市中にある充電器は乗用EV向けで大型車は近寄れない EVトラック専用の充電器の拡充があってこその普及 【THE 視点】エネオス・NEC・日本通運の3社は、EVトラックの普及拡大に向けた経路充電の実証実験を9月5日より福岡県内で開始した。 EVトラックは、EV全体の中でもCO2の排出削減に大きく貢献できるとされている。しかし、EVトラックに対応した充電設備を持つステーションは場所が限られているため、普及の足枷となっている。そこで、エネオスをはじめ3社合同でEVトラックの経路充電の有効性の確認・運用方法の確立を目指して実証実験を行なう。 実証期間は9月5日より1ヵ月。エネオスの 「Dr.Drive セルフ水城店」<福岡県太宰府市>に設置された急速充電器を用いる。実施車両は「日本通運・福岡支店」<福岡市>に導入されている EVトラック「三菱ふそう・e-キャンター」1台となる。 検証・確認項目は以下。 ・EVトラックの長距離輸送における経路充電の有効性 ・EV運用支援アプリの必要機能・有効性 ・出発地から配送先へのルート検索や電気消費量シミュレーション ・シミュレーションを踏まえた充電ステーションの検索 ・ドライバーへのバッテリー切れリスクの通知 この実証を通じて、NECは日本通運のEVトラックの実運行データを活用して開発したEV運用支援アプリケーションの価値向上を目指す。エネオスは、EVトラックユーザーの充電ニーズに応じた経路充電ネットワークの拡充を図る。日本通運は、EVトラックの運行データを活用して環境配慮車両の導入を積極的に進め、サプライチェーン全体を通じて環境負荷の少ない物流を提案していく構えだ。 商用車はその車体が大きいことから、立ち寄った休憩場所にEV用充電器があってもその機器にアクセスできないという問題がある。この実証実験を通じて、EVトラックの普及の上で欠かせない運用支援アプリケーションや充電ネットワーク、運送業者のEVトラック導入のハードルといった課題が具体的に見えてくるだろう。 1社のみの奮闘ではEVトラックの普及はできない。参画企業がそれぞれの技術を持ち寄り、現場での情報を共有しフィードバックすることが、普及拡大のためには必要な手順である。 今年は、EVトラック元年ともいえる。三菱ふそうからは第二世代の「e-キャンター」が発売され、いすゞからも「エルフEV」が発表された。商用EVはまだ普及の初期段階にある。この実証を将来に繋げてほしい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、北米で充電規格を採用 ……テスラが展開する充電規格「NACS」を北米向けのEVに採用する。2025年中にNACSに対応したEVを発売するという。ホンダは、欧州などのメーカーとともに北米に充電インフラの合弁会社を設立し、「NACS」への対応を進めている。 ★★フォード、新型EV「マスタング・マッハ-E・ラリー」を発表 ……EVの「マスタング・マッハ-E」のオフロードモデルをアメリカ本国で発表した。悪路を本気で走れる仕様となっているのが特徴。足回りやホイールは専用品を設定。駆動方式は前後2モーター式のAWDで、ラリー専用の走行モードも備えている。 ★★パナソニックとゼンリンがEVビジネスで協業 ……EVのエネルギーマネジメントを共同開発する。まずは、EV用充電器メーカーやEV用充電器の管理・運用を行なう企業向けに「EVチャージ需要マップ」の提供を開始した。 ★ベルエナジー、現場充電サービスの実証をレクサスユーザーなどを対象に開始 ……EVユーザーの希望場所・時間にEV用急速充電器を積んだサービスカーを派遣し、30分間の充電を行なう実証実験を開始する。対象は「トヨタ・bZ4X」「レクサスUX300e」「RZ450e」を所有するユーザーで、100名を抽選するという。対象エリアは愛知県全域となる。 ★中国新興シャオペン、ドイツに進出 ……2024年にドイツ市場に正式に参入する。進出の皮切に、スポーツセダンの「P7」、SUVの「G9」の2機種を導入する。 ★ステランティス、イタリアにバッテリーテクノロジーセンターを開設 ……今後、ステランティスのEVに搭載するバッテリーの開発・試験を行なう施設となる。8,000m2の敷地に32の気候テストセルを備えている。ステランティスは、本施設に4,000万ユーロ(約64億円)を投じている。 ★フォード、家庭でのEV充電コストを抑えるプランをテスト運用 ……アメリカ本国で導入。デュークエナジー社との共同施策で、充電時間の最適化や再生可能エネルギー由来の電力を使用。料金を月額固定とし充電コストを抑えるという。 ★ポルシェ、EVユーザー向けコネクトサービス「ポルシェ・コネクト・パートナー・サービス」を欧州と米国で展開 ……電力ピーク時を避けた充電量・料金の調整・最適化や充電コストの提供、EV向けのルート作成、確定申告に使用できる経費書類の作成代行などが利用できるという。 ★F1ウィリアムズの子会社WAE、高性能FCEV用プラットフォームを発表 ……FCEV向けのプラットフォーム「EVRh」を開発した。最高出力585psのパワートレインに対応し、車重1,990kg以下で航続距離600km、0-100km/h加速は2.5秒未満の性能を実現できるという。 ★アイモバイル、EV充電事業を開始 ……宿泊施設などで利用可能な「ふるなびEVスタンド」を開始した。「ふるなびトラベル」と提携する宿泊施設等にEV用充電器を導入。ふるさと納税サイト「ふるなび」の返礼品として用意する旅行プランなどに活用するという。 ★コンチネンタル、高効率のエコタイヤを公開 ……新タイヤ「ウルトラコンタクトNXT」を「IAAモビリティ」にて発表した。再生可能素材とリサイクル素材などを65%配合。転がり抵抗・ウェットブレーキ・車外ノイズにおいて、EVタイヤラベルの最高ランク「A」を獲得した。全19サイズを用意。 ★パーク24、EVに対するアンケート結果を公表 ……毎月9日に実施したアンケートにてEVに対する調査を公表した。EVの運転経験が「ある」の回答は21%。EVの購入を希望するタイミングは「価格が手頃になったら」が最多(25%)で、次いで「EVステーションが増えたら」(18%)という結果だった。 ★トヨタ、アメリカ・カリフォルニアでグリーン水素を生成 ……グリーン水素の生成施設「トライジェン」を、カリフォルニア・ロングビーチ港に竣工した。フューエル・セル・エナジー社との共同事業で、運営も同社が行なう。施設には、2.3MWの発電能力を持つFC発電所および水素ステーションも併設した。 ★電動キックボードシェアリングのループ、CO2フリーの電気100%で稼働へ ……使用電力を再生可能エネルギーに変更し、J-クレジットも取得したことで、稼働電力を実質CO2フリーとした。 ★スズキ、本社工場をCO2フリー電力で稼働 ……静岡県内で稼働する本社を含む工場に再生可能エネルギー由来の電力「静岡Greenでんき」を導入した。中部電力グループ所有の水力発電所の電力を使用している。 ★イベント「みんなでつくろう!再生エネの日!」開催 […]
#THE視点