2025年4月
TEXT:TET 編集部
安全なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載! 3輪EVでは世界初! EVジェネシスの「スリールオータ」にセルフヒーター内蔵バッテリーを搭載

氷点下の屋外充電で真価を発揮 薄く柔軟性に富む次世代型太陽光パネル「ペロプスカイトソーラーパネル」を採用した3輪EV「3RUOTA(スリールオータ)」を開発し、注目を集めているEVジェネシスが、新たな機能の搭載を発表した。 全世界でリチウムバッテリーの爆発事故が起き、安全性を問題視する声が聞こえるなか、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの優れた安全性を評価し採用しているEVジェネシスは、3輪EVでは世界初となるセルフヒーターを内蔵したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーをスリールオータに搭載すると発表した。 セルフヒーター内蔵リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載する最大のメリットは、氷点下の環境でもバッテリーの充電が可能になるという点。 リチウム系バッテリーは氷点下では化学変化が起きにくく、充電ができなくなってしまう。そこでEVジェネシスはセルフフィルムヒーターをバッテリー内部に組み込むこととした。このヒーターはバッテリーセル温度が零度以下の状態で充電を開始すると、自動的にバッテリーセルを適切な温度になるよう温めてくれる。こうすることで、バッテリーの寿命に悪影響を与えることなく、真冬の寒冷地でも屋外に駐車した車両を充電することができ、約8時間の充電で150km走行することが可能になるという。 また、同社のスリールオータを特徴づけるペロプスカイトソーラーパネルからの充電にも対応する。ルーフに取り付けられたパネルにより、日中の屋外駐車時に外部電源に頼ることなく充電が可能となるので、コスト面でも有利に働く。 電力を失った被災地支援にも有効 電気自動車そのものをバッテリーとしてみた場合にも、このセルフヒーター内蔵バッテリーが効果を発揮する。被災地支援を例に挙げると、被災地に電気を届ける複数枚のペロブスカイトソーラーパネルを利用した「発電車」と、電気を配る「電配車」にこのバッテリーを搭載することで、気温の低い状態でも安定した電力を供給することが可能になるのだという。 バッテリー1台でスマートフォンを600台充電することができ、電気ポットやポータブルクーラーなどさまざまな電化製品を使用可能とする。スリールオータならではのコンパクトなボディと機動力に加え、自己発電能力と寒冷地対策は、大型重機や物資輸送トラックが到達困難な状況でとくに威力を発揮しそうだ。 四輪EVでは、充電時にバッテリーを適正な温度へ温めるシステムというのはすでに一般化しつつあるが、低価格かつコンパクトさが求められる小型モビリティや3輪EVの分野では、このEVジェネシスの取り組みが世界初。 日本のみならず氷点下を記録する大都市というのは世界に点在しており、環境負荷の少ないシティコミューターとして三輪EVに対する期待が高まっていることから、世界的なヒット作となり得るポテンシャルを秘めていそうだ。

TAG: #EVジェネシス #スリールオータ #三輪EV
TEXT:御堀直嗣
寒い冬が苦手といわれる電気自動車! 逆に暑い夏はどうなる?

夏はバッテリーの温度が上がりやすい 電気自動車(EV)で使われるリチウムイオンバッテリーは、人間が快適に暮らせる温度が適しているといわれることは、極寒への対処でも話した。 では、近年の猛暑にはどうなのか。 暑さに対しても、やはり人間と同じように適切な対処をしないと、充放電ともに本来の性能を出し切れないことになる。そして、暑さへの課題もバッテリー特性が関係する。 暑さでは、単に外気温の高さだけでなく、高速道路を連続して走行し続けたような場合も、バッテリー温度が上がりやすい。大電流を連続して流し続けるためだ。 電気の使われ方については、EV以外の家庭電化製品やパーソナルコンピュータ(PC)のバッテリーや配線も、出力の高い状態で連続して使うと熱を持つようになる。大きな電流が流れると、余剰分が熱となって外部へ放出されるからだ。バッテリーに過剰な電流が流れ、余剰分が熱となって外へ放出され、それが限度を超えると、膨張したり、発火したりといった不具合や事故につながりかねない。原因は、抵抗だ。 電気の流れは、川にたとえることができる。ある川幅を普段は問題なく水が流れていても、大雨などで水かさが増すと、堤防を越えて洪水を起こしかねない。電気も水も、流れが多すぎれば弊害をもたらす。 それならば、あらかじめ太い電線を使えばいいと思うかもしれない。しかし、無闇に太い配線を用いれば、場所も取るし、重くもなる。 高速道路の利用(大電流を流し続ける)を制限することはできないが、適度な太さの配線により多様な使い道での性能と価格の調和をとり、折り合いをつけることになる。 そのうえで、バッテリーのケースに冷却機能を設け、リチウムイオンバッテリーが機能しやすい温度管理をする対策が行われている。

TAG: #バッテリー #リチウムイオンバッテリー
TEXT:TET編集部
スバル・ソルテラに兄貴分が現れた! 新型スバル「トレイルシーカー」と改良版「ソルテラ」を世界初公開

冒険心を刺激する新型BEVがNYで公開! スバルは2025年4月18日、米国で開催されたニューヨーク国際オートショーにて、新型BEV「トレイルシーカー」と大幅改良を施した「ソルテラ」を世界初公開した。両モデルは2025年以降に順次米国市場への導入が予定されている。 新登場の「トレイルシーカー」は、日常から本格的なアウトドアまで多彩なシーンに対応するBEVクロスオーバーSUV。74.7kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、約418km(260マイル)以上の航続距離を実現している。 前後にモーターを搭載することで合計375馬力という力強い出力を発揮し、EVならではの滑らかでダイナミックな加速を楽しめる。 デザイン面では、BEVらしい未来的な先進性に加え、アウトドアユースを想定したアクティブな外観が特徴。空力性能にも優れ、走行効率を最大限に高めている。 インテリアは横方向への広がりを強調したシンプルなデザインを採用し、開放的で快適な室内空間を実現している。 カーゴルームは大容量かつフラットな形状で使い勝手も抜群。また、ラダータイプのルーフレールを装備し、荷物の積載能力にも優れている。 2021年にデビューしたスバル初のグローバルBEV「ソルテラ」は、今回の改良モデルでバッテリー容量を大幅に増加。航続距離が従来モデル比で約25%も向上した。急速充電性能も改善され、10%から80%までの充電を約30分で完了できるようになり、長距離ドライブにおける利便性が飛躍的に高まっている。 インテリアもトレイルシーカーと同様、水平基調のインパネを採用した居心地のよい空間をデザインしている。 さらに、新設定されたXTグレードは、最大出力を338馬力にまで引き上げ、EV特有の低速域からの強力なトルクとスバル独自のAWD技術によって、荒れた路面でも安定した走行を可能にしている。 スバルの電動SUVに新時代の到来を感じさせる2台となっている。

TAG: #BEV #SUV #新車
TEXT:渡辺陽一郎
EVはリセールが厳しいの「噂」は本当か? 残価設定率から探ってみた

EVは長く使うのが得策だ 電気自動車は、購入して数年後に売却するときの価値が低いといわれる。その理由は、中古車市場での人気によるものだ。中古車の人気が低いと、中古車の販売価格も下げねばならず、ユーザーが売却するときの金額も連動して安くなる。 電気自動車が売却時に不利になることは、残価設定ローンの残価率(新車価格に占める数年後の残存価値の割合)を見るとわかりやすい。中古車市場で高値で売却できる人気車は、数年後の残価率も高く、安くしないと売れない不人気車は残価率も下がるからだ。 たとえば日産セレナe-POWERハイウェイスターV(価格は373万5600円)で残価設定ローンを組むと、5年後の残価は212万9000円だ。新車価格に占める残価の割合、つまり残価率は57%になる。 電気自動車の日産リーフG(価格は444万8400円)で同様に残価設定ローンを組むと、5年後の残価は88万9000円で、残価率は20%と低い。 仮に国から交付される補助金額の85万円を予めリーフGの価格から差し引き、実質価格の359万8400円で計算しても、5年後の残価が88万9000円であれば残価率は25%に留まる。 このように、電気自動車は補助金の交付を前提にしても、資産価値が下がりやすい。購入したら、不利な条件で売却することは考えず、長く使うのが得策だ。

TAG: #乗り換え #新車購入
TEXT:TET 編集部
世界中のジャーナリストを惹きつけた! ボルボのフラッグシップe-SUV「EX90」が2025ワールド・ラグジュアリー・カー賞を受賞

100名近い審査員が高評価 ボルボのフラッグシップEVであるEX90が、ワールド・カー・アワードの「2025 ワールド・ラグジュアリー・カー賞」を受賞した。これでボルボのワールド・カー・アワード受賞は、2018年のXC60によるワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、2024年のEX30によるワールド・アーバン・カーに続き、3度目の受賞となった。 今回の受賞に際し、ボルボ・カーズのCEOホーカン・サミュエルソン氏は「EX90が真にふさわしい評価を得たことを大変うれしく思います。熾烈な競争を制しての今回の受賞は、EX90が世界中のもっとも洗練されたお客さまに支持されていることを証明するものです」と喜びのコメントを発表している。 ボルボEX90は7人乗りのプレミアムe-SUVで、クラストップレベルの静粛性を誇る。シート素材には「ノルディコ」と呼ばれるリサイクル素材とバイオベース素材を用いた新たな素材を採用し、ラグジュアリー性と環境性を高次元にバランスさせ、新たなモダンラグジュアリーの世界を提唱。 ボディデザインはエアロダイナミクスに最大限の配慮がなされ、ボルボが重視する「Form follows function(形態は機能に従う)」という考え方を忠実に反映してデザインされた。 また、ボルボらしい安全性への取り組みとしてLiDARを搭載している。カメラ・レーダー・超音波センサーと組みあわせて安全性の向上を図りつつも、LiDARはルーフライン中央に薄型カバーで一体化させており、空気抵抗を低減を実現している。 世界30カ国、96名の自動車ジャーナリストで構成されたワールド・カー・アワードの審査員は、EX90を徹底的に試乗し、510馬力のツインモーターによる静粛性と力強さを併せ持つ走り、そして長時間の移動でも快適に過ごせるよう、人間工学に基づいて設計されたラグジュアリーなインテリアが高く評価されたという。 2040年には完全なるEV専売メーカーになることを目標に掲げ、かなり思い切ったEVへの転換施策を進めてきたボルボではあるが、昨年に続くワールド・カー・アワード部門賞の受賞は、プロダクトの完成度が極まってきた証拠と言えるのではないだろうか。

TAG: #EX90 #ボルボ #ワールド・カー・アワード
TEXT:山本晋也
日本にいると「結局EVは浸透しなかった」と思われがちだがそれは特殊な市場! 海外では徐々にユーザーが増えている!!

日本のEV販売は明らかに減速している 日本では「EVは失敗」だとか「EVの販売は減速」といったニュースやコラムのタイトルを見かけることも多く、EVはオワコンであり、販売台数は減っているという認識が広まっている印象もある。 はたして、EV販売のファクトはどうなっているのだろうか。国策としてEV推しの中国を除き、日米欧のEVセールス状況を調査、2024年と2023年のデータを比べてみることにした。 まずは、我が日本における状況から見てみよう。結論をいえば、日本のEV販売は明らかに失速している。 2024年の乗用車(登録車・軽自動車)のEV販売台数は5万9487台。2023年は8万8152台だったので、3割以上も減っていることになる。 ※自販連・全軽自協の公表データをもとに筆者が集計した値。輸入車含む とくに軽EVの減速が目立つ。2023年には4万4161台も売れていたのに、2024年は2万5430台と、ほぼ半減しているイメージなのだ。ただし、軽EVの乗用モデルは日産サクラと三菱eKクロスEVという姉妹車(つまり性能的には同一)しか選択肢がなく、この性能の軽EVを求めるユーザーに行き渡ってしまったという見方もできそうだ。 欧州(EU圏)のEV販売状況はどうなっているのか。ここではACEAの発表値をもとに考察してみたい。そして欧州においてもEV販売は失速していた。とはいえ、2024年の販売規模は前年比マイナス5.9%と微減で、日本ほど激減しているわけではない。 しかも、EUについては2025年に入ってからEVが元気を取り戻している。1~2月のEV販売台数は25万台を超え、前年同期比28.4%増となっている。このあたりの数値は各国におけるEV補助政策の影響もあるので単純に販売状況=ユーザーニーズといえない部分もあるが、欧州については2024年に失速したEVが2025年に盛り返しているといえそうだ。

TAG: #EVシフト #新車販売
TEXT:高橋 優
BYDが「Sealion 05 EV」発表で小型SUVバトルが激化! しかも値段が激ヤバの約243万円から!!

コンパクトSUV「Sealion 05 EV」が登場 BYDがコンパクトSUVセグメントのSealion 05 EVを正式発売しました。日本導入にも大いに期待したいコンパクトなサイズ感も含めて、そのコスト競争力の高さを分析します。 まず、BYDは2025年に突入してから、 ・自動運転システム「God’s Eye」の全モデル導入 ・車載ドローンシステム「Lingyuan」 ・メガワット充電システム「スーパーeプラットフォーム」 という最新テクノロジーを発表しました。 そして3月中には、 ・Yuan Plusのモデルチェンジバージョンの発売 ・Han LとTang Lの正式発表 ・DenzaのフラグシップSUVであるN9の発売 ・大衆セダンQin L EVの正式発売 ・ハイエンドブランドYangwangの超高級セダン「U7」の発売 ・Fang Cheng BaoのコンパクトオフロードSUV「Tai 3」の発表 など、最新テクノロジーとともに新型EVを矢継ぎ早に発表しています。 そして今回発売したのが、大衆SUVのBEVであるSealion 05 EVです。BYDはOceanシリーズについて、セダンはシール、SUVはSealionに統一しながら、サイズが大きくなるごとに05/06/07/08/09と命名。よって今回のSealion 05 EVは、OceanシリーズのなかでもっともコンパクトなBEVのSUVということになります。またSealion 05 EVは、王朝シリーズのYuan Plusの兄弟車でもあります。 Sealion 05 EVは、全長4520mm、全幅1860mm、全高1630mm、ホイールベースが2720mmというコンパクトSUVセグメントであり、リヤにモーターを搭載した後輪駆動です。兄弟車であるYuan PlusはFWDであり、ここが大きな相違点です。よって、最小回転半径が4.65mと軽自動車を凌ぐ小まわり性能を実現しています。PHEVモデルのSealion 05 DM-iの最小回転半径が5.8m、Yuan Plusも5.3mであることから、パワートレインをリヤに移動させた分だけタイヤの切れ角を大きくすることに成功しています。 さらに、110リットルという大容量トランクを採用。たとえばテスラ・モデル3のトランク容量が88リットル、モデルYが116リットルであることからも、コンパクトSUVとしては広大な容量を確保していることがわかります。また、60.928kWhのLFPバッテリーパックを車両の構造として利用するセルトゥボディを採用。その上、Sealion 07 EVから採用を始めたeプラットフォーム3.0 evoを採用することで、急速充電性能を大幅に改善。最大400Aの電流値、最大156kWという充電出力に対応可能です。Yuan Plusは最大でも85kWまでしか対応することができていないことを踏まえると、充電性能を大幅に進化させてきているのです。 さらに、Sealion 05 EVには全グレードでDi Link 100と呼ばれるスマートコクピットシステムを採用。DeepSeekとの統合も含めて、音声認識や将来にわたるOTAアップデートに対応します。 また、God’s Eye […]

TAG: #SUV #新型車
TEXT:TET編集部
ブランド史上もっともパワフルな659馬力で「ラグジュアリーEV」最強宣言! ロールス・ロイスが「ブラックバッジスペクター」の日本導入を発表

最高級EV「スペクター」の進化版 ロールス・ロイス・モーターカーズは、日本市場に新型EVクーペ「ブラックバッジスペクター」を導入すると発表した。ブランド史上初の量産EV「スペクター」をベースに、出力と走りを大幅に高めたモデルだ。最高出力は485kW(659馬力)、最大トルクは1075N・mとなり、同社史上最強のパワーを誇る。 「インフィニティ」と「スピリテッド」のふたつのモード ブラックバッジスペクターの開発では、匿名化されたブラックバッジオーナーによる膨大な走行データ(数十万マイル相当)を活用し、実際の使用環境に即したパフォーマンスチューニングが施されている。 ステアリング上の「インフィニティボタン」を押すと、鋭いスロットルレスポンスと485kW(659馬力)のフルパワーが解き放たれる「インフィニティモード」を採用。 さらに、「スピリテッドモード」では、停止状態からブレーキとアクセルを同時に踏み込み、ブレーキをリリースするだけで0-100km/h加速4.3秒という驚異的なパフォーマンスを発揮する。

TAG: #新車 #輸入車 #高級車
TEXT:TET編集部
コスパ抜群で評価も高いとか向かうとこ敵ナシ!? ヒョンデ・インスターが「2025ワールド・エレクトリック・ビークル」の栄冠に輝く

ヒョンデのワールド・カー・アワード部門別受賞は4年連続 スタイリッシュかつコンパクトでありながら広々としたスペースを持ち、必要十分な一充電航続性能を備えたヒョンデのスモールEV「INSTER(インスター)」が、世界的に名誉あるワールド・カー・アワードの2025年授賞式で、世界中の電気自動車(EV)のなかからもっとも優れた1台に送られる「ワールド・エレクトリック・ビークル」の栄冠に輝いた。 ワールド・カー・アワードは、世界30カ国96名のモータージャーナリストから構成される審査員団が、秘密投票を通じてファイナリストを選出し、4月のニューヨーク国際オートショー開催期間中に行なわれる授賞式で各部門の受賞が発表されるものだ。 2025年のワールド・エレクトリック・ビークルをインスター(韓国での車名はキャスパー・エレクトリック)が受賞したことで、ヒョンデとしては2022年のアイオニック 5、2023年のアイオニック 6、そして昨年のアイオニック 5 Nと、4年連続でワールド・カー・アワードの何かしらの部門でトップの座に就いたことになる。 インスターが2025年のワールド・エレクトリック・ビークルを受賞した理由は、EV部門における類稀なる価値が評価されただけでなく、ヒョンデのEV技術と持続可能性の推進に対する検診が認められたものだとヒョンデは発表している。 今回の受賞にあたり、ヒョンデのホセ・ムニョスCEOは、「インスターは、発売当初からお客さまから高い評価をいただいておりましたが、権威あるワールド・カー・アワードの審査員である自動車の専門家の皆さまからも同様の評価をいただいたことを、たいへん喜ばしく思います。魅力的なデザイン、長い航続距離、心地よい走行特性、直感的な操作のインフォテインメント、そしてお客さまからの評価も高いテクノロジー等の組み合わせは、皆様に卓越した価値を提供したいという当社の姿勢を表しています。当社のグローバルな製品ラインが商業的にも批評的にも成功している理由は、世界中で最高のクルマを提供している当社のバリューチェーン全体で努力を続ける従業員によるものです。この大きな業界へ多大な貢献をしてくださる審査員の皆様に感謝いたします」とコメント。 世界的な評価が高いことを改めて示した形の今回の受賞。インスターはその出来の良さに加え、日本国内では税込み284万9000円からという魅力的な価格設定も武器となる。日本メーカーでは、日産サクラと三菱ekクロスEVの軽EVコンビを除くと、実質的なライバルが不在の国内コンパクトEV市場。このヒョンデ・インスターがブルーオーシャンともいえるその市場を牛耳るのではないかという不安と予想が、いよいよ現実味を帯びてきそうだ。

TAG: #インスター #ヒョンデ #ワールド・カー・アワード
TEXT:御堀直嗣
リチウムバッテリーは暑いのも寒いのも苦手! EVの性能はバッテリーの温度管理で大きく変わる!!

冬はEVの一充電走行距離が短くなる 電気自動車(EV)で使われるリチウムイオンバッテリーは、人間が快適に暮らせる温度が適しているといわれる。つまり、極寒や酷暑は苦手だ。EVが寒さや暑さを苦手とするのは、バッテリー特性に負うところが大きいだろう。 とくに寒い冬は、EVの一充電走行距離が短くなるといわれる。理由は、低温になると電圧が低下するからである。走行に必要な電力は、電圧×電流なので、電圧が下がれば電力量が減り、そのぶん走れる距離が短くならざるを得ない。 対応策を理解するとき、背景となるのは、やはり人間と同じような環境で最適な性能を発揮するという、リチウムイオンバッテリーの特性だろう。 人間も、寒さで体が硬くなれば、事前にウォーミングアップをすることで、いつもどおりの活動ができるようになる。リチウムイオンバッテリーの充放電は、正(+)負(-)の電極間をイオンが往復することで行われる。したがって、イオンが移動しやすい温度環境を整えることが大切だ。 かつて、発売当初の市販EVは、バッテリーを空冷していたので、停車中を含め意図的な温度管理をできずにいた。走ったとき、走行風で冷やすという効果しか望めなかったのだ。極寒の地では、気温が下がっただけバッテリーが冷えてしまう。つまり、イオンが電極間を移動しにくくなる。移動が鈍れば、電圧が下がる。 対策は、バッテリー温度を下げ過ぎないことで、空冷に替えて液冷を導入することにより、冷媒を温めれば、バッテリーを温度低下から守ることができる。 とはいえ、空冷ではダメということではない。空冷であることを通じて、廃車後のリチウムイオンバッテリー再利用のため、セル単位に分解しやすいことを視野に入れていた。クルマとして最適なだけでなく、リチウムイオンバッテリーという高価な部品を使い尽くすための視点が、EVでは不可欠なのだ。液冷式となった今日も、EV後の再利用を視野に、バッテリーケースの設計を行う必要がある。 リチウムイオンバッテリーの再利用を重視する理由は、廃車後も、なお70%近い容量を残しているからだ。これを定置型の電気施設などで再利用しない手はない。たとえば太陽光や風力など、再生可能エネルギーによる発電の電力を貯めておくのに使える。

TAG: #バッテリー #リチウムイオンバッテリー

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