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「iX」は走りも上質 プレミアムSUVと呼ぶにふさわしい出来映え [BMW iX試乗記]


TEXT:生方 聡 PHOTO:小河原 認
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車両本体価格1,398万円は高くない!?

このクラスのEVに乗る人にとって、電費はあまり気にならないかもしれないが、念のため今回の試乗中にチェックした数字を報告しておこう。iXのカタログを見ると、WLTCモードで190Wh/km、郊外モードで181Wh/km、高速道路モードで195Wh/kmとある。これを1kWhあたりの距離で表すと、それぞれ5.2km/kWh、5.5km/kWh、5.2km/kWhということになる。

これに対して、実際の走行データは、比較的空いた郊外の一般道では6.1km/kWhをマーク。一方、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)を用いて高速道路を100km/hで巡航したときには5.7km/kWhとカタログ値を上回っている。iX xDrive50の高性能ぶりを考えれば、なかなか優秀といえるだろう。もちろん、調子に乗ってその加速を楽しめば、電費はみるみる低下するのはいうまでもない。

試乗中には何度か急速充電を行う機会もあった。試しに新東名高速道路の駿河湾沼津サービスエリアにある150kW器を使ってみたが、充電開始時のバッテリー残量が1回目が16%、2回目が26%と低めだったにもかかわらず、充電出力は最大77kWと80kWに留まった。夏場の気温の高さが原因かもしれないので、少し気温が低くなったら、再度チャレンジしたいと思う。

通常の状態でも奥行きは100cmを越え、後席を倒せば165cm以上の広いスペースに。

通常の状態でも奥行きは100cmを越え、後席を倒せば165cm以上の広いスペースに。

通常の状態でも奥行きは100cmを越え、後席を倒せば165cm以上の広いスペースに。

ということで、充電についてはその能力を引き出すことができなかったが、デザイン、加減速、走行性能などあらゆる点でプレミアムSUVにふさわしい性能を誇るiX。1,398万円という価格は高いどころか、試乗を終えるころにはリーズナブルに思えてくるほど、納得の仕上がりである。

BMW iX xDrive50

全長:4,955mm
全幅:1,965mm
全高:1,695mm
ホイールベース:3,000mm
車両重量:2,560kg
前後重量配分:前1,230g、後1,330kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:190Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:650km
システム最高出力:385kW(523ps)
システム最大トルク:765Nm(78.0kgm)
フロントモーター最高出力:190kW(258ps)/8,000rpm
フロントモーター最大トルク:365Nm(37.2kgm)/0-5,000rpm
リアモーター最高出力:230kW(313ps)/8,000rpm
リアモーター最大トルク:400Nm(40.8kgm)/0-5,000rpm
バッテリー総電力量:111.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:4WD
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:255/50R21
最小回転半径:6.0m
荷室容量:500L
車体本体価格:13,980,000円



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