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ドイツのトラックメーカー「ダイムラートラック」は5月30日(現地時間)、電動トラクターヘッド「eアクトロス300 トラクター」がドイツのヴェルト工場からトルコのアクサライまで約3,000kmにおよぶテスト走行に成功したと発表。今後欧州では、重量物を運ぶトレーラーも電動化が進みそうだ。
最大400kmの航続距離を達成
「アクトロス」はダイムラートラックが、メルセデス・ベンツ・ブランドで販売している大型トラックシリーズだ。日本でも以前販売され、スリーポインテッド・スターをグリルに付けた大型トラックを見掛けたことがある人もいるはず。
eアクトロスはその名の通り、アクトロスの電動版。既に2021年には通常のトラックバージョン「eアクトロス300」(112kWhバッテリー3個搭載)および「eアクトロス400」(同4個搭載)が登場しており、後者の航続距離は最大400kmと長距離輸送もこなす実力を誇る。
パワートレインは2基の電気モーターと2速トランスミッションの組み合わせで、水冷モーターの連続出力は330kW(約443hp)、一時的なピークパワーは400kW(約536hp)と強力そのもの。モーター駆動にもかかわらずトランスミッションを備えるのは、重量物積載時に必要な発進時のパワーを引き上げるためだろう。
今回、テスト走行の成功が発表されたトラクターヘッドは、通常のトラックに次ぐeアクトロスの新たなバージョンとして、現在開発が進行中のもの。ダイムラートラックでは本年秋からの量産開始を目指しているとのことで、既に海抜1,800m超を含む高地テストはクリア済みという。今後は同社がトルコに持つテストサイトで耐久試験に挑む予定だが、その前段階としてプロトタイプのドイツからの移動を、公道テストの機会として活用したというわけだ。
ルートはオーストリア、スロベニア、クロアチア、セルビア、ブルガリアを経由するもので、途中の充電は一般の充電ステーションでのみ行ったとのこと。トラックで国際長距離輸送を行えるのは欧州ならではの環境だ。