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驚愕の鬼コスパSUV
Zeekrが右ハンドル市場のオーストラリアで最新EV「7X」の先行受注をスタートしました。テスラ・モデルYよりも安いという優れたコスト競争力を実現したことで、期待される日本国内導入においてもコスト競争力が高いEVとなり得る可能性について、国内販売価格の予測を含めて解説します。
まず、今回のZeekrはすでに中国国内で001、009、X、001FR、007、009 Grand、7X、MIX、007GTというさまざまなBEVを発売中であり、さらに最新フラグシップSUVの9Xには、Zeekr初となるPHEVシステムを採用します。70kWhの超大容量バッテリーを搭載してEV航続距離380kmを確保しています。さらに、中国国内だけではなく、すでに欧州や中南米、中東、東南アジア諸国にも進出しています。
そして今回取り上げたいのが、2024年9月に中国でローンチしたミッドサイズSUV「7X」の存在です。7Xは欧州や東南アジアでも納車がスタートしていました。そして今回、オーストラリア市場においても7Xの先行受注がスタートしたのです。
最初の納車は10月スタートの予定ですが、現地メディアが驚きをもって報じているのがその値段設定です。エントリーグレードで5万7900豪ドル(日本円で約554万円)という安価な値段設定を実現しています。実際に7Xは受注開始1週間を待たずして1000台以上の受注を獲得しており、想定以上の受注動向を踏まえて、限定1000台に対する早期注文キャンペーン特典を8月17日までに急遽延長したという背景すら存在します。
とくに、オーストラリア市場におけるベストセラーEVのテスラモデルYと比較してみると、値段設定で競合グレードを下まわっている状況です。たとえばエントリーグレードでは7Xが480kmの航続距離に対して、モデルYが500kmと同等の航続距離を確保。急速充電性能では7Xが最大450kWの急速充電に対応しており圧倒しながら、3.3kWのV2L機能にも対応。0-100km/h加速も6.0秒とモデルYと同等です。
そして、値段設定でもモデルYよりも1000豪ドル安価に発売することができています。オーストラリアの場合は中国と自由貿易協定を結んでいることから関税ゼロで中国製車両を輸出可能です。とくに追加関税が課されている欧州と比較しても、そのぶんだけ安価に7Xを導入し、ベンチマークのモデルYよりも値段を引き下げることができているのです。
そして、Zeekrはすでに日本市場への参入を正式に表明しており、主力モデルとなるであろう7Xが日本でどれほどのコスト競争力を実現してくるのかに大きな注目が集まっている状況です。とくに今回判明したオーストラリア市場というのは、日本と同じく右ハンドル市場であり、さらに中国側は日本に対して15%の自動車関税を設けているものの、日本側には中国に対して自動車関税を設けていないことから条件が極めて似通っており、値段設定にもオーストラリアと同等水準を期待できるのです。
とくに日本国内においてZeekr 7Xの競合となり得るテスラモデルY、日産アリア、BYDシーライオン7、ヒョンデIONIQ5と比較してみると、やはり7Xは、おおよそ550万円程度となると推測できるエントリーグレードにおいても極めて優れたEV性能を実現している様子が見て取れます。