コラム
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「濡れた手でコンセントを触るな」なんて言われてきたけど……雨の日に屋外の充電器でEVの充電をするのは危険?


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:日産/写真AC/TET 編集部
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注意点は押さえておくべき

<雨天時の充電における基本的な注意点>

以上のシステムにより、雨の日に急速充電器を利用する場合も特別な操作や準備は必要ない。とはいえ、完全に無防備でよいというわけではない。雨天時の充電においても、いくつかの基本的な注意点は押さえておくべきである。

まず、充電ポートやコネクタに大量の水が溜まっている場合は、使用前に軽く振るか、乾いた布で拭き取ることが推奨される。とくに豪雨の場合や充電ポートに直接水が溜まっている状況では、水を除去してから使用するのが無難だ。

充電のイメージ

また、冠水した場所での充電は避けるべき。充電スタンドの下部が水に浸かるような状況では、設備自体の安全性が損なわれている可能性がある。このような状況では、別の充電スポットを探すことが賢明だ。

さらに、充電器やコネクタが破損していたり、明らかに異常が見られる場合は絶対に使用しないこと。安全装置が作動しても、物理的な破損や経年劣化によるトラブルまでは完全に防げない場合があるからだ。これらは、EVに限らず、あらゆる電気製品を扱う際の基本的な注意点である。

<実際の使用シーンと最新の技術動向>

実際のところ、世界中の多くのEVユーザーが日常的に雨天下での充電を行っている。とくに北欧諸国やイギリスなど雨や雪の多い地域でもEVの普及率は高く、気象条件にかかわらず充電インフラが活用されている。海外の異なるアダプターであっても前述の防水設計は同じだ。であれば、これは充電システムの安全性が実証されている証といえるだろう。

イギリスのイメージ

さらに、近年のEVは、充電中の通信や認証技術も進化している。たとえば、コネクタの接続状態や温度、漏電の有無などをリアルタイムで監視し、異常があれば即座に充電を停止する仕組みが標準装備されている。これにより、ユーザーは天候にかかわらず、安心して充電できる環境が整っている。

また、最新の充電技術では、安全性をさらに高める取り組みも進んでいる。加えて自動化された充電システムの開発も進んでいる。たとえば、ロボットアームが自動的に車両に接続する充電システムや、地面の充電パッドから非接触でEVに充電するシステムなど、人間が雨のなかで操作する必要のない充電方法も実用化に向けて開発が進んでいる。

非接触充電のイメージ

このように、EVの充電技術は日々進化を続けており、安全性と利便性の両立が図られている。雨の日の充電に不安を感じる必要はないが、基本的な注意点を守ることで、より安全に利用することができる。EVの普及に伴い、さまざまな使用環境における知見も蓄積されつつあり、今後さらに安全で安心、便利な充電環境が整備されていくことが期待される。

急速充電は雨天下でも安全に使用できるよう設計されている。ただし、基本的な注意点を守ることが重要だ。EVの充電システムへの理解が深まれば、より快適で安心なEVライフを送ることができるだろう。

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