#コンバートEV
TEXT:石井啓介
パンダのエンジンルームにどうやってリーフのユニットを積む!? 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その3】

新兵器登場! 「電気熊猫計画」とは、EVライフをもっと楽しくおいしくする「EVごはん」と、旧車のコンバージョンEVを手掛ける「アビゲイルモータース」が共同で進める往年のイタリアの名車「FIAT PANDA(初代)」をEV(電気自動車)にコンバートするプロジェクトです。 今回は、第三回目(第二回目はコチラを御覧ください)として、「エンジンルームを3Dスキャンする!」をご紹介したいと思います。 エンジンルームを3Dスキャンする! ということで、紆余曲折ありながらもいろいろなパーツを取り外し、すっからかんになったエンジンルーム。ここにモーター&ミッションと、コントールユニット、そしてバッテリーの一部を収めていきます。ブレーキ関連やステアリングユニット、エアコンなど、オリジナルから引き継ぐパーツたちを避けながら設計していかないといけません。そこで必要になるのが、エンジンルームの正確な図面。 しかしながら、当然車両の設計図などありません。 そこで、現代の最新兵器!? 「3Dスキャナー」の登場です。光学的に立体物を正確に計測し、PC上に3Dの立体図面を描画していくものです。ノートPC+ハンディのレーザースキャナーで、高精度の立体スキャンができるそうです。 これで、エンジンルーム及びリヤのラゲッジスペースをスキャンし、正確な図面を作成します。 EVユニットのレイアウトを検討 3Dスキャナーで作成した立体図面をもとに、EV関連ユニットをどう配置していくかを検討し、配置に必要なマウント類を設計していきます。このパートは、完全にデジタル上でシミュレーションして進めていきます。 今回搭載するモーターユニットは日産リーフのものを流用。 3DスキャンしたPANDAのエンジンルームに配置していきます。 もちろんリヤのラゲッジスペースまわりに配置するバッテリーも同様に、重量配分を考えながら配置していきます。この辺の詳細は“企業秘密”だそうで、ざっくりご理解くださいませ。 私EVごはんは、ど素人なんで、「へ~すごいね~」としかわかりませんでした。 「さらに電気の世界へ」ということで、ここからどんどんと「電気」の世界に入っていきます。次回は「Step3:マネジメントシステムを購入。マニュアルを熟読する」となります。引き続きよろしくお願いいたします。 充電スポットの美味しいごはん情報をシェアするコミュニティ「EVごはん」 EVごはん https://ev-gohan.com/ 旧い個性的なクルマを日常的に使いたい。そんな願いをカタチに! アビゲイルモータース https://www.abigail-motors.ltd/

TAG: #コンバートEV #旧車
TEXT:石井啓介
エンジンも燃料タンクも外してスッカラカン! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その2】

いよいよスタート! 「電気熊猫計画」とは、EVライフをもっと楽しくおいしくする「EVごはん」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」が共同で進める往年のイタリアの名車「フィアット・パンダ(初代)」をEV(電気自動車)にコンバートするプロジェクトです。 今回は、第二回目(第一回目はコチラをご覧ください)として、「Step1.フィアット・パンダのエンジンを取り外し、エンジンルームを3Dスキャンし機器レイアウト等の詳細設計を行う」編をご紹介したいと思います。 フィアット・パンダ“老熊猫”を紹介 作業開始の前に、今回のベースとなるフィアット・パンダをご紹介しますね。 フィアット・パンダ(初代)は、イタリアの自動車メーカー「フィアット」社が1980年代を中心に製造・販売していた小型ハッチバック車で、伝説のカーデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏のデザインによる簡潔ながらもスペース効率にも優れたスタイリングが特徴です。 開発および製造コストの低減のため、すべての窓を平滑な板ガラスとするなど、ボディは直線と平面によるシンプルなもので、延べ400万台以上もの台数が生産されたというクラシックミニと並ぶコンパクトカーの名車といえます。 今回手に入れたフィアット・パンダは、1996年式の中後期モデルで、グレードは、FFのCLX。排気量1100ccのエンジンとCVTミッションで約7万kmを走ったクルマです。明るめのネイビーブルーのような「ミッドナイトメタリックブルー」のボディは、一部錆が見られましたが、全体的にはしっかりとしたクルマです。とはいえ、製造より30年近く経った個体ですので、だいぶ「ご老体」ではあります。 これを、外観はなるべくオリジナルを維持しながら、新しいテクノロジーを駆使して、将来にわたって長生きしてもらおうというのが今回のコンセプトになります。

TAG: #コンバートEV #旧車
TEXT:石井啓介
お金も手順も作業も「コンバートEV」のリアルをリポート! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その1】

思い出のフィアット・パンダを電動化でもっと楽しく 「電気熊猫計画」とは、EVライフをもっと楽しくおいしくする「EVごはん」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」が共同で進める往年のイタリアの名車「フィアット・パンダ(初代)」をEV(電気自動車)にコンバートするプロジェクトです。 充電スポットの美味しいごはん情報をシェアするコミュニティ「EVごはん」の主宰者である私141(イシイ)は、子どものころからのクルマ好き。 20代の安月給時代に中古車で買ったフィアット・パンダは、夏は海にドライブデート、冬はスキー場へと大活躍した思い出の愛車。軽自動車のようなコンパクトなボディにブンブンまわる元気なエンジンが最高に楽しいクルマでした。 しかしながら、当時はクルマのメンテナンスに関する知識が少なく、ちょっとしたエンジントラブルで手放してしまったことはいまでも悔やまれます。 月日は過ぎてン十年。 クルマ趣味は続き、英国製のヘリテージカーを楽しみつつ、“往年の世界の名車”を激安中古車で足車として乗り継ぐことを楽しんでおりましたが、5年前に知人からの紹介でテスラを手に入れたことでこれまでのガソリン車にはない、静粛性や小気味よい動力性能、そして、EVコミュニティの楽しさなど、改めて電気自動車の楽しさを知りました。 電気自動車について調べていくなかで、古いガソリン車を電気自動車に改造する「コンバートEV」の存在を知り、旧来の「クルマ好き」が再熱。 「あの思い出のフィアット・パンダをEVでまた乗りたい! あの思い出の続きを楽しみたい!」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」さんに飛び込みました。 「アビゲイルモータース」の代表を務める飯田さんも、旧来のクルマ好きということで意気投合! アビゲイルモータースで開発しているクラシックミニにも試乗させていただき、コンパクトな旧車とEVの相性のよさも実感することとなり、さっそくフィアット・パンダのEV化プロジェクトがスタートしました。といいたいところですが、ベースとなるクルマ探しから、EV化の技術検討などで、あっという間に1年が過ぎました。 ベースとなるパンダは、個人売買でホドホドの程度のものが見つかりましたが、EVコンバートの世界も日進月歩で、モーターとバッテリー及びマネジメントシステム等の調査にかなり時間を要することとなりました。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車
TEXT:御堀直嗣
旧車に故障知らずで乗れるコンバートEV! ガチでやろうと思ったらどのぐらいのハードルがある?

EVコンバートによって旧車に乗り続けることができる 旧車の人気が高まっている。一方で、古くなればなるほど部品の入手に苦労することにもなる。よい状態で維持するには、それなりの費用や時間、あるいは人脈、知識が必要だ。 そうしたなか、旧車に永く乗り続ける方法として、EVコンバートがある。 コンバートとは、変更するとか転向するという意味で、たとえばスポーツであれば、ポジションを変えるときなどに使われる。 EVコンバートとは、電気自動車(EV)に変更することを指し、ひとつのカスタマイズともいえる。そしてEVに変更されたクルマを、コンバートEVと呼ぶ。 この言葉は、単にEVとコンバートの前後が入れ替わっただけの表現ではあるが、EVコンバートという場合は動詞的に変更する行為を指し、コンバートEVという場合は、EVへの改造を済ませたクルマという名詞的な表現で使われる。 エンジン車をEVに改造する電気関係の部品は、100万円ほどでキット化されているという。必要なのは、モーター、電力を調整するコンバーターや、インバーター(インバーターは直流と交流を切り替える装置)、そして駆動用バッテリーだ(バッテリーは別枠の予算になるだろう)。 そのうえで、車体からエンジンや変速機を下ろし、燃料計や排気系を取り外す。そして、EVのための電気系を取り付ける。エンジンのあった位置から駆動タイヤまで動力を伝えるうえで、積み替えたモーターから駆動タイヤまでの距離にエンジンのときと差が出る場合は、変速機をそのまま活用し、長さの調整とすることもある。 難関は、重く、体積を必要とする駆動用バッテリーの車載だ。

TAG: #EVコンバート #コンバートEV
TEXT:藤田竜太
簡単そうに言われるけど実際そうでもないぞ……旧車のエンジン車をEV化して蘇らせる「コンバートEV」の現実

メーカーからもコンバートEVが登場! 日産が東京オートサロン2025に「R32EV」を出展すると発表したり、トヨタがAE86をコンバートEVした「AE86 BEV Concept」(東京オートサロン2023で発表)を製作したりと、コンバートEVの注目が高まってきている。 このコンバートEVとは、簡単にいえばガソリン車などの内燃機関自動車を改造して電気自動車(EV)に転換したクルマのこと。 エンジン本体や吸気系、エキゾースト系などの補器類、燃料タンクなどの部品を取り外し、その代わりに動力用のモーターやバッテリー、モーターコントローラーなどの部品にconvert(入れ換える、変換する)することを意味している。 車種によっては150万円ぐらいでコンバートEVのキットが発売されているが、それらをインストールするためには、1台1台、ワンオフで取り付け部品を製作したり、バッテリーの認証を受けたり、ナンバーを取得したりとかなりの手間がかかるので、ガソリン車、とくに古いクルマ、ビンテージカーをベースにコンバートEV化を考えるなら、その費用は500万円以下には収まらないと考えたほうが妥当だろう。 一方で、コンバートEVは(エンジン関係の)部品が欠品して走れなくなってしまったクルマや、排ガスの問題がクリアできないクルマ、エコカー減税の対象外で維持費が高いクルマなどを、電動化することで現役復帰させ、蘇らせる方法として期待されている面もある。 ビンテージカーの場合、EV化以前にボディなどレストアしなければならない部分もあるし、珍しいクルマほどワンオフで製作しなければならないパーツも増えるので費用は高額になる傾向だが、旧車特有の故障の心配から解放されたり、パワステやエアコンなどを追加し、アップデートすることができたり、排ガスのニオイから解放されて、静粛性も手に入るなど、EVならではのメリットも享受できるのは大きな魅力。 国産車をベースにコンバートEV化するのはこの先も当面まれかもしれないが、古い欧州車やアメ車などをコンバートEVで蘇らせる流れはすでにできつつある。 これまでのカスタマイズとは毛色が違うが、魅力あるクルマを現役として延命させる方法として、徐々に認知され、需要が増していくことだろうし、普及することでコストも下がり、バッテリーなどの高性能化も進むことが期待されている。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
2026年に登場を予定しているベントレーのEVを予感させるデザインスタディ! 伝統と電動化の未来をつなぐコンセプトカー「EXP15」を発表
価格・航続距離・パフォーマンスでテスラを圧倒!? 中国の巨大スマホメーカー「シャオミ」が作ったEV「YU7」がついにデビュー
2025年はBYD Auto Japanの設立3周年記念! お買い得な限定車「ATTO 3 Black Style」を 全国50台限定で発売
more
コラム
日産のチャンピオンで話題のフォーミュラEはシャシーもバッテリーも基本は同じってマジ!? 参戦メーカーによる違いはドコに生まれるのか?
エコな鉄を使ったエコカーには補助金5万円ってマジか! そもそもエコな鉄「グリーンスチール」ってなに?
アメリカの関税で苦しみ中国市場で困難極まるマツダはどうなる? EVの欧州展開で活路は見いだせるか
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択