日本では新車全体の約4%を占めるようになったEV。まだまだ多くはないものの、確実に世の中の重要な役割を担っている。そんなEVが安全に「走る」ことはもちろん大事だが、それと並んで重要なのは確実に「止まる」ということだろう。
今回は、オートアフターエクスポ2023に出展をしていたブレンボ(Brembo)の会場で目にしたEV向けのブレーキを中心にEVのブレーキについて綴りたい。
いろいろな「クルマ」の、いろいろな「止まり方」
クルマの速度を下げる、あるいは止めるためには、ブレーキを使う。そのブレーキにもいくつか種類があり、フットブレーキ、エンジンブレーキ、回生ブレーキ、パーキングブレーキがある。
完全に停止するまでの手法を比べたい。ICEの場合、フットブレーキの要素が大きい。フットブレーキは、ブレーキペダルを踏む足の力をブレーキフルードの圧力に変え、車輪についているシリンダーを押し開き、ブレーキシューやブレーキパッドの摩擦によって制動力を発生させ、停止させる。
他方、EVの場合、ICEで大活躍のフットブレーキのみならず、電気モーターをブレーキとして使用する回生ブレーキが特徴的だ。そして、その回生ブレーキは、日産のe-pedalを筆頭に完全停止までアクセルのオンオフのみで行えるものまで存在する。結果として、運転中のブレーキング動作の多くは電気モーターが実行するというのがEVのブレーキングだ。見方を変えると、従来の油圧ブレーキシステムの使用が大幅に少ないのだ。
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