先読み運転や充電率を意識することがポイント
回生ブレーキを活用するポイントは以下の5つだ。
・早めの減速
・予測運転
・下り坂での活用
・ワンペダルドライブ
・走行モードの選択
回生ブレーキ機能が備わっていても、最終的にはディスクやドラムといったメカブレーキを使う。ギリギリまで加速して、急にブレーキをかけるような運転ではメカブレーキの負担が大きく、回生ブレーキを効率的に活用できない。
前方の信号が変わりタイミングや渋滞の発生などを的確に「予測」しつつ、回生ブレーキを効率的に利用できるよう「早めの減速」を心がけている。あまりにも早めに減速するのは後ろを走行するクルマに迷惑をかけるので、その点は注意したいが、全体にマイルドな運転をすることは安全運転にもつながる要素であり、エネルギーを上手に利用するだけではないメリットもあると考えている。
もっとも回生ブレーキが利くシチュエーションが「下り坂」であり、とくに長い下り坂は回生ブレーキによってバッテリーを充電するチャンス。エンジン車でも長い下り坂ではメカブレーキへの負担を軽くするため、低いギヤを選びエンジンブレーキを活用する。燃費的にはエンジンブレーキは燃料消費を抑えるだけの効果しかないが、EVやHEVが下り坂で回生ブレーキを活用すれば、バッテリーの充電量が目に見えて増えることもある。
ここでのポイントは回生ブレーキが十分に利用できるようなバッテリーのマネジメントだ。といっても難しい話ではない、この先に長い下り坂があるとわかっているときにバッテリーを満充電することはやめようという程度に理解しておけばいい。たとえば、山頂にあるホテルに泊まったときに、ホテルで満充電にすると帰路で十分に回生ブレーキが活用できずもったいない。70~80%の充電率にとどめておこう……くらいの意識をもっていれば十分といえる。
最後にお伝えしたいのは、回生ブレーキを強める機能の活用をもっとも重視しているということだ。
シフトポジション(BレンジやSレンジなど)や走行モード(エコやスポーツなど)を選択することで回生ブレーキが強まるEVは多い。そうしたモードが備わっているかを確認しておいて、状況に応じて切り替えることで、より回生ブレーキを効果的に利用できる。
また、ワンペダルドライブといってアクセルペダルの操作だけで加減速をコントロールできるEVやHEVも多い。ワンペダルドライブはモーターだけで加減速をコントロールできる機能といえば、一般論でいえば回生ブレーキを最大限に活用できるモードといえる。筆者はワンペダルドライブについては直感的かつ回生ブレーキを活用できる機能として積極的に活用している。
ただし、アクセルペダルを離すのではなく、少し緩めて(わずかに踏み込んだ状態)減速をコントロールするという操作はエンジン車とは異なるもので、多少の慣れは必要だろうし、どうしても違和感を覚えるというドライバーもいるだろう。そのドライバーにとって不自然な運転をすることでアクシデントにつながったのでは意味がない。無理は禁物だ。
安全が最優先という大前提があってこその「エコドライブ」であることを、あらためて心にとどめておきたい。