テスラモーターズは1月6日、売れ筋モデルである「モデル3」と「モデルY」の値下げを発表した。従来との価格差はモデル3で最大79万円、モデルYでは82万4000円となり、昨今、新車価格の高騰が嘆かれているなか、大きな注目を集める話題となりそうだ。
今回の値下げについて、テスラから公式な理由については述べられていないが、背景にはEVの競争の激化が挙げられる。最大の市場である中国において、テスラは圧倒的な人気を誇っているものの、中国・深圳のBYDをはじめ、その他の新興メーカーが急速に追い上げている状況だ。
またEVを推進している中国以外の国や市場では、昨今の脱炭素化の風潮や、それに伴う代替エネルギー車を優遇するインセンティブはテスラにとって大きな追い風となる。値下げによりここで一気に台数の増加、ひいてはEV普及を図ろうとする狙いもあるだろう。
今回の値下げは日本だけのものではなく、中国、韓国、オーストラリアなどでも同様に行われる。世界的な半導体不足で新車供給がひっ迫するなか、EVの普及ペースを保ちたいテスラが本腰を入れてきたわけだ。しかもラインアップにおける高価格モデルでなく、普及モデルである「モデル3」や、「モデルY」の価格を引き下げてきたところも、需要の喚起に大きなインパクトを与えそうだ。
「モデル3」は、従来のセダン「モデルS」やSUV「モデルX」よりもコンパクトな4ドアモデル。一方、「モデルY」は、「モデルX」に続くテスラ第2のSUV。ボディサイズは「モデル3」より大きくミッドサイズに属し、SUVの機能性とクーペライクなフォルムを特徴とする。
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