環境設定と走らせ方で電費は大きく変わる
とはいえ、ノロノロとした走りをしているのではないかと疑われるかもしれない。だが、サクラのメーター表示による平均速度は、一般道と高速道路を含めて41km/hと表示されている。東京都内のクルマの平均速度は、渋滞などもあって20km/hと長年いわれてきた。その約2倍の平均速度を維持しているということは、ノロノロ走っているわけではない証のひとつといえるのではないか。
ただし、私のサクラを他の人が運転すると、たちまち電費は悪化する。理由は、エンジン車と同じアクセル操作をし、回生を活かそうとする運転を意識しないためだ。
じつは、EV乗りの多くの人は、そんな運転をまだ続けているのではないだろうか。私が会ったある人は、初代リーフからEVに乗り続けているが、ワンペダル操作はしたことがないといっていた。そこで私が助手席に乗り、ワンペダル操作のコツを体験してもらったら、5分も走るかどうかで上手にワンペダル操作をこなしていた。
ワンペダル操作を快適に行うには、まずエンジン車で身に付いたアクセル操作を忘れることだ。そして、1mmのオン・オフという意識をもってアクセルペダルを操作する。すると、間もなく効果を感じとることができるだろう。1mmというのは数字のたとえであって、それくらいわずかなペダル操作を試してみるとの意味である。それだけで、モーター駆動の加速のよさと、回生の効果を実感できるはずだ。
EVは、諸元値の電費を実現することは不可能ではないし、場合によっては上まわることができるかもしれない。
これは、エンジン車やHVではまず無理な話だ。理由は、エンジンは低速トルクが低く、発進でアクセルペダルを深く踏まなければならないこと。また、回生によるエネルギー回収ができないし、HVでもわずかしか効果が得られないからだ。それでも諸元値を上まわろうと試みるなら、交通の邪魔になるような速度での走りとなるに違いない。それは、世間の迷惑である。
EVは、ほかの人の迷惑になるような運転をせず、諸元表の性能より優れた燃費で快適に移動できる可能性を持っている。























































