テスラという名の“未来感”を手に
モデルが第1世代、第2世代と時を重ねるにつれ、ブランドとしても変化しているんですね?
「そうですね。僕らは第2世代に位置すると思いますけど、モデルSやモデルXなどに乗られている第1世代のイノベーターの方々は、自分たちより塩対応というか、苦い時期を経験されたのだと思います。それらのお客さんはお金に余裕のある紳士の方が多いんですけど、そうした方々からのフィードバックを得て、ブランドとしても進化してきたんだと思うんです。おかげで僕らはその恩恵を授かっているわけですし、さらにモデルYが出て、クルマもメーカーの対応も一層変わったと思います。テスラのユーザーはそういう変化も含めて楽しんでいるだと思います。ブランドに対する想いみたいなところでいうと、Appleに近いような。新しいMacが出ると、銀座のショールームに並んで新機種を歓迎するみたいな、そういう感覚に近いかもしれないですね」
テスラに乗ることで新しいエクスペリエンスや、所有することで広がる生活の変化を楽しまれているという感じですね。
「そうですね。たぶんお客さんは、テスラという名の未来感を買っている方が多いのだと思います。僕もそうですけど、昔憧れた“スーパージェッター”(60年代のSFアニメ)が自分のものになるんだという。生きているうちにクルマが当たり前に空を飛ぶ時代は来そうにないけど、ここまでは進化したんだ!という実感はありますね。逆にそういう感覚は世代が新しくなるにつれ、薄れていくのかもしれません。実際モデルYが出て、より普通のクルマに近づいているような実感はありますし」
街でテスラを見かけても、もはや珍しいとは感じなくなり、それだけ普及が進んだことを実感させるテスラ。石井さんのお話を聞いていると、その所有体験を通じて、オーナーでないとわからない経験や、“新時代感”を楽しまれていることが伝わってきた。同時に従来型の自動車ライフとは異なることに対しての寛容性を持ち、そうしたメンタリティがあるからこそ、ブランドとの付き合いを楽しめているようにも感じられた。石井さんは、EVならではのコミュニティの楽しみや、内燃機関車との一線を画するEVライフについてもお話してくださったので、引き続き続編でご紹介していきたい。