#ダイムラートラック
TEXT:桃田 健史
大型BEVトラックは当面無理!? ダイムラー・トヨタ大連携の訳

トヨタ、ダイムラートラック、三菱ふそう、日野の4社は2023年5月30日、都内で共同会見を開き、「CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書の締結」について発表した。その背景に何があるのか? トップシークレットでのサプライズ まさか、このタイミングでここまで大きな話が動くとは! 5月30日午後3時15分に4社が一斉にプレスリリースを出し、またトヨタから午後4時30分から会見がある旨の連絡が入った。 午後4時に会見会場のホテルに到着すると、すでに在京キー局のテレビカメラがズラリとスタンバイしており、テレビ、新聞、通信社などの経済部の記者が集まっていた。 彼らの口からは「まさか」「驚いた」「いつのまに」といった声が漏れてくる。 トヨタ含めた4社内でも、本件はトップシークレット扱いで、これまで機密保持を徹底してきたようだ。 それほどまでに、今回の4社連携は自動車業界のみならず、グローバル経済界に対するインパクトが大きいと言えるだろう。 会見の概要は、ダイムラートラックとトヨタが、三菱ふそうと日野を対等な立場で統合するための株式会社(上場)を設立して、同会社の株式を50:50で保有する。2024年3月期中に最終契約を締結し、2024年中に統合を完了させることだ。 質疑応答を含めて2時間弱に渡る共同会見の中で、興味深い点がいくつかあった。 まず、統合に向けた口火を切ったのは、ダイムラートラックで、時期は昨年だったという。昨年といえば、日野がエンジン認証不正によって”揺れに揺れていた”時期である。 そのタイミングで、ダイムラートラックは日野ではなく、日野の親会社のトヨタに対して”友好的な関係”を持ちかけてきたことになる。 ダイムラートラックとトヨタとの交渉が、三菱ふそうと日野を含めて最終的にまとまった大きな理由を、4社のCEOは「未来はみんなでつくること」という共通を想いが共有できたと表現した。 そもそも、4社が係わる小型・中型・大型のトラック・バス市場は乗用車市場と比べるとかなり小さい。記者からの質問に対して、トヨタの佐藤恒治社長は市場規模を「年間300~350万台程度」と表現したほどだ。 だからこそ、4社は「スケールメリットが必要だ」と強調した。

TAG: #ダイムラートラック #トヨタ #三菱ふそう #日野 #統合
TEXT:TET 編集部
欧州で大型トラックのEV化が進む。ダイムラートラックが新型「eアクトロス300 トラクター」を今秋より量産化

ドイツのトラックメーカー「ダイムラートラック」は5月30日(現地時間)、電動トラクターヘッド「eアクトロス300 トラクター」がドイツのヴェルト工場からトルコのアクサライまで約3,000kmにおよぶテスト走行に成功したと発表。今後欧州では、重量物を運ぶトレーラーも電動化が進みそうだ。 最大400kmの航続距離を達成 「アクトロス」はダイムラートラックが、メルセデス・ベンツ・ブランドで販売している大型トラックシリーズだ。日本でも以前販売され、スリーポインテッド・スターをグリルに付けた大型トラックを見掛けたことがある人もいるはず。 eアクトロスはその名の通り、アクトロスの電動版。既に2021年には通常のトラックバージョン「eアクトロス300」(112kWhバッテリー3個搭載)および「eアクトロス400」(同4個搭載)が登場しており、後者の航続距離は最大400kmと長距離輸送もこなす実力を誇る。 パワートレインは2基の電気モーターと2速トランスミッションの組み合わせで、水冷モーターの連続出力は330kW(約443hp)、一時的なピークパワーは400kW(約536hp)と強力そのもの。モーター駆動にもかかわらずトランスミッションを備えるのは、重量物積載時に必要な発進時のパワーを引き上げるためだろう。 今回、テスト走行の成功が発表されたトラクターヘッドは、通常のトラックに次ぐeアクトロスの新たなバージョンとして、現在開発が進行中のもの。ダイムラートラックでは本年秋からの量産開始を目指しているとのことで、既に海抜1,800m超を含む高地テストはクリア済みという。今後は同社がトルコに持つテストサイトで耐久試験に挑む予定だが、その前段階としてプロトタイプのドイツからの移動を、公道テストの機会として活用したというわけだ。 ルートはオーストリア、スロベニア、クロアチア、セルビア、ブルガリアを経由するもので、途中の充電は一般の充電ステーションでのみ行ったとのこと。トラックで国際長距離輸送を行えるのは欧州ならではの環境だ。 >>>次ページ 日本のEVトラック市場の状況

TAG: #ダイムラートラック #商用EV

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