難に備えることも可能とした。この少額保険は月額400円(パソコンとタブレット)または同100円(その他の家電)で加入できる。 >>>次ページ ニチコン製のV2Hシステムもサービス対象

TAG: #EV充電器 #メンテナンス #ワランティテクノロジー
TEXT:TET 編集部
充電中にゆったりまったり。ポルシェの急速充電器がヒルトン東京お台場に設置……充電出力は150kW

ポルシェジャパンとヒルトン東京お台場(東京都港区)は、7月1日より、「ヒルトン東京お台場」地下駐車場内で、ポルシェジャパンの急速充電器「ポルシェターボチャージングステーション」の運用を開始したことを発表した。国内のポルシェターボチャージングステーションとしては10拠点目となる。 ホテル利用時に駐車料金が2時間無料 このたびヒルトン東京お台場に設置されたのは、国内でもっともパワフルな150kWの出力を持つ「ポルシェターボチャージャー」2基。ポルシェターボチャージャーは、ポルシェジャパンがスイスの充電メーカーABB社と共同開発したCHAdeMO対応の急速充電器。液冷方式の採用により出力150kWを誇り、30分ほどの充電で80%(走行距離300km相当)の充電が可能だ。また、ポルシェターボチャージングステーションの利用特典として、ホテル利用時に駐車料金が2時間無料になる特典もある。なお、ポルシェターボチャージングステーションの設置は、国内で10拠点18基目。 ポルシェでは現在、バッテリー電気自動車(BEV)の「タイカン」を販売しており、BEVのラインナップは今後の拡大していく見通し。こうした電動モデルのためにポルシェジャパンでは「プレミアムチャージングアライアンス」を発足した。ポルシェターボチャージングステーションのほか、全国のポルシェセンターで同規格のポルシェターボチャージャーを52拠点48基設置しており、ポルシェのほかプレミアムチャージングアライアンス加盟のアウディ、フォルクスワーゲンのEVオーナーも利用が可能だ。 プレミアムチャージングアライアンスのプランには、月額1,800円の基本料金が発生する代わりに都度料金を低く抑えた月額会員プラン(150kW:75円/分、90kW:45円/分)と、基本料金がない都度会員プラン(150kW:200円/分、90kW:120円/分)が存在し、アウディ、フォルクスワーゲンも参画することで、昨年末時点で全国218基の急速充電器が稼働中。設置場所の多くは3ブランドのディーラーとなるが、別途都市型充電インフラとして地域のランドマーク的な施設に順次配備されているのがポルシェターボチャージャーだ。 >>>次ページ 首都圏を中心に拡大する急速充電ネットワーク 

TAG: #プレミアムチャージングアライアンス #充電インフラ #急速充電器
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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コラム
BYDの最新SUV「シーライオン7」で1000kmロングラン! ちょっと気になる点はハイスピード電費と急速充電性能!!
EVの電欠ってどのぐらい発生してる? JAFの出動要請ランキングを調べてみた
BYDの最新車種シーライオン7で1000km走行チャレンジ! 雨でもキチンと働く「ADASの進化」が凄い
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
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イベント
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
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