#テスラ
TEXT:烏山 大輔
テスラオーナーは来春から「一旦高速を降りて充電」がスタンダードになるかも!?

高速道路のIC(インターチェンジ)付近にテスラ用充電器「スーパーチャージャー」の設置が進んでいる。テスラで東京ー名古屋ー大阪間を移動する場合、高速を降りて充電の方がメリットがあるかもしれない。 神奈川県で初めてコンビニに設置されたスーパーチャージャー ファミリーマート秦野中井インター店(神奈川県秦野市)に最大250kW出力のテスラ車用充電器「スーパーチャージャー」が4基設置された。この店舗は、東名高速道路の秦野中井IC出口から、北にわずか300mほどに位置する。   スーパーチャージャーの分布マップを見ると、東京と大阪を結ぶ東名高速道路(新東名も含む)と名神高速道路のIC近くにスーパーチャージャーが充実しているのが分かる。 来年4月からは、テスラに限らずBEV(バッテリー電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)で充電のために高速道路を一旦降りても、高速道路料金が据え置きになる予定だ。 現状、高速道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)に設置されている急速充電器は、50kWや90kWがメイン、最大でも150kWなので、テスラオーナーはSAで充電するメリットが薄くなった。 テスラはスーパーチャージャーにより最大で下記の距離分を、わずか15分で充電できると謳っている。 モデルY:261km モデル3:282km モデルX:282km モデルS:322km もちろんスーパーチャージャーはテスラ車専用の充電器だ。そして多くの箇所で4基から8基も設置されているので、混みにくいこともメリットだ。 さらにモデルSとモデルXは新車購入の場合、スーパーチャージャー充電が3年間無料の特典付きだ。ガソリン価格も高騰している昨今、大幅な電気代(ガソリン代)の削減も可能だ(どちらの車種も1,000万円以上の価格だが)。 仮に年間走行距離が1万kmの場合、燃費が10km/Lだと1,000Lの燃料を給油することになる。概算だがレギュラーは17.5万円(3年で52.5万円)、ハイオクは18.5万円(同55.5万円)、ディーゼルは15.5万円(同46.5万円)の燃料代を節約できる。

TAG: #スーパーチャージャー #テスラ
TEXT:烏山 大輔
テスラが新型「モデル 3」を受注開始!「オートシフト」を搭載か、航続距離は700km超えもあるか!?

テスラは9月1日、「モデル 3」のマイナーチェンジ版の受注を開始した。内外装デザインにも大幅に手が加えられた。その詳細をみていく。 パフォーマンスグレードはなし 今回発表された新型「モデル3」のグレードは、RWDとロングレンジの2つで、価格とスペックは下記の通りだ。納車は今年の12月以降を予定している。 RWD 563.1万円、航続距離513km(WLTP)、0-100km/h加速6.1秒、最高速201km ロングレンジ(AWD) 651.9万円、航続距離629km(WLTP)、0-100km/h加速4.4秒、最高速201km 現行型で航続距離605km(WLTC)、0-100km/h加速3.3秒、最高速261kmだったパフォーマンスグレードの発表はなかったので、今後の展開を待ちたい。 ついにレバーも無くなった BEV(バッテリー電気自動車)専業メーカーとして、これまでの自動車会社によるクルマ作りの固定観念のないテスラは、スイッチ類を“断捨離”し、驚くほどシンプルなインテリアを創り出してきた。 そしてその発想はついにステアリングコラムから左右に1本づつあったレバーさえも無くしてしまった。そしてレバーが持っていた機能、ウインカー、ワイパー、ライト、ACC(アダプティブクルーズコントロール)はステアリングホイールのスポーク部に移されている。 写真からは読み取れなかったシフトコントロールについてテスラ担当者に確認したところ、モデル Sと同様の「オートシフト」を含む下記の3種類が予定されているが、まだ日本仕様がどうなるかは決まっていないそうだ。 「オートシフト」:乗車後、シートベルトを着用してブレーキを踏むと、カメラが周囲を認識し、D or Rが自動で選択される。 「タッチスクリーン」:タッチスクリーン上に表示されるPRNDを押す。 「PRNDボタン」:天井部に表示されるPRNDボタンをタップする。 シフトレバーを無くすどころか、車両が判断することでシフト操作からもドライバーを解放するテスラの考え方には脱帽だ。 ドアトリムとダッシュボードの連続性のあるデザインも新しくなり、現行のそれと比べると、よりダッシュボードの奥に弧を描くような自然なラインになっている。この変更により広々感を得つつも、スッキリとした見た目になった。アンビエントライトもその効果をより強くすることに一役買っている。 前席のシートベンチレーションと後席用の8インチタッチスクリーンも新設された。

TAG: #テスラ #ニューモデル #モデル3
TEXT:烏山 大輔
テスラが自動車業界にもたらしたディスラプション(創造的破壊)の3プラス1

EV専業メーカーであるテスラは、自動車業界にOTA(Over the Air)、ギガプレス、シンプルさを極めたインテリアという、これまでのエンジン車にはなかった新たな価値を生み出してきた。そして多くの自動車会社や新興メーカーがそのあとを追う展開になっている。ここではその新しい価値を振り返ってみたい。 スマホアプリのように新機能を追加できるOTA ひとつ目に挙げるのはOTAだ。テスラのOTAを知って衝撃を受けたのは、2016年頃にモデル Sのバッテリー容量をOTAで増やせることを知った時だ。ゲームアプリで新しい装備を課金して手に入れるように、9,000ドル(当時のレートで約99万円)を払ってアップデートすれば、その場ですぐに60kWhから75kWhにバッテリー容量を増やすことができた。もちろんテスラのディーラーに入庫する必要も、車を買い替える必要もない。 なぜこれが出来るのかというと、はじめから75kWhのバッテリーを積んでおいて、60kWhに制限しておき、その分車両本体価格を抑えて販売しているからだ。これにより、もし職場が自宅からより遠い場所に変わって通勤距離が伸びても、車を変えることなく、バッテリーを75kWhにアップデートすれば良いという具合に対応できる。 このOTAは、トヨタでも導入されている。ノアやヴォクシーでハンズオフ機能付きアドバンストドライブが、OTAによるソフトウェアのアップデートで利用可能だ。 これまでメーカー側はクルマを売った後に収入を得ることはできなかったが、それをも可能にした画期的なシステムだ。 70もの部品を1つにまとめたギガプレス 2点目に取り上げるのはギガプレスだ。モデル 3ではリヤアンダーボディ部を70個の部品で構成していたが、ギガプレスの採用によりモデル Yでは1つにまとめられている。従来のクルマ作りの常識を打ち破る製法だ。巨大な設備導入が必要なので初期費用はかかるだろうが、量産によるコスト低減(4割減と言われている)や、工数削減効果の方が大きいと思われる。 事実、今年6月にトヨタが実施した「トヨタテクニカルワークショップ2023」でもギガプレスと同じ考え方の「ギガキャスト」を発表した。2026年に発売予定の次世代EVに採用予定だ。ギガキャストは、86部品・33工程を1部品・1工程にできる。それによりコストダウンと工程短縮による生産効率の向上を可能にする。テスラのギガプレスのデメリットと指摘されている事故時のリペア性の課題について、トヨタは、鋼板部品との組み合わせでクラッシャブルゾーンを設けることで対応する考えだ。 中国のシャオペン(小鵬汽車、Xpeng)もギガキャストを採用したEVを発売している。シャオペンは2014年創業の新興メーカーだ。先月フォルクスワーゲンから7億ドル(約980億円)の出資を受けた。フォルクスワーゲンの狙いは、2026年に中国向けに販売する2車種のEVに、シャオペン製のプラットフォームを使用することのようだ。

TAG: #OTA #ギガキャスト #ギガプレス #テスラ
TEXT:烏山 大輔
販売台数で好調を維持するテスラが、モデル3 とモデルY を値下げ

テスラが、モデル3 とモデルYの値下げを発表 2023年7月1日からの値下げで、モデル3は最大21.6万円、モデルYでは最大で30万円の値下げとなる。さらにCEV補助金(65万円)や各種補助金(東京都の補助金は45万円)を適用すると、モデル3は400万円台で購入することができるようになる。居住地の市区町村の補助金もある場合は、さらなる出費の低減も可能だ。 改定後(消費税込) 価格差 モデル 3 RWD ¥5,245,600 -¥160,400 ロングレンジAWD ¥6,268,600 -¥193,000 パフォーマンス ¥7,005,600 -¥216,000 モデル Y RWD ¥5,637,000 -¥234,600 ロングレンジAWD ¥6,526,000 -¥271,600 パフォーマンス ¥7,279,000 -¥302,600 また、テスラは2023年第2四半期の好調な販売台数(モデルSとYで19,225台、モデル3とYで446,915台、合計466,140台)により、2023年の累計納車台数が、889,015台と過去最高の納車台数を達成している。モデル3 とモデルYの値下げはこの勢いの維持に貢献するだろう。 テスラ独自の充電システム「スーパーチャージャー」も加速中 テスラのスーパーチャージャーは、わずか数十分で充電が完了し、旅行や移動中に充電で停車する回数や時間を最小限に抑えるために戦略的に配置されている。 現在、日本で展開されているあらゆる充電技術よりも高性能で、V3スーパーチャージャーは最大250kWの出力により約15分で最大275km走行分を充電することができる。 スーパーチャージャーネットワークは、北米、ヨーロッパ、そしてアジア太平洋地域の主要なルートを繋ぎ、合計で45,000基以上が設置されている。日本国内では先月、新たに9箇所がオープンし、現在は79箇所390基以上のスーパーチャージャーが稼働している。 さらに北米では、フォードに続きGMやボルボもテスラ規格である「NACS」の採用を決定した。このテスラ規格は普通充電と急速充電の両方に対応しており、今後さらなる拡大も見込まれる。

TAG: #テスラ #モデル3 #モデルY
TEXT:桃田健史
まさかのテスラ充電方式デファクトの動き!? 北米市場の動きは日本にどう影響する?

米GMとテスラが充電器についてテスラ方式で統一することを明らかにした。フォードもテスラ方式を全面的に採用することを表明しており、これによって北米市場での充電器規格は統一の方向が見えてきた。果たして日本への影響は? 結局、テスラによるデファクトか? アメリカの各種報道によれば、GM(ゼネラルモーターズ)のメアリー・バーラCEOとテスラのイーロン・マスクCEOは現地時間の2023年6月8日、ツイッターの関連イベントでBEV(バッテリー電気自動車)の充電器規格について、テスラ方式で共通化することを明らかにした。 これより先にフォードもBEV用充電器でテスラ方式を採用することを発表しているため、北米における事実上の充電器規格統一の動きと言えるだろう。、 背景にあるのは、北米BEV市場におけるテスラのひとり勝ちだ。 「モデル3」発売以来、テスラの全体の販売台数は右肩上がりで、それに対応するようにテスラ独自の充電システムであるスーパーチャージャーの設置数も増えていった。 一方で、フォードやGMはBEV市場に参入するも、BEVは両社にとっての主力モデルにはなっておらず、BEVモデルの販売台数は限定的な状況だ。 充電設備については、フォードやGMはこれまでCCS(コンバインド・チャージング・システム)を採用してきたが、これが今後、テスラ方式に変わることなる。 これまで販売されたGMとフォードのBEVはテスラの充電方式に対応するアダプターによって充電に対応する。 こうした北米市場での動きはまさに、強い者が市場を占有するという事業領域におけるデファクトスタンダードだ。

TAG: #チャデモ #テスラ #充電
TEXT:TET編集部
米テスラが「モデルS」「モデルX」「モデル3」「モデルY」362,758 台のリコールを発表:米国道路交通安全局(NHTSA)

米国道路交通安全局(NHTSA)の公式発表によると、テスラが開発中である完全自動運転ソフトウェア「FSDベータ」に衝突を引き起こす可能性があるとして、362,758 台のリコールを発表した。 制限速度を超過したり、違法または予測不可能な方法で交差点を通過することで、事故のリスクを増加させる可能性が指摘された。 テスラ社は、アメリカ国内で販売された完全自動運転ベータ版(FSD Beta:Full Self-Drivingベータ版)ソフトウェアが搭載された、または搭載が保留されている特定の2016-2023年型「モデルS」および「モデルX」、2017-2023年型「モデル3」、2020-2023年型「モデルY」車両をリコールする。 FSDベータ版システムでは、交差点付近において、右折/左折専用レーンを走行中に交差点を直進したり、一時停止標識のある交差点に完全停止せずに進入したり、黄色信号点灯中に十分な注意を払わず交差点に進入するなど、安全でない行動をとる可能性があるという。また、制限速度の変化への対応が不十分であったり、ドライバーが制限速度を超えるような速度調整を行った場合に、システムが適切に対応できない場合があると指摘する。 改善策としてテスラ社は、無線(OTA)ソフトウェア・アップデートを無償でリリースする予定だ。 オーナーへの通知書は、2023年4月15日までに郵送される。

TAG: #テスラ #リコール #自動運転
TEXT:田中 誠司
「大阪オートメッセ2023」に見るEV最新事情

20万人以上の来場者を集める盛況のうちに幕を閉じた「大阪オートメッセ2023」(インテックス大阪)。2月10日(金)〜2月12日(月)の週末、EV(電気自動車)関連の盛り上がりはどうだったのだろうか。会場を隅々まで観察してみた。 EVゾーンは「多士済々」 コロナ禍で縮小を強いられた前回オートメッセから大幅に規模を拡大した今回、目玉のひとつが「EVゾーン」の設置だったことはイベント開催に先立つ記事でも記したとおり。日系メーカー、海外メーカー、チューニングパーツメーカー、超小型EVメーカーと、バラエティに富んだ出品となった。 市販モデルでは日本メーカーから三菱「ekクロス EV」、マツダ「MX-30 EV」、日産「サクラ」「アリア」、海外メーカーからはフォルクスワーゲン「ID.4」、BMW「i7」「i4」、BYD「アット3」、ヒョンデ「アイオニック5」の実車が集い、それぞれのサイズ感やデザイン、クオリティの違いを間近で比較することができた。 チューニングパーツメーカーからは「ブリッツ アリア」、クスコ「テスラ モデル3」、「A PIT東雲オリジナルテスラモデル3」が出品され、それぞれエアロパーツやホイール、サスペンションシステムなどドレスアップの可能性を示した。EVは加速性能などのチューニングを行なうことは難しくないが、バッテリーの耐久性などに影響があるかどうかの検証が難しいためそう簡単にはパワーユニットに手を出せないのが目下の課題であるという。 超小型EVも、むしろそのコンパクトさから会場で存在感を示していた。KGモータース「ミニマムモビリティコンセプト」は税込み100万円を切る価格を目標とし、EVランドの3輪EV「ジンマ」「ジンマプロ」は77万円スタートでハイエンドモデルでも104万5000円、昔のジープのような姿が懐かしいブレイズ「ネクストクルーザーEV」は64万6800円と、全般に安価であることがコスト感覚の鋭い関西人の注目を集めていたようだ。

TAG: #BYD #KGモータース #テスラ #ブリッツ #大阪オートメッセ2023 #超小型EV
TEXT:岩尾 信哉
米テスラ、米国ネバダ州に2工場増設を発表。 EV用バッテリーとEVトラック「セミ」を生産

電気自動車(EV)専業メーカーである米テスラは、去る1月24日に米国ネバダ州リノ郊外の生産拠点である「ギガファクトリー・ネバダ」に2工場を新設すると発表した。それぞれEV向けバッテリーとEVトラック(トレーラーヘッド)である「セミ」を生産する。新工場新設への投資額は36億ドル(約4,690億円)を想定している。 EV用バッテリー生産を大幅増強  最近では戦略的といえる世界的な値下げ(モデル3とモデルY)で話題となったテスラだが、米国での追加の設備投資を発表することになった。新たに建設されるバッテリー工場では最新のリチウムイオン・バッテリーセル「4680」を生産し、生産能力は年間で小型車用として最大200万台分となる予定。「セミ」初の量産施設については、具体的な生産台数の見込みは示されなかった。 これまでテスラが62億ドル(約8,000億円)を投資してきた「ギガファクトリー・ネバダ」では、EV用のモーターやバッテリーパックのほか、家庭用バッテリー「パワーウォール」などをも生産してきた。ちなみに、2014年にテスラが設立した同工場で生産されたバッテリー総数は73億個(150万個のバッテリーパック)を数える。 今回、発表された新バッテリー工場の生産規模は100GWh(4,680バッテリー)に及ぶ。2030年までにバッテリー生産量を約100倍に引き上げ、バッテリーコストを半減するという目標達成をテスラは掲げている。従業員数は両工場合わせて約3,000人となるという。 EVトラックの量産を開始 テスラが2017年に発表した商用EVトラックである「セミ」は、約5年を経た2022年12月に世界的飲食品メーカーであるペプシコに、ようやく第1号車が納車されたばかりだ。 「セミ」では商用EVにふさわしいブレーキ周りの耐久性の高さやメインテナンスの容易さなどが謳われ、将来に向けて自動運転技術の採用を見据えている。走行性能に関しては、0―100km/h加速が5秒、車両総重量36トンの荷物満載状態で20秒。電費性能は「航続距離が500マイル(約800km)、燃料消費率2kWh/マイル」とのデータをテスラは公表しており、専用充電器「メガチャージャー」によって充電を行うとのことだ。

TAG: #テスラ #岩尾 信哉
TEXT:福田 雅敏
実質EV元年と感じた充実のEV展示とそのカスタマイズ……EV開発エンジニアのオートサロン探訪[その4(最終)]

世界最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2023」が1月13日から15日まで幕張メッセにて開催された。今回の「オートサロン」には、多数のEVも出展されると聞いた。そこでEV開発エンジニアであり本媒体のエグゼクティブアドバイザーである福田雅敏が現地に赴いた。その現場をレポートしたい。今回は「その4(最終)」をお送りする。 アウトドア志向を押し出した三菱 「ミニキャブ・ミーブ B-レジャースタイルⅡ」は、車載のバッテリーからの給電機能を活用したカスタムカー。アウトドアシーンに溶け込むアイボリーとモスグリーンの2トーンカラーとし、ボディサイドにはEVを象徴する電源プラグをモチーフとしたラッピングがなされている。 室内は荷台スペースをフルフラットとして居住性を高め、リモートワークに必要なデスクや座椅子、車中泊に必要なベッドキットを装備することで、プライベートな空間を演出している。 さらに、駆動用バッテリーから定格1500WのAC100V電源を取り出せる「ミーブ・パワーボックス」を使用し、リアゲートに取り付けたプロジェクターでのeスポーツ体験や、リモートワーク用パソコンの充電などを可能とするなど、ビジネス&レジャースタイルを提案していた。出先で楽しくなり電力を使いすぎて「電欠」にならないよう、電池残量のこまめな確認が必要だと感じた。 そして「eKクロスEV」をベースとした「eKクロスEV Smooth×Tough(スムーズ・バイ・ タフ)」も展示されていた。EVの静かかつ滑らか、そして力強い走りをそのままに、SUVテイストを一層高めたのが特徴。 ボディカラーは、マットグレーメタリックとブラックマイカの2トーンカラーとし、フロントグリルガードやオールテレーンタイヤを装着。さらに、リフトアップしたことで、オフローダースタイルとしている。 ただ残念なのは、ここまでSUVテイストを強めているのに、4WD仕様がないこと。雪の多い地域のSUVファンのためにも早期に4WD仕様を出してほしいものである。 「オートサロン」ならではのアフターメーカーによるEVカスタムカー見聞 「テスラアライアンス」のブースには4台のドレスアップされた「モデル3」とテスラ用のドレスアップキットなどが所狭しと展示されていた。 テスラ好きが集まったカスタムメーカー集団「テスラアライアンス」の関連企業は20社あまり。その中には普通充電器付貸ガレージなども紹介されていて「EVと住宅」というライフスタイルをどう快適かつ楽しく過ごすかを訴求していた。このブースの中に、KGモーターズの超小型EV「ミニマム・モビリティ・コンセプト」も展示されていた。 「ブリッツ」のブースでは、日産「アリア」をドレスアップした「ブリッツ・アリア」を展示。エアロパーツとホイールでドレスアップされていた。「ブリッツ・アリア」は、来場者の投票により決定する「東京国際カスタムカーコンテスト」SUV部門において優秀賞を受賞した。 先の「カー・オブ・ザ・イヤー」でもそうだが、このような賞典をEVが受賞するようになり、時代の移り変わりを実感した。 「トーヨータイヤ」のブースではアウディ「e-トロン・クワトロ・フーニトロン」を展示。1980年代の伝説ともいえる「スポーツ・クワトロS1」をオマージュした電動4輪駆動のレーシングEV。2モーターによる合計最大トルクは6000Nm(611.83kgm)を誇る。 本来であれば、世界的ラリードライバーであり、「ジムカーナ」シリーズの神業ドライブでもおなじみのケン・ブロック氏が来場するはずだった。が、1月2日午後、ユタ州においてスノーモビルの事故で亡くなり、それがかなわなくなった。享年55。非常に残念なことである。ご冥福をお祈りする。 「ボンドグループ&レザーコーポレーション」のブースには、「テックアート・タイカン4S」が展示されていた。エアロパーツをまとい車高が落とされた車体、大径ホイールでドレスアップされたもの。標準のホイールでは大きく感じたフロントブレーキキャリパーは、大径ホイールの影響で逆に小さく感じた。 総括:「オートサロン」は実質モーターショー、来年は走行性能にも手を加えた「チューニングEV」登場の予感 筆者にとって、コロナ禍では初のオートサロン見学。プレスデーに見学したが、当日は4万4000人の来場者があり、十分混んでいた。3日間の合計来場者は18万人あまり。出展社数341社、出展台数789台、ブース総数3904小間。特に出展車数は昨年より1割(77台)増しとなった。 今回は、主催者による「オートサロンテック2023」などEVを中心とした次世代自動車のテーマ館もあり、カスタムカーの祭典「オートサロン」でも新時代への流れを感じた。 自動車メーカーの多くがEVを展示していたこと、海外EVメーカーの出展や新型車の発表など、これまで「東京モーターショー」の場で行われてきたことが、「オートサロン」で行われるようになった。先日アメリカで「CES」が開催されたが、実質北米のモーターショーに変わったと言われている。「オートサロン」もそんな「CES」の流れと被るように思う。 2022年がEV元年と一部では言われているが、今回の「オートサロン」のEVの出展を見るに、実質は2023年がEV元年のように思えた。 ただ一部聞いたところによると、半導体不足などの納車の影響で、ベース車の入手ができない業者もあったようだ。展示台数がもっと多いであろうと思った日産「アリア」や「サクラ」、三菱「ekクロスEV」などがほとんど見かけなかったのは、その影響もあるのではないだろうか。 恐らく来年は、カスタムEVがさらに増えるだろう。今後はアフターメーカーも、EVの純正ECUの制御を解析しパワーアップした「チューニングEV」が出てくる予感がする。 <了>

TAG: #eKクロスEV #アウディ #アリア #タイカン #テスラ #ブリッツ #ポルシェ #ミニキャブ・ミーブ #モデル3 #三菱 #日産 #東京オートサロン2023 #福田雅敏

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