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電動化の失速どころかEV&PHEVがバカ売れ! テスラもドイツ御三家も押し出す中国メーカーの勢い


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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大衆セグメントではBYDが異次元の力を発揮

次にこのグラフは、バッテリーEVに絞った販売ランキングトップ30を示したものです。黄色で示されたBYDがトップ20のうち7車種を席巻しながら、テスラ・モデル3の競合車種であるZeekr 001、シャオミSU7が急速に販売台数を伸ばしているという点も注目ポイントです。

そして、その車種別の販売動向をさらに詳細に分析するために、今回は大衆セダンとプレミアムBEVセダン、および高級セグメントという、もっとも販売動向が変化している各セグメントを取り上げましょう。

グラフ

まず大衆セダンセグメントの販売動向について、やはりBYD Qin PlusがHonor Editionによる大幅値下げによって、競合の追随を許さない驚異的な販売台数をキープすることに成功しています。

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よりわかりやすいように、兄弟車の販売台数を合計した累計台数の変遷を見てみると、やはりBYDのQin PlusとDestroyer 05がトップに君臨しながら、ホンダのシビックとインテグラ連合、トヨタのカローラとレビン連合、そして日産シルフィが年を追うごとに低迷している様子が見て取れます。

そして、この大衆セダンセグメントに、BYDのQin L、およびSeal 06というゲームチェンジャー的な存在が5月末に投入されてしまっているという点が重要であり、6月で2.5万台以上の販売台数を実現。Qin PlusとDestroyer 05連合と合算すれば、この大衆セダンセグメントは、もはやBYDにはまったく対抗できなくなっている状況です。

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ちなみに、BYDと日本メーカー勢、およびフォルクスワーゲンという、大衆セグメントの販売が中心の大衆ブランドの四半期別の販売台数の変遷を見てみると、BYDは前年同四半期比で23.3%ものプラス成長を実現している一方、トヨタは20.8%ものマイナス成長、ホンダも31.5%ものマイナス成長、日産も12.3%ものマイナス成長と、BYDのひとり勝ちの構図がより鮮明となってきています。

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次に、プレミアムBEVセダンセグメントに関して、四半期別の販売台数を見てみると、まずモデル3については、前年同四半期比でマイナス18.9%もの販売低下が確認されています。そしてついに、この王者モデル3越えを果たしたのがZeekr 001の存在です。Zeekr 001は、日本円で550万円以上からのスタートであり、モデル3よりも高額でありながら、それでも四半期ベースでモデル3を超える販売台数を実現しており、その需要の大きさが見て取れます。しかもZeekrはさらに007というセダンもラインアップしていることから、ZeekrのBEVセダンに対する需要の高さが見て取れるでしょう。

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Zeekr 001

そして、2024年下半期は、さらに強力なライバルとしてシャオミSU7が台頭するでしょう。4月から納車をスタートしているSU7は、Q2だけでジャスト3万台を納車することに成功。生産体制が拡張した暁には、モデル3とZeekr 001を上まわる公算です。

最後に注目したいのが、日本円で概ね1000万円級という高級車の販売動向です。

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これまでアウディA6L、メルセデスEクラス、BMW X5などという、ドイツ御三家が販売シェアを支配するセグメントであったものの、まさにいま現在、そのドイツ御三家の時代を終わらせようとしているのがファーウェイの存在です。日本円で1000万円級、2月に正式納車がスタートしているAito M9は瞬く間に販売台数を伸ばして、5月に続いて、3ヶ月連続で高級セグメントトップを実現しています。

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Aito M9

さらに、ファーウェイは8月中にも、「7・8・S(BMW7シリーズ・アウディA8・メルセデスSクラスの略称)」に対抗するフラグシップセダン「Stelato S9」を発売することから、ドイツ御三家にとって、さらに厳しい局面が訪れるのではないかと危惧します。

いずれにしても、

・大衆セグメントは、BYDが異次元の支配力を発揮しており、それに対して、日本メーカーの販売台数がさらに低下している状況

・中国市場が稼ぎどころでもあるドイツ御三家も、ファーウェイの台頭によって販売シェアを落としていく懸念

・2024年下半期から2025年前半は、モデル3に続いて、モデルYに対抗する競合EVが続々登場予定

中国EVメーカーの最新動向とともに、中国国内のEVシフト動向については定期的に情報をアップデートしていきたいと思います。

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