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スイッチで簡単にACCの1km/hごとの速度設定ができる
スピードメーター表示とGPSによる実速度の差は下記表の通りだった。実速度80km/hで巡航したい場合は、メーター速度を82km/hに合わせる必要がある。
iX1のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の設定はステアリング左側のスポークにあるボタンで行う。「+」と「ー」のボタンの左側のON-OFFボタンでACCを起動させ、上の「SET」ボタンでACC走行をスタートできる。速度調節は「+」と「ー」のボタンを軽く押すと1km/hごとに、大きくクリックで10km/hごとに調整でき、とても使いやすい。
ACCをキャンセルする時はON-OFFボタンを押すか、ブレーキを踏めばよい。なお先行車との車間距離を3段階で調整できるが、その選択はステアリングのスイッチではできず、コントロール・ディスプレイで設定画面を呼び出して変更する必要がある。しかし一旦自分の好みの距離を選択すれば、あまり変更しないと思われるので、BMWのこの割り切り方も良いと思う。
30分で180km〜200km分の充電を記録
今回行った4回の充電の記録が次の表だ。4回を合計すると充電時間は70分、SOCで97%分、航続距離は424km分だった。平均すると1分で6.06km、1%で4.37km分を充電したことになる。
充電1は、撮影の打ち合わせをしていた合間に行った継ぎ足し充電、充電2は充電器のトラブルで14分で止まってしまったので、隣の充電器でもう15分充電した。充電4はトラブルなく30分きっちり充電できた。
プレスリリースによると「90kWの充電器で30分で10%から55%まで、45%分を充電できる」とある。充電1は充電器の能力が40kWなので、3倍の時間充電してもSOCは27%とそこまで届かないが、充電2と3は42%、充電4については46%とほぼリリース通りの充電を経験した。
iX1は直前の走行による電費を基に航続距離を計算するようで、電費が悪くなる120km/h巡航を終えた後の充電4では、充電1%分の走行距離が3.96kmと一気に悪化した。それによりメーターの示す最大航続距離も変わり、100%で474kmだったのが399kmになった。
充電中は車内は30dbと静寂な環境だった。車外も120km/h巡航直後の充電4でもバッテリー冷却装置は作動していないようでファンなどの音も聞こえなかった。それよりも周りのトラックのアイドリング音の方が大きかった。
影響はわずか10%、優秀なエアコンシステム
エアコン使用による航続距離の変化は、この日の最高気温を記録した午後、深夜、一番気温が低かった早朝の3回に分けて確認した。
冷房はエアコンの設定温度である23℃とあまり外気温が変わらなければ落差は1から2%と誤差の範囲、30.5℃でも5%と変化は少なかった。
暖房は3回とも冷房よりも落差が大きかったが、最大10%だった。こちらも外気温がマイナスとなるような状況で試してみたいものだ。BEVは寒冷時には航続距離が短くなる特性もあるので、そちらも一緒に確認してみたい。
タイヤはEcoContact 6
BMW iX1 xDrive30 M Sport
全長:4,500mm
全幅:1,835mm
全高:1,620mm
ホイールベース:2,690mm
車両重量:2,030kg
前後重量配分:前1,030kg、後1,000kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:155Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:465km
システム最高出力:200kW(272ps)
システム最大トルク:494Nm(50.4kgm)
フロントモーター最高出力:140kW(190ps)/8,000rpm
フロントモーター最大トルク:247Nm(25.2kgm)/0-4,900rpm
リアモーター最高出力:140kW(190ps)/8,000rpm
リアモーター最大トルク:247Nm(25.2kgm)/0-4,900rpm
バッテリー電力量:66.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:AWD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:225/55R18
最小回転半径:5.6m
荷室容量:490L
車体本体価格:6,980,000円
Cd値:0.29
※電費計測は、季節、気温、天候による差はどうしてもカバーしきれないこと、また電費は実際の乗車人数や荷物の積載量によっても変わってくるため、あくまでも参考値となること、ご了承いただきたい。
基本的には速度規制や車線規制がない状況で走行するものの、避けられない場合は適切な速度で走行し、その区間の電費については数値の補正を実施する。
※1:充電分数は、今回iX1をテストしていた間に行った4回の充電で増えた航続距離を充電にかかった時間で割って、充電1分あたりに増える航続距離を求め、それぞれの巡航速度の足りない距離を充電1分あたりに増える航続距離で割って算出している。
4回の充電の合計時間は70分。70分で増えた航続距離は424km。充電1分あたりに増える航続距離は約6.06km。それぞれの巡航速度の足りない距離は、100km/hの場合151.8km。120km/hの場合239.7km。