2023年4月
TEXT:加納亨介
EVオーナー114人の本音と実態を探る。どこに住み、何に乗っているのか。アンケート 結果発表(第1回)

THE EV TIMESのオープンに合わせ本年2月末まで実施していたEVオーナーアンケートには、114通の回答を頂きました。ありがとうございました。 実際にEVを購入し使っていらっしゃるオーナーの皆様からの意見には、我々も新たな気づきや勉強させられることも多く、大変参考になりました。皆様からの声に応えるべく、お役に立てるようなニュース情報の発信や試乗記制作に繋げて参ります。 頂いた貴重なご回答を極力余すことなくお伝えしたく、複数回に渡るアンケートレポートとなりますが、どうかお付き合いください。第1回目は主に選択式の設問を集計し、回答者の基本的な属性をご報告します。 【アンケート概要】 調査対象:EVオーナー 調査方法:インターネット 調査実施期間:2023年1月12日〜2023年2月28日 アンケート回収状況:114件   第1回テーマ:車種とお住まいの形態 「現在お乗りのEVの車種を教えてください」 ・テスラ強し。ただし“クルマ好き”バイアスも? 回答者がお乗りのEV全114台のうち、メーカー別ではテスラが43台と4割近くを占めた。テスラは販売台数を公表していないが、日本においても大きな勢力であることが窺われる。次点は日産の31台。ただし、販売台数が圧倒的に多いと思われる日産リーフに対し昨年発売されたばかりのヒョンデIONIQ5が肉薄しているあたり、上記台数は自動車媒体に熱心にアクセスする層に偏っているだろうことが想像できる。 「ご職業を教えてください」 ・経営者比率高め。 EVオーナーに限定した今回のアンケート回答者を職業別にみてみると、55.3%が会社員、16.7%が経営者・役員、12.3%が自営業・自由業という結果となった。日本全体では経営者・役員は4%ほどだから、EVオーナーでは飛び抜けて多いことになる。 「お住まいの都道府県を教えてください」 ・首都圏および主要都市に在住 東京都が17.3%、神奈川県は11.8%、埼玉県9.1%、千葉県8.2%と、首都圏の1都3県で全体の約半数を占める結果となった。大阪府、愛知県においても8.2%、6.4%の結果が出ており、EVオーナーは主要都市に多いことがわかる。逆に東北地方など寒冷な地域では少ない傾向がみられる。EVのバッテリーの特性上、気温が低い条件下ではエネルギー効率が低下してしまうことが課題となるからだろう。 「お住まいの世帯の人数を教えてください」 ・単身世帯は少ない   世帯人数についても尋ねたところ、9割以上が一般世帯(複数人同居)で利用されていることがわかる。2020年の国勢調査によれば、日本の総世帯に占める単身世帯の割合は38%と、多くの単身者がいるにも関わらず、EVオーナーはそれらの傾向とは異なる傾向があるようだ。 「利用の本拠の形態を教えてください」 ・一戸建てが多い 総務省の調査によれば、住宅の一戸建て比率は54%程度なので、EVユーザーは一戸建てに住む比率が有意に高いことがわかる。公共充電施設の少ない現状では自宅充電の重要度がまだ高く、マンションなど集合住宅における充電器設置の難しさを表しているといえるだろう。   「ご自宅に充電器はありますか」 ・住居形態に符号 一戸建てか集合住宅か、の質問とほぼ符号する結果となった。一戸建てだが自宅充電器はなしが4名、集合住宅だが充電設備のある方は6名であった。加えて、自宅充電器のスペックもフリーコメントで聞いた。書き方にムラがあり正確にはわからないが、おおむね7割ほどの方が3kWのようだ。テスラユーザー43名のうち「テスラ・ウォールコネクター」(純正充電器)と明記していたのは6名であった。   第1回目は以上です。次回は「補助金と利用シーン」についてお伝えします。  

TAG: #読者アンケート #調査
TEXT:栁 蒼太
アバルト、「500e」の擬似エンジン音の開発に6,000時間以上を投入と公表

電気自動車をいくつか試していくと、加速にともなうサウンドが微妙に異なることがわかる。モーター自体の音は変わらないので、これはメーカーが加えた演出によるものだ。 スポーツカー・ブランドであるアバルトが、新型の電気自動車「アバルト500e」に擬似エンジン音を採用するために、専門のサウンドデザインチームと共に約2年間のプロジェクトを進め、その過程で6,000時間以上を費やしたことを公表した。このプロジェクトでは、NVH(Noise Vibration and Harshness)部門でサウンドデザインの開発、統合が行われ、アバルトの歴史的なエキゾーストシステム、レコルトモンザのサウンドを検証した。 また、ドライビング体験のあらゆる場面でアバルトのガソリンエンジンが発するサウンドを録音し、高度化された仮想マトリックスに新しい音色を作り出した。さらに、マトリックスに追加のサウンドを取り入れることで、アバルトの歴史的なサウンドと新型アバルト500eの未来感をブレンドし、ドライバーに最高の没入感をもたらすことを実現した。 開発にあたり、オリジナルに限りなく近いサウンドを目指すべく、加速、減速、ブレーキング、高速コーナリング時におけるアバルトのガソリンエンジンの音を録音した。さらには、サウンドキャリブレーション(補正)も実施。録音された音は、専用の技術ツールとプロセスによって慎重に分析され、アバルトのDNAともいえる特徴的な周波数をすべて抽出し、追加音によって新しい音色が作られた。 また、ソフトウェアによって、録音されたサウンドをさまざまなコンポーネントに適応させ、ドライバーが車を操る楽しさをより感じられるようになっている。アバルトの歴史的なサウンドとNew Abarth 500eの未来感をブレンドしたサウンドとなっている。 なお、これらのサウンドシステムは、停車中にドライバーが設定のオンとオフを選ぶことができる。アバルト・モデルはいつも、小さな車体から勇ましいサウンドが聞こえて驚かされるが、その驚きがEVになってもなくならないのは実に嬉しいものだ。

TAG: #500e #アバルト
TEXT:烏山 大輔
富士急行株式会社、JR沼津駅南口に普通充電器2基を設けた「Plaza Fontana-Numazu Station-」を開業

富士急行株式会社は、JR沼津駅南口の富士急百貨店沼津店跡地に商業施設「Plaza Fontana-Numazu Station-(プラザ フォンターナ ヌマヅ ステーション)」を開業した。富士急百貨店沼津店は、1967年にJR沼津駅南口に開店し、多くの専門店が入った駅チカビルとして沼津駅前の賑わいを創出していたが、建物の老朽化に伴い、2019年に営業終了し解体、再開発を行なっていた。 この施設では、循環型社会の実現を目指すため、電気自動車用充電サービスや省エネ設備、自然素材を使用したサイン(ロゴの入った看板)や再生材料を使用した環境にやさしい日除けや雨除け目的のオーニングテントを導入している。そのほかにも地元企業の出店など、人、物、エネルギーの循環を目指した施設となっている。今後再生可能エネルギーの導入など、段階的に取り組みを拡大していく予定だ。 環境に配慮した施設の取り組みとして、施設の隣接する有料駐車場にEV充電エネチェンジの普通充電器2基が設置された。電気自動車での来店者は、充電をしながら施設で過ごすことができる。また施設利用者だけではなく、沼津駅を利用する人や地域の人々も利用できるので、この地域のEVシフトに貢献していくことが可能である。 施設のエントランスに設置されたサインは、ガビオン(メッシュ型のパネルを立体的に組み上げ自然石を入れたもの)のモニュメントに設置されている。ガビオン内には多肉植物が植えられ、自然と共生する循環型の施設づくりを表現。地面には廃瓦を再利用した「Eco Kawaraインターロッキング」が使用されている。1階には再生材料を使用したオーニングテントも設置され、環境に配慮しつつも実用的な設計になっている。さらに、建物の外壁材にはニチハ株式会社の窯業系サイディングを採用する。ニチハでは製品納材後の帰り便を活用した端材回収や製品出荷前プレカットの実施など、建築廃材の回収とリサイクルに力を入れた持続的な循環型リサイクル事業モデルが確立されている。 設置された充電器について EV充電エネチェンジ 出力最大6.0kW ※一般的な普通充電器(3.2kW)の倍速で充電可能 コネクタ:Type1規格ですべてのEV、PHVで利用可能 定格電圧:AC200V 充電ケーブル長さ:約5m 充電料金はEV充電エネチェンジのアプリから支払い

TAG: #充電
ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプトのサイドビュー
TEXT:小川フミオ
ジープのピュアEVコンセプトに試乗!まさかのMTを採用する「らしい」理由とは?

ジープファンがこぞって集まる恒例イベント、「イースター・ジープ・サファリ」が2023年4月に米国ユタ州で実施された。そこで自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏が試乗したのが、ラングラー・ルビコンベースのピュアEVコンセプト「ラングラー マグニトー 3.0」。電気のチカラでオフロードを走破する新感覚のドライブとは、一体どのようなものなのだろうか。 オフロードの“野獣” ジープ乗りの大祭典ともいえる「イースター・ジープ・サファリ(EJS)」が、2023年4月1日から9日にかけて開催。そこで一般にお披露目された「ジープ・ラングラー・マグニトー3.0」が注目を集めていた。 2023年で57回を数えるEJS。舞台は、米国ユタ州モアブのキャニオンランズ国立公園。 レッドロックと呼ばれる鉱物を大量に含んだ岩で知られ、木がほとんど生えていない岩場が、急斜面を構成。トレッカーやバイク乗り、そしてもちろん4WDファンに人気の場所だ。 毎回、EJSのタイミングでコンセプトモデルをどっと並べるのが好例になったジープ。驚くのは、見せるだけでなく、ジャーナリストに試乗の機会を提供してくれることだ。 既報のマグニトー3.0も例外でない。「オフロードビースト」なんてジープが紹介するBEVのコンセプトモデルで、私はキャニオンランズの岩場をがんがん走れたのだ。すごいトルクに汗かいた。 最大トルクは1,220Nm! マグニトーのおさらいを簡単にしておこう。 「1.0」の登場は2020年。ピュア電動のドライブトレインを持ち、「環境適合性とオフロード性能を追求した」と、ジープブランドのヘッドを務めるジム・モリスン氏が説明してくれた。 ベースは、ラングラー・ルビコン。3010mmのホイールベースも変えていないというが、マグニトーはコンパクトに見える。「キャビンのデザインと大径タイヤのせいでしょう」とデザイナー。 パワーのあがった「2.0」は2021年に登場。635hpの最高出力と1,152Nm(!)の最大トルクを持ち、ロッククライミング性能の高さを誇っていた。 そして、2023年には「3.0」が登場した。最高出力は285hpで、最大トルクは370Nm。ダッシュボード上のスイッチによって、650hpと1,220Nmへと切り替えが可能だ。 スタイリングイメージは、2.0から引き継いでいるものの、グリルをはじめ、ボディはより薄くなったイメージ。Bピラーのデザインも変更されて躍動感が増した印象だ。

TAG: #MT #マグニトー #ラングラー
TEXT:生方 聡
新東名で150kW級急速充電器を巡る旅 [ID.4をチャージせよ!:その11]

愛車のID.4で150kW急速充電を初体験! 30分でどのくらい充電できたでしょうか? 目指すは新東名・駿河湾沼津サービスエリア 「マルチタイプ急速充電器は運まかせ [ID.4をチャージせよ!:その9]」で、最近高速道路でよく見かけるようになったマルチタイプ急速充電器の体験記を書きましたが、それ以上に気になっていたのが、この3月から高速道路で運用が始まった150kW級の急速充電器です。その概要は「高速道路初、新東名のSAで150kW級急速充電器が運用開始」をご一読いただくとして、150kW級の急速充電器を初体験するために、4月のある日、愛車のID.4で新東名・駿河湾沼津サービスエリアへと向かいました。 駿河湾沼津サービスエリアには、上下線ともに、1口の最大出力が150kW、2口同時では90kWという、ABB社製の「Terra 184 JJ-X」が1基ずつ設置されていて、まずは下りのサービスエリアを目指しました。到着予想時刻の1時間くらい前から、高速道路上の急速充電器情報がリアルタイムでわかる「高速充電なび」で利用状況をチェック。到着の40分くらい前に1台充電を開始しましたが、もう1台分は空いたままで、私が到着するころには単独で150kWの急速充電ができそうです。 現地に到着すると、1台分は空いていましたが、もう1台の場所はエンジン車で塞がれている状況。貴重な超急速充電器の利用スペースなのに……。マルチタイプ急速充電器のスペースにも一般車が駐車しており、EVだけが停められるような工夫がほしいところです。 気を取り直して、さっそく150kW級急速充電器で初充電! この日の気温は20℃と暖かく、バッテリー充電率も23%まで減らしてきていて、急速充電にはおあつらえ向きです。ID.4の急速充電ポートにコネクターを挿し、フォルクスワーゲン充電カードで認証すると、すぐに充電が始まりました。 ID.4の場合、急速充電の最高値は94kWです。150kW器で最高値が見られるかと、期待に胸を膨らませて充電器のディスプレイを見つめていると……えっ、71kW!? これは90kW級急速充電器のときとほぼ同じ数字です。その後、74kWまで上昇しますが、楽しみにしていた90kWオーバーの数字はついに見ることができませんでした。

TAG: #ID.4
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
NEXCO各社、2025年までにEV急速充電器を1,100口に大幅増設……デイリーEVヘッドライン[2023.04.14]

高速道路外のEV充電器の利用も2024年から実施 FCEVにも同様の措置を 【THE 視点】NEXCO東日本・中日本・西日本各社と株式会社e-Mobility Powerは、高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)におけるEV・PHEV向け急速充電口数を2025年度までに約1,100口に増設すると発表した。 今回の発表によれば、2020年度末からの5年間で約2.7倍に増えることになる。単に増やすのではなく、高出力化・複数口化も推進していくというのがポイントだ。 さらに、高速道路外に整備されたEV急速充電器も「高速道路内の充電器」として利用可能となるよう、課金・決済等を含めて制度を整え、2024年度から順次実施できるよう検討を進めていくという。これらが整えば、高速道路利用時のEVの充電がよりしやすく便利になる。 高速道路における急速充電器の大幅な増設計画や複数口化は想定内の発表であったが、今回は新制度の課金・決済の導入も発表された。 これは従来の時間課金だけではなく、従量課金制度にも移行することと理解でき、充電料金に対する不公平が是正されることになる可能性もある。 言い換えれば、今はほとんどが充電時間で課金されているのが、ガソリン給油と同じように、入れた量だけ課金されるようになると言える。 さらに画期的と思われたのは、高速道路を一旦出て充電する場合にも、充電しないで通過する料金と高速代が同じとなること。例えれば、EV充電のためならば、初乗り運賃を気にせず途中下車ができるということ(時間制限あり)。これは、PA・SAの充電器が埋まっている場合、そこに近い一般の充電器を利用しやすくなる非常に便利なシステムとなる。 ただ、この制度はEVとPHEVを対象としたものであり、FCEVを日頃の移動の足としている筆者にとって羨ましく思う。 水素ステーションは今日現在、高速道路のPA・SAにひとつもないのだ(現在、東名足柄SAに建設中)。そのため、高速を降りて水素を充填することも多々ある。できれば、NEXCOグループには是非ともFCEVもその施策の仲間に入れてほしいと切に願うばかりである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヒョンデ、EV関連事業に24兆ウォン(約2兆4,000億円)を投資……2030年までに31のEVモデルを発表 ★★キア、EV専用工場を起工……年間生産15万台規模、2025年後半に生産を開始 ★★日産、「アリア」をリコール……コンビネーションメーター上の速度表示が出なくなるおそれ ★★JR西日本、水素燃料電池列車を開発へ……駅などを活用した総合水素ステーションの設置も計画 ★富士急行、沼津駅南口に新商業施設「Plaza Fontana-Numazu Station-」を開業……エネチェンジの普通充電器(最高出力6kW)2基を設置[詳細はこちら<click>] ★日本IBM、自動車業界のエグゼクティブに対するEV意識調査を発表……「2030年までにEVへの支出は61%増加し、販売シェアは40%になる」「内燃機関への支出は2040年までに半減」と予測  ★米マック・トラックス、ユタ州のウェストバレーシティの清掃業者にEVのパッカー車を納入……「マックLRエレクトリック・リフューズ・ヴィークル」を8台、最高出力448hp(334kW)/最大トルク5,493Nm(559kgm)のツインモーター式 ★EVバイクのMSソリューションズ、原付一種クラスのEVスクーター「スーパーソコ・シーユーミニ+」に新色を設定……オレンジとレイクブルーを追加 ★日産、フォーミュラEのルーキーテストに2人の選手を参加……FIA F3チャンピオンのビクター・マーティンズ選手とF2優勝経験者のルカ・ギオット選手

TAG: #NEXCO西日本 #THE視点 #充電
TEXT:栁 蒼太
ポールスター、「ポールスター4」を「上海モーターショー2023」で発表

ポールスターは4月11日、2023年4月18日から開催される上海オートショーで、新型電動SUVクーペ「ポールスター4」を初公開すると発表した。 ポールスターとは ポールスターは、ボルボカー傘下のスウェーデンの電気パフォーマンスカーブランドだ。北米、欧州、アジア太平洋の世界27市場でオンライン販売を実施する。同社は、2030年に向けて気候変動に影響を与えない生産車を作ることを計画している。 2023年4月中旬現在、ポールスターは2車種を展開している。ひとつは2019年に発売された、北欧デザインが特徴的な350kWの電動パフォーマンス・ファストバックの「ポールスター2」だ。もうひとつは、広々としたインテリアでスポーツカーのダイナミクスを実現する大型高性能SUVである、2022年発売の「ポールスター3」。なお、ポールスターは、2026年までさらに3台の電動パフォーマンス車を発売するとしている。 期待の4番目の星 「ポールスター4」は、電動車ブランドであるポールスターが手がける4番目のモデル。クーペのエアロダイナミクスとSUVならではの広い車内空間を融合させ、最新技術で強化したパッケージをターゲットとしてポールスター最速の量産車になるという。また、ポールスターの次世代クーペEVコンセプトの『プリセプト』のデザイン言語を、最初に採用する市販モデルになる。 ポールスターCEOのトーマス・インゲンラートは、「ポールスター4は、SUVの単なる改良版ではなく、デザイン全体を再考して、新しいタイプのSUVクーペを作り上げた」と語っている。 ボルボの高性能モデルを提供するサブブランド的なポジションのイメージが強いポールスターだが、今後どのような展開を広げていき、浸透するのかをポールスター4は具現する存在となるだろう。  

TAG: #SUV #高性能車
ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプトのフロントビュー
TEXT:小川フミオ
ジープはEV時代をどう生き抜く?電気のチカラは4×4に変革をもたらすか

ジープは2023年4月に、ファンに向けた恒例の大イベント「イースター・ジープ・サファリ」を米国ユタ州モアブで開催した。ラングラーのピュアEV化コンセプトである「マグニトー」の最新進化形をはじめ、プラグインハイブリッド機構を搭載したコンセプトカー陣を出展。EV時代を見据えた「オフロードの雄」の可能性を大々的にアピールしてみせた。同イベントで、自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏がジープの電動化戦略について開発者へインタビューした。 ラングラーの将来はピュアEVに? BEVだ水素だeフューエルだと、代替燃料の未来がやや混沌としている。しかし、いまは正解が見えないからと、従来の内燃機関にこだわっていては、競争で何周も遅れてしまう。 ジープも、例外でなく、電動車に熱心に取り組んでいる。 電動化戦略第1弾として市販された4×e(フォーバイイー)なる同社のプラグインハイブリッドシステムは、日本でも「レネゲード」「ラングラー」「グランドチェロキー」で紹介ずみ。 2023年4月の「イースター・ジープ・サファリ」では、「ラングラー・ルビコン4×e 20周年記念モデル」を運転する機会をジャーナリストに提供。オフロード性能の高さをアピールした。 同時に、ピュアEVの「ジープ ラングラー マグニトー 3.0 コンセプト」も、このとき登場。ラングラー・ルビコン4×eの試乗会場になったキャニオンランズ国立公園で話題を集めた。 電気で「4×4の限界をさらに超える」 マグニトー3.0は、ジープによれば「ラングラーの将来に向けてのコンセプト」。2021年の「マグニトー1.0」、2022年の「マグニトー2.0」の、いってみれば進化形だ。 1.0から3.0へと段階的に変わっていくなかで、出力がどんどん上がっている。3.0のトルクはなんと1,000Nmを超過。「4×4の限界をさらに超える」ことが開発テーマと、ジープではしている。 「イースター・ジープ・サファリに集まるジープの熱狂的なファンにお披露目して、彼らがどう思うか、もらったフィードバックを製品に活かしたい」 ジープの副社長であり、北米の事業をひきいるジム・モリスン氏は、キャニオンランズで、私たちにマグニトー3.0のドライブの機会を提供するにあたって、こう述べた。 「ここは、試験場みたいなものです。今年(2023年)のサファリへの出品車(マグニトーを含めたプロトタイプ)の核は、電動化と高い動力性能にあります。それを体験していただきたい」 4×eは米国で一番売れているPHEV ジープが用意した資料にも、下記のように書かれている。 「大地を走破し、岩場を駆け上がる性能という、四輪駆動のポテンシャルにおいては、ジープに比肩しうるクルマはないと証明するのがコンセプトモデルです」 オフロード性能の強化や、車高のリフトアップ、ファットなタイヤの採用による、いわばマッスル化は、いまもジープのファンが期待するもの、とジープでは理解。 いっぽう、自動車界にはフル電動化の波が押し寄せてきている。ジープがこれを無視していられないのも事実。 ジープは、たとえば、ピュアEV化したラングラーを、2024年に北米市場に投入するとホームページに記している。 「私たちの4×eは、米国においても最も売れているPHEVです。これ(4×e)はジープが向かう方向へのステッピングストーンです」 モアブで出会った、ピート・マイロ氏はそう教えてくれた。このひとは、ラングラーと、ピックアップ版であるグラディエーターの開発責任者(ヘッド・オブ・ビークルデベロップメント)。

TAG: #マグニトー
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産、「サクラ」の電源でエレベーターを15時間駆動に成功……デイリーEVヘッドライン[2023.04.13]

日立ビルシステムと共同実証に成功 6階建エレベーター往復416回分 【THE 視点】日産自動車と日立ビルシステムは、「日産サクラ」からの給電のみでエレベーターを15時間連続稼働することに成功した。 日産と日立ビルシステムは、EVからの給電で停電時のエレベーター利用を可能にするV2Xシステムの普及に向けた協創の取り組みを実施している。 今回はその第2弾として、「サクラ」のバッテリーの電力を使用し、外部給電可能な残電力10%に至るまでの連続稼働実験を実施。その結果およそ15時間の連続稼働を実証した。 6階建ての試験棟に設置されたエレベータを実験環境として設定。実験開始から14時間56分が経過し、エレベーターの連続昇降回数が416回(往復)を数えた時点で「サクラ」のバッテリー残量が10%となり、エレベーターも安全に停止したという。 筆者の個人的な経験で恐縮だが、以前二十数階のいわゆるタワマンに10年程度住んでいたことがある。その期間中、停電でエレベーターが動かなかった時が3回あった。1階と2階にあるロビーは、エレベーターが動くのを待つ人であふれた。まだ少し若かった筆者は、二十数階の自宅に階段で登ることができた。階段数は500程度だったと記憶している。 地震等で停電が今後もあることを考えると、老後までタワマンに住むのは難しいと思い、その後低層のマンションに引っ越した。このエレベーターの件もその理由の一つである。 今回の実証のように、マンション側にV2Xの受け入れができるようであれば、住民が保有しているV2X対応のEVを予め登録しておき、災害時など停電となった場合に使用できればエレベーターを稼働させることが可能になる。住民は最低限帰宅できるわけだ。 この有用性が認知されればマンション内に遅々と進まない充電器の設置なども推進されることも考えられる。ただ、エレベーターによっては安全確認後ではないと稼働できないものもあるため、普及には遠隔確認システムを確立させるなどの条件がいくつか付きそうではある。 しかしタワマンでの停電被害の大変さを実体験した筆者からすると、EVの災害時等の活用事例として非常に良い取り組みだと感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★GM、リチウムの自社生産体制を強化……米エナジーXと提携し塩水からのリチウム精製技術を開発 ★★フォード、カナダ・オンタリオ州の工場をEV向けに改修……18億カナダドル(約1800億円)の大規模投資、2024年第2四半期に改修開始 ★★テラモーターズ、新潟県村上市にEV充電器「テラチャージ」を100基導入……3年以内に市内施設へ順次設置 ★★トヨタ、「クラウン」にFCEV追加を正式発表……セダンモデルに設定、2023年秋頃発売[詳細はこちら<click>] ★メルセデス・ベンツ、2023年第1四半期のEV販売台数は5万1,600台……前年同時期比89%増、全車の販売台数のうち10%を占める ★レクシブ、神奈川県小田原市に「日産サクラ」を5台導入……平日は公用車、休日はカーシェアとして民間に供与 ★住友金属鉱山、電池材料事業を拡大……次世代正極材料の開発を加速、電池研究の試験設備と開発棟を建設 ★プラゴ、ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルと提携……2024年末までに系列ホテル30カ所にEV充電ステーションを開設 ★イヴェコ、スペイン・セビリア市にEVバスを納入……市内の路線バス用に全長12m級を5台を納入 ★アバルト、「500e」の擬似エンジン音の開発に6,000時間以上と公表……「ステランティス・サウンド・デザイン・スタジオ」が担当、車内にエンジン音を再現[詳細はこちら<click>] ★ブレイズ、EVモデル第2回試乗会を開催……4月21日(金)・22日(土)、本社駐車場(名古屋市中村区)にて

TAG: #THE視点 #V2H #サクラ
TEXT:曽宮 岳大
セダンにFR+燃料電池仕様を設定。トヨタがクラウン「スポーツ」「セダン」「エステート」の新情報を公開

トヨタ自動車は4月12日、クラウンシリーズの新たなバリエーションとなる「スポーツ」「セダン」「エステート」の概要を発表した。これらは単に新たなボディバリエーションにとどまらず、「スポーツ」と「エステート」にはPHEV(プラグインハイブリッド)が、「セダン」にはなんとFCEV(燃料電池)が設定されることが明らかになった。 パワートレインは種類の異なる2本立てに 2022年7月に初披露され、同年9月に第1弾のクラウン・クロスオーバーが発売された16代目クラウン。初披露時に「クロスオーバー」のほか「スポーツ」「セダン」「エステート」が設定されることが明らかにされていたが、それ以上の情報については未公開だった。そしてクロスオーバーの発売から半年が経過したいま、ついに3モデルの発売時期や概要が発表された。 まずはパワートレインについて。現在発売されているクロスオーバーは、2種類のハイブリッド仕様が設定され、内燃機関のみのモデルは設定されておらず、今後登場するモデルについてもその方向性は変わらない。すなわち全モデルにハイブリッド仕様が設定され、それに加え、モデルによりその他のパワートレインも設定されることがこのたび明らかになった。 具体的には、「スポーツ」と「エステート」にはPHEVが、「セダン」には燃料電池が設定されるのがビッグニュース。ミライに続く、量産燃料電池乗用車の第2弾がクラウンセダンになるのだ。 なお、各モデルのボディサイズも発表となった。全長が短い方から「スポーツ」(4,710mm)、「クロスオーバー」と「エステート」(4,930mm)、「セダン」(5,030mm)の順となる。全幅は「クロスオーバー」の1,840mmに対して、「スポーツ」と「エステート」が1,880mm、「セダン」は1,890mmとなる。サイズについていえば、セダンが全長・全幅共に最も大きく、さらには唯一、燃料電池車が設定されることからも、トヨタの次世代を担うパーソナルフラッグシップとして企画されたことをうかがい知ることができる。 もうひとつ、注目すべきポイントがある。それは「セダン」の駆動方式だ。公開されたティザーサイトには、「セダン」はハイブリッド/FCEVともにFR、すなわち後輪駆動であることが明記されている。ちなみに既存のクロスオーバーは、FFベースのAWDとして登場しているが、セダンについては伝統のFR方式を採用することで、フラッグシップにふさわしい乗り味が追求されていることだろうか。 >>>次ページ 今年中に「スポーツ」と「セダン」のラインナップが完成

TAG: #エステート #クラウン #セダン

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