EVヘッドライン
share:

メルセデス・ベンツ、商用EV「eスプリンター」を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.02.09]


TEXT:TET 編集部
TAG:

2023年後半に北米で発売後欧州にも導入、基本ラインアップはバンと平ボディ

【THE 視点】メルセデスベンツは、商用EVのバン「eスプリンター」を発表した。2023年後半に米国とカナダで発売され、2023年末にかけてヨーロッパでも発売される予定。

「eスプリンター」は、3つのモジュールからなる新コンセプトのシャシーが用いられている。フロントモジュールにはすべての高電圧コンポーネントを搭載し、ホイールベース内には低重心なバッテリー、そしてリアには電動アクスルを備える。すなわち後輪駆動だ。

ちなみにボディタイプは、バンと平ボディの2種類が用意され、それ以外にも多数のコンバージョンに対応しているという。

バッテリー容量は5681113kWhの3種類が用意され、バッテリーの種類はリン酸鉄(LFP)となる。航続距離は113kWhのバッテリーで最大400km(WLTC)、街乗りでは最大500kmの走行が可能。充電については、普通充電が最出力11kWで、急速充電が同115kWに対応している。

海外では、この「eスプリンター」のようにボンネットを持ったバンや平トラックなどが多く存在し、それらがキャンピングカーやマイクロバスに改造されている。

車種によっては、フレームに運転席の屋根とドアだけがあり、運転席の後ろのパネルはなく開いているタイプがカタログに載っていることもあり、改造の範囲を広げている。

「eスプリンター」のシャシーは、前述のとおり「運転席を含む前まわりの高電圧ユニット」「床下のバッテリー」「リアのモーター」という構成になっている。運転席から後が平らになるようレイアウトされているということであり、おそらく改造を見越している。容量の違う3種類のバッテリーと2種類のモーターも用意されており、それらを組み合わせることで、「ウニモグ」のように用途別に特化したクルマを作ることができる。

もしかしたら、「eスプリンター」はEVのバリエーションの可能性をさらに広げるのではないだろうか。日本でもニーズは必ずあると思う。ぜひ正規輸入モデルとしてほしいものである。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★JFE、EV向け駆動用モーターに使用する素材の供給能力3倍を目指す……西日本製鉄所で高級無方向性電磁鋼板の製造設備を追加増強、2026年度中の稼働を目指す

★★出光とブリヂストン、超小型EVを用いて次世代タイヤを実証実験……出光の構内移動用EVに樹脂製スポークを用いたタイヤ「エアフリーコンセプト」を装着詳細はこちら<click>

★トヨタ、BRTひこぼしライン(日田彦山BRT/JR九州)に燃料電池小型バスを供与……小型バス「コースター」ベースのFCV、2023年秋頃から実証運転開始

★自動運転EV開発のチューリング、千葉県内のベンチャー企業に対する助成事業「公益財団法人 ひまわりベンチャー育成基金」に採択……車両の自社内生産体制構築を目指す

★エネチェンジ、事業者向けのSaaS型クラウドサービスを刷新……「エネチェンジクラウド」として開発体制を強化

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
BYD・アット3(photo=BYDジャパン)
世界ではEVは爆売れ中だが日本は……8月の世界EV販売台数は100万台超えで市場が成長中[2023.10.03]
「マルチポートEVチャージャ」(photo=日立インダストリアルプロダクツ)
日立が発売「魔法のようなマルチ充電器」1基で数十台の充電に対応が可能、出力も自在[2023.10.02]
バッテリキューブ(photo=日立製作所)
トレーラー型の緊急用バッテリー登場……三菱・日立、使用済みバッテリーの再活用を事業化へ[2023.09.29]
more
ニュース
ヒョンデ、新型電気自動車「コナ」の予約受付を開始、予定価格は税込400万円から
BYDの新型EV「ドルフィン」は363万円から。補助金で200万円台も可能
大型トラックのEV化進む。メルセデスが航続距離500kmの「eアクトロス600」を発表
more
コラム
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回
トヨタの全固体電池量産に向けた技術進化を実感。“夢の電池”ではなく、量産目前の現実味が。
ギガキャストの試作品(写真右)。プレス工程と溶接工程を必要とする従来品(写真左)と比べて工程数は一気に減る。出典:トヨタ
トヨタ「ギガキャスト」の正体を初公開の明知工場で見た。これからのクルマ作りには必須技術か
more
インタビュー
電気自動車で自由に旅できる世界を目指して。シュルーターさんと「ID.BUZZ」の旅物語
ボルボ「EX30」は「脱炭素」をキーワードにインテリアの“プレミアム”を再定義する
フォルクスワーゲン「ID.BUZZ」は人や荷物だけでなく笑顔もはこぶクルマ
more
試乗
BMW「5シリーズ」の電気自動車は、新時代に入った「セダンデザイン」を体現している
“EVセダン”の決定版か!? 新型BMW「5シリーズ」セダンの電気自動車「i5」に試乗した
ホンダのEV「e:NP1」はマイルドにもスポーティにもなる走り!来年からの新型車にも注目
more
イベント
自動車部品&輸入販売の超・老舗とBYDがコラボ、東京・品川に新ディーラーをオープン
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=日本EVクラブ)
今年の最長距離の参加者は⁉︎……「ジャパンEVラリー白馬2023」は充電計画も愉しい
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=福田 雅敏)
ぶっちゃけトークの夜がやっぱり本番⁉︎……72台のEVが集まった「ジャパンEVラリー白馬」
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択