第2弾のコンセプトモデル「イエGTコンセプト」
イエGTコンセプトは、中国におけるホンダEVの象徴となるモデルを目指して開発された。まだコンセプトモデルではあるものの、GT(Grand Tourer)の名にふさわしいロー&ワイドなシルエットが印象的だ。
運転席はレーシングドライバー感覚で運転に没入できる空間づくりを行ったという。また、ダイナミクス性能も徹底的に磨き上げ、クルマと一体になって走る究極のドライビング体験の提供を目指している。EVらしい洗練された空間でありながら、赤い内装色も相まってかなりのドライビングパフォーマンスを期待させる。
助手席にはホンダの四輪製品としては初となる「遠焦点ディスプレイ」を採用。従来のLCDディスプレイに対してより奥行き感があり、まるで大画面を見ているような体験が可能なのだという。これにより、プライベートシアターのような没入空間が助手席には提供される。
なお、イエGTコンセプトをベースとした量産モデルは、イエシリーズの第2弾モデルとして2025年内の発売を予定しているそうだ。
ホンダは、「2050年にホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」というグローバルでの目標を掲げている。その実現に向け、中国においては2022年に発売したe:NP1、e:NS1を皮切りに、2027年までに10機種のEVを「Honda」ブランドとして投入し、そして2035年までにEVの販売比率を100%にする意向を示している。
そこで4月25日から開催される2024年北京モーターショーでは、今回発表されたイエシリーズのイエP7、イエS7、イエGTコンセプトの展示をはじめ、e:Nシリーズの第2弾モデルとなるe:NP2、e:NS2やプラグインハイブリッド車など、さまざまな電動化モデルが展示される予定だ。
こと日本国内では「ホンダe」の生産終了が報じられ、EVに消極的なのではないかとの見方もされかねないホンダ。だが今回のイエシリーズのように、2050年のカーボンニュートラル実現に向けては、堅実にローカル市場の需要を見極めている。ホンダは適材適所でEVモデルを投入し、一歩ずつゴールに向けて歩みを進めているのだ。