2024年10月
TEXT:TET編集部
BYDの「33店舗目」となる新規ディーラーが港北ニュータウンにオープン! 「感度」の高いひとが多いエリアでさらなる躍進を目指す

横浜に新たにBYDディーラーがオープン! BEVメーカー「BYD」の日本おける33店舗目となるディーラー「BYD AUTO 港北ニュータウン」が10月11日に神奈川県横浜市にオープンする。そのオープニングセレモニーとして、10月10日にマスコミ向け取材会が行われた。 BYD Auto Japanとして33店舗目となる「BYD AUTO 港北ニュータウン」は、関東の店舗として初めてとなる新築ディーラーだ。 店舗は横浜市都筑区で、市営地下鉄グリーンラインとブルーラインの2路線が乗り入れているセンター北駅から徒歩5分という場所。港北ニュータウンはベッドタウンとして開発され、近年は商業施設やボッシュの本社が建てられるなど発展し続けている地域だ。 そのような地域ゆえ、新しいものへ興味をもつ人たちも多く、BEVのBYDの販売店としては好立地といえるだろう。さらに、周囲には自動車ディーラーやショップも多いので、クルマに興味をもつ人たちも多く、片側3車線の市役所通りにも面していることからも、注目度が高い場所となる。 店舗は、ショールームの車両展示スペース(約3台分)の奥に商談スペースとキッズスペースがある。ショールーム向かいには、整備などを行う2柱式リフトを備えるピット、納車スペース、洗車場が用意されて、当然のことだが新規で建設されただけあってとてもクリーンな印象。さすがBEV販売店と感じさせるところだ。 さらに、駐車場奥には充電スペース(急速充電器50kW×1基・200V普通充電×2基)を設置。たとえ自宅に充電設備をもっていなくても、BEVを維持することができるだろう。 ちなみにBYD AUTO 港北ニュータウンを運営するアクセルは、すでに横浜市緑区にBYD AUTO東名横浜を2023年2月にオープンしているので、同店で2店舗目のオープンとなる。 なお、同店の店長となる河村智訓さんは、東名横浜でも店長を経験。じつは前店舗では、BYD Auto Japan全体の2023年度の受注台数の約5%に当たる販売実績をもっているのだ。 「BEVに興味をもつお客さまは、新しいものへの感度の高い人が多いです。近年の自動車販売は多様化していますが、BEVを買おうとしている方は、SNSやダイレクトメールなどの情報に敏感ですね。ご来店やお問い合わせしていただいたお客さまには、BEVの維持費の安さや利便性、さらにはクリーンな乗り物であることを理解していただき、BYDの魅力もアピールさせていただいています」と河村店長は語る。 その言葉どおり、店内にはすでにBYDやBEVを簡単に理解できるようなリーフレットが用意されていた。 BYD AUTO 港北ニュータウンは、感度の高い若い人たちが集まり、さらに自宅に充電設備を設置できる戸建ても多い地域ゆえ、今後の展開に期待したい新店舗といえるだろう。

TAG: #ディーラー #新車 #新車販売
TEXT:TET 編集部
アウディ以外のEVオーナーもどうぞ! 最大150kWの「急速充電30分無料体験キャンペーン」をAudi charging hub紀尾井町で実施中

まずはスマホに「PowerX」のアプリをダウンロード アウディが2024年4月26日から運用を開始した超急速充電施設「Audi charging hub(アウディ・チャージング・ハブ)紀尾井町」で、11月17日までの期間限定で、1台あたり最大150kWというハイスペックな急速充電体験をすべてのEVオーナーが無料で体験できる「急速充電30分無料体験キャンペーン」が開催中だ。 アウディ・チャージング・ハブ紀尾井町は、アウディがパワーエックス社との事業提携に基づき運用する、パワーエックス社製の蓄電池を備えた超急速EV充電器「ハイパーチャージャー」を備えた充電施設。こうしたアウディ自らが運営する充電施設は欧州圏内で整備を進められており、紀尾井町は欧州外で初となる世界7拠点目の施設として今年4月にオープンした。 アウディ・チャージング・ハブ紀尾井町は、1基につきふたつの充電ポートを備えたハイパーチャージャーを2基設置しており、最大で4台に同時充電することが可能。1台充電時の最大出力は150kW、2台同時の場合は1台あたり最大120kWの高出力でスピーディな充電が行える。 蓄電池を備えることで、充電需要の低い時間帯にカーボンニュートラルの電気を蓄えておき、充電需要が高まる時間帯でも急速充電の提供が可能になっている。また、施設の屋上には太陽光パネルを設置している。これにより運営に必要な電気を補い、脱炭素に貢献しながらEVユーザーにより高い利便性を提供しているのが特徴だ。 あらゆる電気自動車ユーザーを対象にした施設ではあるが、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのEVオーナーを対象としたPCA(プレミアム・チャージング・アライアンス)のメンバーならば、ほかのPCAメンバー向けの最大150kWの急速充電ネットワーク施設(年内に全国400基へと拡充予定)と変わらないメンバー価格で充電が可能だ。また、2基4口あるハイパーチャージャーのうち、1基2口についてはPCAメンバー専用の充電器となっており、メンバーは優先的に利用することができるのでメリットは大きい。 4月のオープンからこれまで約5か月間での延べ利用回数は1200回を超え、多くのユーザーに150kW充電ならではの快適な充電体験を提供してきたアウディ・チャージング・ハブ紀尾井町。今回のキャンペーンの狙いは、その急速充電体験をこれまでよりもさらに幅広いEVユーザーへ対象を広げ、「PowerXアプリ」を使った快適な超急速充電体験をしてもらうことが目的だとアウディは説明している。 利用にあたってはPowerXのアプリをダウンロードし、 アウディ・チャージング・ハブの会員登録をする必要があるので、気になる方は以下の手順を参考に利用してみてほしい。 1.スマートフォンに「PowerX」のアプリをダウンロード 2.ユーザー情報、車両識別番号(VIN)、クレジットカード情報などを登録 3.Audi charging hubを検索し、空いている時間を選択のうえ予約 4.アプリで充電スタート/ストップ。支払いはアプリで完了させる すでにPCAのメンバーで、従量課金制での利用、および「急速充電30分無料体験キャンペーン」を利用希望の方は、本アプリへの登録が必要になる。ただし、キャンペーン期間中も従来通りPCAアプリを利用し、PCA料金で利用することも可能だ。 また、アウディ・チャージング・ハブ紀尾井町の充電器は、充電規格「CHAdeMO 2.0.1」に対応しているものの、CHAdeMOアダプターは使用することができないため、利用にあたっては注意が必要だ。 「急速充電30分無料体験キャンペーン」は11月17日までの期間限定なので、快適な最大150kWの超急速充電を体験できる好機を逃さないでほしい。 ■ 「Audi charging hub 紀尾井町」概要 所在地:東京都千代田区麹町5-7-15 24時間利用可能・年中無休 ■ 通常時(キャンペーン除く)料金プラン(従量課金制) Premium (再生エネルギー100%) :105円 / kWh Regular (再生エネルギー70%) :95円 / kWh Economy (系統電力/従来の発電方法) :85円 / kWh

TAG: #EV充電器 #アウディ
TEXT:TET 編集部
BYDが新エネルギー車生産900万台目を世界初達成! 記念すべき900万台めはEVスーパーカー「ヤンワンU9」

BYDはテスラと熾烈な首位争い 電気自動車(EV)の販売でテスラと激しい首位争いをしているBYDは、もう少し広い枠組みの「新エネルギー車(以下、NEV)」と呼ばれる燃料電池車やプラグインハイブリッド、電気自動車など、動力源をガソリン・軽油に依存しないクルマの分野でも躍進している。調査会社マークラインズの統計によれば、BYDの2024年4-6月期の世界販売台数はホンダや日産といった主要日系メーカーを抜き、世界7位まで上昇している。その躍進の源がNEVというわけだ。 そのBYDのNEV生産900万台目が2024年9月25日、BYDの深汕工場でラインオフした。900万台目の記念すべき個体は、2023年の上海国際自動車ショーで世界初公開された同社初のEVスーパーカー「YANGWANG U9(ヤンワン ユーナイン)」だ。 BYDの発表によれば、NEVの生産台数が900万台に達した自動車メーカーはBYDが世界初で、中国の自動車産業が著しい成長を遂げたことを証明するマイルストーンを打ち立てたことになる。ちなみに、800万台目の新エネルギー車のラインオフからは、わずか2ヶ月余りしか経っておらず、BYDの新エネルギー車が驚異的なスピードで市場に浸透していることが数字から見て取れる。 2024年、BYDは自動車販売で新たな記録を達成し続けている。BYDの今年上半期のNEV(乗用車)の販売台数は160.7万台に達し、世界トップの座を保っている。また、BYDグループの高級ブランドである「YANGWANG(ヤンワン)」は、ラグジュアリーセグメントでも着実に成果を上げているという。 BYDの高級ブランド「ヤンワン」が送り出すEVスーパーカー「U9」とは? 今回ラインオフした900万台目のNEVである「ヤンワン U9」は、成長著しい中国自動車産業のなかでも、最高峰ともいえる存在だとBYDは主張する。革新的な技術、極めて優れた性能、卓越した製造技術、そして最高の品質を兼ね備えた「ヤンワン U9」は、BEVによるスーパーカーの新たな体験を提供するとともに、スーパーカーの世界に強い印象を与えた。 そんあ「ヤンワン U9」は、2024年8月からの納車が正式に開始された。「ヤンワン U9」は、Yi-SiFang(最新世代の四輪駆動プラットフォーム 「e4プラットフォーム」)と、云辇-X(最新世代のサスペンション システム=DiSusインテリジェント ボディ コントロール システム)というふたつの核心技術に基づいて設計されている。 詳細は当サイトが以前公開した記事「エアサスを超える次世代シャシー技術が登場か。BYDが『DiSusシステム』を発表」を参照いただきたいが、車体制御技術「DiSusシステム」は、油圧と空気圧で車体の姿勢を自在に操る高度なシステムだ。制御次第ではタイヤを1輪だけ宙に浮かせたり、その場で4輪を浮かせてジャンプすることまで可能だという。 これで高度な自己防御システムと人工知能AIまで完備させたら、さながら1980年代に大ヒットしたSFドラマ「ナイトライダー」に登場するナイト2000になりそうだ。だから、このBYDの高級ブランド「ヤンワン」が送り出す高性能EVスーパーカー「U9」が、2023年の上海モーターショーで世界初公開された際は、その技術に驚かされたものだ。 話が少し脇道に逸れたが、「ヤンワン U9」の超高性能と高い品質基準を満たすため、BYDは中国深汕に専用工場を設立している。この工場は、中国国内初のNEVスーパーカー専用工場だ。「ヤンワン U9」は、カーボンファイバー製の車体構造部品を採用した中国初の量産モデルで、世界最大の単体カーボンキャビンを使用しており、そのカーボンファイバーの強度は鋼の5倍〜6倍に達するのだという。 生産品質を確保するため、「ヤンワン U9」のカーボンキャビンは、生産工程や作業員の技術に対して厳しい基準を設けている。カーボンキャビンの生産のために、2000平方メートルの常湿・常温のクリーンルームを特別に設置し、BYDの経験豊富な熟練工を含む高い技能を備えたスタッフを選任して作業にあたっている。また、すべての組立工程のスマート化を進めることで、車両1台ずつの精密な組み立てを実現した、まさにBYD渾身の専用工場だ。 これからBYDが進む道 BYDは、これまで普及価格帯モデルを中心としたラインアップで市場シェアを獲得してきたが、プレミアムブランド「DENZA(デンザ)」に加え、直近では「YANGWANG(ヤンワン)」「Fangchengbao(ファンチェンバオ)」と続けざまに新たな高級ブランドを立ち上げハイブランド路線の拡充を図っている。 高性能、高価格帯のモデルを出せば高級ブランドになり得るというほど簡単なビジネスではないが、驚異的なスピードで成長を続けるBYDであれば、いとも簡単にブランドを確立してしまうのではないかというほど勢いを感じる。NEVの生産900万台目が新高級ブランド「ヤンワン」の「U9」だったのは、単なる偶然ではない。これは未来を見据えるBYDからの強いメッセージなのだ

TAG: #BYD #NEV #U9 #YANGWANG #ヤンワン
TEXT:高橋 優
神奈川県の海老名SAスタートでどっちが先に加古川まで行って帰ってこられる? BYDシールとテスラ・モデル3で1000km対決!

日本で買えるEVセダン2台を比較 BYDのフラグシップEVであるシールとテスラ・モデル3で、米中EVセダン1000kmチャレンジ対決を行いました。とくにスーパーチャージャーを使用するモデル3と比較して、公共の充電インフラのみを使用するシールがどれだけ短時間で走り切ることができたのか? 途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ BYDシール:加古川北IC(兵庫県) テスラ・モデル3:名谷IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(シール・モデル3共に21℃オートに設定) ・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・シールは当該トリップの電費情報が表示されません。他方で直近50kmの区間電費が表示されるので、50km毎に電費をメモ。すべてを平均して電費を概算 *主要スペック ⚫︎ 2024 BYDシール RWD ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):82.56/約81kWh ・航続距離テスト結果:588km(外気温平均28.5℃) ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:105kW/40.5分 ・値段(CEV補助金):528万円(45万円) ※値段は2024年9月時点。さらに初回1000台限定で33万円の値引きキャンペーン中。 ⚫︎ 2021 テスラ・モデル3スタンダードレンジ+ ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):55/50kWh(新品状態のネット値は約52.5kWh) ・航続距離テスト結果:420km(外気温平均22℃) ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:170kW/22分 ・値段(CEV補助金):531.3万円(65万円) ※値段は2024年9月時点でのモデル3 RWDグレードの値段設定から引用。 *装着タイヤ ⚫︎2024BYDシール RWD ・235/45/R19 ・コンチネンタルEcoContact 6 Q ・空気圧:2.5(前)2.9(後)(適正値2.5/2.9) ⚫︎ 2021テスラ・モデル3スタンダードレンジ+ ・235/45/R18 ・ミシュランパイロットスポーツ4(※エアロホイールのみ社外品) ・空気圧:2.9(適正値2.9) 充電回数ごとにそれぞれのEVの区間電費などのデータをまとめていきます。 <1回目> ⚫︎2024BYDシール RWD ・海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:297.9km […]

TAG: #長距離 #電費
TEXT:TET 編集部
ケータハムの次期スポーツカー「プロジェクトV」にヤマハが参画! パワートレインの主役となるeアクスルを独自開発

次期ケータハムのスポーツカーはヤマハとの共作 愛知県名古屋市に本社を構えるVTホールディングスと、静岡県磐田市に本社を構えるヤマハ発動機は、VTホールディングス傘下の英国スポーツカーメーカーCaterham EVo Limited(以下、ケータハム)が量産・市販化に向けて開発を進めている新型EVスポーツクーペ・プロジェクト(以下、プロジェクトV)に、ヤマハ発動機がパートナーとして参画し、協業を進めていくことを2024年10月2日に発表した。 ケータハムは、ライトウェイトスポーツカーとして人気が高かった「ロータス・セブン」の生産をロータス自身が止めるのに際し、そのセブンの生産権や生産に必要な治具などを買い取り、ケーターハム版のセブンを誕生させたことで有名なイギリスのスポーツカーメーカーだ。1970年代から基本的な構造は変えず、生産と進化を続けてきたものの、内燃機関を搭載することが将来的には難しくなることを見越して、新たなEVの開発が計画された。 そうして「プロジェクトV」と名づけられたEVの開発計画により誕生したコンセプトカーが、2023年7月の英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開された。日本でも2024年1月の東京オートサロンで展示が行われ、このイタルデザインの手による流麗なEVスポーツクーペの姿をご記憶の方も多いのではないだろうか。 「プロジェクトV」は、ライトウェイト、シンプル、ファン・トゥ・ドライブという、ケータハムのドライビングプレジャーを最重視するDNAを受け継ぐEVスポーツクーペだとVTホールディングスは述べている。現在、量産・市販化に向けてケータハムは東京R&Dとプロトタイプ車両の開発・製作を進めており、プロトタイプ車両の完成目標は2025年央頃と発表されている。 東京R&Dは、自動車の試作・設計、材料実験などを業務とする一方、2000年代には少量生産モデルのライトウェイトスポーツカー「VEMAC(ヴィーマック)」を誕生させたり、1980年代前半から電気自動車の自主研究に乗り出すなど、ケータハムが進める「プロジェクトV」のパートナーとしてこれ以上望み得ない強力なパートナー企業である。 一方、今回発表された協業パートナーのヤマハ発動機が果たす役割とは何か。それはEVのパワートレイン主要部に当たる「eアクスル」を独自に開発し、その試作品をケータハムと東京R&Dが開発・生産を進めるプロトタイプ車両向けに供給することだ。さらに、車両の運動制御においてもヤマハ発動機の技術・知見を提供し、”Caterham Powered by Yamaha Motor” を実現すると意気込む。 2023年7月の「プロジェクトV」計画発表時、パワートレインはリヤアクスルに搭載する200kW(272馬力)のシングルモーターと、55kWhリチウムイオン・バッテリーの組み合わせとされ、0-100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/hを目標に据えていることが明かされている。しかし、ヤマハ発動機と協業することにより、この目標値に変化が生じるのかは今回の発表で言及されていない。 2021年に日本のVTホールディングス傘下となり、変革を推し進めるケータハム。そこに日本が誇るモビリティ関連企業の東京R&Dとヤマハ発動機がジョイントすることで、どのようなシナジーが生み出されるのか、「プロジェクトV」の将来が楽しみでならない。

TAG: #VTホールディングス #ケータハム #スポーツカー #ヤマハ発動機 #東京R&D
TEXT:高橋 優
販売台数と収益性でテスラを凌駕! 決算に見るBYDの強さとこれから先の戦略

販売台数は前年同期比で40.2%成長 中国・BYDが2024年第2四半期の決算を発表しました。収益性を大幅に改善させることに成功し、テスラよりも多くの自動車を販売しながら、テスラよりも稼ぐ力をつけている動向も判明しました。 現在、BYDはバッテリーEVとPHEVのみをラインアップするというメーカーであり、中国国内だけでなく、日本市場をはじめに海外展開を加速させています。他方で、BYDに対する逆風が、2023年冒頭にテスラが始めた、中国国内のEV値下げ戦争です。しかも、2023年初頭までは、バッテリーの原材料であるリチウムのコストが暴騰していたことで、値下げ圧力と原材料コストの高騰というダブルパンチを受けてしまっていたわけです。いずれにしても、BYDがどれほど販売台数と収益性を両立させることができるのか。とくにEV減速と世間でいわれながら、EVだけで利益を出すことも難しいといわれるなかにおいて、世界最大のEVメーカーがどれほどの決算を実現できるのかに注目が集まっていました。 そして、今回判明した2024年第2四半期における決算内容について、まず初めにBYDの月間販売台数の変遷を見てみると、とくに最新の8月は37.3万台超という月間ベースでの史上最高台数を更新し、2024年は2月を除いて毎月販売台数を増やしています。 次に、その売り上げは1761.8億元、日本円でおよそ3兆5500億円と、前年同四半期比で25.9%もの成長を実現しています。他方で、販売台数は前年同期比で40.2%もの成長を実現していることから、BYDの値下げ戦略が一定程度売り上げに影響しているものと推測可能です。 その一方で、BYDの底力が見て取れるのが収益性です。とくに注目するべきは、粗利益について、前年同期比で25.6%もの粗利益の増加を実現しながら、売り上げに占める粗利益率18.69%と、この値下げ戦争下、しかも主力車種がシーガルやQin Plus、Qin Lなどといった、100万円台から200万円台の大衆セグメントであるという点を踏まえると、優れた収益性を確保していると言えます。 さらに、販管費や研究開発費などを差し引いた営業利益という観点も改善を見せてきています。実際に第二四半期の営業利益率は7.24%と、2024年第1四半期に記録した4.64%と比較しても大幅に改善し、史上最高水準に到達しています。 この史上最高水準の営業利益率について、EV製造のさらなるコストダウンに成功しているのではないかと推測できます。 とくに、バッテリーの主要原材料であるリチウムの原材料コストが、2022年に突入して以降、高騰を見せていたことは記憶に新しいものの、直近の価格動向をみると、すでに2021年初頭の水準にまで急落済みです。結局のところ、リチウムの原材料コストの急騰というのは一過性の動きであり、ロシアウクライナ戦争などの政情の不安定さが落ち着きを取り戻すと、EVシフトが加速するなかにおいても、数年前のコストと同様の水準に落ち着いてしまっているわけです。 よって、とくにバッテリーを製造するだけでなく、リチウムの鉱山を所有するなどという垂直統合を進めるBYDは、そのリチウム価格急落の恩恵を受けているものとも推測可能なわけです。

TAG: #決算 #第2四半期
TEXT:TET 編集部
日本のEV普及に大貢献! 軽EVの「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」が約2年5か月で生産累計10万台を販売

日本の脱炭素時代の理想的モビリティ 三菱自動車は、2024年9月27日、同社の水島製作所で生産している軽乗用EV「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」を合算した生産累計台数が10万台に達したと発表。 軽乗用車規格のBEVである「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」は、日産と三菱自動車の合弁会社NMKVの企画・開発マネジメントにより生み出され、2022年5月の生産開始から約2年5か月で生産累計台数10万台を達成した。 「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」は、ともに2022年5月20日の発表と同時に先行受注を開始した。それから約3週間後に両社が発表した受注台数は、「三菱ekクロスEV」が850台の月販売目標に対しおよそ4倍となる約3400台を受注。 一方の「日産サクラ」も約1万1400台を受注するなど、同年6月16日の販売開始を前に好調な出だしをみせた。その後は半導体不足による納期長期化の影響からか、やや受注のスピードは鈍化したものの、「日産サクラ」は発売から約1年1か月で受注5万台を突破。 それからさらに約1年4か月の時を経て、2024年9月27日に両モデルの合算生産累計台数が10万台に達したのだから、「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」の人気は不動のものといえるだろう。 国内自動車メーカーのなかでも、早くからBEV/PHEVのプロダクト化を進めてきた三菱自動車と日産。その知見が結集された「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」は、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞をはじめ数々の自動車賞典を受賞し高い評価を受けている。 それに加えて、日本が脱炭素時代に向けて歩みを進めるうえで、両モデルは理想的なモビリティであるとの市場評価を受けていることが、人気の理由ではないかと三菱自動車は分析している。 三菱自動車は生産台数累計10万台を達成したことを受け、「日産とのパートナーシップの象徴的モデルである『三菱eKクロスEV』と『日産サクラ』のさらなる生産品質向上に取り組み、より多くのお客様にお届けしてまいります」とコメント。 現実的なライバル不在の軽乗用EVにあって、当面この2モデルの人気は衰えることがなさそうだ。

TAG: #eKクロス EV #サクラ #三菱自動車 #日産 #軽EV
TEXT:TET 編集部
BYD全国33番目のディーラーが輸入車激戦区に誕生! 「BYD AUTO港北ニュータウン」10月11日オープン

神奈川の輸入車激戦区にBYDいざ出陣! 全国で33店舗目、神奈川県内では3店舗目となるショールームを備えたBYDの正規ディーラー店舗「BYD AUTO港北ニュータウン」が、2024年10月11日(金)にオープンする。 「BYD AUTO港北ニュータウン」は、ショールームを備えているだけでなく、専用のサービス工場を併設し、購入後も万全のアフターサービスでBYDのある生活をサポートしてくれる。 同店のショールームには、現在発売中のミドルサイズSUV「アット3」、コンパクトEVの「ドルフィン」、8月に輸入EV車でトップのセールスを記録したe-スポーツセダン「シール」が展示される。 白を基調にした清潔感とゆとりを感じさせる心地よいショールームには、BYDに関する幅広い専門知識を持ち、EVライフへの疑問に的確に対応可能なセールス・スタッフが常時待機し、商談や試乗の受付等を担当するという。 整備担当のサービス・スタッフは、「BYD Academy」というBYDのEVに関する高度なトレーニングを受けたプロフェッショナルなサービス・スタッフが配置され、店舗全体で顧客の快適なe-Lifeを力強くサポートしていく姿勢だ。 神奈川県内でもとくに輸入車を保有する家庭が多く、大通り沿いには輸入新車ディーラーや輸入車を中心に取り扱う中古車店がひしめく「輸入車激戦区」の横浜市都筑区エリア。1日に数軒のEV取り扱いディーラーを巡ることだって可能なほど密集しているエリアだけに、そこにオープンするBYD AUTO港北ニュータウンの存在は、EVの購入検討者にとってはありがたい。 激戦区でBYDが存在感を示すことができるのか、真価が問われそうだ。 ■BYD AUTO港北ニュータウン 概要 所在地  〒224-0001 神奈川県横浜市都筑区中川8-1-4 オープン 2024年10月11日(金) 営業時間 10:00~19:00 定休日  毎週火曜日・水曜日 電話番号 045-755-7351 メール  bydauto.kohokunewtown@accel-co.jp 運営会社 (株)アクセル  

TAG: #BYD #BYD AUTO #ディーラー
TEXT:高橋 優
日本のEV販売は全体に減速気味! 日産&三菱とテスラが売れるなかBYDも存在感を増す販売動向

8月に売れたバッテリーEVは4424台 日本国内における最直近8月の電気自動車の販売動向が判明。前年比マイナス成長というEVシフト後退の現状について解説します。 まずこのグラフは、2018年以降のバッテリーEVとプラグインハイブリッド車の合計販売台数を月間ベースで示したものです。8月の販売台数は7071台と、前年同月比でマイナス27.5%と、大幅なEV減速の兆候が見てとれます。 とくに2023年12月以降、9カ月連続で前年同月比でマイナス成長という深刻な状況です。 また、新車販売全体に占めるバッテリーEVとPHEVの販売台数の合計の比率を示したグラフを見てみると、直近の8月は2.6%と、前年同月に記録した3.48%と比較してもシェア率が低下している状況です。2年前の2022年8月は3.85%であったことから、じつは、2年前のEVシェア率よりも悪化してしまっているレベルです。 次に、バッテリーEVの販売動向を詳細に確認すると、8月の販売台数は4424台と、前年同月比較で23.7%ものマイナス成長となりました。 さらにこのグラフは、普通車セグメントを、日本メーカーと輸入車メーカーそれぞれにわけて示したものです。白で示されている輸入EVは、前年同月比で6.6%ものマイナス成長に留まったものの、ピンクの日本メーカーの、普通車セグメントのバッテリーEV販売台数は773台と、前年同月比でマイナス28.2%で低迷しました。 このことからも、現在の日本国内のEVシフト後退のもっとも大きな要因は、日本メーカーの、とくに普通車セグメントの需要が大きく低下しているからであると結論づけることができそうです。 また、バッテリーEVの販売動向について、累計販売台数を年別に比較すると、2024年8カ月間で3.8万台以上ものバッテリーEVを発売。他方で、2023年の8カ月間では6万台近くを発売していたことから、2024年末にかけて、どれだけ前年対比で盛り返すことができるのかが注目ポイントとなりそうです。 また、現在の日本のバッテリーEVの販売シェア率が世界の主要国と比較して、どれほどの立ち位置であるのかを確認してみると、日本は最直近の8月で1.63%という販売シェア率だったものの、6月の世界全体のシェア率は14%に到達。さらに、7月の世界最大の自動車大国中国は28.02%に到達。 いまだにバッテリーEVが60台に1台という日本とは、まるで違う世界線にいる様子が見て取れるでしょう。

TAG: #普及 #販売台数
TEXT:TET 編集部
アウディのEVを堪能しつつ未来を考えるツアーに参加! 北海道の大地を巡り改めて「カーボンニュートラル」の大切さが身にしみた

アウディe-tronで巡るサステナブルなツアー 2026年以降に新規投入する車両をすべてEVにし、2033年までにエンジン車を廃止、その後、2050年までに車両のライフサイクルにおけるCO2排出量をゼロにするという電動化戦略を掲げているアウディ。近年はEVシフトの鈍化を受け、発表した電動化戦略の変更や取消をするメーカーがあとを絶たないが、現在のところ、アウディの電動化戦略に変更はない。 そして、アウディの電動化戦略において、その大役を担うことになるのが、純EVのe-tronだ。現在アウディは、Q8とQ8スポーツバックとSQ8スポーツバック、Q4とQ4スポーツバック、さらにGTとRS GTにそれぞれe-tronを設定している。今後はこれにQ6 e-tronが加わり、その後もさまざまな「e-tron」が加わることになるはずだ。 そんなe-tronを使い、アウディは「サステナブル・フューチャー・ツアー」を行っている。これは、アウディのブランドビジョンである「Future is an Attitude (未来は 考え方ひとつ)」を通じ、CO2の排出や地球温暖化など、持続可能な社会の実現の重要性について、ひとりひとりが考えるきっかけの場を作って行くことを目的としたツアーだ。 これまでに、木材のみを燃料にしたバイオマス発電で稼働している真庭バイオマス発電所、日本で最初に地熱発電を開始した松尾八幡平地熱発電所、ソーラーパネルによる発電でほぼすべての電力をまかなって運営されるAudi浜松、水力発電で島内のほぼすべての電力をまかなう屋久島電工の安房川第二発電所などを訪れている。 今回、そんなアウディのサステナブル・フューチャー・ツアーの第5弾に参加。強い風と広大な土地を有する風力発電の適地である北海道北部の街をe-tronで巡ってきた。 まず最初に訪れたのは、国内最大規模、世界でも最大級の蓄電池設備を誇る変電・蓄電施設である北豊富変電所。その蓄電能力はアウディe-tron8700台分にも相当する720メガWhを誇る。 一般的には風力による発電は、まだまだ供給量に不安があるように感じられるが、経済産業省主導で実証事業が進められた同施設と送電網の完成により、ウインドファーム9つと風車127本が新たに建設・接続できるようになり、安定した電力供給が可能になっているという。北豊富変電所の主要設備である蓄電池棟施設の規模からすると、地域の電力をまかなうのは十分であり、もっと風力発電した電気を使ってほしいと施設関係者が語っていたのが印象的であった。 北豊富変電所の次に訪れたのが、日本最大の高層湿原のサロベツ原野。サロベツ原野は、稚内市の南約40kmに位置する泥炭湿原で、その中心部の高層湿原などの2560haが条約湿地に登録されている。かつては1万4600haに達するほどの巨大な湿原であったらしいが、1960年代以降の大規模開発によって急速にその面積が減少し、残された湿原も乾燥化が進行している。 100種類以上の植物が花を咲かせるサロベツ原野は、水鳥の繁殖地、渡り鳥の中継地にもなっており、オオヒシクイやコハクチョウの東アジア地域個体群の個体数の1%を定期的に支えるなど、生態系への影響も大きい。 人間本位の開発により大きく姿を変えたサロベツ原野が、今後もいまと同じ姿を維持していくためには、生態系保護に対する活動が絶対に必要だ。こんなところでもカーボンニュートラルを実現することの重要さを改めて感じさせられた。

TAG: #AUDI #サステナブル #輸入車

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
ロングホイールベース化で後席が7シリーズ並! BMW 5シリーズ 「i5 eDrive35L」と「525Li」に「Exclusive M Sport」を追加
中国専売EV第2弾はクロスオーバーSUV! スポーティなクーペ風スタイリングがマツダらしい「EZ-60」を上海モータショーで発表
上海モーターショーで見えたトヨタのマルチパスウェイ! フラッグシップEV「bZ7」とレクサス新型「ES」を同時発表
more
コラム
特別感がないのが逆に強みか? ヒョンデのフラッグシップSUV「IONIQ 9」にチョイ乗りした
中国勢が次に目を付けたのはトルコ! いまトルコはEV激戦区になっていた
まだ誰もEVに注目してない時代から日産は頑張ってた! 1980年代に登場した「EVガイド」「EVリゾート」がエモい!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択