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建設機械のEV化が加速中! 好調な日本メーカーに舶来のボルボ・グループはどう挑むのか?


TEXT:TET 編集部 PHOTO:ボルボ・グループ・ジャパン
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欧州での実績を携え中型BEV油圧ショベルを導入

折からの円安傾向と、日本の確かなものづくり品質に支えられ、日本の建設機械の海外向け出荷高は大幅な成長を示している。日本建設機械工業会が公表している2023年の累計輸出金額は、機械本体と補修部品を合わせて前年を15.4%上まわる約2兆6000億円だ。なかでも油圧ショベルの輸出金額は1兆円を超えており、コマツや日立建機、日本キャタピラーなどの主要建設機械メーカーの主力商品に位置付けられている。また、国内需要も旺盛で、全体で前年比8.9%増の1.1兆円、油圧ショベルに絞っても前年比7.2%増の3300億円超を売り上げる好調ぶりだ。

しかし、社会全体での脱炭素化、二酸化炭素の排出量削減など、自動車産業と同様の変革期に突入しており、建設機械業界でも国内外を問わず電動化の動きが活発だ。それは2016年のパリ協定により、温室効果ガスの削減目標達成に向けた各企業の取り組みが加速していることが要因だ。

国内に目を向けると、国土交通省が主体となり建設機械の脱炭素化を推進しており、電動ショベルと電動ホイールローダーを対象とした「GX建設機械認定制度」をスタートさせている。2023年10月の初回認定モデルには4社15モデルが選ばれており、小型の電動ショベルから中型20トンクラスの電動ショベルまで認定されているのだが、国内メーカーはコマツ、竹内製作所、コベルコ建機の3社で、残る1社は山崎マシーナリーが国内取り扱い代理店となっているボルボ・グループ・ジャパンの小型電動ショベルだ。

ボルボ・グループの電動油圧ショベル「EC230 Electric」の充電風景

ボルボ・グループ・ジャパンは、ボルボ建設機械グループのひとつである「ボルボ建機」の日本法人だ。国内外で高い評価を得ている大手建設機械メーカーがひしめく日本において、挑む形となっているボルボ・グループ・ジャパンではあるが、主戦場の欧州では社会環境改善に対する意識が高く、日本に先行して電動化の技術開発と市場投入をおこない、作業現場での稼働実績に基づき信頼性の確保を進めてきた先行者ならではの強みがある。

そのようななか、油圧ショベルとしての使用台数が多いといわれる20トンクラスに、ボルボ・グループ・ジャパンが「EC230 Electric」を、2024年5月中旬から日本販売代理店の山崎マシーナリーを通じて日本市場に導入すると発表した。

ボルボ・グループの電動油圧ショベル「EC230 Electric」は従来のディーゼル駆動の油圧ショベルと遜色のない掘削力を発揮する

「EC230 Electric」はバッテリーEV(BEV)の中型油圧ショベルでありながら、近年の建設現場において重要なICT機能も備えている。電動モデルだから騒音が大幅に軽減されているだけでなく、振動が少なかったり排出ガスが出ないことなどメリットは多い。現場の作業環境とオペレーターの労働環境の両面で改善につながるだけでなく、マンションや戸建て住宅が立ち並ぶ地域では、そのメリットが直接快適な住環境にもつながる側面がある。肝心の掘削力に関しても、同等クラスのディーゼル駆動モデルと比べても遜色がないという。

ボルボはグループ内のBEVコンポーネントの共通化・最適化が可能なことや、同じくグループ内のEVトラックで培ったノウハウを生かし、EV建機の取り扱いに関する独自のトレーニングプログラムの提供をおこなうことなどで、競合他社に対する優位性を訴求し、日本でのEV建機の市場シェア獲得を目指していくとしている。

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