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畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!


TEXT:斎藤 充生 PHOTO:斎藤 充生
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歩行困難者の外出がもっと楽しく容易になる

歩行困難者の生活を豊かにするのも、モビリティにとって重要な役割だ。会場内をまわったなかで、思わず「これは素晴らしい!」と感じた移動の自由度を劇的に上げる出品物をふたつ紹介したい。

LIFEHUB「AVEST Launch Edition(開発プロトタイプ)」

ジャパンモビリティーショー ビズウィーク 2024に出品されたLIFEHUBの「AVEST Launch Edition(開発プロトタイプ)」 座ったまま階段を昇り降りできる小型EVモビリティ

LIFEHUB(ライフハブ)が出展した「AVEST(アヴェスト)」は、椅子型の四輪EVカートのトレッド間に、2本の左右独立駆動クローラーを搭載している。これにより座席に座ったまま階段の昇り降りが可能になる優れものだ。

LIFEHUB「AVEST」には2本のクローラーが備わる 画像はリヤ部分

しかし、アヴェストの素晴らしさはそれだけではない。アヴェストは座席のシート下にダンパーを備えている。このダンパーが座席を常に水平に保つ姿勢安定装置の役割を果たし、乗員は普段と同じ姿勢のまま進行方向を向いて階段を昇り降りすることが可能になるのだ。よって、進むべき方向の安全を目視で確認することが容易になり、走行時の安全性が飛躍的に向上することが見込める。

LIFEHUB「AVEST」が乗員を水平に保ったまま階段を登れるのは、このシート下ダンパーが座面を水平に保つから

展示品は開発プロトタイプのため、操作パネル等は実際の製品と異なる部分があるものの、50台限定の製品版「アヴェスト ローンチエディション」は全長1100mm、全幅650mm、全高1000mmのボディサイズに、68Ahのバッテリーをリチウムイオン電池を搭載し、最高速度6km/hで約40kmの距離を走行できるように設計されている。

また、フロントに10インチの全方向タイヤを装着し、リヤには12インチの空気入りタイヤを装着のうえ左右を独立して駆動させることで、その場で車体を360度方向転換させることを可能にしている。

LIFEHUB「AVEST」のフロントタイヤは全方向タイヤだ

バリアフリー化が行き届いていない環境でもスムースな移動を可能にするこの秀逸な電動モビリティ。2025年8月からの販売を予定しており、初回50台は税別150万円で予約受付中だ。

nicomo「Gee-01」

長野県で車いす関連用品を取り扱うnicomo(ニコモ)が出展していたのは、手動の車いすに専用アタッチメントで取り付けるだけで、車いすをフロント駆動の電動モビリティに変身させる装置だ。

筆者はこういった装置があることを知らなかったが、ネット上を探してみるといくつか類似商品が浮上してくる。しかし、nicomoの「Gee-01(ジーワン)」は、それら類似商品とは明確に異なる。それは、この装置が特定小型原付であるということだ。

手動車いすを電動モビリティー化するnicomoの「Gee-01(ジーワン)」

時間の都合で出展者に直接質問することが叶わなかったため、詳細は不明ながら、特定小型原付規格に準拠した装置ということは、歩道での走行はもちろん、車道を時速20km/h以内で走れるということだ。

これにより車道を走るクルマやバイクとの相対速度が低下し安全性が高まるだけでなく、人力では成しえない速度での移動が安定的にできるようになるだろう。

なにより、手動車いすにジョイントして電動モビリティ化することで、身体的な負担が大幅に軽減するので、それだけでも外出に対して前向きになるではと想像する。生活で不自由を感じる場面をモビリティの力で解決するのも、モビリティのひとつの在り方だ。

nicomo「Gee-01」と手動車いすのジョイント部分 向かって左側がけん引する電動モビリティだ

ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024を取材し、カーボンニュートラル社会の実現に向け、電気や水素で未来を切り開こうとする動きが、より顕在化してきているように感じられた。これらの動きとスタートアップ企業がもつ自由でフレキシブルな発想が、今後さらに社会へ貢献することを強く望む次第だ。

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