試乗
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偉大なるイタリア国民車の精神を受け継いだ、“響く”電気自動車[フィアット500e試乗記:その1]


TEXT:嶋田 智之
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クルマと楽しさと移動の自由を広めたイタリアの国民車

2代目フィアット500は、イタリアが第2次世界大戦からの復興を押し進めてた時代に、スクーターぐらいしか移動の手段を手に入れられなかった人たちのために真面目に作られたクルマだった。ダンテ・ジアコーサという天才技師の創意工夫があちこちに盛り込まれたクルマだったのだが、何よりもジアコーサ自身の手による愛らしいスタイリングや、遅いけれど何だか楽しい乗り味、シンプルで明るいキャラクターが愛されて、1977年までにおよそ400万台が作られるほどの大ヒット作となった。

フィアット500は、イタリアの人たちにクルマで走ることの楽しさ、自由に移動できることの喜び、誰かと一緒に遠くまでいけることの嬉しさ、重い荷物も運べる便利さ、自分だけの空間で過ごす安らぎ……と、実にさまざまな宝物を贈った国民車的存在でもある。イタリア人なら誰でもこのクルマにまつわる想い出があるといわれたほどだし、現在でも世界中に愛好家がたくさんいる。稀代の名車、なのだ。

2020年に発表された500eは、世界中の自動車が電動化に向かっていく中で、世界中に笑顔と心の豊かさをプレゼントした2代目500の世界観をていねいに再解釈し、これから先の近未来にフィットするよう開発されたまったく新しい電動モデルである。イントロが異様に長くなっちゃったのだけど、そうした素晴らしいバックボーンがあることを知っておいていただきたいな、と思うのだ。

<その2へ続く>

Fiat 500e OPEN

全長:3,630mm
全幅:1,685mm
全高:1,530mm
ホイールベース:2,320mm
車両重量:1,360kg
乗車定員:4名
交流電力量消費率:128Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:335km
フロントモーター最高出力:87kW(118ps)/4,000rpm
フロントモーター最大トルク:220Nm/2,000rpm
バッテリー総電力量:42kWh
モーター数:前1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:FWD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:トーションビーム式
フロントブレーキ:ディスク
リアブレーキ:ドラム
タイヤサイズ:205/45R17
最小回転半径:5.1m
荷室容量:——L
車体本体価格:5,360,000円

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