#500e
TEXT:栁 蒼太
アバルト、「500e」の擬似エンジン音の開発に6,000時間以上を投入と公表

電気自動車をいくつか試していくと、加速にともなうサウンドが微妙に異なることがわかる。モーター自体の音は変わらないので、これはメーカーが加えた演出によるものだ。 スポーツカー・ブランドであるアバルトが、新型の電気自動車「アバルト500e」に擬似エンジン音を採用するために、専門のサウンドデザインチームと共に約2年間のプロジェクトを進め、その過程で6,000時間以上を費やしたことを公表した。このプロジェクトでは、NVH(Noise Vibration and Harshness)部門でサウンドデザインの開発、統合が行われ、アバルトの歴史的なエキゾーストシステム、レコルトモンザのサウンドを検証した。 また、ドライビング体験のあらゆる場面でアバルトのガソリンエンジンが発するサウンドを録音し、高度化された仮想マトリックスに新しい音色を作り出した。さらに、マトリックスに追加のサウンドを取り入れることで、アバルトの歴史的なサウンドと新型アバルト500eの未来感をブレンドし、ドライバーに最高の没入感をもたらすことを実現した。 開発にあたり、オリジナルに限りなく近いサウンドを目指すべく、加速、減速、ブレーキング、高速コーナリング時におけるアバルトのガソリンエンジンの音を録音した。さらには、サウンドキャリブレーション(補正)も実施。録音された音は、専用の技術ツールとプロセスによって慎重に分析され、アバルトのDNAともいえる特徴的な周波数をすべて抽出し、追加音によって新しい音色が作られた。 また、ソフトウェアによって、録音されたサウンドをさまざまなコンポーネントに適応させ、ドライバーが車を操る楽しさをより感じられるようになっている。アバルトの歴史的なサウンドとNew Abarth 500eの未来感をブレンドしたサウンドとなっている。 なお、これらのサウンドシステムは、停車中にドライバーが設定のオンとオフを選ぶことができる。アバルト・モデルはいつも、小さな車体から勇ましいサウンドが聞こえて驚かされるが、その驚きがEVになってもなくならないのは実に嬉しいものだ。

TAG: #500e #アバルト
TEXT:曽宮 岳大
サソリの毒はEVになっても不変!? 「アバルト 500e」の予約注文が欧州で1500台超え。人気の理由を探ってみた

アバルト初の電気自動車となる「アバルト 500e」がヨーロッパで好評を持って受け入れられているようだ。ステランティスの発表によると、2022年11月22日に発表されたアバルト500eの初回限定車「ローンチエディション」は、1,949台の予定販売台数のうち、2月末時点で1,500台以上の注文予約が入っているとのこと。現在、アバルトは500eのヨーロッパツアーを展開中で、受注はさらに伸びそうだ。 アバルトならではの「デザイン」「性能」「音」 フィアット500eをベースに、内外装や機関にアバルト流のチューンアップが施され、昨年11月に披露された「アバルト500e」。アバルトといえば、可愛らしさの中にもスポーティが際立つ小粋なルックスや見た目以上の強烈な走り、そしてチューニングメーカーもびっくりの迫力のエキゾーストサウンドで世界中のクルマ好きを魅了。日本でも大人気を呼んでいる。   そうしたトラディショナルな魅力を持つアバルトだけに、電動化された500eの反響は気になるところだったが、結果は数字が示す通り。Bセグメントに属する小型車で43,000ユーロ(約622万円)からというサイズの割に高価格帯な設定にもかかわらず、好調な販売を示している。なぜアバルト500eは人気を集められるのか。その理由を探ってみたい。 第一にクルマ作りの巧みさが挙げられるだろう。アバルトファンを魅了している大きな要素は、「デザイン」「性能」「音」の3つ。これは創始者カルロ・アバルトの時代からのアバルトの伝統であり、今なお貫かれている特長だ。この点において、新生アバルト500eはファンの期待に応える特長を500eに与えている点が注目に値する。 ガソリン車を上回るパフォーマンス まずはデザイン。アバルト500eは、フィアット・チンクエチェントの可愛らしさをキープしながら、ひと目でアバルトとわかるデザインを持っている。それも歴代モデルの雰囲気を残しながらも従来型のコピー&ペイストで仕上げるのではなく、新規デザインで“らしさ”を再現していると言えるだろう。 例えば丸目ヘッドライトや、フェンダーに被さるようなボンネットフード、タイヤを四隅に追いやったプロポーション、下に行くに連れボリューム感が増すプロポーションなどは、紛う方なきチンクエチェントのそれ。アバルト版ではその特長を生かしながら、フロントのリップスポイラーやエアインテーク、アバルト専用のアルミホイール、地面に這いつくばるような印象を与えるサイドスカートおよびABARTHのレタリングなどにより、スポーティな雰囲気をグンと高めている。 性能面については、パワートレインを既存の1.4  Lターボエンジンからモーターに変更しつつも、さらなる高性能化を図っている。最高出力こそ116kW(155hp)と既存の595コンペティツィオーネ(135kW/180hp)に一歩譲るものの、モーターの特性を生かしたレスポンスの良さや、20km/hから40km/hまでの加速性能、60km/hから100km/hまでの加速性能において、従来モデルを上回る性能を達成しているという。 ちなみに500eの最大トルクは235Nmで、既存の595 Competizioneのノーマルモード時の230Nmを上回る。その結果、バロッコのテストコースにおけるラップタイムでEV版アバルトは、従来のガソリンモデルに1秒以上の差をつけているという。サーキットでもしっかり速いマシンに仕上げられているようだ。今後さらなるハイチューン版の登場も期待できそうだ。

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.24]

    ・アバルト、「フィアット500e」のスポーツバージョン「Abarth 500e」を本国で発表……出力114kW(155ps)、トルク235Nm、35分で8割充電 【THE 視点】アバルト500eは、フィアット「500e」がベースで、強化されたモーターは、最高出力が87kW(約118ps)から114kW(155ps)へ、最大トルクが220Nmから235Nmへ増加した。  バッテリーは総容量が42kWhとベースとなる500eと同じ。充電は欧州では85kWの急速充電システムに対応する。  日本での販売時期、価格などは未定だ。日本に導入される際には、フィアット500eが急速充電が出来ないとされる原因である、急速充電アダプター(CHAdeMO変換)問題が解決されることを祈る。  また、フィアット500eはリース販売のみとされてるが、現金購入やローン等購入の選択肢も増やして欲しいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・中国産車載電池のシェアが46%に、日経シェア調査……中国依存度の高さ鮮明に ・ステランティスジャパン、エネオスの新急速充電サービス「ENEOS Charge Plus」を正規ディーラーに導入……59店舗で利用可能 ・ポールスター、セダンモデル「Polestar 2」の生産台数が10万台に……2年半で達成 ・ヤマハ、ジュビロ磐田メモリアルマラソンに電動スクーター「E01」を提供……救護班はじめ警備、広報関係者の移動に ・藤沢市、湘南アイパークで自動運転の実証実験……「医療×移動」をテーマに車内で心電図や血圧などの計測を実施 ・神戸市、小型EVバスを用いた社会実験を実施……六甲山周辺で23日から27日までの5日間 ・東京ガス、ホンダの熊本製作所に太陽光発電およびリチウムイオンバッテリー設置へ……国内工場向け最大規模、20MWhのリチウムイオンバッテリーおよび屋根置き型1,200kW・カーポート型800kWの太陽光発電設備 ・EVバイクの「aidea」、配達向けモデル「AA-wiz」および新聞配達向け「AA-wiz PRO」を発表……52万8000円から、50ccクラス、125ccクラスを用意、1回の充電で123km走行

TAG: #500e #THE視点 #デイリーEVヘッドライン #フィアット

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