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ホンダの新世代EV「e:NP2」と「イエ」シリーズはここから生まれる! 中国合弁会社「広汽ホンダ」の新工場が広州市に誕生


TEXT:TET 編集部 PHOTO:ホンダ
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高効率・スマート・低炭素な生産体制を目指して建設

ホンダの中国における四輪生産販売合弁会社である広汽本田汽車有限公司(以下、広汽ホンダ)が、2024年12月23日から、中国広東省広州市に新設した「開発区新エネルギー車工場」と呼ばれる新工場の稼働開始を発表した。

広汽ホンダの新工場「開発区新エネルギー車工場」の空撮全景

ホンダは、中国国内に四輪車の生産販売合弁会社をグループ内に2社保有している。ひとつは東風本田汽車有限公司(以下、東風ホンダ)であり、もうひとつが今回新工場が稼働した広汽ホンダである。

前者の東風ホンダは、湖北省武漢市で2004年4月に第1工場を稼働させたのを皮切りに、2019年に第3工場の稼働を開始。それぞれ年間24万台の生産能力を誇る。そして直近の2024年9月からは、全世界のホンダの生産工場でも初の試みとなる、電気自動車(EV)専用の生産工場「新エネルギー車工場」を年間12万台の生産能力で稼働させている。

2024年9月に稼働を開催させた東風ホンダのEV専用工場「新エネルギー車工場」の建屋

後者の広汽ホンダは、広東省広州市に拠点を構え、第1工場である黄埔工場を1999年3月に稼働させて以降、増城工場と呼ばれる第2・第3工場を2015年までに順次稼働を開始させている。3つの工場はそれぞれ年間24万台の生産能力を備えている。

その広汽ホンダの新工場「開発区新エネルギー工場」は、約34.9億元(日本円にして約750億円)もの金額が投じられ、高効率・スマート・低炭素な生産体制を目指して建設された。プレス・溶接工程においては、部品搬送の自動化により物流要員のゼロ化を実現し、AIによる溶接強度検査をホンダとして初採用。組立工程では、工程全体の約30%を自動化することで、高効率な生産ラインを実現しているとされている。

広汽ホンダの「開発区新エネルギー車工場」 プレス・溶接工程は部品搬送自動化により物流要員がゼロに

環境面では、工場敷地内に合計22メガワットの太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーを活用することで、中国政府によるCO2排出に関する基準に対し、年間約1.3万tのCO2排出低減を見込んでいるという。

また、新開発した低VOC(揮発性有機化合物)塗料の採用や、工場排水に含まれる有害物質を100%処理できる設備の導入により、環境負荷の低減を図っている。工場からのVOC排出量は大気汚染への影響を最小限とするため、広東省の基準限度に対してさらに70%以上の削減を目指すとしている。

広汽ホンダの「開発区新エネルギー車工場」で稼働している塗装ロボット 低VOC塗料を採用し環境負荷を低減

ホンダは「2050年にホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」というグローバル目標に向けて動いている。

中国においては、2022年に販売を開始したEV「e:N(イーエヌ)」シリーズに加え、2024年度に販売開始を予定している新世代EVシリーズ「烨(yè:イエ)」もあわせて、2027年までに10機種のホンダブランドのEV投入を予定している。

ホンダが2024年度に販売開始を予定している新世代EVシリーズ「烨(yè:イエ)」シリーズ 生産は広汽ホンダ「開発区新エネルギー車工場」で行われる

それらにより、ホンダは2035年までに中国でのEV販売比率を100%にまで押し上げる計画だ。

新工場「開発区新エネルギー車工場」は、その計画の要となる「e:NP2」と「イエ」シリーズの生産が予定され、年産12万台の生産能力を備える。まさにホンダが掲げる目標達成の道筋においては、重要なピースであるといえるだろう。

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