2025年1月
TEXT:桃田健史
小型車最強のスズキがEVを発表! フロンクス同様にインド生産の「e ビターラ」は期待の1台!!

EVでもスズキらしい走りを実現 ついに、スズキがバッテリーEVの量産モデルを公開した。モデル名称は「e VITARA(ビターラ)」。初お披露目の場は、ファッションやデザインの領域で世界最先端の場のひとつとされる、イタリア・ミラノであった。 実車は欧州向けで、そのボディ寸法は全長4275mmx全幅1800mmx全高1635mm、ホイールベースは2700mm。電池容量は49kWhと61kWhの2種類。49kWh版は2WDのみで、フロントモーター出力は106kW。61kWh版は2WDが128kW、4WDがリヤ48kWを加えた300kWとなる。バッテリーはコストと生産性を考慮した、リン酸鉄リチウムイオンを採用する。 また、プラットフォームは、軽自動車から乗用車での知見を積み上げた「HEARTET」をEV向けとして新開発した「HEARTECT-e」を名乗る。 4WDについては、これもスズキの知見を駆使した「ALLGRIP」を「ALLCRIP-e」とした。モーターとデファレンシャルギヤを一体化させたeアクスルを前後それぞれに採用する。これにより、悪路で片輪が浮いた状態でも、LSD機能で駆動を制御するTrailモードを設定し、スズキらしい走りを実現しているという。

TAG: #e VITARA #新型車
TEXT:藤田竜太
簡単そうに言われるけど実際そうでもないぞ……旧車のエンジン車をEV化して蘇らせる「コンバートEV」の現実

メーカーからもコンバートEVが登場! 日産が東京オートサロン2025に「R32EV」を出展すると発表したり、トヨタがAE86をコンバートEVした「AE86 BEV Concept」(東京オートサロン2023で発表)を製作したりと、コンバートEVの注目が高まってきている。 このコンバートEVとは、簡単にいえばガソリン車などの内燃機関自動車を改造して電気自動車(EV)に転換したクルマのこと。 エンジン本体や吸気系、エキゾースト系などの補器類、燃料タンクなどの部品を取り外し、その代わりに動力用のモーターやバッテリー、モーターコントローラーなどの部品にconvert(入れ換える、変換する)することを意味している。 車種によっては150万円ぐらいでコンバートEVのキットが発売されているが、それらをインストールするためには、1台1台、ワンオフで取り付け部品を製作したり、バッテリーの認証を受けたり、ナンバーを取得したりとかなりの手間がかかるので、ガソリン車、とくに古いクルマ、ビンテージカーをベースにコンバートEV化を考えるなら、その費用は500万円以下には収まらないと考えたほうが妥当だろう。 一方で、コンバートEVは(エンジン関係の)部品が欠品して走れなくなってしまったクルマや、排ガスの問題がクリアできないクルマ、エコカー減税の対象外で維持費が高いクルマなどを、電動化することで現役復帰させ、蘇らせる方法として期待されている面もある。 ビンテージカーの場合、EV化以前にボディなどレストアしなければならない部分もあるし、珍しいクルマほどワンオフで製作しなければならないパーツも増えるので費用は高額になる傾向だが、旧車特有の故障の心配から解放されたり、パワステやエアコンなどを追加し、アップデートすることができたり、排ガスのニオイから解放されて、静粛性も手に入るなど、EVならではのメリットも享受できるのは大きな魅力。 国産車をベースにコンバートEV化するのはこの先も当面まれかもしれないが、古い欧州車やアメ車などをコンバートEVで蘇らせる流れはすでにできつつある。 これまでのカスタマイズとは毛色が違うが、魅力あるクルマを現役として延命させる方法として、徐々に認知され、需要が増していくことだろうし、普及することでコストも下がり、バッテリーなどの高性能化も進むことが期待されている。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車
TEXT:TET 編集部
仮想世界の日産のショールーム「NISSAN CROSSING」がリニューアル! 特別仕様車「ビームス エディション」とのフォトコンテストを開催中

自身のアバターにお気に入りの一着を着せて「ビームス エディション」と撮影しよう! 日産自動車は、メタバース上のVRギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」をより多くの方々に楽しんでもらえるよう、大規模なリニューアルとともに世界観を一新した。また、1月27日から2月9日までの期間限定で、 ビームス監修の特別仕様車「ビームス エディション」を展示し、フォトコンテストを開催している。 日産は、2021年にソーシャルVRサービスのVRChat内にVRギャラリー「NISSAN CROSSING」を開設。以後、さまざまなイベントやコンテンツを公開し続け、新たなコミュニケーションの場を広げている。日産はこれまでメタバース上での活動を通し、とくに若い世代やクルマとの接点が少なかった層に対し、日産の技術や取り組みの理解を深めてもらう場としてメタバースの有用性を見出してきたという。 また、メタバース上のコミュニティにおいては、友人たちとの集いや同じ体験を共有することができ、日産のワールド内での体験も発信されている。 VRギャラリー「NISSAN CROSSING」はその名が表す通り、日産が銀座に構える本物のギャラリーを忠実に三次元化したもの。外観から施設内部に至るまで本物さながらに再現され、世界中のどこからでも日産のシンボリックなギャラリーを仮想空間で訪れることが可能になっている。 今回のリニューアルにより、銀座の街並みをネオンのアウトラインで表現し、建物内の装飾もアップデートされた。また、ビームス監修の特別仕様車「ビームス エディション」全6車種のなかから、軽EVの「サクラ」をはじめ、「ルークス」「エクストレイル」をVRギャラリー内に展示し、見学することができる。 併せて自身のアバターにお気に入りの一着を着用し、展示中のビームス エディションと一緒に写真撮影を行い、コメントを添えて応募するフォトコンテストも開催されている。撮影された写真のうち、最優秀賞および優秀賞を受賞した3名の写真は、後日VRギャラリーの「NISSAN CROSSING」内に提示されるという。 また、副賞として、最優秀賞に輝いた1名には、日産オリジナルのベアブリック「NISSAN BE@RBRICK “Sakura at Japanese Dawn 暁の桜”100% & 400%」が贈られる。 優秀賞2名のうち1名には、フェアレディ Z NISMOの1/43スケールダイキャストモデルが贈られる。 もう1名の受賞者には、BEAMS公式BOOTHショップで販売中の3D衣装から、好きなものを1点選んでプレゼントされる。 VRChat内「NISSAN CROSSING」の利用方法や、フォトコンテストへの応募方法などは、下記を参照されたい。 ■フォトコンテスト 応募期間:2025年1月27日(月)14:00〜 2025年2月9日(日)23:59 応募方法:VRギャラリー「NISSAN CROSSING」内でお気に入りの一着を着たアバターと特別仕様車「ビームスエディション」と一緒に撮影した素敵な1枚を、コメントと共に応募 公式X(旧Twitter)アカウント(@NissanJP)をフォロー後、ハッシュタグ「#NISSAN_BEAMS」を付けて投稿 入賞者発表:3名の方を選定し、VRギャラリー「NISSAN CROSSING」2Fスペースにて、入賞写真を掲示いたします。

TAG: #NISSAN CROSSING #キャンペーン #日産
TEXT:高橋 優
イーロン・マスクの目は「EV販売台数」から「自動運転普及」へ! BYDとの販売台数争いは眼中なしか

2024年の販売台数は178万9226台 テスラの2024年シーズンの納車台数が速報され、アナリストの予測を大きく下まわる結果に留りました。年間EV王者対決として注目されていた中国BYDとどれほどの販売台数の差がついたのか。2025年シーズンにおける展望も含めて解説します。 まず、2024年Q4におけるグローバル全体の納車台数は49万5570台と、2023年Q4と比較して2.28%のプラス成長となりました。その一方で、2024年シーズン全体の販売台数は178万9226台と、1.07%のマイナス成長と前年割れという結果に留まりました。 車種別の販売台数を確認してみると、まずモデル3とモデルYの販売台数の合計は47万1930台と、Q4単体では前年比超えを実現したものの、2024年通しではモデル3とモデルYという主力車種の販売台数は前年割れとなりました。 また、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの販売台数の合計はQ4単体で2万3640台と史上最高を更新しながら、2024年シーズン全体の販売台数という観点でも前年超えを達成。サイバートラックの販売台数が伸びたぶんだけ販売ボリュームが増加していると推測できます。 ところが、今回のQ4における最大の問題点は、主力車種であるモデル3とモデルYではなく、サイバートラックにあると思います。というのも、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの合計販売台数の伸びはたったの700台弱です。次にサイバートラックは、2023年Q4以降に生産体制を拡張することで、すでに年産12.5万台のペースに到達済みであると公式に発表。つまり、四半期ペースで3万台の生産能力を有しているということを意味します。 サイバートラックの生産ラインの稼働が一時的に停止したという情報や、さらに予約台数が200万台以上も存在するはずのサイバートラックが、2024年末には即納状態であることを示すタイムラインがテスラのホームページ上で表示されていましたが、やはり販売台数という観点からも、残念ながらサイバートラックの需要は想定を遥かに下まわっているのが現状であると推測できるのです。 テスラは2025年中にも、サイバートラックのエントリーグレードであるRWDを追加設定しながら、さらにベッド部分に追加バッテリーを搭載するというレンジエクステンダー仕様を追加予定。そのうえ2025年以降に登録された車両に対しては、連邦政府からの7500ドルの税額控除が追加で適用可能になったという点は好材料です。とはいうものの、トランプ政権下では税額控除が廃止される可能性が高いという点をはじめとして、サイバートラックの需要が大きく伸びるとも考えづらい状況です。 このサイバートラックの生産ラインの稼働率低下問題が、テスラ全体にどれほどの影響を与えるのかは決算内容に注視する必要がありそうです。 また、テスラは地域別の販売台数を公開していないものの、主力マーケットである中国市場の販売台数は2024年シーズン65.7万台と、前年比8.8%の成長を実現しています。よって、テスラが中国国内だけで販売した割合はQ4単体で4割程度という水準です。つまり、テスラは中国国内でさらに販売台数を伸ばすことに成功したものの、ホームマーケットである北米市場、そして欧州市場での販売がマイナス成長だったことにより、中国市場での成長分が相殺されてしまった格好なのです。

TAG: #2024年 #販売台数
TEXT:TET編集部
BYDが日本専用の中型EVバス「J7」の年内納車を発表! そして次に日本で狙う市場はEVトラックだった

BYDのEVバス日本参入10周年でEVトラックにも進出 BYDジャパンが1月24日(金)に開催した「BYD事業方針発表会2025」で、日本市場向けに専用開発した中型EVバス「J7(ジェイセブン)」を初披露。年内に納車が開始されることを発表した。 また、今後のBYD商用車部門の事業方針のひとつとして、EVバスに続き、日本国内のEVトラック市場にも新規参入することを宣言。 BYDジャパンは、乗用車部門が2023年1月に日本市場での販売を開始する遥か前である2015年から、日本のEVバス市場に参入している。以来、累計350台のEVバスが全国に納車されたというが、EVバス市場参入10年という節目を迎えた2025年、今度は日本のEVトラック市場に参入することになる。 EVトラックの販売開始時期は2026年以降とされ、順次ビジネス展開を始める予定だという。BYDは「今後はEVバスとEVトラックの両輪で、多様性あふれる商用EV車両の販売を強化し、さらなる日本の公共交通ならびに物流分野での車両の電動化を力強く推進するとともに、日本のカーボンニュートラル社会の発展に向け、取り組みを強化していきたい」と意気込みを表明している。 新型の中型EV路線バス「J7」でフルラインアップ完成 さて、初披露された中型EVバス「J7」の話に戻そう。BYDのEVバスは、現在小型の「J6」および大型の「K8」がラインアップされている。とくにJ6はモデル名が示すように、日本市場のニーズに合わせて開発された日本専用設計の小型EVバスだ。 そこに、中間サイズといえる車幅2.3mの中型EVバス「J7」が今回新たに加わり、これで大中小3つのEV路線バスのラインアップを完成させた。 J7の全長8.99m、全幅2.3m、全高3.25mというボディサイズは、まさに日本市場における中型路線バスのサイズにぴったり収まる寸法だ。また、電動駆動システムであるeアクスルも専用設計され、完全に日本市場にアジャストして設計された日本向け中型EV路線バスになっている。 駆動用バッテリーは、BYDのEVを象徴するリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの「ブレードバッテリー」を搭載している。天井部分と後部に容量192.5kWhのバッテリーを効率よく搭載することで、「J6」「K8」と同様に、乗車後の段差がないフルフラットな床面を実現している。 なお、この中型EVバス「J7」の全国メーカー希望小売価格は、3650万円(税別)となっている。 BYDの商用車部門は、日本全国に6拠点の事業所を構え、主にサービス関連のサポート業務を行っている。また、2024年からは緊急時の対応として、24時間365日対応のロード・サービス、「BYD(EV)バス サービスコール」と「BYD(EV)バスロードサポート」の運用もスタートしている。 これらにより、運行事業者はBYDのEVバスを安心して使用することができるわけで、その結果、日本国内のEVバス市場においては、BYDが7割強のシェアを獲得するまでに至っているそうだ。 今後参入するEVトラック市場でも、EVバスの実績を携えシェアを奪いにいくのか、その動向が注目される。

TAG: #BYD #EVトラック #EVバス
TEXT:石橋 寛
ただガワだけR32のEVじゃない! 日産が作った「R32 EV」は「R32GT-Rの走り」の忠実再現を目指した壮大な計画だった

単なるEVコンバートじゃない! 日産が最先端EV技術を投入して、初代GT-R(R32)をEVコンバートしたニュースは早くからSNS上で拡散され、ついには富士スピードウェイにて実車のアンヴェールも行われた。しかし、前評判は悲喜こもごもであり、日産にとって大切な資産である名車のEV化には逆風が吹き荒れたことも記憶に新しい。 が、プロジェクトを牽引したエンジニアから知らされた「真の目標」は、単純なEVショーケースにすることなく、未来永劫R32の乗り味を正確に再現することだった。 R32 EVについて日産のステートメントは、「EVならではのワクワクする運転体験や魅力をお伝えしたい」と語っているが、このセンテンスだけでは今回のプロジェクトのキモを伝えきれていない。付け加えるなら、「EVならではの技術を使い」「R32のワクワクする乗り味を再現し」「30年前に完成された運転体験や魅力を伝えたい」となるはずだ。 つまり、単なるEVコンバートではなく、R32の乗り味、フィーリング、あるいは馬力やトルクの感覚までをEV技術でもって忠実に再現する、というのが真の目標にほかならない。したがって、他社が行った過去の名車をEVコンバートしたことに刺激を受けてのプロジェクトといった指摘はまったく当てはまらないのである。 さて、プロジェクトの進行はSNS上でもざっくりと伝えられていたものの、実際の製作は意外なほど難航していたようだ。たとえば、R32開発当時にはCAD(コンピュータ支援デザイン)システムがなく、デジタルデータはおろか、紙の設計図すら数えるほどしか残っていなかったという。すなわち、R32の車体にモーターやバッテリーを搭載しようにも基本的な寸法すら測りなおす必要にかられるわけで、「まずはR32を完全に解体して、採寸することから始まりました」と、プロジェクトの牽引役、日産の平工さんがコメントしてくれた。

TAG: #GT-R #R32 #コンバート
TEXT:TET 編集部
2025年のBYDの見どころはフラッグシップSUV「シーライオン7」の導入だけじゃない! PHEVモデルも日本市場に殴り込み

新型クロスオーバーe-SUV「シーライオン7」を日本導入 2025年1月24日、中国の自動車メーカーであるBYDの日本法人BYD Auto Japanが、日本に導入する4番目のEVモデルとして、新型クロスオーバーe-SUVの「SEALION 7(シーライオン7)」を、2025年4月から全国のBYD正規ディーラーで販売を開始すると発表した。 先ごろ開催された東京オートサロン2025で日本初公開となったシーライオン7は、伸びやかでエレガントな外観が特徴のクロスオーバーe-SUVだ。海洋生物の自由さや美しさから着想を得てデザインされたというBYDの乗用車「海洋シリーズ」に含まれるモデルで、シーライオン7はそのトップモデルに位置する。 それだけに、ボディは全長4830mm、全幅1925mm、全高1620mmの堂々としたサイズになっている。他社ではレクサスRZやメルセデス・ベンツGLCと近しいサイズで、要はクロスーバーSUVらしいワイド&ローなフォルムを持っているということだ。 シーライオン7は4月の販売開始時点でふたつのグレードを設定する予定。ひとつはリヤに最高出力230kW、最大トルク380N・mのモーターを搭載する後輪駆動モデルの「シーライオン7」で、もうひとつはフロントにも最大出力160kW、最大トルク310N・mのモーターを備えた四輪駆動モデルの「シーライオン7 AWD」だ。 バッテリーはグレードに関わらず、総電力量82.5kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載する。システム最大出力の違いから、一充電走行距離は後輪駆動モデルのシーライオン7が50kmほど長く、590kmとなる模様。 このあたりの細かな数値に関しては、2025年1月24日時点の情報となり、実際の販売時には多少数値が異なってくる可能性がある。そのため、あくまでも参考数値として捉えていただきたい。 BYDのPHEV車両が日本に初導入される さて、BYDからはもうひとつ重要な発表があった。具体的な車種名は言及されていないが、BYDのプラグインハイブリッド車両(PHEV)を日本に導入することが今回明らかにされた。これまではバッテリーEV(BEV)のみを日本展開していたBYDだが、今後はPHEVをそのラインアップに加えることで選択肢を広げ、さらなる顧客拡大を期待する。 BYDのPHEVは、高効率のPHEV専用エンジンとモーター、ハイブリッド専用の変速機、最新のバッテリーマネジメントシステムなどが連携した「DM-i(デュアルモード・インテリジェント)」と呼ばれるシステムを搭載し、優れたパワーと燃費性能を両立しているのだという。 具体的な導入時期や詳細については後日案内するとされたが、国内100拠点のディーラー整備と並行し、これまでのBEV一辺倒の体制からPHEVも加えた車種ラインアップの拡充で、日本市場への攻勢を一層強める構えだ。 なお、BYDは中期的にはこれらBEVとPHEVを組み合わせ、7~8モデルを日本市場向けにラインアップする意向であることも同時に発表している。 2025年もシーライオン 7の発売開始を手始めに、BYDの存在感は増していきそうだ。

TAG: #BYD #シーライオン 7 #新型車
TEXT:桃田健史
中国のEVバブルは終了! 雨後の筍のごとく登場したEVベンチャーは淘汰され「ホンモノ」だけが残る

EVメーカーの競争が激化 中国のEVといえば、BYDを筆頭として日本ではあまり馴染みのないさまざまなEVブランドが混在している。だが、そうした新興EVメーカーの栄枯盛衰はあまりにも早い。少し前まで人気を誇っていたはずなのに、いつの間にかブランド自体が消滅したり、またメーカーそのものが経営破綻するケースもある。 背景にあるのは、過剰な競争環境だ。 時計の針を少し戻すと、中国でのEV市場が産声を上げたのは、いまから15年ほど前だ。2000年代後半から2010年代にかけて、中国政府はEV事業の推進を国家戦略として打ち出した。 最初は、3つの国際行事をターゲットとした。2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、そして同年に広州で開催されたアジア競技大会だ。 これら3大行事では、都市部でのEVバスやEVタクシー、さらに会場内での小型EVなどを導入。中国の自動車産業が新世代に移行するという印象を、中国の国内外に向けて強く発信した。 これを土台として、続く2011〜2015年に国家戦略「第12次5ヵ年計画」の中核に、EVの開発と普及を掲げた。 その実現に向けては、海外メーカーとの合弁企業におけるEV共同開発を中国政府として後押ししたり、そこで集積した技術を国家機関のなかで分析・解析した。そのほか、中国の国家自動車研究所である中国自動車技術研究センター(CATARC)などが、グローバルEV市場の状況を把握しながら、独自にEV研究開発を進めた。 そうしたなかから、乗用車向けのEVベンチャーになるような技術の芽が育ち始めた。また、中国におけるEV市場の将来性を見込んで、欧米メーカーのEV研究開発者らが中国系の投資家などから資金を調達して、EVベンチャーを設立する動きも加速した。 こうして中国におけるEVベンチャーが活躍するステージが整い始めたころ、欧州を起点とするESG投資に起因するEVシフトの大波がグローバルで一気に広がった。 ESG投資とは、従来のような財務情報だけではなく、環境(エンバイロメント)、社会性(ソーシャル)、そしてガバナンスを考慮した投資のことだ。 このESG投資バブルが中国EV市場にも大きな影響を与えたのが、2010年代後半から2020年初頭にかけてだ。 だが、ESG投資バブルが弾けるのと時を同じくして、中国の国内経済が低調となり、結果的に中国のEVベンチャーの淘汰が進んだといえよう。 中国EVベンチャー乱立時代は終止符を打ち、真の技術力と経営能力、さらに政治力をもつブランドのみが生き延びている。

TAG: #メーカー #中国
TEXT:TET 編集部
誰にでも当選チャンスあり! BYDが春節を祝ってATTO 3をプレゼントキャンペーンを開催

BYDが中国車メーカーらしいキャンペーンを実施中 BYDが2025年1月24日(金)から2月4日(火)までの期間限定で、抽選でBYDのミドルサイズe-SUV「ATTO 3(アット・スリー)」が1名に当たる、「BYD ATTO 3 春節プレゼントキャンペーン」を実施している。 中国文化を色濃く反映しているアジア諸国では、いわゆる1月1日の元旦から始まる正月の三が日よりも、旧暦の元旦にあたる春節を盛大に祝う文化があることは多くの人がご存知だろう。2025年の春節は1月29日とされており、日本でも横浜や神戸の中華街では大変な賑わいが見込まれている。 その春節を間に挟む期間で、BYDが中国メーカーらしく春節を祝うかのようなキャンペーンを実施している。それは、スキーホワイトのボディーカラーに彩られたEVのミドルサイズSUV「ATTO 3」が1名に当たるというもの。しかも、キャンペーンへの応募は誰でもOKという大盤振る舞い。 応募に関しても、専用の応募フォームにメールアドレスなど必要事項を入力し、申し込み完了メールがBYDから届けば応募が完了という手軽さだ。 BYD ATTO 3は、BYDが独自開発した「ブレードバッテリー」を搭載したEV専用プラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用している。これによりWLTC値470kmの航続性能と高い安全性、フラットな床面による広い車内空間、さらに440リットルの荷室空間を実現した実用性の高いe-SUVとなっている。 2024年3月のマイナーチェンジでは、内外装に新色が設定されたほか、車内のタッチスクリーンが12.8インチから15.6インチに拡大。BYD Storeが内蔵され、「Amazon Music」「検索ブラウザ」「カラオケ」の3つのアプリ取得が可能になっている。ちなみに「カラオケ」アプリ用として、別売りのマイクが後日販売される予定になっているあたり、BYDのユーモアさを感じさせるところだ。 さらに「春節なんだし、応募条件なんか付けないでクルマ1台プレゼントしちゃおう」というBYDの心意気、BYDって案外お茶目なメーカーなのかもしれない。 <BYD ATTO 3 春節プレゼントキャンペーン概要> ■応募フォーム https://txkb.f.msgs.jp/webapp/form/24953_txkb_71/index.do ■応募期間 2025年1月24日(金)10:00〜2025年2月4日(火)23:59 ■応募方法 (1)所定の応募フォームに必要事項を入力し応募 (2)応募完了後に、(1)で登録したメールアドレス宛に「申し込み完了メール」が送信される。ドメイン指定受信を設定されている方は、「@byd.co.jp」からのメールを受信できるように設定しておく (3)当選告知に関して、居住地域または近隣のBYD正規販売代理店より連絡 ※応募は全キャンペーン期間を通し、ひとりにつき1回限り有効

TAG: #ATTO 3 #BYD #キャンペーン
TEXT:山本晋也
まだCO2うんぬんじゃない80年前にEVが走っていた! 日産リーフのご先祖「たま」が想像よりスゴイクルマだった

日産のEVのルーツ「たま」 EVシフトの減速がメディアで報じられることもある昨今ですが、世界的なカーボンニュートラルトレンドが進んでいく限り、モビリティのゼロエミッション化は避けられないものであり、世界は確実にEVシフトを受け入れ、進めていくであろうというのが中長期的な見方なのは変わりません。 カーボンニュートラルが求められるのは地球温暖化・気候変動の対策において人間社会ができる有効かつほとんど唯一の方法がCO2排出量削減であるからですが、それとは別の視点でEVのニーズが高まった時代もありました。 それが第二次世界大戦後の日本です。 1945年の終戦からしばらく、日本では占領軍による軍需物資統制が敷かれていました。そのなかには原油も含まれていましたから、深刻な石油不足に陥ることになります。 一方、山の多い日本では水力発電によって電力供給をすることは可能です。そこで小さなモビリティとしてEVが解決策として求められたのです。 その時代に生まれたEVの代表作といえるのが「たま」です。製造したのは「東京電気自動車」で、のちに日産自動車に吸収合併されるプリンス自動車の前身となる会社です。つまり、リーフやアリアなど、日産EVのルーツは「たま」にあるともいえるのです。 多摩地区に工場があったから「たま」という名前にしたというエピソードも微笑ましいところですが、後ろヒンジのドア、丸目ヘッドライト、幅の狭いタイヤといった要素からなる丸っこいフォルムは、令和の感覚でみると可愛いもので新鮮に思えるかもしれません。

TAG: #たま #たま電気自動車 #日産

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