TEXT:福田 雅俊、ABT werke
東京の街で「フォーミュラE」が公式戦、東京ラウンドが2024年3月30日に開催決定[2023.06.22]
手に汗握る展開の「残電力サバイバルレース」がいよいよ東京にて開催 再生可能エネルギーを活用しながら電力の安定供給体制の構築を 【THE 視点】フォーミュラEと国際自動車連盟(以下、FIA)は、「ABB FIA フォーミュラE ワールド・チャンピオンシップ」の来年度のカレンダーを発表した。東京ラウンドが正式決定し、3月30日(土)に第7戦として組み込まれている。コースは、「東京ビッグサイト」<東京都江東区>周辺の一般道を使用する。 東京の市街地を使用したFIA管轄のレースとしては、日本初の開催となる。日本勢唯一のチームである日産をはじめ、強豪のポルシェやマセラティ/ジャガー/マクラーレン/マヒンドラ/ニオ/DSなど11チーム・22台が参戦予定だ。 東京都は、カーボンフリーの「環境先進都市ゼロエミッション東京」の実現に向け、ZEVの普及を拡大すべく、東京での大会実現に向けた協議をフォーミュラEと重ねてきた。 開催にあたり、小池百合子東京都知事は、「フォーミュラEは、エンジン音や排気ガスがない電気自動車の市街地レースとして、世界の主要都市で開催されています。この国内初、世界最高峰のレースの迫力を間近で見て、応援しましょう。大会は、ゼロエミッションビークルの普及に弾みをつけると同時に、東京の魅力を世界に発信し、国際的なプレゼンスを高める絶好の機会ともなります」とコメントを寄せている。 今回の開催決定は喜ばしいことだが、充電インフラをどう構築するか心配が残る。22台ものマシンを、フリー走行・予選・決勝などに間に合わせるために一気に充電するとなると相当の電力設備の増強が必要となるはずだ。 これは提案なのだが、100%は無理にしろ是非とも再生可能エネルギーの活用も検討してほしい。そうすれば「環境都市」としての良いアピールになる。電力が足りず、コースの近くでディーゼル発電機を回すようでは本末転倒なので、開催までの残りの期間で、電力の供給体制をしっかりと設計してほしい。 フォーミュラEは、今シーズンから「GEN3」と呼称する第3世代のマシンを使用している。これによりマシンのスピードが上がり、毎回のレースが見応えのある展開になっている。 特に面白く感じるのは、バッテリー残量を見ながらの接戦である。レースの展開としては、序盤から中盤は電費を抑えるために、おとなしく走行してポジション取り。そして終盤の残り10周ほどで、事実上のスプリント・レースをするのが毎回のパターンとなっている。予選トップがそのまま逃げ切りという展開は少ない。ラスト1周は、バッテリー残量が1%前後という電欠寸前の中で攻め合うという痺れる戦いを繰り広げている。EVレースというユニークさではなく、ひとつのモータースポーツとして非常に面白くなっている。 いずれにせよ、このレースが東京で開催されることを非常に嬉しく思っている。成功を願う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ケータハム、EVの新型コンセプト「プロジェクトV」を発表……7月12日に実車を公開予定 ★★カワサキ、3輪の自転車型EV「ノスリスe」を6月30日に発売……前輪2輪のトライク型、EVモードと自転車モードを選択可能 ★★キャデラック、ラグジュアリーSUVの新型EV「エスカレードIQ」のティザー映像を公開……8月9日に正式発表予定 ★オペル、小型EV「ロックス・エレクトリック」をカスタマイズ……ラリーマシンのテイストを盛り込んだ「ザ・ロックス・e-エクストリーム」を公開 ★パナソニックエナジーとマツダ、車載用リチウムイオン・バッテリーの長期供給について協議開始……2020年代後半に発表予定のEVへの搭載を視野 ★アウディ、オーストラリアに充電拠点「アウディ・チャージング・ハブ」を開設……豪州初の設置、最高出力320kWの急速充電で4口を用意 ★ティアフォー、EV用の自動運転ソリューション「ファンファーレ」を開発……完成車メーカーにOEM供給が可能な「レベル4」水準のシステム、2024年までに9車種の商用EVに設定予定 ★テスラ、「おおたかの森」<千葉県流山市>にポップアップストア「テスラ おおたかの森」をオープン……ショールーム機能を持ち試乗車も用意 ★アイシン、「固体酸化物形電解セル(SOEC)による水素製造技術開発」がNEDO(※)の研究開発事業に採択……NGK・九州大学と連携、太陽光等再生可能エネルギー由来の電力で水素を製造 ※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 ★折りたたみEVバイクシェアのシェアロ、「安全運転講習会」を「東京プリンスホテル」<東京都港区>にて6月10日(土)に実施……原付一種としての交通ルールを再確認、今後も継続して実施予定 ★東京湾アクアラインに時間帯別料金制が導入……普通車の木更津→川崎方面が1,200円(土日祝日・13時〜20時)に、2023年7月23日(土)〜2024年3月31日(日)まで実施 デイリーEVヘッドライン[2023.06.22]
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