#コンバートEV
TEXT:御堀直嗣
旧車に故障知らずで乗れるコンバートEV! ガチでやろうと思ったらどのぐらいのハードルがある?

EVコンバートによって旧車に乗り続けることができる 旧車の人気が高まっている。一方で、古くなればなるほど部品の入手に苦労することにもなる。よい状態で維持するには、それなりの費用や時間、あるいは人脈、知識が必要だ。 そうしたなか、旧車に永く乗り続ける方法として、EVコンバートがある。 コンバートとは、変更するとか転向するという意味で、たとえばスポーツであれば、ポジションを変えるときなどに使われる。 EVコンバートとは、電気自動車(EV)に変更することを指し、ひとつのカスタマイズともいえる。そしてEVに変更されたクルマを、コンバートEVと呼ぶ。 この言葉は、単にEVとコンバートの前後が入れ替わっただけの表現ではあるが、EVコンバートという場合は動詞的に変更する行為を指し、コンバートEVという場合は、EVへの改造を済ませたクルマという名詞的な表現で使われる。 エンジン車をEVに改造する電気関係の部品は、100万円ほどでキット化されているという。必要なのは、モーター、電力を調整するコンバーターや、インバーター(インバーターは直流と交流を切り替える装置)、そして駆動用バッテリーだ(バッテリーは別枠の予算になるだろう)。 そのうえで、車体からエンジンや変速機を下ろし、燃料計や排気系を取り外す。そして、EVのための電気系を取り付ける。エンジンのあった位置から駆動タイヤまで動力を伝えるうえで、積み替えたモーターから駆動タイヤまでの距離にエンジンのときと差が出る場合は、変速機をそのまま活用し、長さの調整とすることもある。 難関は、重く、体積を必要とする駆動用バッテリーの車載だ。

TAG: #EVコンバート #コンバートEV
TEXT:藤田竜太
簡単そうに言われるけど実際そうでもないぞ……旧車のエンジン車をEV化して蘇らせる「コンバートEV」の現実

メーカーからもコンバートEVが登場! 日産が東京オートサロン2025に「R32EV」を出展すると発表したり、トヨタがAE86をコンバートEVした「AE86 BEV Concept」(東京オートサロン2023で発表)を製作したりと、コンバートEVの注目が高まってきている。 このコンバートEVとは、簡単にいえばガソリン車などの内燃機関自動車を改造して電気自動車(EV)に転換したクルマのこと。 エンジン本体や吸気系、エキゾースト系などの補器類、燃料タンクなどの部品を取り外し、その代わりに動力用のモーターやバッテリー、モーターコントローラーなどの部品にconvert(入れ換える、変換する)することを意味している。 車種によっては150万円ぐらいでコンバートEVのキットが発売されているが、それらをインストールするためには、1台1台、ワンオフで取り付け部品を製作したり、バッテリーの認証を受けたり、ナンバーを取得したりとかなりの手間がかかるので、ガソリン車、とくに古いクルマ、ビンテージカーをベースにコンバートEV化を考えるなら、その費用は500万円以下には収まらないと考えたほうが妥当だろう。 一方で、コンバートEVは(エンジン関係の)部品が欠品して走れなくなってしまったクルマや、排ガスの問題がクリアできないクルマ、エコカー減税の対象外で維持費が高いクルマなどを、電動化することで現役復帰させ、蘇らせる方法として期待されている面もある。 ビンテージカーの場合、EV化以前にボディなどレストアしなければならない部分もあるし、珍しいクルマほどワンオフで製作しなければならないパーツも増えるので費用は高額になる傾向だが、旧車特有の故障の心配から解放されたり、パワステやエアコンなどを追加し、アップデートすることができたり、排ガスのニオイから解放されて、静粛性も手に入るなど、EVならではのメリットも享受できるのは大きな魅力。 国産車をベースにコンバートEV化するのはこの先も当面まれかもしれないが、古い欧州車やアメ車などをコンバートEVで蘇らせる流れはすでにできつつある。 これまでのカスタマイズとは毛色が違うが、魅力あるクルマを現役として延命させる方法として、徐々に認知され、需要が増していくことだろうし、普及することでコストも下がり、バッテリーなどの高性能化も進むことが期待されている。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車

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