#車両火災
TEXT:桃田健史
「EVが燃えた」はなぜ刺激的なニュースになるのか? 「だからEVは危険」は偏りすぎた思考

EVの炎上がたびたび報道されている EVが燃えた。 日本ではニュースになることが、まずない。だが、アメリカ、中国、韓国などではこれまで、メーカー名称を明らかにした報道が数多くある。その多くで、メーカーからの詳しい事故報告が公になっていない点について、メディアは厳しく批評している。その報道を見て、SNSではネガティブな投稿が目立つ。 こうしたEVに対する社会の動きを、アンチEVと受け取ればいいのだろうか? そもそも、自動車が燃える事象はEVに限った話ではない。日本でも、ガソリン車やハイブリッド車、そしてトラックやバスなど、ガソリンや軽油を使うクルマが道路上で炎上することはあり得る。発生件数としては少ないとしても、SNS上で衝撃的な映像として紹介されることが少なくない。 その際「クルマは燃えるから、危ない乗りものだ」という見方をする人は多くないという印象がある。 クルマが燃えるには、それなりの原因があり、そうした状況に陥るのはかなり特殊なケースという解釈をしている人が少なくないからだ。 たとえば、大型バスではリヤタイヤがバーストして、ホイールなどが地面と接触して火花が飛び、車体後部に搭載しているエンジン周辺のオイルラインなどに着火する、といったことがある。 だが、エンジンそのものがブローすることで、車両が炎上するまでに至るケースは極めて珍しいだろう。

TAG: #ニュース #炎上 #車両火災
TEXT:桃田健史
全固体電池でも燃えないワケじゃない! EVの車両火災対策は製造工程からインフラまで多角的に進行中だった

車両火災の原因はさまざま 海外事例として、EVが燃えてしまうショッキングな映像や画像がニュースで流れることがある。国や地域の警察当局や、事故調査委員会などによる事故報告がなされる場合もある。 燃焼した原因はさまざま考えられる。たとえば、クルマ同士または自損事故によって外部から大きな衝撃がクルマに加わったことによるもの。 近年、EVに限らず衝突安全技術が進歩し、また電池パックへの外部からの衝撃に対しても、設計および製造時に自動車メーカーは最大限の注意を払っていることに間違いはない。それでも、衝撃が極めて激しければ、どのようなパワートレイン搭載車であっても、車両火災の可能性はゼロとはいい切れないだろう。 筆者はこれまで、さまざまな国や地域でEVに関する基礎実験や実証試験、そして量産にいたるまでの過程を現場で取材してきた。それと平行して、EVに搭載する各種バッテリーの製造メーカーの研究開発や製造工程も詳しく見てきた。 そうしたなかで、現在EVの主流となっているリチウムイオン電池について、内部短絡と呼ばれる現象などによって電池が発火する実験についても立ち会っている。 また、車載電池に関する国際カンファレンスも数多く取材してきたが、リチウムイオン電池研究の権威らは「燃えないようにするため、電池をどう管理するかが重要」という表現を使っていたことを思い出す。 この「どう管理するか」は、さまざまな視点で捉えることができる。

TAG: #事故 #車両火災

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