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「EVが燃えた」はなぜ刺激的なニュースになるのか? 「だからEVは危険」は偏りすぎた思考


TEXT:桃田健史 PHOTO:TET 編集部/写真AC
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メディアはEVの安全性について伝えるべき

一方でEVの場合、「新しい乗りもの」という前提のもと、ユーザーの安全に対する期待がかなり高い。

ところが、リチウムイオン電池の危険性についての報道がいまでも少なくない。それは、EV向け等の電池セルの容量が大きなタイプよりも、スマートフォン、家電、コンピュータなどで使われる小型電池についてだ。

直近では、夏場に使用する人が一気に増える、手持ち式の小型扇風機を落下させて、電池部分に大きな衝撃が加わると、場合によっては電池が爆発する映像がテレビニュースで取り上げられている。また、気温が高い夏場に、スマートフォンをクルマのダッシュボードの上に置いていくと、電池が膨張して最終的には発火する映像がテレビで流れている。

小型扇風機

こうした事例は、メーカーによってリチウムイオン電池のクオリティに差があることで生じるものと考えられる。

だが、小型電池での事故事例を見て、これがEVだったらどうなるのか、という発想がユーザーに芽生えることもあるだろう。

リチウムイオン電池

むろん、自動車メーカー各社はEVに対して電池を含めて高い品質を保つ努力をしており、EVの発火事故はけっして多いとはいえないかもしれない。だが、なんらかの状況で、EVが発火して燃焼すると、ユーザーのなかには「ほれみたことか」という気もちになる人がいるのだろう。

だからこそ、メディアはユーザーに対して、EVの安全性についてしっかりと伝えなければないない。また、仮にEVで発火を伴うような重大な事故が起こった場合、メーカーはその原因と今後の対応策についてしっかりと公表するべきである。

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