2023年5月
TEXT:TET 編集部
納車遅れに対する改善策。フォルクスワーゲン ジャパンが電動SUV「ID.4」日本向けモデルの生産工場を移管

フォルクスワーゲン ジャパンは、昨年11月22日に国内販売が開始された電動SUV「ID.4」の生産体制の変更を発表した。納車遅れを改善するための対策で、これまでのツヴィッカウ工場(ドイツ)からエムデン工場(同)に生産拠点を移管し、今夏以降、順次納車を再開するとのことだ。 航続距離を約10%延長するアップデートも 2020年にフォルクスワーゲン初の電動SUVとしてグローバルデビューしたID.4は、電気自動車(BEV)専用のプラットフォーム「MEB」を採用し、長い航続距離と広々とした室内空間を両立。 パワートレインは最大77kWhの大容量バッテリーとリアモーターの組み合わせで後輪を駆動するRR方式。国内仕様はCHAdeMO規格の急速充電にも対応し、国産BEVに引けを取らない使い勝手を実現している。2021年にはワールド・カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いており、国際的評価も折り紙付きだ。 日本でのID.4は、特別仕様車のみが先行販売されたので、そのスペックと価格をおさらいしておくと、エントリーグレードの「ID.4 Lite ローンチエディション」(499万円)は、52kWhバッテリーに125kW(170ps)モーターを組み合わせ、航続距離(WLTCモード)は388km。上級グレードの「ID.4 Pro ローンチエディション」(636万5000円)は、77kWhバッテリーに150kW(204ps)モーターを組み合わせ、航続距離561kmを達成していた。 もっとも、このローンチエディションは昨年11月中には早々に完売し、同年12月からは標準仕様の2023年モデルが受注開始となった。注目すべきは、2023年モデルではローンチエディションと同バッテリーを搭載しながら、制御にかかわるハードウェアおよびソフトウェアの改良により、航続距離が延長され、iD.4 Proは561kmから618kmに、iD.4 Liteは388kmから435kmに、それぞれ約10%延長されている。 その分、価格はiD.4 Proが648万8,000円、iD.4 Liteが514万2,000円と、やや値上がりしたが、航続距離の伸び率に比べればわずかな上昇だから、ローンチエディションを逃してしまった人には嬉しいニュースだろう。 >>>次ページ 部品供給の安定化のためタイヤの仕様変更も

TAG: #BEV #カー・オブ・ザ・イヤー #納期
TEXT:生方 聡
「EV専用」じゃなくて何が悪い!? [プジョーe-208試乗記:その1]

小粋なフレンチコンパクト「プジョー208」。そのEV仕様である「e-208」に試乗。“THE POWER OF CHOICE”とは何か、そして、EVとしてどんな特徴を持つクルマなのかからチェックしていこう。 “THE POWER OF CHOICE”という提案 “EV専用設計”や“EV専用プラットフォームを採用”を謳うモデルが増えるなかで、「お好みでエンジンも電気モーターも選べる」ことをウリにしているのがプジョーの208だ。コンパクトカープラットフォーム「CMP(コモン・モジュラー・プラットフォーム)」は、エンジン、電気モーターのいずれのパワーユニットにも対応するうえ、そのどちらを選んでもほぼ同等の居住空間やラゲッジスペースを確保しているというのが彼らの言い分である。 このコンセプトをプジョーは“THE POWER OF CHOICE”と呼んでおり、実際、208では1.2Lガソリンターボエンジンを積む「208アリュール」と「208 GT」、EVの「e-208アリュール」と「e-208 GT」を設定している。面白いなと思ったのが価格のシミュレーションができるコンフィギュレーター。208を選ぶと、まずはアリュールとGTからグレードを選び、その後、パワーユニットを決めることになるのだ。 スタイル優先でクルマが選べるのはやはりうれしいもの。私はいま「フォルクスワーゲンID.4」に乗っているが、もし、現行型の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」にEV版があれば、これまで10台乗り継いできたゴルフを選んだと思う。また、素人目にはエンジン車なのかEVなのかわからないことも、EVをさりげなく乗りたい人にはうれしいのである。

TAG: #e-208 #コンパクトカー
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
東京R&D、国産初のFCEVスポーツ・モデルの開発を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.05.25]

「人とくるまのテクノロジー展」にて設計画像を公開 来年のプロトタイプ完成に大きく期待 【THE 視点】東京アールアンドデー(R&D)は5月24日、「人とくるまのテクノロジー展 2023」にて、FCEV(燃料電池車)スポーツ・コンセプトを発表した。 公表された諸元は、全長4,320mm×全幅1,800mm×全高1,180mm。重量は1,300kg。最高出力200kW(272ps)のモーターに、最高出力80kWのFC(燃料電池)スタックを組み合わせる。 現在も開発・設計を進めており、今後は実車の製作に向けたフェーズに移るという。開発が順調に進めば、来年のこの展示会にてプロトタイプがお披露目できる見込みとのこと。 東京アールアンドデーは、2000年にホンダのエンジンを積んだ「VEMAC」という2人乗りの軽量のスポーツカーを発表し、その後少量生産・販売した。 今回の展示会には、その「VEMAC RD200」をレストアし参考出品している。あれから20年以上経ち、次世代のスポーツカーとしてFCEVを選択した。 実車のFCEVスポーツ・コンセプトが発表されれば、国内初のFCEVスポーツ・モデルとなる。実車のお披露目を期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ケータハム、「EVセブン」を発表……往年のスタイルで電動化、最高出力179kW(243ps)[詳細はこちら<click>] ★★BMW、新型5シリーズ・セダンのEV「i5」を本国で発表……「eDrive40」と「M60 xDrive」を用意、「M60」の最高出力は442kW(601ps)[詳細はこちら<click>] ★★オペル、コンパクトEV「コルサ・エレクトリック」を発表……最高出力115kW(156ps)、「ボグゾール」ブランドにも導入 ★★BMW、「i7 eDrive50」の登場を予告……「i7」の新バージョンで夏に登場予定、本国で自動認証の充電システムも稼働へ ★アイシン、EV用超効率モーターを開発……従来の電磁鋼板モーターと比較してロスを半減、3%の電費向上が可能 ★モリタホールディングス、EVのゴミ収集車を発表……「三菱ふそう eキャンター」ベース、2023年度中に販売予定 ★ユアスタンド、遠隔制御可能なEV用充電システムを開発……電力逼迫時に出力調整、充電器はウォールボックスの「パルサー・プラス」(最高出力8kW) ★ユアスタンド、「テスラ・モデル3」対応の充電器をニッパツパーキングシステムズの機械式駐車場に導入…… 専用アプリにて分単位の決済が可能 ★スウェーデンのボートメーカーのカンデラ、水中翼船「C-8」ポールスター・エディションに「ポールスター2」のバッテリー・充電システムを搭載 ★TDK、EV用ワイヤレス給電システムを「人とくるまのテクノロジー展」に出展……センターコンソールなどに搭載可能な薄さ0.76mmの無線給電用コイル ★ボルボ、新型EV「EX30」のCO2削減量が「XC40」より25%削減と公表……これまでの全モデルの中で最小排出量 ※ 「人とくるまのテクノロジー展 2023 」……パシフィコ横浜(YOKOHAMA横浜市西区)にて5月24日(水)〜26日(金)に開催

TAG: #THE視点 #コンセプトモデル #燃料電池車(FCEV)
TEXT:烏山大輔
BMW、新型5シリーズを発表。最上位グレードは601馬力を誇るBEVのi5 M60 xDrive

5月24日、BMWは8代目となる新型「5シリーズ」を発表した。48Vのマイルドハイブリッドを備えるガソリンおよびディーゼル仕様やPHEV仕様も用意されるが、7シリーズ同様に新型5シリーズ・セダンの最上位グレードはBEVの「i5 M60 xDrive」となる。 xDriveと付くことからも分かるように同車はAWD(全輪駆動)が採用される。前後軸に搭載されたモーターによるシステム出力は442kW(601馬力)、トルクは820Nmで、0-100km/h加速は3.8秒、最高速は230km/hと発表された。 BMWの他のモデルで100km/hに達する時間が3.8秒前後のモデルは、4.4L V8ツインターボエンジンとAWDのM850i xDriveが3.7秒、3L直6ツインターボエンジンでFRのM4 クーペが4.2秒などで、i5 M60 xDriveも「M」を冠するモデルとしてそれらのICE(内燃機関)モデルに比肩するパフォーマンスを発揮することが分かる。 新型5シリーズのBEVはもう1モデル「i5 eDrive40」も用意されている。こちらはシングルモーターのFR(後輪駆動)で、出力は250kW(340馬力)、トルクは430Nm、0-100km/h加速は6.0秒、最高速は193km/hとなる。 両モデルともに30分で10%から80%まで急速充電が可能な81.2kWhのバッテリーを搭載し、航続距離(WLTP値)はi5 M60 xDriveが516km、i5 eDrive40が582kmだ。MAX RANGE機能を使用すると、パワーやスピード、快適機能とトレードオフで、最大25%航続距離を伸ばすことができる。アウタードアハンドルは空力向上を狙ってか、グリップ式からフラップ式に改められた。 車両サイズは全長5,060mm、全幅1,900mm、全高1,515mm、ホイールベース2,995mmとなり、ついに全長は5mを超えた。「市場導入」は今年の10月を予定している。日本での価格や仕様などの発表を待ちたい。

TAG: #5シリーズ #BEV #i5
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ブリヂストン、アメリカでEV向けタイヤ「トゥランザEV」を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.05.24]

「フォード・マスタング・マッハE」と「テスラ」対応品から用意 航続距離の延伸が可能な高性能オールシーズン型 【THE 視点】ブリヂストンのアメリカ法人、ブリヂストン・アメリカズは、新タイヤ「トゥランザEV」を北米で発表した。 EVに最適化したタイヤで、「テスラ・モデル3」「モデルX」「モデルX」「モデルY」「フォード・マスタング・マッハE」用の5サイズを発売後、2024年までに残りの13のサイズを揃える予定。 「トゥランザEV」は、「ENLITEN」という独自技術を初採用したオールシーズン型のモデル。EVの車両特性を考慮した設計で、航続距離の延伸につながる転がり抵抗の低減や、トレッド面の耐摩耗性能・ノイズ低減機能を持つほか、濡れた路面でのハンドリングといったタイヤの本質的な性能も改善したという。 また、再生可能およびリサイクル素材を50%使用しているのも特徴。使用済みタイヤのカーボンのほか、ビニールや合成ゴム・大豆油などを使用している。 これまでのエコタイヤと言うと、転がり抵抗は少ないものの、乗り方によっては寿命が短くなり、雨の日のグリップ不足などウィークポイントもあった。 今回の「トゥランザEV」では、それらの改善に重点を置いているタイヤのため、これまでのEV用エコタイヤに比べて性能が大きく向上していると思われる。ちなみにオールシーズンタイヤは日本ではあまり馴染みがないが、北米ではメジャーな存在で装着率は非常に高い。 ちなみに製品名の「TURANZA」は「TOURING POTENZA」が由来である。単なるエコタイヤというわけではなく、ある程度のスポーツ性能も有するなど、幅広いシーンでの走行を想定したタイヤに仕上がっているはずだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★シトロエン、小型EV「マイ・アミ・バギー」の新限定車をヨーロッパで発表……6月20日発売、1万490ユーロ(約156万円)[詳細はこちら<click>] ★★ヒョンデ、イタリアで「Nヴィジョン74コンセプト」を公開……クラシックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」にて[詳細はこちら<click>] ★★キャデラック、新型EV「エスカレードIQ」の登場を予告……2023年後半に発表、車名の伝統を受け継いだ高級SUV ★EV新興メーカーのE3モビリティ、小型ソーラーパネルのEV用充電器を開発……ソーラーの電力を100%活用、工事不要で災害時にも有用 ★アウディ、正規販売店「Audi 大垣」<岐阜県岐阜市>を移転リニューアルオープン……最高出力150kWの急速充電器を設置 ★ユタカ技研、次世代小型モビリティ向け汎用フレームを開発……新興EVメーカーのE3モビリティに提供、溶接要らずで組み立て・固定可能 ★ビー・アンド・プラス、EVフォークリフトなどをワイヤレス充電化するキットを発売……電動搬送車にも対応、最高出力2kWの充電が可能 ★テスラ、認定中古車フェア開催中……「テスラセンター千葉稲毛」<千葉県千葉市>にて「モデルS」「モデルX」の認定中古車に試乗可能、5月28日(日)まで ★メルセデス・ベンツ、電動キックボード「メルセデスAMG Eスクーター」を本国で発表……最高速度20km/h、航続距離40km ★ブレイズ、EVバイクを「アピタ戸塚店」<神奈川県横浜市>にて展示販売……「スマートEV」「EVスクーター」の2機種を用意

TAG: #THE視点 #タイヤ #ブリヂストン
TEXT:烏山大輔
ヒョンデ、680ps、0-100km/h加速4秒以下のN Vision 74 Conceptを発表

ヒョンデは5月20日、初参加となった世界三大クラシックカーイベントであるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2023において、N Vision 74 Conceptを披露した。同車は1974年の「ポニークーペコンセプト」にインスパイアされたデザインの車体に水素燃料電池パワートレインを搭載したコンセプトカーだ。 FCEVスポーツカー N Vision 74 Conceptは、「バッテリー、モーターと水素燃料電池システムの長所を組み合わせた、独自の水素燃料電池ハイブリッドアーキテクチャーを中心に開発された」と謳われる。 後輪に左右独立型のデュアルモーターを搭載し、出力680ps、0-100km/h加速は4秒以内を標榜する。フロントには85kWの水素燃料電池スタック(FCスタック)、ドライバーとパッセンジャーの間には62kWhのリチウムイオン・バッテリー、リアには2.1kgの水素タンクを搭載し、約600kmを走行可能、などのスペックも発表された。 「74年」と「現在」が同居するデザイン 1974年の「ポニークーペコンセプト」をベースにしているだけあって、ヘッドライトがボンネット前端よりも奥まっていたり、ヘッドライト下端とバンパー上端の間にあるパネルの分かれ目から始まりそのままリアバンパーにつながる黒いラインなど、デザイン的な特徴を踏襲している。太めのBピラーと2ドアクーペとしては大きめのクオーターガラスも伝統を受け継いだものだ。 そして現在のヒョンデデザインのアイコンとなるピクセルが前後のライトやリアフォグランプにきちんと反映され、新たに装備されたGTウィングやリアディフューザーが最新スポーツカーの要所をおさえている。 個人的には初代(CSP311)や5代目(S13)のシルビアやデロリアンを彷彿とさせながらも、パワートレインは最新というギャップを持つ、とても個性的な1台になっていると思う。 BEVが幅をきかせ、ゆえに空力を突き詰める滑らかなデザインが多い昨今において、角と出っ張りばかりで空力をあまり考えていないように見えるデザインであることも面白い。

TAG: #コンセプトカー #燃料電池車(FCEV)
TEXT:福田 雅敏
水素燃料電池(FC)を世界に誇る先端技術に……現役EV開発エンジニアが「ホンダ・クラリティFUEL CELL」を愛用して実感した燃料電池の可能性(後編)[THE視点]

[前編]では、実際に筆者が乗る「ホンダ・クラリティFUEL CELL」の印象を中心に、ランニングコストはどのくらいかかるかを示した。そこで示したものは、車両が悪いわけでは断じてなく、整備がまだまだ整っていない水素インフラ全体の問題を内包している。[後編]では、現在の水素ステーションの問題などに触れつつ、水素社会の未来について簡単に考察してみたい。 採算度外視が実情の水素ステーション運営 日頃から燃料電池車(FCEV)に乗っていて感じるのは、水素ステーションのインフラ整備の問題だ。筆者の走行パターンでは、水素を満充填時の航続可能距離が450~500kmと表示される。これだけであればガソリン車と遜色なく思われるが、ステーションの少なさが問題なのである。ガソリンスタンド、EVステーションの数はいずれも3万ヵ所前後であるのに対して、水素ステーションは4月現在170ヵ所程度である。 高速道路に至っては、5月現在1つもないのだ(現在、東名高速足柄SAに建設中)。筆者の通勤ルートは片道50kmあるが、その間にあるのは、通勤ルート近辺に3ヵ所である。少し遠くに行ってようやく2ヵ所。東京・神奈川エリアでこの状況である。 さらに開店時間にも制限がある。10時~16時まで・13時~18時までという開店時間で、全部のステーションがいつでも使えるわけではないのである。おまけに日曜はステーションが休みの場合も多い。 ただ、店側のやる気がないわけでは決してない。実際に店員さんに話を聞くと、1日に充填に訪れるFCEVは10台程度だという。1台5,000円の料金と計算しても1日5万円しか売り上げがないことになる。これでは水素ステーションが増えないのも納得がいくというものだ。 ちなみにだが、水素充填の渋滞を経験したこともある。都内のとある水素ステーションでの話だが、2台あるディスペンサーのうち1台が故障。その1台をFCバスが使用していた。FCバスは充填量が多いため時間がかかる。1台にかかる時間は約20分。このバスの後にもう1台FCバスの予約が入っていたため、都合40分待つことになった。 その時間ももったいないので、先に40分ぶんの用事を済ませてからステーションに戻ると、FCバスの充填は済んでいて「ミライ」が充填をしていた。そしていざ自分の番になると、先にタンクローリーからステーションに水素を充填するという。それに要する時間が50分。偶然に偶然が重なった例だが、このように長時間待たされた経験があった。 このようなリスクを考え、筆者は航続可能距離が200kmを切ると水素の充填を考えるようにしている。加えて言うなれば、FCEVは“水欠”になったら終わり。ロードサービスを呼んだとしても、水素ステーションが開いていないことには五里霧中となってしまうのだ。 実際にFCEVが必要な現場で車両が水欠寸前になり、水素を求めた挙句200kmも離れた場所までレッカーされたという冗談のような実話もある。もし夜中に水欠となれば目も当てられない状況になるだろう。運良く自宅まで辿り着けたとしても、そこには水素はないのだ。EV用充電器の設置が世界から比べて遅れている日本だが、FCEVの視点から比べると、羨ましいほどのインフラが整っているように見える。

TAG: #THE視点 #水素インフラ #燃料電池車(FCEV)
TEXT:生方 聡
36分ならガマンできる!? 東京〜鈴鹿往復ドライブ [ID.4をチャージせよ!:その12]

愛車のID.4で東京〜鈴鹿のロングドライブに出かけました。途中の充電環境が様変わりしたおかげで、EVの旅が格段に便利になりました! “東名派”から“新東名派”へ 新東名の御殿場JCT~三ヶ日JCTが開通したのは2012年4月のこと。4年後の2016年2月には浜松いなさJCT~豊田東JCTが開通。さらに、2020年12月からは御殿場JCT~三ヶ日JCTの6車線化が完了し、この区間の最高速度が120km/hになりました。これにより、東京〜名古屋の移動が便利になったのはご存じのとおりです。 ただ、個人的には昔ながらの東名を好んで走っていました。というのも、新東名が開通したおかげで東名の交通量が減り、新東名よりもむしろ東名のほうが走りやすくなったからです。とくに週末などに、追い越し車線をマイペースで走り続けるマナー違反のクルマは新東名のほうが多く(個人の感想です)、気分良く走れるという理由からあえて東名を選んでいました。 そんな私でも、EVでドライブするのであれば、いまや新東名の一択です。駿河湾沼津SAと浜松SAの上下線に、150kW級急速充電器やマルチタイプ急速充電器が設置されたおかげで、一気に充電施設が充実したからです。とくに150kW級急速充電器が利用できるのは頼もしく、以前のレポート(新東名で150kW級急速充電器を巡る旅 [ID.4をチャージせよ!:その11])で報告したとおり、30分の急速充電で走行可能距離が220km増えたこともありました。 では、どれだけ便利になったのか? ちょうど良い機会なので、鈴鹿サーキットの取材にID.4で向かい、チェックしてみることにしました。

TAG: #ID.4 #充電インフラ #急速充電器
TEXT:福田雅敏
ZFジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスが商用汎用EVプラットフォームコンセプトを発表

5月16日、ゼット・エフ・ジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスの3社合同で、新たな商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform(エナリティプラットフォーム)」とバッテリーを主軸としたエコシステム「Energy meets mobility」の発表が行われた。 用途に合わせて自由にデザインできるEnerlity Platform まず、ゼット・エフ・ジャパンの多田直純社長より商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform」が発表された。 「Enerlity Platform」のEnerlityは、energy(エネルギー)とMobility(モビリティ)を掛け合わせて名づけられた。今回はこのプラットフォームを用いた、低床の商用EVバンが発表された。35kWhのバッテリーパックを床下に3パック(合計105kWh)置き、後輪駆動、AKC(アクティブ・キネマティクス・システム、後輪操舵システム)を持つロングホイールベースであることが特徴だ。 今回のイメージでは、後輪がステアするため、狭い場所での縦列駐車も可能としており、後部のドア(リアゲート)を持たないという。荷物の出し入れは、横のスライドドアから行う配送向けラストワンマイルを狙ったEVだ。 その後輪に配置されたイー・アクスル(モーター一体型駆動装置)は、350kWと大出力とされるが、最大積載量は明らかにされなかった。 会場内にEVである、「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC」が展示されていた理由は、EQSにも、ゼット・エフ製の後輪ステア機構が装備されていたからだった。 「Enerlity Platform」のコンセプトは、アッパー・レイヤーに、フレキシブルなデザインのボディを乗せることを可能としており、ミッド・レイヤーには、電動制御、ADAS(先進運転システム)等アーキテクチャーが乗り、ボトム・レイヤーには、バッテリー、イー・アクスルなどモーションコントロールが乗る3層構造となっていることだ。 ゼット・エフ・ジャパンが提案するのは、ボトムとミッドのレイヤーを構成するサスペンションシステムとシャシーの統合制御を行うソフトウェア「cubiX」や「ADAS」、イー・アクスルなどの製品と技術だ。 この「Enerlity Platform」に搭載されるバッテリーは、2年程度の使用後に、まずは定置型にリユースされる。その後、再度リチウムイオン・バッテリーに生まれ変わるというサイクルを想定している。

TAG: #ゼット・エフ・ジャパン #パワーエックス #伊藤忠商事
TEXT:TET 編集部
購入前にBYD ATTO 3(アット3)を試すチャンス。1日単位で借りられるカーシェアリングサービスが開始

中国の電気自動車メーカーBYDの日本法人BYDオートジャパンは5月19日、電動SUV「ATTO 3(アット3)」のシェアリングサービスを、DeNA SOMPO Mobilityが運営するカーシェアサービス「エニカ」を通じて開始すると発表した。 主要都市のBYDディーラーで借り出し可能 バッテリーメーカーとして創業し、電気自動車事業にも進出、電気自動車(PHEVを含む)の販売台数で世界一となっているBYD。そんなBYDが、今年1月に日本で販売を開始したアット3は、全長4,455mm×全幅1,875mm×全高1,615mmというボディサイズを持つ電動コンパクトSUVだ。 同クラスのライバルでは500万円~600万円に設定される車両が多いなか、アット3はスタート価格440万円という戦略的な設定を打ち出し、最近では街中で見かける機会も増えてきた。もちろん価格だけでなく、外部給電可能なV2H(Vehicle to Home)機能や、輸入車にもかかわらずウィンカーレバーを日本車と同じ右側に配置するなど、痒いところに手が届く使い勝手の良さも人気の秘密に挙げられる。 今回、BYDオートジャパンが連携するのはカーシェアサービスのエニカで、気軽にアット3を借りてもらおうというのが狙い。パートナーとなるエニカは、個人や法人が所有するクルマをシェアリングできるプラットフォームを提供する企業として2015年に創業され、これまで累計登録会員数は70万人以上、登録車種数1,100以上、累計登録台数2万8,000台以上という実績を誇る。 今回、アット3を貸し出すのはすべて主要都市のBYDディーラー。販売店が窓口ということで、電気自動車に不慣れな利用者でも出発前に丁寧なレクチャーを受けることができるうえ、車両状態についても信頼を置くことができそうだ。 >>>次ページ 利用料金が30%OFFになるキャンペーンが展開中

TAG: #カーシェアリング #キャンペーン

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