2023年7月
TEXT:桃田 健史
水力発電99.6%で暮らす「屋久島」。アウディBEVフルラインナップで島めぐり

今年、世界遺産登録30周年を迎える鹿児島県屋久島。年間降雨量が多いことから水力発電が街の電気の主流となっている。屋久島の電力の要となっている水力発電の設備や、アウディの支援によって実現した学生向けのレクチャー、町の関係者や高校生を交えた「未来共創ミーティング」についてレポートする。 恒例となったサスティナブル・フューチャー・ツアーとは? アウディジャパンが「アウディ・サスティナブル・フューチャー・ツアー」を鹿児島県屋久島で実施した。 屋久島空港に到着すると、「e-tron GT」「e-tron」「Q4 e-tron」などアウディのBEVフルラインナップが出迎えてくれた。 各モデルを乗り比べながら、屋久島の自然、文化、そして地域産業を実感する旅である。 アウディといえば、2026年以降にグローバルで導入する全てのモデルをBEV化し、2033年にはガソリンやディーゼルなどの内燃機関を搭載するモデルの生産を終了することを宣言する、BEV化に積極的なブランドとして知られている。 モデル戦略のみならず、BEV化が進む社会とは具体的にどのような形になることが人々にとって有意義であり幸せなのか、という大きな命題に対してアウディは真正面から捉えようとしている。そうした議論の場として、「アウディ・サスティナブル・フューチャー・ツアー」が日本国内で企画された。 2022年度は、岡山県真庭市でバイオマス発電について、また岩手県八幡平市では地熱発電について、メディア関係者、学術関係者、そして地元の自治体関係者と対話する場を設けてきた。 3回目となる今回は、舞台を鹿児島県屋久島に移しての実施である。

TAG: #アウディ #屋久島 #水力発電
港区芝公園付近に設置した急速充電器
TEXT:烏山 大輔
利用回数は3倍に増加!東京都が進める公道への急速充電器設置について担当者へインタビュー

2050年に「CO2排出実質ゼロ」の目標を掲げる東京都。その東京における運輸部門のCO2排出量は全体の2割、そしてその8割を自動車が占めているため、運輸部門のゼロエミッション化には車そのものの脱炭素化が必要だ。その実現に向けて東京都は電気自動車などの購入に補助金を出すなどの取り組みに加え、公道への急速充電器の設置事業も進めている。今回はこの事業を担当する方々に話をうかがうことができた。 日本初、パーキングチケット区画への急速充電器の設置 東京都が2023年3月24日から運用を開始した港区芝公園付近(港区芝公園4-6-8)と渋谷区代官山付近(渋谷区猿楽町29-6)の各1基の急速充電器(50kW)は、日本初のパーキングチケット区画への設置となった。 「設置から3ヵ月が経ち、運用開始した初めの1ヵ月と直近の1ヵ月では、利用回数が3倍に伸びていて、とても手応えを感じています」と教えてくれたのは、東京都 産業労働局 産業・エネルギー政策部 ZEV推進担当課長の坂井彰洋さんだ。この日は坂井さんに加えて産業労働局 産業・エネルギー政策部 事業者エネルギー推進課 課長代理の菱沼滋夫さんと同課主事の黒川 鷹さんからも丁寧な説明を頂いた。 2022年度末から検討が始まったこの事業は、都道を管理する建設局や安全性の面では警視庁と1年近く協議を重ね実現に至った。 新たに6月22日からは信濃町駅付近(新宿区南元町9番地)にも50kWの急速充電器を設置した。前述の2箇所と合わせたこの3箇所への急速充電器の設置は、都が急速充電器の公道への設置を推進するためe-Mobility Powerを連携事業者とする協定を締結、国土交通省の「令和4年度道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」に位置付けられている。 2021年3月時点で都内に326基の公共用急速充電器があったが、都はこれを2030年までに1,000基に増やす目標を立てている。 今回の3箇所が設置場所として選定された理由は、周辺に公共の充電器がなく、需要があると予測したため、かつ東京としてのシンボリックな場所だったからだ。また充電器のスペックは、設置場所の周辺住民の理解、歩道の幅の確保、電線の引き込み、道路の使用許可などを考慮し、e-Mobility Powerと検討の上、50kWに決定している。 90kWや150kWなどのスペックとなると、特に夜間の充電器の発する音対策や充電器本体とは別にキュービクル(変圧・配電するための設備)を設置するスペースも必要になってくるため、よりハードルが上がるが、それらの条件を満たす場所があれば設置を検討していきたいとのことだった。 利用者のアンケートには、こういった取り組みがもっと広まって欲しいという声が多く寄せられているそうだ。 公道に設置するということで安全性にも配慮し、充電コネクターを充電器本体ではなく、充電器の横にある専用のスタンドに戻すことで充電ケーブルが車道にはみ出してしまうことを防いでいる。また、充電ケーブルには蛍光テープを貼り、夜間に他の車やバイクの運転手からの被視認性を高め、安全性の向上を図っている。 ケーブルを車道に出しっぱなしにすることや、充電が終わった後も駐車し続けるなどの行為は、充電設備の普及の妨げになりかねない。利用者のマナーもインフラ事業、さらには乗用車の脱炭素化を進める重要な要素であることを改めて認識したい。

TAG: #公道 #急速充電器 #東京都
TEXT:烏山 大輔
横浜ゴム、EV専用タイヤ「ADVAN Sport EV」を発売。電動車対応タイヤを示す独自のマーク「E+」も導入

横浜ゴムは、2023年秋頃から欧州などで、EV専用のウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を順次発売する計画を発表した。サイズは18インチ〜22インチ、16サイズを予定している。 ハイパフォーマンス向けタイヤからデザイン・技術を踏襲 「ADVAN Sport EV」は、横浜ゴムが提供するハイパフォーマンスカー向けタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイイチマルナナ)」を基に、EVや電動車の代表的なニーズである「低電費」と「静粛性」に応えるために開発したタイヤだ。 横浜ゴムはすでに、BMWやメルセデスAMGなどのプレミアムEVを含む様々な電動車に対して新車装着用タイヤを供給しており、「ADVAN Sport EV」にはこれまでの開発で培った技術を注ぎ込んでいる。 「低電費」に関しては、低転がり抵抗のコンパウンドを採用することで航続距離の伸長を図っている。また、ウェット性能も高く、濡れた路面でも安全性を提供する。 「静粛性」については、専用設計のポリウレタンフォーム「SILENTFOAM(サイレントフォーム)」をタイヤの内面に貼り付けることで、路面の凹凸による空洞共鳴音を低減し、ノイズを減らして快適な車内空間を実現する。タイヤサイドには「SILENTFOAM」の刻印がある。 また、トレッドパターンは、ハイパフォーマンスカー向けのOEタイヤおよび市販用タイヤとして評価の高い「ADVAN Sport V107」のデザインを踏襲している。 EV対応商品であることを示す独自のマーク「E+」を導入 さらに、「ADVAN Sport EV」は、横浜ゴムが電動車に対応する商品を示すために採用する独自のマーク「E+(イー・プラス)」を持つ最初のタイヤとなる。 電動車に装着されるタイヤには、バッテリー搭載による高荷重やモーターによる高トルク出力への対応、エンジン音のない静かな電動車にふさわしい静粛性への対応、車両の電費・エネルギー消費効率向上、航続距離拡大への対応など特徴的なニーズがある。 この「E+」マークは、電動車の特徴的なニーズに対応する技術を搭載したタイヤに対して、タイヤサイドにマークを付けるだけでなく、カタログやウェブサイトなどで表示し、顧客のタイヤ選びをサポートする役割も果たす。 横浜ゴムは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)において、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、および「ウィンタータイヤ」の販売構成比率の最大化を目指していくことを発表済み。その実現のため、「ADVAN」と「GEOLANDAR」の新車装着を拡大し、商品開発に力を入れていくという。 「ADVAN Sport EV」発売サイズ

TAG: #タイヤ #横浜ゴム
フェラーリ SF90 XX ストラダーレの俯瞰目ビュー
TEXT:小川フミオ
フェラーリ SF90 XXは公道もサーキットも走れるスペチアーレ。跳ね馬の最新PHEVを徹底解説

フェラーリの最新モデル「SF90 XX(エックスエックス)」は、公道もサーキットも走れる先進のプラグインハイブリッド車。頼もしいモーターのパワーをフェラーリらしいパフォーマンスの実現のために活用している一方で、電気だけで走れるモードも備えるエコな一面をもちあわせている。フィオラノが送り出す新しいPHEVはどんなクルマなのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオが解説する。 SF90以上のパワーとダウンフォース フェラーリが2023年6月29日に発表したプラグインハイブリッド「SF90 XX(エックスエックス)」。 特徴をひとことでいうと「公道も走れる初のXX」(フェラーリのスポークスパースン的役割も務めるマーケティング統括のエンリコ・ガリエラ氏)。 SF90 ストラダーレをベースに(4L V8に3つのモーターというドライブトレインや基本シャシーは共通)、パワーをアップしつつ、ダウンフォースを中心に空力を徹底的に見直している。 「XX」とは、フェラーリのサーキット専用車プログラム。XXの名をもった限定モデルを販売し、コルセ・クリエンティと呼ばれる専任部門が、サーキット走行のノウハウを伝授する。 これまでに「FXX」(2005年)、「FXX エボルツィオーネ」(2008年)、「599XX」(2009年)および「599XXエボ」(2011年)、「FXX K」(2014年)、それに「FXX K エボ」(2017年)と、高性能モデルがごく少数作られてきた。 SF90 XXの場合は、パワーをSF90 ストラダーレの735kWから797kWに引き上げると同時に、車体の空力を徹底的に見直し、「1ミリも空力的に無駄なデザインはない」(エンジニアリング担当のジャンマリア・フルジェンツィ氏)というほど。 空力の主目的はダウンフォースの増大。ノーズ、側面、そしてリアのウィングとシャットオフ・ガーニーにいたるまで徹底的に磨きあげ、結果、「SF90 ストラダーレに対して最大値で2倍」(フェラーリのプレスリリース)にまで増大させている。 高速において車体と車輪を路面に強く押しつけるダウンフォース増大によって、「車輪のグリップを強めるとともに、ラップタイムでより速くなっている」(プレスリリース)とする。

TAG: #PHEV #SF90 XX #フェラーリ
TEXT:烏山 大輔
EV充電器が家電量販店で買える時代に!全国のヤマダデンキで高出力AC充電器を販売開始

ヤマダデンキは、NHPソリューションのBEV(バッテリー電気自動車)およびPHEV(プラグインハイブリッド車)向けAC充電器「ACスマートチャージャー」を、家電量販店として初めて、7月11日(火)から全国のヤマダデンキで販売開始することを発表した。 近年、BEVやPHEVの普及に伴い、充電器の需要も増加している。NHPの「ACスマートチャージャー」は、一般的な普通充電器の約2倍の出力を誇り、充電時間を大幅に短縮することができる。さらに、わずか3kgと軽量で、設置場所を選ばずに利用できるのも特徴。なお、同製品を販売するのは家電量販店ではヤマダデンキだけとのこと。 NHP の「AC スマートチャージャー」の特徴 1.最大6kWの充電能力と3kgの軽量設計(ケーブルは除いた本体のみの重量) 一般的な充電器の出力(3kW)の約2倍の6kWで充電することができる。充電器はシンプルなデザインで、重量はわずか3kgと設置場所を選ばず設置可能。動作状況はランプの色で確認することができる。 2.「盗電」対策 このAC充電器は、専用のRF-IDカードの認証(非接触ID)により充電を開始する。これにより、留守や長期不在時における「盗電」を防止することができる。 3.スマートフォンから制御可能 専用アプリ「HomeCharger」を介して、充電の開始や停止、充電時間のスケジュール設定などをスマートフォンから行える。また、充電時間の履歴を確認したり、二酸化炭素削減量をチェックすることも可能だ。 品名:AC スマートチャージャー 型番:NKR-ACNH1 価格:218,000 円(税込) ヤマダホールディングスは、環境に配慮した商品を提供することを心掛けているとのこと。今後も、「AC スマートチャージャー」の導入をはじめ、環境にやさしい商品やサービスの充実に取り組み、エネルギーの効率的な利用に貢献していく、としている。

TAG: #EV充電器 #ヤマダデンキ
フェラーリ SF90 XX ストラダーレのフロントビュー
TEXT:小川フミオ
フェラーリ SF90 XXはピュアEVへの架け橋となるか。跳ね馬の最新PHEVを徹底解説

フェラーリが最新モデル「SF90 XX(エックスエックス)」をワールドプレミアした。V8ツインターボと3つのモーター、そして7.9kWhのバッテリーを搭載するプラグインハイブリッド車だが、いかにも彼ららしい電動システムの活かし方は、明らかに「フェラーリが作るピュアEVの姿」を予想させる。その全容を、発表会の現場から自動車ジャーナリスト・小川フミオがレポートする。 公道とサーキットの両方で使えるクルマ フェラーリがプラグインハイブリッドの新型車「SF90 XX(エックスエックス)」を、2023年6月29日に発表。 それに先立ち、ジャーナリストを集めての記者会見を、28日にイタリアの本社ちかく、ピスタ・ディ・フィオラノで開催した。 発表の瞬間まで、集まったジャーナリストにも車名も内容も伏せられていた。「こんなクルマってうわさがあるけど」と水を向けても、広報担当者はニヤニヤして首を橫にふるばかり。 最終的に午前10時を回って、フェラーリのマーケティング担当重役、エンリコ・ガリエラ氏の合図で、クルマがスポットライトとともに登場したのだった。 このクルマ、車名から、ひょっとしてクルマに詳しいかたならご賢察のとおり、2019年発表の「SF90 ストラダーレ」の発展形ともいえる。 「車名がこのクルマのコンセプトと技術的内容を物語っています」。ガリエラ氏は言う。 「公道とサーキット、どちらでも使えるクルマとして、開発したのです」

TAG: #PHEV #SF90 XX #フェラーリ
EV船「あすか」(photo=旭タンカー)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
カーボンニュートラル燃料の輸送にエコなEV船……三菱重工、新型EV輸送船「あすか」を竣工[2023.07.12]

カーボンフリー燃料の輸送をエコに実施してこそCO2削減に効果 見た目からはわからぬ最新鋭のハイ・テクノロジーを搭載 【THE 視点】三菱重工は7月7日、新型のEV輸送船「あすか」が竣工したと発表した。三菱重工グループの三菱造船およびe5ラボが普及を目指す「内航標準ハイブリッドEV船」のデザインを採用した総トン数499トンのバイオマス燃料輸送船で、建造造船所の本田重工業から旭タンカーに引き渡された。 「あすか」のパワーユニットは、スクリューを回すための機構は完全電動で、電力供給用のバッテリーと発電機・制御ソフトをモジュール化して搭載している。 また、三菱造船が開発し、Marindowsを通じて内航海運への普及を目指すポータブル運航支援システム「ナビコ」も搭載。今後パイロット試験を経て2024年春からの販売を計画しているという。 見た目からは分かりづらいが、三菱造船製の高性能ツインスケグ船型を採用し、推進馬力を従来船より20%以上削減した。これによりCO2の削減に貢献でき、荷役・離着桟・入出港など港湾でのゼロエミッション・オペレーションを実現する。 また、騒音・振動の低減による船内快適性向上、高度な知識と経験を要するディーゼルエンジンの整備作業の削減、操船性向上による離着桟オペレーションの負荷低減などのメリットもあり、総じて船員の作業負荷を低減できる。 駆動するモーターは最高出力360kW(490ps)のものが2基搭載され、最高出力500kW(680ps)の発電機が2基、バッテリーは最大容量221kWhの仕様が2基で合計の容量は442kWhとなる。40kWhのバッテリーを積むEVに換算すると11台分の容量になり、ハイブリッド車の場合は40〜50台分に相当する。EVとは比べ物にならないほどの大容量である。 「あすか」のパワートレインは、自動車で言うシリーズ・ハイブリッド方式に相当する。外観からは気付かないが、CASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)に近い技術が用いられており、公開された資料によれば、「ナビコ」とは映画で見るような巨大なパネルを備えたようなものではなく、小型のタブレット端末にて操作するようだ。電動化に関連する産業構造改革は船舶業界でも起きている。 船舶においてもCO2削減は待ったなしの状態で、EVではないが推進力に風を用いる「帆船」を現代版としてアレンジした推進技術も開発されている。 「あすか」の用途はバイオマス燃料の輸送というが、その輸送に化石燃料を使用しているようでは無意味。運ぶ船も含めてカーボンフリー化して初めてエコと言えるだろう。この問題は自動車用の水素燃料の輸送にも当てはめることができる。 このような取り組みは、乗り物業界全体に増えていくだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★カワサキ、新型EVバイクを「JAIA輸入車普及イベント in 神戸」<神戸市旧居留地/7月14日(金)・15日(土)>にて公開……「ニンジャ」と「Z」ベースのプロトタイプEVバイクに加えて、自転車型の「ノスリス」3台を出展 ★★ヤマダデンキ、EV向けの充電器「ACスマートチャージャー」を全国の店舗にて発売……最高出力6kWでの充電が可能な壁掛けタイプ ★★ZF、商用EV向けのモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)「AxTrax」を欧州で発表……ラストワンマイルの小型EVから大型のトラクター・ヘッドまで幅広く対応 ★ボッシュ、欧州のトラックメーカーのイヴェコに燃料電池を供給……イヴェコ製のFCEVトラックが2023年内にデビュー、水素供給インフラの開発も推進 ★ボッシュ、ドイツ・シュトゥットガルトのフォイエルバッハ工場にて水素燃料電池を大規模生産……既存のトラックのエンジンスペースに収まるサイズ ★京急電鉄、三崎口駅前<神奈川県三浦市>に小型EVと電動キックボードのレンタルステーションを開設……小型EVは15分220円、電動キックボードは初乗り15分250円から利用可能、「ハローモビリティ」のアプリより予約 ★野村不動産、今後開発の分譲マンション「プラウドシリーズ」全物件にて全駐車区画の原則3割にEV用充電設備を導入……「プラウド青葉台」<神奈川県横浜市>では機械式駐車場の7割超えに導入予定 ★ヤマダホールディングス、プラゴと協業のEV充電インフラ事業を自社のエコ施策「ヤマダ・グリーン」に認定……7月4日より予約制のEV充電サービスを開始、買い物中にEVを継ぎ足し充電 デイリーEVヘッドライン[2023.07.12]

TAG: #EV船 #THE視点 #テクノロジー
「コーガ」のプロジェクトに関わる企業(photo=工学院大学)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ハイドロニューマチック・サスをソーラーカーが搭載、工学院大学が世界大会に挑むマシンを発表[2023.07.11]

数々の新技術を大学生が開発し新型ソーラーカーを製作 非電動のハイドロニューマチック・サスペンションはドライバーの負担も軽減するか 【THE 視点】工学院大学および工学院大学ソーラーチームは7月5日、「2023ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(BWSC)」<オーストラリア/10月開催>に出場するニューマシン「Koga(コーガ)」を初公開した。レースにおける空力性能の向上が図られ、搭乗者空間の拡充と低重心化を実現する新技術を搭載しているという。 工学院大学ソーラーチームは、30社を超える企業との産学連携プロジェクトとして、研究開発からレースへの参戦までを一貫して行うことで、クリーンエネルギー分野の技術革新・社会実装に取り組んでいる。 「BWSC」への参戦は今回で5度目。レースは、オーストラリア大陸を北から南へ約3,000kmの道のりを約5日間で縦断する過酷な内容。チームは、2019年の大会にて技術賞「テクニカルイノベーションアワード」(1チームのみに与えられる)を受賞しているが、前回大会を超える技術力で世界の頂点を目指すという。 「コーガ」には以下の新技術が搭載されている。 ・グランド・フレーム・サスペンション(GSF)……前輪に採用、内部フレームを必要とせずシャシー側からの支えでも操舵可能 ・リバース・タイヤ・ウォール(RTW)……後輪に採用、ボディ側面にタイヤを直接組み付けボディを支える ・ボディ直付けのホイール……「GSF」と「RTW」により実現、タイヤを支えるフレームが不要となり、狭いボディにサスペンションを格納可能。空力性能の向上と搭乗者空間の拡充・低重心化による操安性能向上の効果 ・改良型ハイドロニューマチック・サスペンション+非線形ばね……電気エネルギーを使用せずに車体のピッチ方向の姿勢を自動調整し空力が最も高い状態を維持(※テクニカルイノベーションアワード受賞の技術) 油圧と空気圧を組み合わせた「ハイドロニューマチック・サスペンション」というとシトロエンを思い浮かべるが、大学生制作のソーラーカーに採用されているのには驚いた。今回は改良型ということで、乗り心地も改善したのではないだろうか。5日間で3,000kmを走る長丁場のレースでは、ドライバーの身体への負担は相当なはずだ。疲労の軽減効果があればと願う。 また、この「BWSC」には筆者の知人がいる東海大学も参戦すると聞いている。日本の大学同士の争いも見ものだが、ブリヂストンがスポンサーの大会だけに、日本勢は是非とも上位入賞を獲得してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、ヨーロッパにて「自動車線変更機能」を導入……EVの「EQ」シリーズにも搭載、遅い車を自動で追い越し ★★ダイムラーバス、オランダ・ハーグの交通企業HTMとEVバス「メルセデス・ベンツ eシターロ」の導入を契約……2024年までに95台を納入、電動化のためのインフラの構築も ★ユビ電、EV用充電器向けのスマート分電盤「ウィーチャージ・ハブ」をアップデート……最高出力6kW〜10kWまで対応、集合住宅への導入コストも低減 ★テラモーターズ、コインパーキングへのEV用充電器の導入をサポート……補助金なしでもハードとランニングコストが無料のプランを開始 ★テラモーターズ、千葉県酒々井町にEV用充電器を設置……町役場など計4ヵ所の公共施設に ★横浜市・みなとみらい21地区での自動運転バスに関連する公募が開始……マクニカと連携し地区の価値を向上させる移動ソリューションの開発が目標、7月10日(月)〜8月09日(水)まで募集 ★東ソーと日本カーリット、グリーン水素製造用の新規触媒の研究開発がNEDOの委託事業に採択……触媒に用いる希少金属「イリジウム」に代わる「イリジウム含有マンガン酸化物」の製造方法や運転方法などを探る デイリーEVヘッドライン[2023.07.11]

TAG: #THE視点 #ソーラーEV #テクノロジー
BMWモトラッド CE 02(photo=BMW)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ブランド2機種目のEVはネイキッド…BMWモトラッド、新型EVバイク「CE 02」を発表[2023.07.10]

「ホンダCB125R」のパッケージに近く遊び心は満点 日本の公式WEBにもラインナップされ国内導入は確実 【THE 視点】BMWの二輪部門であるBMWモトラッド(以下、BMW)は7月7日、新型のEVモデル「CE 02」を欧州で発表した。ブランドの3機種目にあたるモデルで、オートバイらしいネイキッドのスタイルを持つ。 BMWはこれまで、EVバイクとしては「Cエボリューション」(2017年)と「CE 04」(2022年)を導入してきた。いずれもスクーターのスタイルをとったが、「CE 02」は先にも述べたようにオーソドックスなネイキッドのスタイルをとったことがデザイン面での大きな特徴である。 都市や市街地での利用をターゲットにしていて、「eParkourer」がコンセプトだという。「Parkourer」とは「パルクーラー」と読むことができ、昨今注目を浴びているスポーツである「パルクール」が語源になろう。「CE 02」はパルクールのスタイルをバイクで表現したモデルと言え、自転車で言えばBMXが近い存在かもしれない。 「CE 02」は、ドイツ本国では免許制度に合わせモーター出力を数種類か用意するが、一番出力の大きいものは最高出力11kW(15ps)/定格出力6kW(8.2ps)で、車体重量は132kgとなる。最高出力を見ると125cc〜150ccのクラスとなるが、EVバイクの場合、定格1.0kW以上20kW未満は普通二輪となるので、「CE 02」に乗るには普通二輪免許が必要だ。ちなみにホンダの原付二種のスポーツモデル「CB125R」は、最高出力11kW(15ps)・重量130kgで、「CE 02」と同等と言える性能だ。 シャシーは、ねじり剛性に優れたダブルループ・フレームを採用。エンジン式のようなベルト駆動を採用したスイングアームも目立つ。BMWのロゴが入れられたアルミホイールにワイドタイヤを装着し、前後にディスクブレーキを採用。フロントにはABSが装備される。 ハンドル周りでは、メーターは「TFTディスプレイ」のデジタル式を採用。USB-Cの充電ポートを備え、ディスプレイに「充電終了」のアナウンスもなされる。 さらに、パワーモード選択機能が装備されているのも楽しいポイントであろう。基本的には「フロー」と「サーフ」の2つが設定されていて、「フロー」がノーマルで「サーフ」がスポーツモードと捉えて良い。さらに「ハイライン」のオプション装備車には、スポーツ・プラスに当たる「フラッシュ」モードも備わる。ちなみに航続距離は90km(WMTC)で、充電は0.9kWの普通充電と、オプションで1.5kWの急速充電が用意される。 ここまで「CE 02」を概略的に紹介したが、このモデルの大きな特徴はデザインにあると思う。昔は「ホンダ・ダックス」「モンキー」といったユニークなデザインの原付が多くあった。昨今、それらは続々と復活を遂げているが、いずれもエンジン車である。今回、それらにみられるようなテイストを取り入れたEVバイクが出たことは、古き良きホビーバイクを知る筆者にとっても嬉しいニュースであり、日本メーカーへの好影響を期待したい。 実は筆者もEVバイクの制作をした経験がある。開発に関わった30年前のEVスクーターは、定格出力0.6kW(0.8ps)のパワーで、鉛電池のため重量が130kgあり、街中の走行で30km程度の航続距離であった。それに比べれば、「CE 02」の航続距離は非常に長い。技術の進化とともに、このような楽しいEVバイクが登場してきたのは非常に嬉しい。 なお、「CE 02」の日本導入は正式発表はないが、実は日本の公式WEBに2024年モデルとしてラインナップに載っている。価格は未公表だが、日本導入は確実であろう。正式発表を待ちたい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★堀江貴文発案のEV軽トラのクラウドファンディングが開始……株式会社縁恩(エノン)が開発と生産を担当、2024年に合弁会社を設立しアメリカ市場への売り込みも狙う ★★アウディ、クラシックカー「NSUプリンツ」をオマージュしたコンセプトEV「EP4」を発表……「e-tron」のモーターと「Q7 TFSI eクワトロ」のバッテリーを流用 ★★メルセデス・ベンツ、北米にてテスラの急速充電ネットワーク「スーパーチャージャー」の利用が可能に……2025年より北米の充電規格「NACS」対応モデルを導入 ★★工学院大学、ソーラーカーレース用の新型マシン「Koga」を発表……学生自ら設計と製作を担当、「2023ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(BWSC)」<オーストラリア/10月開催>に出場 ★東京工業大学、次世代の材料を用いた全固体電池を開発……伝導率が世界最高の固体電解質の超リチウムイオン伝導体を開発、電極面積あたりの容量が現行の1.8倍 ★三菱造船、新世代のEV輸送船「あすか」が竣工……総トン数は499tでEVのバイオマス輸送船としては世界初、蓄電池と発電機を搭載し推進装置は完全電動化 ★ホンダ、IT企業のSCSKと協業……EVや自動運転に対応したソフトウェアを共同開発 ★NTTコミュニケーションズ、EVのカーボンニュートラルの貢献度を検証……日本カーソリューションズ(NCS)・クレアトゥラと共同で実施、NCSがリースするEVのデータを活用 ★BMW、2023年4月〜6月期に合計8万8,289台のEV(MINIを含む)を納入……前年同期比117.5%増 ★ポールスター、2023年前半で約2万7,900台を納入……今年中に6万〜7万台の納入を予定 ★ステランティス、アメリカの鉱物企業NioCorpと契約……ネブラスカ州生産のレアアースを調達 ★ワイトリシティ、EV用充電器利用のエチケットをアドバイス……「バッテリー容量100%までの充電は避けるべき、80%までの充電が最も早い」 ★テラモーターズ、ドライブステーション「神楽の里 舞乃市」<島根県江津市>に、EV用充電器を設置 ★テスラ、ポップアップストア「テスラ おおたかの森」<千葉県流山市>にて特別展示・試乗会を開催<2024年5月19日(日)まで>……「有明 ガーデン」<東京都江東区>でも特別展示を開催<7月15日(土)> ★ブレイズ、新型電動キックボード「KICKBOARD EV」の第二次予約を開始……改正道交法に対応した特定小型原付、7月1日(土)〜8月31日(木)まで受付 ★BMWモトラッド、「CE 02」のプロモーションにメタバースを活用……「BMW Motorrad MetaRide」をオープン デイリーEVヘッドライン[2023.07.10]

TAG: #EVバイク #THE視点 #ニューモデル
TEXT:桃田 健史
トヨタBEV戦略で新たな事実が判明!「テクニカルワークショップ2023」のフォローアップ。全固体電池に自信のワケ?

トヨタが2023年6月上旬に東富士研究所で開催した「トヨタテクニカルワークショップ2023」は、自動車産業のみならずグローバルの産業界に大きなインパクトが与えた。それから約1ヵ月、トヨタがオンラインでメディア向けにBEV戦略に関するフォローアップ会見を行った。 ギガキャストはいつ頃から、なぜ検討したのか? 「トヨタテクニカルワークショップ2023」では多様な次世代技術が世界初公開された。そのなかでもBEV(バッテリー電気自動車)に関する製造工程や電池技術にメディアの注目が集まった。 製造工程では従来の車体製造工程である、プレス機で切り出した部材を溶接ロボット等でつなぐことから一変。鋳造によって大きなボディの一部を一体成型する工法として、トヨタは「ギガキャスト」と呼ぶ。 ギガキャストに対応できる製造機器は海外で市販されており、トヨタは2018年に先行研究開発用として購入した。ただし、その時点では「BEVありき」という発想ではなく、鋳造技術を次世代車開発の手段のひとつとして捉え、新しいモノづくりに応用することを目的としていたという。 その上で、エンジンやトランスミッションでの鋳造の設計と生産のノウハウをギガキャストに活かすため現在、研究開発を進めている。 また、ギガキャストになっても、部品の共有性はTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)以上に部品の共有性が上がるとも考えている。 別の視点では、車両事故に対する修理のプロセスについて、ギガキャストになると車体のかなり大きな部分を丸ごと交換する必要性があるように思われる。この点については、車体の構造は従来車と同様にクラッシャブルゾーンの領域をしっかり分ける考え方を継承するため、ユーザーにとって大きな課題にならないという判断だ。 >>>次ページ BEVハーフが目指す意味は?

TAG: #BEVハーフ #トヨタ #全固体電池

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価格・航続距離・パフォーマンスでテスラを圧倒!? 中国の巨大スマホメーカー「シャオミ」が作ったEV「YU7」がついにデビュー
2025年はBYD Auto Japanの設立3周年記念! お買い得な限定車「ATTO 3 Black Style」を 全国50台限定で発売
EVミニバンは誰が買うのか? VWが明かした意外な「ID.Buzz」の購入者像
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コラム
急速充電は人間の「早食い競争」のようなもの! 急速充電の多用が電池の劣化を早めるワケ
スバルに求めてるのはコレよ! 新型EV「トレイルシーカー」の日本導入を切望!!
いまサクラもeKクロスEVも売れている! かつて三菱が挑戦したi-MiEVはもっと評価されてもいいクルマだった
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
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イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
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