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日本仕様はデチューンされている可能性も! ボルボEX30の航続距離&急速充電性能を実走テストで明らかにした!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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日本仕様はデチューニングされている可能性が浮上

充電性能テスト

・使用充電器:ABB製150kW急速充電器(15分ブーストモード)
・SOC10%〜80%充電時間:36分
・最大充電出力(SOC):85.2kW(57%)
・30分回復航続距離(航続距離テストベース):214km

走行テスト結果

【総評】

まず、航続距離テストについて、外気温は平均20℃程度だったこともあり、EVの電費という観点ではベストコンディションだったはずです。その一方で、EX30のEPAサイクルにおける航続距離は、18インチタイヤ装着時で443kmと米国ボルボ側が公表しています。よってインチアップしているとはいえ、EPA航続距離に大きく届かなかったという結果はやや残念であるといわざるを得ません。

とはいうものの、東京〜名古屋間を時速100km巡航でも無充電で走破可能とイメージしてみれば、コンパクトSUVとしては必要にして十分な航続距離を確保しているともいえるでしょう。

ボルボEX30のフロント

次に充電性能テストについて、150kW級急速充電器を使用したにもかかわらず、最大85.2kWしか発揮することができませんでした。じつは海外仕様のEX30については、最大150kW級の充電出力に対応しており、日本仕様がデチューニングされている可能性がテスト結果から明らかとなってしまったわけです。よって、SOC80%までの充電時間も、海外仕様と比較して10分ほど長くなってしまっており、ロングトリップの実用性という点で、かなり劣る結果ともなりました。

実際に、30分間の充電時間で回復可能な航続距離を、航続距離テストの結果である367kmから概算すると、およそ214km。30分充電しても214km分の航続距離しか回復できないとイメージしてみると、やや物足りないと感じる方も少なくないでしょう。

ボルボEX30のホイール

また、私がEV性能とは別の評価軸として独自設定している4つの項目についてもその印象と評価を記載しておきます。

・乗り心地:7/10ポイント
いわゆるフワフワ寄り。他方で段差の継ぎ目のいなし方は上々。

・静粛性:6/10ポイント
二重ガラス未採用のため、風切音はそれなりに聞こえてくる。ラフな路面だとロードノイズも気になる。

・自動運転支援機能:6/10ポイント
左車線の大型トラックに反応するときがあり、前車追従でギクシャク感あり。レーンキープも癖あり。

・音響性能:7.5/10ポイント
Harman Kardon 9スピーカーシステム(サブウーファー×1、システム出力1040W)。高音域は非常にクリア。重低音もサブウーファー搭載で上々。他方でスピーカーがフロントに集中しているため音の立体感、包まれ感は少なめ。

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