#EVジェネシス
TEXT:TET 編集部
機動性の高さで孤立した被災地に電気をお届け! EVジェネシスが「小型EV電配車」を開発

日常使いできる小型EVを災害時には電気配達車に変身させる ペロブスカイトソーラーパネルを利用した、充電不要の小型EVモビリティ「スリールオーター」を開発しているEVジェネシスが、災害時の停電や孤立してしまった地域に電力を供給する「小型EV電配車」を開発した。 EVジェネシスによれば、次世代ソーラーパネルによって充電できるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載した小型EV三輪車で、電気を届ける仕組みは世界で初めての試みだという。 頻発する自然災害により、各地で避難所生活やライフラインの寸断が発生し、とくに山間部や海岸沿いの険しい地形で生活をしている住民においては、大型車両の通行が難しいゆえに復旧作業が長期化、一層生活を困難なものにしている。そのような事情を鑑みて、小型車両で迅速に被災地へ電力を届けるために開発されたのが、この「小型EV電配車」だ。 車両には、EVジェネシスが自社開発したリン酸鉄リチウムイオンの走行用バッテリーと電配用バッテリーが搭載されている。2種類のバッテリーを完全に分けて使用することで、より多くの電力を被災地に供給することができる。 走行用バッテリーは電圧64V、容量4.8kWh、サイズ520×315×200mmのものを搭載し、航続可能距離は150kmという性能。 一方の電配用バッテリーは少しでもたくさんの電気を被災地に届けられるよう、電圧は同じながら走行用に対し約1.2倍となる容量5.8kWhのものを搭載している。当然ながらサイズも660×410×310mmへと拡大。 供給能力としては、電配用バッテリー1台でスマートフォンが600台分充電でき、乳幼児のための電気ポット、スポットクーラー、冬場の電気毛布など、さまざまな電気機器に電力を供給することができると発表されている。なお、小型EV電配車にはこの電配用バッテリーを最大3台まで搭載することができるという。 これらのバッテリーと充電器は、今後海外での事業展開を念頭に開発され、CE、UN、FCC、MSDS、RoHSなどの安全基準を取得している。また、電気安全法に基づくPSEの安全試験にも合格したほか、IP67の防水性能を持つことから、ペロブスカイトソーラーパネルから発電した電力を、あらゆる気象条件下で給電することが可能になる。 車体である「スリールオーター」に関しては、通常時は「働くクルマ」として日常業務に利用しながら、災害時にはソーラーパネル、リン酸リチウムイオンバッテリー、ノーパンクタイヤ、特殊カーテンから成るオプションのプロテクターを装着することで、災害時に特化した車両へと変化するのが特徴だ。 普段、何の気なしに街ですれ違う小型EVが、ある日突然ピンチを救ってくれる救世主になる。そんなスーパーマンのような活躍が期待されるEVジェネシスの小型EV電配車。災害対策として市町村に配備が進めば、普段は環境負荷の少ない業務車両として使いつつ、たまに行う屋外での小規模イベント開催時には電源として活用すれば、導入効果も高いだろう。ぜひ今後の普及に期待したい小型モビリティである。

TAG: #EVジェネシス #小型EV #災害支援
TEXT:TET 編集部
再生可能エネルギーだけで走るモビリティ! 「曲がる太陽電池」を搭載した次世代ソーラーEV三輪車の実証実験を開始

社会に大きな利益をもたらす技術 PXPとEVジェネシスが、共同で開発する次世代型の「曲がる太陽電池」を搭載したEV三輪車の実証実験を開始した。 PXPはソーラーパネルのデバイス研究と量産技術開発の豊富な経験を持つ技術者が集まり、2020年に相模原市に設立したグリーンテック開発のスタートアップ。 世界初の方法でペロブスカイト/カルコパイライトのタンデム構造を用いた、軽くて曲がる、割れないソーラーパネルや全固体電池一体型ソーラーパネルの研究開発を行っており、2024年より量産技術パイロットラインが稼働した。 EVジェネシスは、EV車体のデザインや車体検査などを行ってきた技術者が集まり、2023年に設立したスタートアップ。 電動三輪車のポテンシャルと、それがもたらす環境への低負荷、移動の自由度の高さに魅了され、この分野に革命を起こすべく立ち上がった。 今回、早期の実用化が見込まれるカルコパイライト型の「曲がる太陽電池」を用いて、実証実験をスタート。屋根に貼り付けたパネルは重さ1kg未満・厚さ1mm以下の超軽量・超薄型設計だ。 一日の太陽光による発電のみで約15~20km、また現在開発中のペロブスカイトタンデム型の「曲がる太陽電池」にアップグレードした場合は、一日の発電で約25~30kmの走行が可能になると見込まれている。 これにより日常の近距離移動であれば、充電することなく再生可能エネルギーのみでカバーできるようになる。 また、外部からの電力供給に頼らずとも移動が可能になるため、災害時などの非常時においても移動手段や電源としての機能が期待される。

TAG: #EVジェネシス #PXP #三輪車 #曲がる太陽電池

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