#ジャパンモビリティショー
TEXT:TET 編集部
主役級の注目度。美しく、しかもロータリーエンジン搭載のアイコニックSPがマツダらし過ぎた

マツダはジャパンモビリティショー2023において、ロータリーエンジンを搭載したコンパクトスポーツカーコンセプト「アイコニックSP」を披露した。 2ローターロータリーエンジンを発電用に搭載 同日のプレスデーで開幕したジャパンモビリティショー2023は、クルマだけにとどまらず、次世代に向けたモビリティ全般が集まる見本市。それゆえ、各社はバッテリー電気自動車(BEV)を中心に先進のコンセプトを出展しているが、そんななか、ひときわ注目を集めたのが、マツダが持ち込んだ真っ赤なスポーツモデル「アイコニックSP」だ。 マツダの毛籠勝弘代表取締役社長兼CEOが、「操る楽しさにあふれたコンパクトスポーツカーコンセプト」と紹介したアイコニックSPは、全長4,180mm×全幅1,850mm×全高1,150mmというボディサイズを持つ2ドアクーペ。ウェストをグッと絞った肉感的なプロポーションと異例に低い全高のため小柄に見えるが、ボディサイズは現行「ロードスター」より、250mmほど長く、100mmほど幅も広い。 前情報では、マツダの出展するコンセプトモデルは次期ロードスターを示唆するものと噂されていたが、大きなボディとクローズドボディという出立ちを考えると、直接的な関係はなさそうだ。むしろ「RX-7」や「RX-8」などのロータリースポーツに連なるモデルを示唆しているのかもしれない。 毛籠CEOが「唯一無二」と呼ぶ、アイコニックSPの低いボンネットを生かしたスタイリングは、お家芸のロータリーエンジンを使った「2ローターRotary-EVシステム」の搭載により可能になったもの。同システムを構成する発電専用の2ローターロータリーエンジンは、水素など様々な燃料を燃やせる拡張性を持ち、搭載バッテリーを再生可能エネルギー由来の電力で充電すれば、実質カーボンニュートラルでの走行が可能だ。 また、軽量コンパクトというロータリーならではの特性から、エンジンをクルマの中央部に寄せて搭載することが可能で、低重心かつ50:50前後という良好な重量配分を実現している。しかも、370PSという高出力ながら車両重量は1450kgに抑えられ、パワーウェイトレシオは3.9kg/PSと、スポーツカーとして非常に優秀な値だ。 >>>次ページ ワインディング走行後にグランピングも

TAG: #アイコニックSP #ジャパンモビリティショー #ロータリーエンジン
カワサキ・ニンジャe-1(photo=磐城 蟻光)
TEXT:磐城 蟻光
THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く

カワサキはエコよりも趣味性 カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で2台のEVバイク「ニンジャe-1」「ニンジャ7ハイブリッド」を国内初公開した。 現在日本で普及しているEVバイクはスクーターが中心だと言ってよい。カワサキにも実は「J300」というスクーターモデルもあるのだが、そこには手を出さずにスポーツモデル「ニンジャ」のブランドで登場させた。 カワサキは、バイクは趣味のものとして割り切っている傾向が強い。カーボンニュートラルももちろん意識しているのだろうが、それよりも“面白いものをより面白く作る”というスタイルを優先しているように感じる。スーパーチャージドエンジンを積んだ「ニンジャH2」は最たる例だろう。 今回発表した2台のEVバイクも電動の面白さを優先したものだ。会場で2台のバイクを見ていると楽しい気持ちが生まれ、購入後のバイクライフが頭に浮かんできた。今回は「ニンジャe-1」が創り出すバイクライフを考察してみたい。 コンパクトな着脱式バッテリーの採用はスポーツへのこだわりからか 「ニンジャe-1」は、強力な加速性能と軽さからくる異次元の運動性を味わえるはずだ。航続距離はフル充電で72kmと一般的なガソリンモデルよりも短いが、軽量の市販EVスポーツバイクとしてみれば立派な数値と言える。もちろんパワーを抑えればこれ以上の航続距離も出せただろう。しかしそれではカワサキらしさが損なわれると設計陣は考えたのではないだろうか。 その代わり……と言えるかは微妙なところながら、バッテリーは着脱交換式を採用している。残念ながら「JMS」の会場では、バッテリーまわりはマル秘であったが、フランス・フォーシーパワー製のものを採用したことが明らかにされた。 着脱交換式といえばホンダが「モバイルパワーパックe:」を開発し、メーカーを超えて採用が進んでいるが、カワサキは独自にフォーシーパワー製を採用した。同社のバッテリーは薄型なので、ニンジャのスタイルを崩さずに搭載することが可能。この特徴が採用の決め手のひとつとなったのではないだろうか。詳細の正式発表が待たれる。

TAG: #EVバイク #EVライフ #ジャパンモビリティショー
TEXT:TET 編集部
EVの常識を打ち破れ。レクサスが新たな電気自動車のコンセプトカー「LF-ZC」と「LF-ZL」を初披露

レクサスはジャパンモビリティショー2023でバッテリー電気自動車のスポーツクーペ「LF-ZC」、ならびに次世代フラグシップ「LF-ZL」を発表した。 航続距離1,000kmを追求したスポーツクーペ「LF-ZC」 10月25日に行われたレクサスのプレスカンファレンスでは、サイモン・ハンフリーズCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)が登壇し、「レクサスはラグジュアリーカーの常識を打破する存在として誕生した」と言及。さらに「あらゆる場面や時代において、常識や限界を超える挑戦をしてきた」と述べ、2035年までにBEV100%のブランドになるというコミットメントを改めて明言した。 その上で、2026年の市販予定モデルとして発表されたのがスポーツクーペの「LF-ZC」だ。全長4,750mm×全幅1,880mm×全高1,390mmという非常に低いスタイリングを可能にしているのは、開発中の「次世代電池パフォーマンス版(角形)」で、目標Cd値0.20以下という高い空力性能を実現。航続距離は1,000kmの実現を目指しているという。 また、ハイパフォーマンスクーペ「RC F」と同じ全高にもかかわらず、LF-ZCはフルフラットなフロアやパノラマルーフにより、外観からは想像できない開放的なインテリアを実現。低いフードとカウルによって、これまでになかった視界の広がりも確保され、コクピットは運転に没入できる空間となっている。 生産技術の面で画期的なのは、LF-ZCが車体をフロント、センター、リアに3分割した新モジュール構造「ギガキャスト」を採用していること。ボディの大部分を一体成形にすることで締結部が減少してボディ剛性が高まり、操作に対してリニアで自然なフィーリングを実現しているという。 また、電池をボディ中央部分に集中して搭載し、フロントおよびリアは構造上の影響を受けない仕組みとすることで、電池等の進化を素早く取り入れられるメリットもある。 ハンフリーズCBOはLF-ZCを「より小さく、より広く、もっとエモーショナルなデザイン、もっと広いスペースとフレキシビリティ、もっとドライバーに寄り添うクルマ」と説明しており、市販化された暁にはBEVに革新を起こす存在になりそうだ。 >>>次ページ EV時代のフラグシップ「LF-ZL」

TAG: #ジャパンモビリティショー #新型車
TEXT:TET 編集部
EV時代の「GT-R」「ジューク」「エルグランド」を予告!? 日産がEVコンセプトカー3台を一挙披露

10月25日のプレスデイをもって開幕したジャパンモビリティショー。各メーカーがバッテリー電気自動車(BEV)を中心に、様々な未来のモビリティを提案するこのショーに、日産自動車は画期的なコンセプト「ハイパー」シリーズを持ち込んだ。ステージ上でスポットライトを浴びた3台のBEVコンセプトを紹介しよう。 EV時代のGT-R。全固体電池搭載のスポーツクーペ「ハイパーフォース」 ハイパーシリーズ全般の特徴として挙げられるのは、サイバーパンク的な超未来的デザインにもかかわらず、現行ラインナップとの繋がりを感じさせるディテールを採用していること。内田社長が「他がやらないことをやる、というのが創業時からの日産スピリット」と述べるように、電動化時代の日産車は“攻めたデザイン”となるのかもしれない。 3台のうち究極のハイパフォーマンスカーとして真っ先に紹介されたのは、スポーツクーペの「ハイパーフォース」。パワートレーンは、全固体電池と最大出力1,000kWを発生する高出力モーターとされ、「エクストレイル」に実装される電動AWD技術「e-4ORCE」の進化版も採用する。 ただ、ハイパーフォースで最も注目されるのは何と言ってもそのエクステリア。フロントマスクやリアの丸形テールライトは、「GT-R」を連想させるもの。しかもフロントのエアインテーク内部にはピクセル調で「GT-R」に似せたロゴまで配されており、日産も電動化時代のGT-Rをイメージしてデザインしたと思われる。 NISMOレーシングチームと共同開発したという空力設計や、ゲームシミュレーターにもなるコクピットなど、内田社長が「ゲームチェンジャー」と呼ぶハイパーフォース。市販されればスポーツBEVの概念をひっくり返す存在になるかもしれない。 「ジューク」をイメージさせるコンパクトSUV「ハイパーパンク」 ハイパーフォースの次に紹介されたのは、若年層をターゲットにしたコンパクトSUVの「ハイパーパンク」。多角形を強調したボディラインやトライアングルを配したホイールなど、車名どおり前衛的なデザインをまとったスタイリッシュな存在感は「ジューク」に共通する。 このコンセプトの真骨頂は車内にあり、AIとバイオセンシングセンサーによってドライバーの気分や健康状態を解析し、車両が照明や音楽を自動的に調整。さらに、コクピットを包み込むように配された3面ディスプレイには車載カメラが撮影した周囲の風景を様々なテイストに変換して表示でき、オーナーが自己表現と創造性を高められるという。 内田社長はハイパーパンクによって「移動の自由を手に入れ、仲間とともに新しい価値を生み出してほしい」としており、若者向けということも踏まえると、リーズナブルなBEVの開発を示唆していると期待したい。 >>>次ページ 豪華装備でおもてなし。プレミアムミニバン「ハイパーツアラー」

TAG: #ジャパンモビリティショー #全固体電池 #新型車
TEXT:桃田 健史
桃田健史の視点:JMS関連報道で目立つ「日本が世界に対してEVで出遅れ感」に対する違和感とは

第1回ジャパンモビリティショーが開幕したが、テレビニュースなどでは「日本のEV出遅れ感が浮き彫りになった」といった切り口の報道を見かけることが多い。はたして、そうした見方は本当に正しいのだろうか。 東京モーターショー改め、新生「ジャパンモビリティショー」として開幕した今回のショー。 東京ビッグサイトの東館には、トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、三菱、スバル、日野、いすゞなど、日系メーカー大手を筆頭にメルセデス・ベンツ、BMW、そして中国のBYDなどが大きなブースを構えた。 各社が展示したコンセプトモデルのほとんどがEVであり、また既存の量産車についてもEV推しが目立った印象がある。 こうしたジャパンモビリティショーでの光景を真正面から捉えれば、「世の中は大きなEVシフト」が起こっており、「日本も近い将来、EVが当たり前の世の中になっていく」と思われるかもしれない。 だから、開幕初日を取材した、テレビのニュース番組や新聞、そして経済系のネットニュースなどでは、こうした会場の様子を”別の角度”から表現したといえるだろう。 それが、「日本のEVに対する出遅れ感」だ。 果たしてそれは本当か? 一歩先んじた海外ショーのEVシフト 確かに、グローバルのモーターショーや次世代車を発表する各種のショーにおける、近年の流れを振り返れば、今回のジャパンモビリティショーに先んじて、グローバルでのいくつかのショーでは一気にEVシフトが進んだ印象がある。 例えば、中国では2010年代初頭から国の政策としてEVシフトを打ち出し、中国全土の中規模または大規模な都市を中心とした、公共交通機関のEV化を進め、その流れを一旦軌道修正しながら、乗用車のEVシフトを国として推し進めた。そうした国の政策が、北京ショー、上海ショー、広州ショーなどを通じて国民に広く広報されてきたという経緯がある。 また、2016年に発効したCOP21(国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)での「パリ協定」。さらに、2018年にCOP21が示した、いわゆる「1.5度努力目標」が転機となり、2050年カーボンニュートラルがグローバルで注目される中、欧州連合がいち早く、欧州グリーンディール政策を掲げ、その中で大胆なEVシフトを打ち出した。 これにより、欧州のモーターショーは様変わりしていくことになる。 先読みができない状況で、各社それぞれの主張 海外でのモーターショーにおけるEVシフト、また今回のジャパンモビリティショーでのEVシフトがどのような演出になったにせよ、グローバルでの課題は「将来の自動車のあり方が先読みできない」状況であることに変わりはない。 なぜならば、グローバルでの自動車市場の流れは、技術先行型だけではなく、国や地域での環境政策や投資政策による規制等に大きな影響を受けており、仮に各国で政権交代が起こると、自動車関連施策が大きく変わる可能性を秘めているからだ。 また、ウクライナ侵攻や、中東での戦闘など極めて深刻な事態の発生に伴う、経済活動の不確実性を日本も含めたグローバルの人々が実感しているところだ。 さらに、電動化の視点では、国や地域によって、EVシフトを支えるための社会環境には大きな差がある。 そうした中で、グローバルで経済活動を行っている日系大手自動車メーカー各社が、単なるEVシフトではなく、様々なパワートレインや燃料の活用を視野にいれた事業戦略を描くことは当然だ。 そうした中、ジャパンモビリティショーでは、日系メーカー各社が考えるEVのあり方を示したといえるだろう。 これを、海外ショーとEVシフトに向けた演出を強化した時期の差だけを切り出しての、「日本がEVシフトで出遅れている」という表現には少々無理がある。 ジャパンモビリティショーの会場内を巡り、各社関係者と意見交換しながら、そう感じた。

TAG: #ジャパンモビリティショー
TEXT:曽宮 岳大
トヨタ、本気かも!? ランクルのEVや次世代スポーツなど、モビリティショー出展車をまとめて紹介

ジャパンモビリティショーへと名実ともに生まれ変わった日本最大規模の自動車見本市が、10月25日(水)のプレスデイで幕を開けた。プレスコンファレンスをトップバッターで実施したのは、トヨタ自動車。さっそくその発表内容をご報告しよう。 クルマ屋らしいEVをつくる プレスコンファレンスで佐藤恒治社長は、「クルマ屋らしいEVをつくる」と改めて強調し、その強みを、「コンポーネントの小型軽量化を実現し、それを最適なパッケージングにつなげていくこと」と表現した。なるほど、トヨタはこれまでにラダーフレームフレームやモノコックフレーム、FF、FR、MR、4WDと様々なモデルを世に送り出してきただけに、パワートレインやその他パーツの搭載位置の違いにより、車内の広さや走りがどのように変化するかを熟知している。そうした経験をBEVの開発にも活かしていくということだろう。 さらに佐藤社長は、「これからのEVは拡張性高く、ユーザー一人ひとりのニーズに寄り添う形で進化していく」と述べた。これからのクルマは、場面や用途に応じて形を変えたり、ソフトウェアのアップデイトにより、購入後もユーザーの使用環境に沿った進化を遂げたりするようだ。 さて、そうしたビジョンが具体的なカタチとして落とし込まれたコンセプトカーたちを順に見ていこう。 ランドクルーザー Se(エスイー) ランドクルーザーのBEV版ともいうべきモデルが、モビリティショーで初披露された。それが「ランドクルーザー Se」だ。従来のランクルと異なり、車体骨格にはモノコックボディを採用。低重心かつモーターならではの巨大なトルクを強みに、新しいオフローダーの姿を提案するモデルとなっている。 厚みのあるフロントフェイスにはランクルらしさが見て取れるが、一方で全体的に先進性に溢れるデザインに仕上げられている。例えば、地上高を十分に確保しながらもフロントガラスの傾斜が強く、全高は低めに設計されており、スポーティさを感じさせるプロポーションに仕上げられている。 ボディサイズは全長5,150mm×全幅1,990mm×全高1,705mmで、全高以外はランクル300を凌ぐ大きさ。その広さを活かし、室内は3列シートを備えた7人乗りとなっている。世界中で人気が高く、バリエーションが拡大しているランドクルーザーシリーズだが、将来的にはEV版も加わることになるのは間違いなさそうだ。 >>>次ページ ピックアップやSUVのEVがお披露目

TAG: #ジャパンモビリティショー #新型車
TEXT:烏山 大輔
トヨタ製電気自動車の試金石!? モビリティショーに出展するコンセプトカー2台を発表

トヨタは、10月26日(木)から開催されるジャパンモビリティショー2023に、2台のBEV(バッテリーEV)のコンセプトカーをを出展すると発表した。 これぞ電動化の真骨頂 1台目は「FT-3e」でSUV的スタイルのクルマだ。もう1台は「FT-Se」で、電動スポーツカーだ。 プレスリリースの記述で一番感銘を受けたのは「この2台は基本コンポーネントを共有している」の部分だ。 おそらくプラットフォーム、モーター、バッテリーのことだと思うが、クルマが「走る」ための要素を共用し、SUVもスポーツカーも作れてしまうのが、BEVの面白さであり、利点ではないだろうか。 例えばICE(内燃機関)に置き換えると、ハリアーとスープラのベースを一緒にするのはかなりの難題だ。フロントにエンジンを搭載していることだけは共通だが、搭載の仕方が横置きと縦置きで異なるし、駆動方式ももちろん違う。 こういったBEVの「上屋ボディ作り分け」に関する技術力が高まり、ノウハウも蓄積されれば、ICEの時代には想像もできなかった自由なデザインが可能になるだろう。 そうすれば今回のコンセプトカーのようにベースは一緒にもかかわらず、SUVやスポーツカーに加えて、セダンやミニバンだって作れるようになるかもしれない。 それはトヨタに限らずBEVを開発しているメーカー全てに言えることだ。だからこそ競合他社を凌ぐ価値を生み出そうとしている。この2車においては次のような点だと思う。

TAG: #コンセプトカー #ジャパンモビリティショー #トヨタ
TEXT:TET 編集部
LCの電動バージョン登場か。レクサスがモビリティショーで披露するド級モデルの正体が気になる

10月26日に開幕するジャパン モビリティショー2023に、レクサスからすごいモデルが登場しそうだ。2035年までにバッテリー電気自動車(BEV)ブランドへと変革を目指すレクサスは、モビリティショーでどんな未来を見せてくれるのか。 メーカーが示す“限界”への挑戦 今回明らかにされたレクサスブースのテーマは、「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」(電動化体験の限界に挑む)。この言葉からも、電動モデルの高性能化を図った展示が行われることが予想できる。そして、そのテーマを具現化したとおぼしき1台のスポーツモデルの予告画像が公開された。 公開された画像は、コンセプトカーのフロント、およびフェンダー部分を見下ろした2枚のカット。低く構えたフォルムから、コンセプトカーは、低重心化を図ったスポーツモデルであることがうかがえる。 また、ヘッドライト、あるいはデイタイムランニングライトの点灯形状は、レクサス車特有のブーメラン型となっており、BEVとなってもレクサスのアイデンティティは変わらないことを強くアピールする。 さらに、ドアミラーがスタイリッシュな超小型タイプとなっているのは、カメラ方式のミラーを採用しているためだろう。 公開された画像のアングルが限られていることもあって、エクステリアの詳細までうかがい知ることはできないが、張り出しを強調したフェンダーの膨らみや、ブラックとシルバー系のツートーンと思われるボディカラーからは、このコンセプトモデルがプレミアムスポーツを指向していることは明白。位置づけとしては現在の「LC」の電動バージョンといったところだろうか。 >>>次ページ クルマ屋が創るBEVが具現化

TAG: #ジャパンモビリティショー #レクサス #未来のクルマ
TEXT:TET 編集部
等身大に楽しめる次世代カー。ダイハツの未来への期待が高まる、5台のコンセプトモデルが披露

ダイハツは、10月26日(木)から開催されるジャパン モビリティショー2023に、5台のコンセプトモデルを出展すると発表した。 いよいよ現実に!? ボディを変えられるクルマ 軽のバッテリー電気自動車(BEV)の「me:MO(ミーモ)」は、内外装部品をモジュール化し、デザインだけでなく、ボディ形状まで変更可能としたのが特徴。こうした部品の共通化は、欧州でヒット中のマイクロBEVシトロエン「アミEV」などにも採用され、コスト削減の手法として注目を集めている。 ダイハツはさらに顧客のライフステージや用途に応じてクルマのカタチそのものを変更可能とし、サステイナブルなモデルとしてアピールしている。これまでも類似したコンセプトは存在したが、パワートレインをはじめ、様々な技術革新により、ボディを変えられるクルマも現実味を帯びてきた。もし市販化されれば、大ヒットの可能性を秘めていそうだ。 近未来の“働くクルマ” 電動化まったなしの商用軽については、同分野で発表済みのスズキやトヨタと共同開発したバンとまったまったく異なるBEVコンセプト、「UNIFORM(ユニフォーム)」シリーズを出展する。このうち、トラックの「UNIFORM Truck(ユニフォーム トラック)」は荷台に見るからに使い勝手の良さそうなほぼ真四角の箱を乗せた外観が特徴だ。 一方、バンの「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」は、トラックと全長は同じながら、ホイールベースを55センチ延長し積載量を最大化。移動店舗などに使える外部給電機能も備えており、未来的な外観も相まって、市販されればクルマで事業を営むユーザーから大きな反響を呼びそうだ。 移動を楽しむ、その名も“オサンポ” 遊び心がたっぷり詰まった「OSANPO(オサンポ)」は、軽規格のオープンBEVコンセプト。軽オープンの名車「コペン」に、SUVテイストを加えたようなエクステリアは、親しみやすさと楽しさが融合した仕上がりだ。 ダイハツがOSANPOで提案するのは、カリカリのオープンスポーツではなく、気持ちいい風に吹かれながら、お散歩気分で自然と触れ合うドライビング。EVゆえバッテリーの搭載によって高めになりがちな全高を、開放感向上というアピールポイントに変えて、これまでにない新感覚のオープンカーに仕立てている。BEVのウィークポイントを逆手に取ったオープンカーの商品企画は、今後他のメーカーにも影響を与えるかもしれない。 いよいよ出るか、“ビッグコペン” 最後に紹介するのは、出展されるコンセプトのうち、おそらく最も市販化が期待できそうな「VISION COPEN(ビジョン・コペン)」。コペンの気軽さはそのままに、走る喜び・楽しさを追求したというこのオープンカーは、ルックスこそ初代「コペン」の進化版だが、ボディサイズは全長3,835mm×全幅1,695mm×全高1,.265mm と完全な登録車(5ナンバー)規格。 エンジンもカーボンニュートラル燃料の活用を見据えた排気量1.3Lの内燃機関とされ、軽の枠を大きく超えている。さらに駆動方式は驚きのFR!。確かに、ボンネットの長いクラシカルなフォルムは後輪駆動のそれだが、このご時世にFFのコペンを駆動方式を変更してまで訴求していこうというダイハツの姿勢はクルマ好きの心を打つ。 おそらく、ボディの大型化は海外販売強化を狙ったものとも考えられるが、現状マツダ「ロードスター」しか存在しない国産FRオープンスポーツの選択肢が増えることは大歓迎。ぜひ市販化してほしいところだ。  

TAG: #BEV #ジャパンモビリティショー #未来のクルマ
ホンダ・N-VAN e:(photo=本田技研工業)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
日本での商用EV争いは軽自動車が熾烈に……ホンダ、「N-VAN e:」をWEBで先行公開[2023.10.06]

軽商用バンの大ヒットモデルがいよいよ参戦でシェア争いは熾烈に 「ジャパン・モビリティ・ショー」は軽商用EVの初公開ラッシュ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)は、軽商用EV「N-VAN e:」を公式WEBで先行公開した。 エンジン車の「N-VAN」が持つ積載製などの機能性をEVでも継承している。荷室のフロア下に搭載するバッテリーを薄型化し、床は低くフラットとし天井は高くすることで大容量な荷室空間を実現しているという。エクステリアは、従来のデザインを踏襲しつつ、使用済み自動車のバンパーをリサイクルした「バンパーリサイクル材」を採用。 「N-VAN e:」の最大の特徴と言えるのは走行性能だろう。EVならではのスムーズな走り出しに加えて、荷物の重量を感じさせないパワフルさ、低重心化による走行安定性を実現しているという。 ブレーキ操作に対してリニアに反応する「電動サーボブレーキ」(回生ブレーキと油圧ブレーキを協調するもの)を軽商用バンとして初採用した。スムーズにブレーキが掛かることで車内の荷崩れの防止につながる。さらにブレーキローターのサイズを大きくし、Dレンジと比べて減速度を大きくするBレンジも設定した。低重心な車体なので、より安心・安全な減速ができるだろう。 パワーユニットの詳細は明らかにされていないが、電動アクスルの小型化に加えて大容量かつ薄型化したバッテリーの採用や高電圧部品の集中配置により、商用車に必要な荷室空間と実用的な航続距離を確保することを目標としている。航続距離は確定していないが、配送業務に十分対応できるよう航続距離210km(WLTC値)を目標に開発しているとのこと。エアコンの消費電力を抑え、航続距離の延長が期待できる「ECONモード」も設定しているようだ。 充電は急速充電に加え、倍速の普通充電となる最高出力6kWタイプに対応している。充電時間は最長5時間とのことで、電気料金の安い夜間帯の中で満充電が可能だ。充電リッドはフロントフェイスに配置し、ケーブルを接続したままの乗降がしやすいよう配慮もしている。 「AC車外給電用コネクター」を使用すれば、1500Wの範囲内で電気製品を駆動することが可能。さらに可搬型外部給電器「パワーエクスポーター e:」を使用することで最大9kVAの高出力給電が可能となり、出力の高い冷蔵庫や冷暖房器具などの駆動が可能となる。緊急時に役立つ機能である。なお、スマートフォンアプリ「ホンダ・コネクト」を使用して、指定時間充電/最大電流量/充電待機時間などの設定を遠隔で行うことが可能だ。 ようやく車両の詳細が公表された「N-VAN e:」は、今年6月からヤマト運輸での実証試験も行なわれるなど、すでに実稼働面での開発が進められている。かねてより「2024年春に発売」と公表していただけに、開発は順調のようだ。 今回驚いたのは、6kWの普通充電に対応していること。電池容量は公表されていないが5時間でフル充電と考えると、最大容量25kWh程度のバッテリーと推測できる。バッテリーの性能にも自信があるようだ。ただ、最大積載量はエンジン車よりも50kg少ない300kgとなっているので注意が必要だ。 気になるのは価格だが、補助金を使えば100万円台に抑えられるとの噂があるので、最も高いグレードでも200万円台後半になるのではないか。 ちなみにホンダは「ジャパン・モビリティ・ショー」で、「新型軽商用EVプロトタイプ」を出展すると発表している。「N-VAN e:」と見て間違いないだろう。先日、スズキは同じ軽商用EVバンに属する「eエブリィ ・コンセプト」の出展を発表している。「eエブリィ」はダイハツからのOEM供給モデルなので、本家もEVの「ハイゼット」を出展するのではないだろうか。 先日のデイリーで「欧州で商用EVバン戦争勃発」と報じたが、日本では「軽商用EVバン戦争勃発」と言えるだろう。日本が得意とする分野で存分にシェア争いを繰り広げて開発を加速してほしい。 商用車としての機能はすべて満たしていると言える作りと装備を持つ「N-VAN e:」への期待は、筆者のみならず配送業者や個人でも高まるだろう。2024年春の発売が待ち遠しい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★北米トヨタ、LGとバッテリー供給を契約 ……韓国のバッテリーメーカーのLGエナジーソリューションと長期供給契約をした。アメリカで生産するバッテリー式EVにLGのリチウムイオン・バッテリーを搭載する。LGはアメリカ・ミシガン工場に約30億ドル(約4,466億円)を投資しラインを新設・稼働するという。 ★★ジェネシス、SUVの「GV60」を改良 ……ヒョンデの高級ブランドであるジェネシスは「GV60」の改良型をアメリカで発表した。主要な改良点は走行距離。後輪駆動モデルで最大294マイル(約473km)の航続が可能となった。価格は5万2,000ドル(約774万円)から。 ★★HWエレクトロ、リースプランを開始 ……事業者向けに商用EVを定額で提供する「HWEカーリース」を10月1日より開始した。軽規格のEV「エレモ-K」の場合、自社リースの代金と補助金を合わせて9,800円/月で利用が可能になる。なお、本サービスは環境省の補助金がなくなり次第終了するという。 ★お台場のEVカート用サーキットが10月28日(土)にオープン ……トムスが運営する「シティサーキット東京ベイ」のプレオープンが決定した。11月22日(水)まで「プレオープンフェスティバル」を開催。10時から22時までの6部制で、EVレーシングカートおよびシミュレーターが乗り放題となる。 ★いすゞ、横浜市と連携協定 ……「横浜市内の商用車部門におけるカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」を締結した。商用EV・FCVといった車両の普及や、それらを利用した輸送の効率化などに協働で取り組むという。 ★ベルセデス・ベンツ、トラック「eアクトロス600・プロトタイプ」が無充電で530kmを走行 ……40トンのウエイトを積んだプロトタイプのトレーラーで、530kmの無充電走行に成功した。充電1回で1000km以上を走行できることが実証されたという。 ★日本発超小型EVの新星が「ジャパン・モビリティ・ショー」に登場 ……特装車架装のトノックスと超小型EV技術研究組合(METAx)は、「マイクロ・ユーティリティ・ビークル」を共同開発する。開発車両は「ジャパン・モビリティ・ショー2023」の会場で公開する予定だ。 ★プラゴの充電インフラがYahoo!のマップサービスで検索可能に ……LINEヤフーと連携し、「Yahoo!カーナビ」「Yahoo!マップ」「Yahoo!ロコ」などで検索が可能になる。充電ステーションの場所はもちろん、充電器の出力や台数も表示されるという。 ★ジゴワッツ、最高出力6kWの充電器が補助金対象に ……倍速の普通充電が可能になる最高出力6kWタイプの「JW-EVSE-6KI」がJARIの認証を受けた。これにより従来の3kWタイプと同様に補助金の対象となる見込み。 ★国内自動車関連業のEV事業参入意向が5割以下 ……帝国データバンクが「EV普及の影響/参入企業の実態調査(2023年)」の結果を公表した。EV普及によりマイナスの影響を受けている企業は49.2%。「参入済みもしくは参入予定」と回答した企業は44.1%だった。 ★ボルボ、2023年9月のEV販売台数は9,205台 ……前年同月(6,072台)比52%の増加。1月〜9月の販売台数は8万629台で、前年同時期(3万2,369台)比149%増となった。 ★「BYD AUTO 名古屋北」が10月6日(金)にオープン ……BYDオート・ジャパンの正規ディーラーとして開業。ショールームを備えた店舗としては、国内12ヵ所目になるという。運営は双日が担当する。10月7日(土)〜10月31日(火)までオープニングフェアを開催する。 ★日立アステモ、二輪向けEVシステムをJMSに出展 […]

TAG: #THE視点 #ジャパンモビリティショー #商用EV

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レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
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