充電が苦にならないなら選択肢としてはアリ
では、PHEVの場合はどうであろう?
PHEVのモーター走行性能は、満充電から100km前後が多い。それ以降は、ハイブリッド車(HV)としてエンジンで発電したり、エンジンとモーターを併用したりして走行できる。
日々の移動距離が自宅からの往復で100km前後という場合、できることなら日常的にはモーター走行だけで走りたいと思うのではないか。となると、毎日充電する必要が出てくる。

そのとき、急速充電しかできない住宅環境であると、帰宅途中に急速充電器のある場所にわざわざ寄って、30分なりの時間を費やすことを苦にしないかどうかで、購入検討の際に違いが出る。
基礎充電の価値は、暮らしのなかで日常的なことをやりながら、その間に充電が済んでしまうことにある。しかし、PHEVのような一充電走行距離の限られた車種で、毎日、急速充電のために時間を費やすことを負担に思うかどうかで、PHEVを選ぶかどうかの判断が決まるだろう。
もちろん充電できなくても、燃料が入っていればHVとして移動できる。ただし、その際の燃費は、通常のHVに比べ悪化する。100km前後モーター走行できるバッテリーを積むので、その重量増が効いてくる。ほかに、普通充電用の充電器も車載している。それら追加の重量増分が、HVに比べ燃費を悪化させる。

欧州では当初、日々充電して近距離はモーター走行のみで済ませることを前提に、PHEVの環境性能をHVより高く評価してきた。ところが、実態調査を進めると、充電のために時間を費やすことが面倒になり、燃料を給油してHVとしてしか使っていない実態が露わになった。そこで、この先PHEVの環境性能を見直す動きとなりそうだ。
日本においても、あるPHEVの所有者は、日々充電しながらガソリンスタンドにも立ち寄らなければならず、これでは、それまで乗っていたエンジン車より手間が増えて面倒だと不満を述べている。
それでも基礎充電ができ、帰宅後にコンセントを差し込むだけであれば、給油の回数を減らすことができ、PHEVの恩恵は感じられるかもしれない。しかし基礎充電ができなければ、PHEVの価値は大きく減ることになるだろう。

基礎充電について、自宅はもちろんだが、勤務先などで普通充電ができる場合、それを基礎充電といえる理由は、仕事中に満充電にできるからだ。会社勤めであれば、出社してから8時間ほどは駐車するだろうから、帰宅後に自宅で充電するのとほぼ変わらなくなる。それなら、EVでもPHEVでも使う意味が増すだろう。
結論として、EVとPHEVではわけて考えることが好ましい。そのうえで、基礎充電ができない場合、EVであればバッテリー容量の大きい車種を選ぶとか、高性能な急速充電器が近隣にあるなどの条件次第で対処法はあるが、PHEVは利点が見えにくくなるだろう。



















































