富士急行株式会社は、JR沼津駅南口の富士急百貨店沼津店跡地に商業施設「Plaza Fontana-Numazu Station-(プラザ フォンターナ ヌマヅ ステーション)」を開業した。富士急百貨店沼津店は、1967年にJR沼津駅南口に開店し、多くの専門店が入った駅チカビルとして沼津駅前の賑わいを創出していたが、建物の老朽化に伴い、2019年に営業終了し解体、再開発を行なっていた。
この施設では、循環型社会の実現を目指すため、電気自動車用充電サービスや省エネ設備、自然素材を使用したサイン(ロゴの入った看板)や再生材料を使用した環境にやさしい日除けや雨除け目的のオーニングテントを導入している。そのほかにも地元企業の出店など、人、物、エネルギーの循環を目指した施設となっている。今後再生可能エネルギーの導入など、段階的に取り組みを拡大していく予定だ。
環境に配慮した施設の取り組みとして、施設の隣接する有料駐車場にEV充電エネチェンジの普通充電器2基が設置された。電気自動車での来店者は、充電をしながら施設で過ごすことができる。また施設利用者だけではなく、沼津駅を利用する人や地域の人々も利用できるので、この地域のEVシフトに貢献していくことが可能である。
施設のエントランスに設置されたサインは、ガビオン(メッシュ型のパネルを立体的に組み上げ自然石を入れたもの)のモニュメントに設置されている。ガビオン内には多肉植物が植えられ、自然と共生する循環型の施設づくりを表現。地面には廃瓦を再利用した「Eco Kawaraインターロッキング」が使用されている。1階には再生材料を使用したオーニングテントも設置され、環境に配慮しつつも実用的な設計になっている。さらに、建物の外壁材にはニチハ株式会社の窯業系サイディングを採用する。ニチハでは製品納材後の帰り便を活用した端材回収や製品出荷前プレカットの実施など、建築廃材の回収とリサイクルに力を入れた持続的な循環型リサイクル事業モデルが確立されている。