2022年12月
TEXT:曽宮 岳大
「テスラセンター千葉稲毛」国内最大規模。試乗・納車・修理・急速充電機能まで備えたファクトリーに潜入した

テスラ国内初の総合サービス施設 低く構えた個性的なデザインやEVとしては長い航続距離、そしてなにより時代の先を進んでいる先進的なブランドという雰囲気を放ち、ユーザー数を着々と伸ばしているテスラ。自動車産業が発展し、自国生産車に乗るユーザー比率が高い独特のマーケットである日本においても、その数は日に日に増えており、街で見かける頻度も増している。背景には、充電設備やサービス工場の拡充といった企業努力があり、ユーザー側としてもビジネスが軌道に乗っている安心感を持てる部分はあるだろう。そんな上り調子な勢いをさらに加速させそうな大規模な施設が千葉に登場した。「テスラセンター千葉稲毛」がそれだ。 東関東自動車道の千葉北ICから5分という立地にある同センターは、車両の見学や試乗ができる「ストア」、修理やメンテナンスを行う「サービスセンター」、納車場所となる「デリバリー」、そしてテスラの特徴である独自の充電設備「スーパーチャージャー」という4つの機能を併せ持つ。実はこの4つの機能を集約した施設というのは国内初で、これまでは機能が限定された比較的小規模な施設が多かった。 「テスラセンター千葉稲毛」は、約850坪の敷地面積、最大充電出力250kWを誇る8基のスーパーチャージャーを持つ国内随一の規模であり、サービス工場は千葉県初、関東では横浜・東名川崎・板橋・東雲に続く5拠点目となる。これだけの規模と設備を持つ総合型サービスセンターが都心に程近い場所にできたことは、ユーザーにとって大きな利便性と安心感の向上につながりそうだ。 EVゆえのクリーンなサービススペース この「テスラセンター千葉稲毛」のプレオープンを記念に、普段は公開されていないセンター内を見学させてもらうことができたので紹介したい。なお、同センターは11月12日(土)にオープンしたものの、一部のサービスは順次開始予定となっているのでテスラユーザーの方は注意いただきたい(スーパーチャージャーは2022年末頃、デリバリーは2023年初旬より稼働予定)。 サービス工場の中は、白い床と白い壁に覆われ、見るからにクリーンな雰囲気。排ガスが発生しない電気自動車専用の工場であることが建物のデザインにも反映されているようだ。ちなみにお客さんは、この工場の入り口でクルマを受け渡し、その場でできる軽作業の場合には、カスタマーラウンジでくつろいで待つことができる。 サービス工場の中には、アライメントテスターやリフトが備わり、車検や重整備を含む、ひと通りの作業を行えるようになっている。また印象的だったのは、それ以外の何もない空間が広く、がらんとしているのだ。 聞けば、そもそもテスラの場合、エンジンを搭載していないため、下回りから行う作業自体が少ないという。通常のクルマであれば、オイル交換を行う排液口や、マフラー周りの部品など、リフトアップでの作業を前提とした造りになっているが、テスラはさにあらず。床下がフラットでツルンとしている。見るからに空力性能も良さそうだが、下回りの部品が少ないこともこうした構造に関係しているようだ。それゆえサービス工場もフレキシブルに対応できるように自由スペースを多く残しているのだろう。 EV専業ならではの出張メンテナンス「モバイルサービス」 またテスラでは、「モバイルサービス」と呼ぶ、いわゆる出張修理サービスを展開している。その車両も見させてもらったが、中型セダン「モデルS」のラゲッジルームと後席部分にメンテナンスツールがぎっしりと積み込まれ、出張修理に万全に備えている。現在モバイルサービスは20台ほど稼働しており、全体の修理の約6割を担っているという。これも部品点数が少なく、リフトアップの必要性が少ないテスラならではのアフターサービス形態といえるだろう。 ちなみにサービスの予約は、スマホのアプリから可能で、日時や利用するサービスセンターの指定までを同アプリ上でできるようになっている。その予約リクエストを受けて、モバイルサービスでの対応が可能な場合は、別途テスラの方から連絡が入るという。そうしたコミュニケーションは、すべてアプリのチャットボックスを介して行われ、見積りなどもアプリ上で完結するという。 利便性の高い「スーパーチャージャー」 独自の急速充電システム「スーパーチャージャー」についても紹介しておこう。テスラの充電サービスは、充電速度(時間ではない)に応じて料金が変わるシステムを採用している。これは電気自動車の場合、バッテリー残量に応じて充電速度が変わるから。バッテリーが空に近い状態では、早い充電が可能な一方、満充電に近くなると充電速度が落ちてしまう。同じ時間充電しても充電量に差が出てしまうことを避け、フェアに対応するため、テスラでは4段階の速度に応じた料金体系で展開しているのだ。 目安としては、250kWのスーパーチャージャーを使用した場合、15分から20分程の充電で約270km走行できるとのこと。充電料金は、〜60kWまでが25円/分、61〜100kWが50円/分、101-180kWが85円/分、181-250kWが140円/分。搭載バッテリーサイズにより異なるものの、10%から80%ぐらいの充電の場合、約1600円で充電できるという。 「テスラセンター千葉稲毛」ではこの高出力スーパーチャージャーを24時間解放し、顧客に快適な充電サービスを提供する。現状、スーパーチャージャーは全国に53箇所ほどあり、そのうち12箇所が今年新設されたもの。月に1箇所ほどのペースで増えている計算となり、今後も全国規模に充電環境を整えていきたいとしている。 着々と環境整備が進むテスラのネットワーク。そのエンブレムを見る機会は今後ますます増えそうな気配だ。

TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.19]

  ・ホンダ、新型EV「プロローグ」のイメージを公開……VRを活用しグローバルかつリアルタイムに連携してデザイン  【THE 視点】ホンダの米国部門は、2024年に北米で発売予定のSUVタイプのEV「プロローグ」のイメージを公開した。 米国ロサンゼルスのホンダデザインスタジオが中心となり次世代VRを導入。「ネオ・ラギッド」をデザインテーマにしたという。 最大の特徴はバッテリーで、GMの「アルティウム」バッテリーを搭載する。 ホンダとGMは、技術力や設計力、ソーシング戦略を活用。世界トップクラスの品質と生産性に加えて、リーズナブルな価格を実現するよう両社で設備の共通化なども目指す。その第一弾となるのが「プロローグ」である。 今後は、ホンダの「アキュラ」ブランド初のSUVタイプのEVなども計画されている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタ、タイでカーボンニュートラル実現を目指す……現地「CPグループ」と協力 ・ベトナムのビンファスト、米国カリフォルニア州でのEV展開を加速……さらに4店舗をオープン ・ビンファスト、「米-アセアンビジネス評議会」に加盟 ・アウディ、EVコンセプト「アクティブ・スフィア」を1月26日に公開……アウトドア向けのクロスオーバークーペ ・ヒョンデ、EVのカーシェアリング「モーシャン」を12月16日に開始……CXC横浜を拠点に ・マツダ、PHEVの新型SUV「CX-90」を2023年1月に公開……北米仕様の上級SUV ・メルセデス・ベンツ、「EQE」がドイツ本国で発売……高性能モデル「メルセデスAMG EQE43 4MATIC」から販売開始 ・メルセデスAMG、PHEVのハイパフォーマンスモデル「C63 Eパフォーマンス」を発表……4気筒ターボエンジン+モーターで総合500kW(680ps)、125km/hまでモーターのみで走行可能 ・レッドウッド・マテリアルズ、米国サウスカロライナ州にバッテリーリサイクル工場を建設……35億ドルを投資 ・関西電力と敦賀市、原子力発電所の電力で水素を製造……CO2フリーのクリーン水素製造の実証実験

TAG: #THE視点 #デイリーEVヘッドライン #プロローグ #ホンダ #福田雅敏
TEXT:生方 聡
[VW ID.4試乗記]ID.シリーズの世界戦略車「ID.4」:その 1

VWのBEV戦略 フォルクスワーゲンは、2026年までに10種類のBEV(バッテリー電気自動車)を投入し、ヨーロッパにおける内燃エンジン搭載車の生産は2033年までに終了する予定である。この目標に向けて、BEVの「ID.」シリーズの最初のモデルであるハッチバックの「ID.3」を2020年10月に発売。これを皮切りに、SUVの「ID.4」、SUVクーペの「ID.5」、“ワーゲンバスの再来”として注目を集めるミニバンの「ID.Buzz」をすでに市場に投入している。このなかから日本市場に最初に送り込まれたのが「ID.4」である。 ID.4は、フォルクスワーゲンのID.シリーズのなかで、世界戦略車と位置づけられる重要なモデル。これまでのフォルクスワーゲンといえば「ゴルフ」や「ポロ」といったハッチバックのイメージが強いが、ID.3はおもにヨーロッパ市場向けのモデルであり、世界的なSUV人気を背景に、グローバルではID.4が主力とされているのだ。 ID.4を含め、ID.シリーズの各モデルは、フォルクスワーゲン・グループがBEV専用に開発したアーキテクチャーであある「MEB(モジュラーエレクトリフィケーションプラットフォーム)」を採用し、長い航続距離、広い室内、ダイナミックな走行性能の実現を目指している。BEVの要である駆動用バッテリーを前後アクスル間の床下に収める一方、駆動用の電気モーターをリアアクスルに1基、またはフロントとリアに計2基搭載するのがMEBの基本的なレイアウトだ。日本で最初に発売される、導入仕様の「ID.4 ライト・ローンチエディション」と「ID.4 プロ・ローンチエディション」は、いずれも1モーターのRRレイアウト。かつての空冷ビートルがRRを採用し、主役が水冷のゴルフに変わるのを機にFFに変わったが、次の時代に向けて再びRRが登場したのは、なんとも感慨深い。 VW流かつBEVとしての工夫が見られるデザイン それはさておき、SUVスタイルのID.4は、ボディサイズが全長4,585×全幅1,850×全高1,640mmと、同社の「ティグアン」とほぼ同じ。しかし、そのプロポーションは大きく異なり、フロントオーバーハングを切り詰め、ホイールベースを長くしたことに加えて、流麗なスタイリングを採用したのが特徴である。BEVにとって空気抵抗の善し悪しは直接航続距離に影響するが、ID.4ではCD値0.28を実現。細かい部分にも空力改善のあとが見られ、伝統的にグリップ式のドアハンドルを用いるフォルクスワーゲンが、このID.4ではフラットなデザインを採用するのもその一例だ。フラップの裏側にはスイッチがあり、それに触れるとドアが開く仕組みである。 それ以外にも、これまでのフォルクスワーゲン車とは明らかに異なるディテールが、ID.4の存在感を際立たせている。ラジエターグリルがなく、人の目を連想させるヘッドライトと、それを結ぶLEDライトストリップが、ID.4であることをアピール。夜間の表情だけを見ると最新のゴルフとの共通性も感じられ、デザインの上ではゴルフ8がID.シリーズへの橋渡し役になっていたことが容易に想像できる。 リアエンドではテールライトを結ぶ赤のライトストリップが目を惹く。さらに、上級モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは、テールライト内に9個の光ファイバーエレメントを重なるように配置することで、他とは異なる表情をつくりだしているのがユニークだ。 こうした工夫が先進的なイメージをもたらすID.4だが、その一方でどこか親しみやすいデザインのエクステリアに、私は好感を抱いた。 VW ID.4 Pro Launch Edition スペック 全長:4,585mm 全幅:1,850mm 全高:1,640mm ホイールベース:2,770mm 車両重量:2,140kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:153Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:561km(WLTCモード) 最高出力:150kW(204ps)/4,621-8,000rpm 最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0-4,621rpm バッテリー総電力量:77.0kWh トランスミッション:1段固定式 フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式(スタビライザー付) リアサスペンション:マルチリンク式(スタビライザー付) フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ドラム タイヤサイズ:前235/50R20、後255/45R20 車両本体価格:6,365,000円

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TEXT:TET 編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.16]

  ・トヨタ、EVのピックアップ「ハイラックスRevo BEVコンセプト」を初公開 【THE 視点】トヨタは「ハイラックス Revo BEV コンセプト」をトヨタ・モーター・タイランドの設立60周年記念式典で初公開した。 「ハイラックスRevo」とは、日本でも販売されている「ハイラックス」そのものでタイでの呼び名である。現行のハイラックスは実はタイ製である。 ピックアップトラックのEVは、アメリカではフォードやGM、新興メーカーのリビアン、そしてテスラなどが発売を表明している。アメリカでは一定の人気があるカテゴリーだが、それらと比較してハイラックスはひと回り小さい。 性能、販売時期などは明らかになっていないが、昨年12月の「バッテリーEV戦略に関する説明会」でもピックアップトラックのEVを披露していた。 今回の発表によればトヨタは、セダン、SUVに続きピックアップトラックと徐々にEVのバリエーションを増やしていくようだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・オペル、「モッカ-e」を改良し「モッカ・エレクトリック」に改名……154ps(115kW)のモーター、54kWhのバッテリーを搭載し航続距離406km(WLTPモード) ・ジャガー、「F-PACE」のPHEV「P400e」の改良版を本国で発表……EVのみで最大65kmの航続が可能 ・アウディ、「Q8 e-tron」の生産をブリュッセル工場で開始……カーボンニュートラルに配慮した生産を実施 ・Yanekara、北九州市と公用車管理システムの導入を契約……EVの使用状況もシステムで把握 ・大東建託、EVの社有車でカーシェアサービス……大東建託パートナーズ管理の物件入居者が対象 ・二輪用品のナップス、バッテリー交換式EVバイク用の交換設備を設置……ナップス練馬店にGachacoステーション、今後設置店を拡大 ・充電スポット周辺のグルメ情報を共有するメディア「EVごはん」と駐車場検索アプリ「VEEMO(ビーモ)」がコラボ……「VEEMO」アプリ内で充電スポット近辺のグルメが検索可能に[詳細はこちら<click>] ・フォーミュラE、バレンシアテスト始まる……マセラティのマキシミリアン・ギュンター選手が初日総合トップ

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.15]

  ・ジープ、「ラングラー」のPHEVが日本発表  【THE 視点】「ジープ ラングラー」の高性能グレード「ルビコン」のPHEVモデル「ラングラー アンリミテッド ルビコン 4xe」が日本で発表された。価格は1030万円。 パワートレインは2L直列4気筒ターボエンジンに8速AT、2基のモーターが組み合わされ、350Vのリチウムイオン・バッテリーが搭載される。EVモードでは航続距離約42kmの走行が可能という。 バッテリーはリアシート下部に配置され、重量配分を最適化するとともに、外部からの衝撃による損傷リスクも低減され、渡河性能はガソリンエンジン車と同等の76cmを実現している。 モーターは発進と同時に最大トルクを発生する特性を持つため、悪路を低速で進む場面などオフロードにおいても威力が発揮される。このPHEVの「ラングラー」は、本格オフローダーに新たな可能性をもたらすモデルとなるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・メルセデス・ベンツ、「EQA250」がリコール……フロントモーターの電気配線に問題があり走行不能になる恐れ ・パナソニック、米ルシッドのEVにリチウムイオン・バッテリーを供給……複数年契約で「エア」のフルラインナップに ・日立AstemoのEV用インバーターにロームの半導体が採用……「第4世代SiC MOSFET」を採用、WLTCモード値6%の電費を改善 ・ポルシェ、フォーミュラEのバレンシア・テストに参加……ニューマシン「99Xエレクトリック Gen3」を持ち込む ・ポルシェ、フォーミュラEチームのテストドライバーにデビッド・ベックマンを起用……2013年のドイツジュニアカート選手権ではミック・シューマッハを抑え総合優勝 ・次世代電池開発のテラワット、科学技術政策担当大臣賞を受賞……数年以内に世界初の次世代バッテリーの商用化、アメリカでの大きな資金調達が評価 ・メルセデス・ベンツ、2024年からの電動パワートレインの生産体制を強化……EU内の生産拠点に10億ユーロを投資、ウンターテュルクハイム工場の生産能力が100万台へ

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TEXT:岡崎 宏司
[新連載]岡崎宏司の「EVは楽しい!」第1回:EVに目覚め、今はプジョーe208GTと走っている

プジョーe208GTには大満足! 僕の現在の愛車は「プジョーe208 GT」。BセグメントハッチバックのEVだ。買ったのは2021年1月。あと2ヶ月ほどで2年になる。 で……「2年間の印象は?」と聞かれたら、「大満足!」と答える。プジョー208 であることにも、EVであることにも、大いに満足している。家内もまた「同じく!」だ。 幸いなことに、家内もクルマが好き。だから、若い頃から「クルマ関係出費」に愚痴や文句を言われたことは一度もない。僕が選ぶクルマに反対されたこともない。 あ……一度だけある。デイムラー・ダブルシックスの時。この時も買うことには反対しなかったが、家内はほとんど運転しなかった。 大型だからではない。家内の家族もクルマ好きで、アメリカ車やメルセデスを所有。10代の頃から運転してきた。なので、大きなサイズは苦にしない。 ではなぜ……かというと、「わたしには絶対に似合わない……」が理由だった。 そう言われると、「僕だってデイムラーを着こなせるわけないじゃない」とむず痒い思いが頭を横切った。 でも、サー・ウィリアム・ライオンズの薫りが強く遺る作品、最後の作品への想いは振り切れなかった。 コンパクト系が好き! 話を戻す。……そんな家内の目にプジョー e208はどう映ったのか。e208の入荷前、まずはガソリン仕様の208を見せたのだが、一発で気に入った。「いいなぁ!! これにしようよ!!」となった。 その時のボディカラーは黄色だった。だが、カタログを見せて「青。プジョー・ブルーにしようと思うんだ」というと、これまた大賛成。……そんなことで、すぐ結論は出た。 僕も家内も昔からコンパクト系が好き。なので、数多く乗り継いできた中でのLクラスは3台だけ。テールフィン全盛期のデソート 2ドア HTと、2台のデイムラー・ダブルシックスだけだ。 少し大きめも、アウディ200クアトロとアルファ164だけ。そんな流れからも、プジョーe208は最適解に近いものだった。 ちなみに、プジョーの前は、ゴルフGTIを2台(GTIとGTI Performance)乗り継ぎ、その前はミニクーパーとクーパーS コンバーチブル、そしてアウディQ3に乗っていた。 2台のミニに加えてアウディQ3を所有していたのは、ミニの快適性が長距離にはちょっときつかったから。 家内がクーパー、僕がSのコンバーチブル、二人で出かける時や遠出するときはQ3というのが大体の使用パターン。楽しく心地よいコンビネーションだった。 EVに恍惚し、そして目覚めた 仕事は、歳を重ねるのに合わせ、計画的に減らしてきた。複数保有を止めたのもそんな流れに沿ったもの。そして、オールマイティな1台として選んだのが、まずはゴルフGTIであり、GTI Performanceだった。 とくに、GTI Performanceは気に入っていたのだが…買って数ヵ月の頃、箱根でアウディe-tronスポーツバックの試乗会があった。 この試乗会が、EVに強く心を向かせる大きなキッカケになった。 新たな時代のEVの実力と魅力を、現実感と共に強く実感させられた。衝撃的というか、僕は半ば恍惚状態で箱根を走った。 それ以前にも、EVには少なからぬ興味を抱いてはいた。その辺りについては次回に触れるが、「EVの所有」を現実的に捉えたのはこのときだった。 そう、アウディe-tronスポーツバックのステアリングを握り、回生ブレーキのパドルを頻繁に操りながらワインディングロードを走っていたとき……、EVは未来ゾーンから現実ゾーンへと入ってきたのだ。 第2回はこちら

TAG: #EVは楽しい! #プジョー #岡﨑 宏司
TEXT:生方 聡
VWが六本木に「ID.SQUARE」を期間限定でオープン

  2022年12月12日、フォルクスワーゲン ジャパンは、六本木のTOKYO MIDTOWN ATRIUMに「ID.SQUARE」を期間限定でオープンし、ワーゲンバスの再来として注目を集める「ID.Buzz」を日本初公開した。 TOKYO MIDTOWN ATRIUMのID.SQUAREには、11月22日にデビューしたSUVタイプのBEV「ID.4」2台に加えて、ライムイエローとホワイトのツートーンペイントが鮮やかなID.Buzzが来場者を出迎えてくれる。 今回日本に持ち込まれたID.Buzzは右ハンドルのアイルランド仕様で、写真で見る以上にボリューム感があり、とくに全幅の広さにはやや驚くほど。しかし、親しみやすいフロントマスクや丸みを帯びたフォルムのおかげで威圧感がなく、多くに人に受け入れられやすいデザインに仕上がっているのがフォルクスワーゲンらしいところだ。 室内もボディと同様のカラーコーディネートが施され、ミニバンらしい楽しい雰囲気を演出している。 ひょっとするとID.4以上に人々の関心が高そうなID.Buzzだが、気になる日本での販売については、導入時期はもとより導入するかどうかも未定とのこと。ぜひとも早い時期の日本発売を願うばかりだ。 ID.SQUAREでは、車両の展示のほかに、2050年までにCO2排出実質ゼロを実現する取り組みである「Way to ZERO」を楽しく学べるプログラムが用意されている。また、ID.4を会場近くの一般道で実際に試乗することも可能である。 さらに、フォルクスワーゲン アンバサダーに就任した皆藤愛子さん(フリーアナウンサー)、森田正光さん(気象予報士)、山縣亮太さん(陸上競技選手)のトークショーも予定。一般公開に先立ち開催されたメディア向け内覧会には森田正光さんが登場し、フォルクスワーゲンAG認定トレーナーの金子陽一さんと、気候変動や環境保護、電気自動車を所有することの意味などを、気象予報士ならではの視点で話し合った。 ID.SQUAREは12月12日から12月25日までの公開で、イベント概要は以下のとおり。 【「ID.SQUARE」実施概要】 開催日時:2022年12月12日(月)~12月25日(日) 11:00~20:00 ※12月12日(月)のみ、16:00~20:00 会場:東京ミッドタウン ガレリアB1 アトリウム 〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-1 入場料:無料 イベントの詳細やトークショーのスケジュールなどは下記の特設サイトを参照のこと。 ID.SQUARE特設サイト https://www.volkswagen.co.jp/ja/magazine/id-square.html

TEXT:TET 編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.14]

  ・モビリティテクノロジーズ、タクシーアプリ「GO」加盟事業社にEVをリース  【THE 視点】タクシーアプリ「GO」を提供する株式会社モビリティテクノロジーズは、全国のタクシー事業者などが参画する「タクシー産業GXプロジェクト」(GX:グリーントランスフォーメーション)の取り組みを開始した。 同社はタクシーGXを通じて日本の運輸業界全体のGXを推進するとともに、タクシーのEV化によって、社会のカーボンニュートラルへの意識向上を促進していくという。 このプロジェクトでは、全国の都市部を中心とした約100社のタクシー事業者に対して、エリアごとのタクシーの運行特性に応じた充電計画の作成といった運行支援とともに、車両のリースや充電器の提供も行う。 リース用の車両には、「トヨタbZ4X」「日産リーフ」「日産アリア」など。2031年まで2500台、急速充電器400台と普通充電器2500台を各営業所へ提供する。 筆者もバッテリー交換式のEVタクシーの実証試験に関わってきたが、EVと言うだけでお客様からの反響は大きく、音が静かだと評判も良かった。全国に約21万台あるとされるタクシー。そのうち2500台がEVとなれば、社会へのインパクトは大きいだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・スペインのクプラ、フォーミュラEに参戦……ドイツのチューナー「アプト・スポーツライン」とチームを結成 ・三菱マテリアル、リチウムイオン・バッテリーのリサイクル事業を開発……エンビプロと共同で、ブラックマス(リサイクル時に発生するリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓)からレアメタルを生成 ・グラフィット、電動バイク「GFR-02」を自転車化できる後付けパーツ「モビチェン」の予約受付を12月15日より開始……電動バイクモード、自転車モードを任意に切り替え ・日本電産、ノルウェーのバッテリー・メーカー「フレイヤー・バッテリー」と合弁会社を設立……2025年量産開始、30年に年間12GWhのバッテリーモジュールとパックを製造 ・東京電力、早稲田大学と包括連携……カーボンニュートラル社会実現に向けて産学連携で研究ならびに人材育成

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.13]

  ・プレステージ・インターナショナル、BYDのロードアシストサービスを提供……電欠現場への駆けつけサービス等 【THE 視点】株式会社プレステージ・インターナショナルは、BYDオートジャパン株式会社にロードサービスを提供すると発表した。プレステージ・インターナショナルの子会社の株式会社プレステージ・コアソリューションが他のグループ会社と連携し、サービスを展開する。プレステージ・インターナショナル・グループは、これまでも「電欠現場でのEV駆けつけ充電サービス」等にも取り組んでおり、EVに関するサービスのノウハウを十分に持つ。 BYDオートジャパンは2023年1月より日本国内での乗用EVの販売を開始する。BYDはEVでは世界的に最大手であるが、日本市場ではこれまでEVバスなど商用車のみを展開してきた。 先日の発表では、日本導入第1弾となる「アット 3」の価格が発表され、性能的にも競合に対して十分な競争力を持つことが確認できた。今回のサービスは、BYDオートジャパンにとって新興メーカーにつきまとう不安やトラブルを解決できるという強みになる。販売に拍車が掛かるのではと感じた。 (福田雅敏-自動車エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・ホンダ、電動車でのレース参戦を検討……「二輪を皮切りに」とホンダ青山真二専務が表明 ・日産、フォーミュラEシーズン9用Gen3マシンをテスト……12月13日〜16日までスペイン・バレンシアで ・エネチェンジ、USENネットワークスとEV充電器設置で協業……飲食店、商業施設などUSENの顧客ネットワークを活用 ・エネチェンジ、「ジャパンEVオブザイヤー」を立ち上げ……第1回は2021年10月〜2022年9月に販売されたEVから選定 ・テラモーターズ、新築マンションにEV充電器の無料設置を支援……補助金を活用した新プランを提案 ・モビリティテクノロジーズ、タクシーのEV化を支援……運行計画に乗っとった充電計画の作成や充電器の提供など ・プラゴ、6kWの壁掛け型充電器「PLUGO BOX」を来春から提供……施設に応じた充電スペースへの設置自由度を高める ・bp、英国内のショッピング施設「M&S」に充電器を設置……今後2年間で70店舗、900基の急速充電器

TAG: #BYD #THE視点 #デイリーEVヘッドライン #プレステージ・インターナショナル #福田雅敏
TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.12]

  ・2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー決定……「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」のイヤーカー決定、多数のEVに賞典 【THE 視点】「第43回 2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」が大賞を受賞。軽自動車として初めてとなる。両車は「2022-2023 K CAR オブ・ザ・イヤー」のほか、「日本自動車殿堂」、「RJC カー オブ ザ イヤー」も受賞し、合わせて4冠を達成した。 「サクラ」「eKクロスEV」以外にも、「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に「ヒョンデ・アイオニック5」、「2022-2023 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に「BMW iX」が受賞。EV勢が快挙を成し遂げた結果と言える。 「サクラ」「ekクロスEV」が受賞した理由は次のとおり。 「日本独自の軽自動車規格を採用し、現実的な車両価格でEVを所有するハードルを下げ、日本でのEV普及の可能性を高めた。 また本格的な脱炭素時代を前に、減少するガソリンスタンドや公共交通などの衰退も予想される状況で、軽自動車+EVという組み合わせは、高齢者を含めた多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題解決への可能性を示している。 さらに、走行性能についてもハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕しているという声が多く集まった。 安全装備も高級車並みの運転支援機能を装備している点も評価された」(日本カー・オブ・ザ・イヤー公式WEBより) 筆者も今回受賞したすべてのEVに試乗しているが、どれも納得のいく結果だと思っている。ようやくEVの時代が到来したと実感した。 (福田雅敏-自動車エンジニア・THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・日立金属、フェライト磁石を使用したEV用モーターを開発へ……モーターのレアアース依存低減をはかる ・ヒョンデ、米フロリダ州バートゥにEV用バッテリー工場を設立……約50億ドルを投資し3500人以上の雇用を創出 ・フォルクスワーゲン、参加の充電関連企業ElliとEU最大の充電ネットワーク構築へ……独、仏、蘭などに2万5000箇所の充電ステーションを開設 ・フォルクスワーゲン、EV版ワーゲンバスの「ID.Buzz」が衝突安全性で最高評価……ユーロNCAPで最高の5つ星 ・ZF、モジュラーコンセプトの新世代電動パワートレインを開発……乗用車と小型商用車向けに ・メルセデス・ベンツ、商用EV「eスプリンター」を用いて街の空気を浄化……微粒子吸引機を搭載してオーストリア・グラーツ市内を巡回 ・電動バイクシェアリングのシェアロ、電動バイクの安全講習会および体験走行会を実施……自社で展開する折りたたみ電動バイクを使用

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