日本の伝統美を追求するサクラのデザイン
一方、3年後の2022年に登場したサクラはどうなのか? 端的にいえば、サクラは日産の最新デザインフィロソフィである「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を全面的に反映したスタイリングといえます。
たとえば、シンプルで先進感あるフロントのシールド部は、光るエンブレムなど落ち着いた大人の雰囲気。リヤのLEDコンビランプは格子をモチーフとした独特の様式を感じさせる手法であり、ホイールは水引からヒントを得たデザインで、日本の伝統美を表現しています。
それらの要素が織り込まれるボディは、キュッと引き締まった緊張感のある面が特徴で、キャラクターラインも非常に繊細な表情です。これはアリアやセレナ、ノートとも共通するコンセプトですが、より小さな軽規格が一層の繊細さを打ち出しているのです。
さて、こうして見るとデイズやeKワゴン、eKクロス EVに込められた日産らしさは、いってみれば従前からの「大らかな乗用車」的表現であり、一方のサクラはいまの日産が考える最新の造形美であることがわかります。つまり、わずか3年の間にデザイン言語の大きな変革があったワケです。
日産が独自のフィロソフィを打ち出す以上、こうして別の道を歩むことになったのは必然なのですが、では次期デイズとeKワゴン、eKクロス EVのスタイリングはどうなるのか? そこはじつに興味のあるところですね。
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