コラム
share:

スマホの置くだけ充電みたいなEVの駐車するだけ充電! 存在するのに普及する気配がない理由とは?


TEXT:桃田健史 PHOTO:日産/ホンダ/TET 編集部
TAG:

普通充電も改善されている

筆者はこれまで、世界各地でEVのワイヤレス(非接触)充電に関する基礎研究や実証試験の現場を見てきたので、普及が進まないことはとても残念だ。

その上で、改めてEVの充電について考えてみると、EV開発者が懸念したのが「充電の手間」だ。そもそも、EVのワイヤレス充電は普通充電の手間を省くことがおもな目的だった。当初、自宅向けや事業所向けの普通充電でも、ケーブルはかなり太くて重かったからだ。それが、近年は技術革新によってケーブルもだいぶ軽くなり、充電の手間をあまり感じなくなったのではないだろうか。

充電のイメージ

また、サクラの商品訴求でも見られるように、自宅での普通充電を生活のなかでルーティーンとする人が増えてきた。

ルーティーンになれば、充電を手間として捉えなくなり、出力が6kWであれ、さらに低い3kWであれ、導入コストを重視するようになる。

日産サクラ

こうなると、自宅でのワイヤレス充電普及の可能性は、当分の間はないだろうという見方が自動車業界から出ることも頷ける。

ただし、研究段階では走行中、または交差点での停止中のワイヤレス充電の実証実験が千葉県内で行われていたり、またタイヤ・ホイールにコイルを埋め込んだ形でのワイヤレス充電実証もタイヤメーカー等で進められている。

一方、車内ではスマートフォンのワイヤレス充電機能を装備する量産車が最近、徐々に増えているところだ。

スマートフォンのワイヤレス充電機能

EV本体の駆動用バッテリー向けワイヤレス充電についても、新たな技術によるブレークスルーにより、どこかのタイミングで普及が一気に進む可能性を、誰も否定できないだろう。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
電欠したから仲間のクルマに急速充電器まで引っ張ってもらう……は厳禁! EVが牽引できない理由とは?
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択