コラム
share:

電費もちょうどいい感じ!BMW iX1 xDrive30 M Sport THE EV TIMES流・電費ガチ計測


TEXT:烏山 大輔 PHOTO:小河原 認、烏山 大輔、BMW AG
TAG:

エアコンは23℃で常時オン、定速走行によるTHE EV TIMES流電費計測を、6月某日にBMW iX1 xDrive30 M Sport(以下、iX1)で実施したので、その詳細を報告したい。試乗記でもお伝えしたように、取り回しや居住性、動力性能などを高次元でバランスさせたiX1は電費もほど良い結果を残した。
※計測方法などについてはこちらをご覧ください。

100km/hでも420km走行できそう

iX1の一充電走行距離は465km(WLTC)で、電池容量は66.5kWhだ。一充電走行距離の465kmを実現するには、電費が6.99km/kWh(目標電費)を上回る必要がある。
※電費についてはテスラなどで表示されるWh/km単位の数値も併記している。

各区間の計測結果は下記表の通り。6.99km/kWhを上回った場合、赤字にしている。全ての区間で勾配の登りよりも下りの方が良い電費が出て、勾配に素直な結果となった。

80km/h巡航のBとC区間は両方とも復路が下り勾配で、特にC区間の復路は20.4km/kWhと20の大台を超えた。しかし347mを登る往路が足を引っ張り、区間平均ではより平坦なB区間(9.06)に届かなかったが、目標電費を超える8.54km/kWhを記録した。

標高差が25mとわずかなA区間(100km/h巡航)は、往路と復路の差も少なく平均では6.55km/kWhと目標電費にわずかに届かなかった。

同じ100km/h巡航で316mもの標高差があるD区間では、勾配を下る往路で14.5km/kWhと目標を大きく超えたが、復路が4.0km/kWhとなんと120km/h区間よりも悪くなり、区間平均も6.27km/kWhとA区間よりも悪くなった。やはりなるべく平坦な方が電費は良くなるようだ。

120km/h巡航のE区間は標高差こそ67mと比較的小さいが、速度上昇により電費が悪化した。下り勾配の往路が復路より0.2km/kWh良い電費だったが、平均では5.10km/kWhだった。

80km/h巡航なら東京から兵庫県や岩手県に到達できそうだ

各巡航速度の平均電費は下記の表の通りとなる。「航続可能距離」は電費にバッテリー容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は465kmに対して、どれほど良いのか、悪いのかだ。80km/h巡航のみが一充電走行距離を超える結果となった
※電費は小数点第二位を四捨五入して表示しているため、実際の計算とは多少のずれが生じる。

80km/h巡航は、一充電走行距離(カタログ値)の1.24倍となる578kmを走行できる計算になる。これは東名高速道路の東京IC(東京都世田谷区)を出発した場合、大阪府を通りすぎ、兵庫県南西部に位置する山陽自動車道の龍野IC(568km、兵庫県たつの市)に数字上は辿り着ける。東北自動車道の場合は、川口JCT(埼玉県川口市)から岩手県北西部の安代IC(565km、岩手県八幡平市)までの走行が望めるレベルだ。

100km/h巡航の場合は、一充電走行距離(カタログ値)を8%だけ割り込み、426kmとなった。東京ICからだと愛知県と三重県を通り越して、琵琶湖のほとりの名神高速道路、瀬田東IC(423km、滋賀県大津市)まで走行できそうだ。東北自動車道の場合は、宮城県を通過し、岩手県に入った最初のICである一関IC(422km、岩手県一関市)に到達できる見込みだ。

80km/hでも100km/hでもクルマよりも人間の方が先にトイレや食事などの休憩が必要になるであろうから、そのタイミングで充電が可能であれば、上記のようなロングドライブも十分可能だろうと考える。

120km/h巡航でも339km走行できる。現在、制限速度120km/h区間は新東名高速道路の静岡県内(御殿場JCTー浜松いなさJCT)が最長の145kmなので、十分な能力を持っている。

急ぎの場合は途中で充電しても飛ばした方が早く着く

各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると26%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.71倍の航続距離の伸長が期待できる。

仮に80km/h巡航で充電無しで走行できる587kmを100km/hや120km/hで走行した場合、途中で充電しても早く到着できるのかを計算してみると以下の結果となった。

80km/h
7時間14分

100km/h
6時間12分(80km/hより1時間2分早い、25分の充電※1を含む)

120km/h
5時間34分(80km/hより1時間40分早い、40分の充電※1を含む)
※現状、日本では120km/hでこれほどの長距離を走行できるところはないのであくまで仮定の話です。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
初夏の北軽井沢でアウディ最新モデルを堪能! 「あさま空山望」とのコラボキャンペーンは5月20日まで募集中
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
レンジローバーPHEVの使用済みバッテリーを再利用! エネルギー貯蔵システム「BESS」で真の循環型経済の実現を目指す
more
コラム
数字だけ高スペックでも実際の充電は遅い! EVの進化についていけない急速充電器の現状
テスラ・モデルYに600km走れるRWD登場も日本導入はナシの予想! 日本は「ジュニパー」の登場に期待
爆速充電と超豪華な内装を引っ提げたミニバン「MEGA」が爆誕! 驚きの中身とひしめくライバルとの比較
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択