#新型車
TEXT:高橋 優
日産の新型EVは大型SUV! 「N8」と見られるその中身を提携メーカーの「eπ008」から占う

N7と同じ流れで大型SUVを導入か 日産が中国市場でスマッシュヒットを飛ばしているN7に続く新型EVについて、売れ筋の中大型SUVを投入してくるのではないかという最新動向を、そのベースとなる車種の存在、そして現在中国市場で盛り上がる3列シート搭載大型SUVセグメントの最新動向を含めて解説します。 まず、今回取り上げていきたいのが日産の新型EV動向です。日産は4月末に中国市場でミッドサイズセダンN7の正式発売をスタートさせて、すでに発売開始50日間で2万台の受注を獲得。さらに、6月中に世界戦略車として三代目となる新型リーフを発表しました。さらに欧州市場ではマイクラEVを2025年末までに投入予定です。 そして、欧州以上にEVシフトが進んでいる中国市場には、2027年夏までにN7を含めて合計9車種の新エネルギー車を展開する方針を表明しています。すでに2車種目は、フロンティアプロというピックアップトラックのPHEVを2025年末までに導入する方針です。 そして、日産は2024年の北京オートショー内にて、今後の新型EVのベースとなるコンセプトモデルを4車種も発表していたという背景が存在します。 まずセダンのEvoコンセプトはPHEVであると説明されており、もしかしたら2025年後半に投入予定のN7のEREV(レンジエクステンダーEV)を指しているのかもしれません。 次にEraコンセプトは都市型コンパクトSUVのPHEVと発表されています。日産の売れ筋であるキャッシュカイやエクストレイルのPHEVバージョンとしてラインアップされるのかもしれません。 そして、今回取り上げていきたいのがEpochコンセプトの存在です。このEpochコンセプトはBEVであると説明されており、より大型のSUVと推測可能です。もしかしたらエクストレイルよりも大きく、パスファインダー級のフラグシップSUVとしてラインアップされるのかもしれません。 じつは、このパスファインダーのような3列シート搭載の大型SUVセグメントは、現在多くのEVがラインアップされています。とくに豪華シート、リヤエンタメスクリーン、冷温庫という「三種の神器」が重要視されており、このような豪華装備内容を網羅した大型電動SUVが人気となっているのです。 そして、とくにEpochコンセプトとともに、日産の大型
SUV導入の可能性が高まっていると推測できる理由が、合弁先であるDongfengのEV専門ブランド「eπ」から、すでに大型SUVがラインアップされているという点です。じつはeπからは007というミッドサイズセダンが発売済みであり、日産も同じくミッドサイズセダンのN7を発売しています。 Dongfengとの車両パーツ調達などで協調しているはずであり、よって似たようなセグメントからEVが投入されることになるのは当然の流れといえるでしょう。つまり、eπ007だけではなく、eπ008と同セグメント、つまり大型SUVセグメントのEVを日産も導入してくる可能性が高いのです。 今回取り上げていきたいeπ008は、全長5002mm、全幅1972mm、全高1732mm、ホイールベースが3025mmという中大型SUVセグメントに分類されます。日本国内ではフルサイズSUVに該当しますが、中国市場では一般的に全長5200mm級がフルサイズ大型SUVと分類されるためです。 また、eπ008で重要なポイントが、BEVとともにEREVもラインアップしている点です。このグラフは中大型以上の電動SUVの月間販売台数の変遷を示したものです。とくにモデル名の後ろに記載されている値段設定を見てみれば、30万元(約600万円)以上というプレミアムセグメントに該当する車種が多いことがわかります。他方で、eπ008やリープモーターC16はどちらも日本円換算で300万円台で発売。今後はプレミアムセグメントだけではなく大衆セグメントでも大型電動SUVのラインアップが拡大していくはずです。

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TEXT:高橋 優
BYDが「Sealion 05 EV」発表で小型SUVバトルが激化! しかも値段が激ヤバの約243万円から!!

コンパクトSUV「Sealion 05 EV」が登場 BYDがコンパクトSUVセグメントのSealion 05 EVを正式発売しました。日本導入にも大いに期待したいコンパクトなサイズ感も含めて、そのコスト競争力の高さを分析します。 まず、BYDは2025年に突入してから、 ・自動運転システム「God’s Eye」の全モデル導入 ・車載ドローンシステム「Lingyuan」 ・メガワット充電システム「スーパーeプラットフォーム」 という最新テクノロジーを発表しました。 そして3月中には、 ・Yuan Plusのモデルチェンジバージョンの発売 ・Han LとTang Lの正式発表 ・DenzaのフラグシップSUVであるN9の発売 ・大衆セダンQin L EVの正式発売 ・ハイエンドブランドYangwangの超高級セダン「U7」の発売 ・Fang Cheng BaoのコンパクトオフロードSUV「Tai 3」の発表 など、最新テクノロジーとともに新型EVを矢継ぎ早に発表しています。 そして今回発売したのが、大衆SUVのBEVであるSealion 05 EVです。BYDはOceanシリーズについて、セダンはシール、SUVはSealionに統一しながら、サイズが大きくなるごとに05/06/07/08/09と命名。よって今回のSealion 05 EVは、OceanシリーズのなかでもっともコンパクトなBEVのSUVということになります。またSealion 05 EVは、王朝シリーズのYuan Plusの兄弟車でもあります。 Sealion 05 EVは、全長4520mm、全幅1860mm、全高1630mm、ホイールベースが2720mmというコンパクトSUVセグメントであり、リヤにモーターを搭載した後輪駆動です。兄弟車であるYuan PlusはFWDであり、ここが大きな相違点です。よって、最小回転半径が4.65mと軽自動車を凌ぐ小まわり性能を実現しています。PHEVモデルのSealion 05 DM-iの最小回転半径が5.8m、Yuan Plusも5.3mであることから、パワートレインをリヤに移動させた分だけタイヤの切れ角を大きくすることに成功しています。 さらに、110リットルという大容量トランクを採用。たとえばテスラ・モデル3のトランク容量が88リットル、モデルYが116リットルであることからも、コンパクトSUVとしては広大な容量を確保していることがわかります。また、60.928kWhのLFPバッテリーパックを車両の構造として利用するセルトゥボディを採用。その上、Sealion 07 EVから採用を始めたeプラットフォーム3.0 evoを採用することで、急速充電性能を大幅に改善。最大400Aの電流値、最大156kWという充電出力に対応可能です。Yuan Plusは最大でも85kWまでしか対応することができていないことを踏まえると、充電性能を大幅に進化させてきているのです。 さらに、Sealion 05 EVには全グレードでDi Link 100と呼ばれるスマートコクピットシステムを採用。DeepSeekとの統合も含めて、音声認識や将来にわたるOTAアップデートに対応します。 また、God’s Eye […]

TAG: #SUV #新型車
TEXT:高橋 優
BYDがまさかの水平対向エンジンを搭載! 誰も追いつけないバカッ速セダン「U7」の驚異の中身

BEVとEREVをラインアップ BYDの高級ブランドYangwangがフラグシップセダンのU7を発売しました。世界初となる完全な電磁サスペンションを採用しながら、中国メーカーとしては初めてとなる水平対向エンジンも採用するレンジエクステンダーシステムを開発。EV時代に世界をリードしているBYDの最前線を解説します。 まずYangwangについて、すでに大型SUVのU8、スーパースポーツのU9を発売中です。U8はレンジエクステンダーEV(EREV)であり、4輪にそれぞれモーターを搭載することでタンクターンなどを可能とする「e4プラットフォーム」を採用。さらに、「Disus-P」という独自内製の油圧制御サスペンションを採用することでオフロード走破性能を高めることに成功。そのうえ、緊急フロート機能では、30分間、水上を浮遊しながら、タイヤの駆動力を使って移動することが可能です。 U8は、2024年シーズンに7245台を発売することに成功しました。U8は109.8万元(約2200万円超)という超高級車であり、この販売台数はメルセデス・ベンツGクラス(5258台)とメルセデスAMG G(1863台)の合計や、レクサスGX(2990台)とLX(2674台)の合計台数と比較しても上まわっているという売れ行きです。 次に、U9はe4プラットフォームを採用しながら、さらにDisus-Xと名付けられたボディコントロールシステムを採用することで、サーキット走行などにおける車両の安定的な制御をはじめとして、タイヤがひとつ外れた状態でもボディを安定させて走行させることが可能です。 また、最高出力960kW、最大トルク1680Nm、0-100km/h加速も2.36秒を実現。ニュルでも7分17秒9というタイムを実現するなど、高い運動性能を発揮します。 そして、今回発売したのがフラグシップ大型セダンのU7です。U8・U9と同様にe4プラットフォームを採用したBEVであるとともに、EREVもラインアップ。 このラインアップ構成で問題となるのが、50kWh以上の電池パックと4つのモーター、そして発電用の内燃エンジンをすべて搭載して、そのうえでセダンとしてのプロポーションを維持する必要があり、スペース効率を引き上げる必要があるという点です。 そして、BYDが初めて採用したのが発電用水平対向エンジンです。現在水平対向エンジンはポルシェとスバルくらいしか開発しておらず、中国メーカーとしては初めて採用してきました。水平対向エンジンの強みは、高さを抑えることによって、そのぶん重心点を引き下げられる点です。 その一方で、BYDがなぜ重心の低いEVのために、わざわざ水平対向エンジンを開発してきたのかというと、ボンネットの高さを抑えるためという点が挙げられます。U7はセダンでありながら、フロントにモーターをふたつ搭載する必要があり、高さ方向を抑えないとセダンとして成立しなくなるからです。 もちろん前面投影面積を抑えることは、EVの航続距離を改善するうえで極めて重要です。実際にU7は、空力性能を最大化することでCd値は0.195を実現しており、世界最高クラスの空力性能を誇ります。 いずれにしても、e4プラットフォームと空力に優れるセダン、そしてBEVとEREVを両方ラインアップする必要があるという点をすべて両立させるために、水平対向エンジンを一から設計開発する必要があったのです。

TAG: #セダン #新型車
TEXT:高橋 優
またもBYDがやってくれた! 高級ブランド「Denza」のフラッグシップSUV「N9」が驚異の安さで爆誕

Denzaの大型SUV「N9」が発売 BYDの高級ブランドDenzaがフラグシップ大型SUVのN9の正式発売をスタート。タンクターンや4.65mの最小回転半径、エルクテスト時速85km超などというスペックを実現してドイツ御三家との競争が激化するという最新動向を解説します。 まず、中国BYDの高級ブランドであるDenzaは2010年にメルセデス・ベンツと合弁して立ち上がった高級ブランドだったものの、これまで目立った実績を上げることができていませんでした。そこでBYDは、メルセデス・ベンツとの合弁比率を大幅に見直して9割のシェアを獲得しながら、2024年中にもBYDが完全子会社化を完了することで、BYDの高級ブランドとしてリブートさせた格好です。 このグラフはDenzaの月間販売台数の変遷を示したものです。ミニバンEVのD9を中心に、ミッドサイズSUVのN7、さらにフラッグシップセダンとなるZ9とZ9GTも投入しました。 とくにZ9GTから採用されたe3プラットフォームでは、最高回転数が2万1000rpmの高性能モーターを3つ搭載するというトライモーター仕様、高効率なセルトゥボディ、後輪操舵機能を組み合わせた最新システムです。また、PHEVモデルでは熱効率44.13%を実現する2リッターのPHEV専用エンジンも搭載されています。 よってZ9GTは最高出力640kW、最大トルクも1035Nm、最高速も230km/hとパフォーマンス性能を向上させながら、WLTCモードにおける燃費性能は6.6L/100kmを実現。これはメルセデス・ベンツEクラスの2リッターエンジンを搭載するPHEVと同等の燃費ですが、Eクラスは313馬力しか発揮することができないものの、Z9GTのPHEVバージョンは870馬力を発揮可能です。 そして、今回Denzaが発売をスタートしたのがN9と名付けられた大型SUVの存在です。N9は全長5258mm、全幅2030mm、全高1830mm、ホイールベースが3125mmという、3列シートを搭載する大型SUVのPHEVです。 e3プラットフォームを採用することで、最高出力680kW、最大トルク1035Nmを発揮。それによって0-100km/h加速も3.9秒を実現しています。また、47kWhもの大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離はWLTCモードで145kmを確保。最大100kW級の急速充電に対応しながら、V2L機能も6kWをサポートしています。 さらにDisus-Aと名付けられた、BYD独自内製の連続可変ダンピングコントロール付きデュアルチャンバーエアサスペンションを標準搭載。最低地上高も220mmを確保しながら、最大渡河性能も550mmと、本格オフロードSUVとしての悪路走破性も実現しています。さらに、最小回転半径も4.65mと、全長5.2m超えの大型SUVとしては思えない取りまわしを実現。安全性という観点でも9つのエアバッグを標準搭載しながら、高張力鋼の配合割合も90%超、最大2000MPaもの超高張力鋼も採用することで堅牢性を確保しています。 そのうえ、安全性という観点に追加して、3つのモーターを制御することによって、時速180kmでタイヤがパンクしたとしても安全に停車可能。さらに、時速144kmでカーブを走行していたとしても安全に停車可能という、その優れたモーター制御システムもアピールされています。 自動運転については、God’s Eye Bと名付けられたLiDARとNvidia Drive Orin-Xプロセッサーによって、信号の右左折やラウンドアバウト、障害物に対する回避挙動などを含めたシティNOAに対応可能です。 インテリアには17.3インチの巨大なセンタースクリーンや助手席、2列目向けのディスプレイも搭載しながら、シートマッサージなどに対応する高級ナッパレザーシートを採用。フランスのDevialet製の26スピーカーシステムや冷温庫も搭載しています。このようにして、現在ますます激しさを増すプレミアムセグメントのEVとして、現状考えられうる装備内容を完全網羅してきているのです。

TAG: #Denza #N9 #SUV #新型車
TEXT:高橋 優
トヨタはEV「も」本気! ランクルやハイラックスも含めて新型EVが続々登場する!!

2026年末までに6車種の新型EVを投入 トヨタが欧州市場において年次製品戦略イベントを開催し、最新のEV戦略を発表しました。2026年末までに、ランドクルーザーEVを含めた合計6車種のBEVを投入する方針を表明しながら、レクサスからもステアバイワイヤーなどの最新テクノロジーも発表されました。とくに注目するべきはトヨタブランドにおいて、2026年末までに6車種の新型BEVを投入する方針を表明した点です。 まずはbZ4Xの2026年モデルとして、EV性能や装備内容を大幅にアップデートした改良モデルを投入します。現在、bZ4XはDセグメントの電動SUVというカテゴリーにおいて欧州トップ5の人気を誇っているものの、電費や冬場の充電性能などの問題点が指摘されていました。そこで新型bZ4Xでは、57.7kWhと73.1kWhのふたつを設定することで、さらにユーザーのニーズをカバーします。また、より高効率な炭化ケイ素インバーターを採用することで効率性だけでなく動力性能もアップ。AWDの場合、最高出力は252kWと、現行型の160kWと比較しても向上。よって欧州市場で重要視される牽引能力も、これまでの750kgから1500kgへと倍増されました。 さらに、エクステリアデザイン、とくにフロント部分が空力性能の最適化によって、より滑らかさを感じるデザインに変更。これによって航続距離はWLTPサイクルで最長573kmと、現行モデル比50km以上の延長を実現しました。 そして何といっても、ついに待望されていたバッテリーの温度調整システムが搭載されました。これは急速充電ステーションを目的地にセッティングすると、自動で電池ヒーターが作動して急速充電性能を最大化してくれるという機能です。さらに、手動での調整モードも用意。現行モデルで指摘されてきたEV性能の低さを改善してきた格好です。欧州市場では2025年夏頃に正式発売がスタートする予定ですが、日本国内でも導入されるはずなので期待です。 次に、bZ4Xよりもひとまわり小さいC-HR+というバッテリーEVを発表しました。C-HR+はbZ4Xと同様にe-TNGAプラットフォームを採用しながら、全長4520mm、全幅1800 mm前半、ホイールベースが2750 mmという欧州で人気のコンパクトSUVセグメントです。 電池容量について、エントリーグレードはbZ4Xと同じ55.7kWhを共有しながら、さらに77kWhのロングレンジグレードも追加し、最長で600kmの航続距離を確保。充電性能は最大150kW級に対応。 さらに、FWDだけでなくAWDもラインアップすることで、最高出力は252kWを発揮。よって時速100kmまで到達するのに5.2秒と、GRシリーズを除いてもっともパワフルなモデルになります。 C-HR+は2025年末までに欧州の一部地域において正式に発売スタートしながら、2026年にかけて欧州全土に投入されます。はたしてbZ4Xと比較してどれほど安価に発売できるのか。ハイブリッドモデルが3万3990ユーロ、PHEVモデルが3万8490ユーロで発売されていることから、3万7000ユーロあたりで発売されることが予想できるでしょう。

TAG: #新型車 #欧州
TEXT:高橋 優
日産がもの凄いEVを中国で展開し反転攻勢! ライバルを凌駕するN7の中身

N7に新規プラットフォームを採用 日産が中国市場においてEVテクノロジーに関する発表会を開催しました。EV性能、自動運転、スマートコクピット分野における最新テクノロジーを結集することによって、中国市場で反転攻勢を仕掛けます。 まず、日産の中国市場における現状を紹介しましょう。このグラフは日産を含めた日本メーカー勢と中国BYDの年間販売台数の変遷を示したものです。日産の2024年シーズンの小売販売台数は約60万台となり、前年比で1.4%ものマイナス成長となりました。日産は2019年シーズン以降、一貫して販売台数が低下しており、2019年シーズンと比較すると半分ほどの販売規模にまで低下しています。 とくに日産は、中国国内で大衆セダンであるシルフィの一本足打法となってしまっており、競合車種となるBYDのQin PlusやQin LというPHEVが、そのシルフィを上まわる燃費と快適性、先進さを兼ね備えることによって、現在シルフィの販売台数が減少。それによって値引き対応を強いられている状況です。 そして日産は、2026年までに5車種もの新エネルギー車を中国国内に展開していく計画を発表しています。そして第一弾として、ミッドサイズセダンのN7の発表を行い、2025年5月中にも発売をスタートする見込みです。そのN7以降の新型EVに投入される最新テクノロジーの発表会の内容を解説していきましょう。 まず初めに、新規プラットフォームを採用する方針を表明しました。ホイールベースは2700mmから3150 mmというBからDセグメントに対応。BEVとともに、PHEV、そしてEREVにも対応可能です。 また、フロントにはダブルウイッシュボーン、リヤには5リンクを採用しながら、CDC電子制御サスペンション、およびデュアルチャンバーエアサスペンションを採用。さらに、高効率のヒートポンプシステムはマイナス30度から50度にまで対応。4つもの排熱回収モードを備えることによって、エネルギー消費量を5%節約可能です。 さらに、ファミリーセダンとしての快適性の追求を目的として乗りもの酔い対策を実施。電子制御ダンパーを活用することによって加減速におけるピッチングをコントロール。自動運転の際の加減速、停止と再発進時における車体の揺れを低減します。 そして、安全性と操縦性を向上させるために、高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合を83%にまで高めながら、最大1700MPaもの超高張力鋼を採用することによって車両のねじれ剛性は5万Nm/degを突破。これはポルシェタイカンの4万Nm/degをはるかに上まわっており、さらにシャオミSU7の5万1000Nm/degにすら匹敵するレベルです。よって、高速走行時における安定性だけではなく、車両の振動や静粛性の向上にも期待できます。

TAG: #N1 #新型車
TEXT:桃田健史
今度は韓国から「キア」のEVが日本にやってくる! タクシー需要も見込める「PV5」にかかる期待

EVバンのラインアップを日本に導入 韓国キアのEVが2026年春ごろ、日本で正規発売される。大手商社の双日が日本国内での販売総代理店契約を締結したことで実現する運びとなった。 キア(起亜)は、グローバルでの韓国自動車ブランドとしてヒョンデに次ぐ第2位の規模を誇るメーカー。会社組織としてはヒョンデ傘下であるため、EVに限らず乗用車・商用車の全般で研究開発や部品調達でヒョンデブランドと協業している。 今回、双日が日本に導入するのは、EVバンのラインアップ「PBV(プラットフォーム・ビヨンド・ビークル)」だ。 2024年1月に、米ネバダ州ラスベガスで開催されたITと家電の世界最大級見本市「CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)2024」でコンセプトモデルを世界初公開した。 PBVの特徴は、専用プラットフォームの採用により用途に合わせてレイアウトや荷室形状などをフレキシブルに設計できること。 キアとしては、2025年から中型ラインアップの「PV5」を皮切りに、大型モデル「PV7」、さらに小型モデル「PV1」を開発し販売する予定だ。 PV5には、乗用向けにも使えるパッセンジャータイプと商用重視のカーゴタイプの2通りがある。ボディ寸法は、全長4700mmx全幅1900mmx全高1900mmで、ホイールベースは3000mm。

TAG: #PBV #新型車
TEXT:桃田健史
小型車最強のスズキがEVを発表! フロンクス同様にインド生産の「e ビターラ」は期待の1台!!

EVでもスズキらしい走りを実現 ついに、スズキがバッテリーEVの量産モデルを公開した。モデル名称は「e VITARA(ビターラ)」。初お披露目の場は、ファッションやデザインの領域で世界最先端の場のひとつとされる、イタリア・ミラノであった。 実車は欧州向けで、そのボディ寸法は全長4275mmx全幅1800mmx全高1635mm、ホイールベースは2700mm。電池容量は49kWhと61kWhの2種類。49kWh版は2WDのみで、フロントモーター出力は106kW。61kWh版は2WDが128kW、4WDがリヤ48kWを加えた300kWとなる。バッテリーはコストと生産性を考慮した、リン酸鉄リチウムイオンを採用する。 また、プラットフォームは、軽自動車から乗用車での知見を積み上げた「HEARTET」をEV向けとして新開発した「HEARTECT-e」を名乗る。 4WDについては、これもスズキの知見を駆使した「ALLGRIP」を「ALLCRIP-e」とした。モーターとデファレンシャルギヤを一体化させたeアクスルを前後それぞれに採用する。これにより、悪路で片輪が浮いた状態でも、LSD機能で駆動を制御するTrailモードを設定し、スズキらしい走りを実現しているという。

TAG: #e VITARA #新型車
TEXT:TET 編集部
2025年のBYDの見どころはフラッグシップSUV「シーライオン7」の導入だけじゃない! PHEVモデルも日本市場に殴り込み

新型クロスオーバーe-SUV「シーライオン7」を日本導入 2025年1月24日、中国の自動車メーカーであるBYDの日本法人BYD Auto Japanが、日本に導入する4番目のEVモデルとして、新型クロスオーバーe-SUVの「SEALION 7(シーライオン7)」を、2025年4月から全国のBYD正規ディーラーで販売を開始すると発表した。 先ごろ開催された東京オートサロン2025で日本初公開となったシーライオン7は、伸びやかでエレガントな外観が特徴のクロスオーバーe-SUVだ。海洋生物の自由さや美しさから着想を得てデザインされたというBYDの乗用車「海洋シリーズ」に含まれるモデルで、シーライオン7はそのトップモデルに位置する。 それだけに、ボディは全長4830mm、全幅1925mm、全高1620mmの堂々としたサイズになっている。他社ではレクサスRZやメルセデス・ベンツGLCと近しいサイズで、要はクロスーバーSUVらしいワイド&ローなフォルムを持っているということだ。 シーライオン7は4月の販売開始時点でふたつのグレードを設定する予定。ひとつはリヤに最高出力230kW、最大トルク380N・mのモーターを搭載する後輪駆動モデルの「シーライオン7」で、もうひとつはフロントにも最大出力160kW、最大トルク310N・mのモーターを備えた四輪駆動モデルの「シーライオン7 AWD」だ。 バッテリーはグレードに関わらず、総電力量82.5kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載する。システム最大出力の違いから、一充電走行距離は後輪駆動モデルのシーライオン7が50kmほど長く、590kmとなる模様。 このあたりの細かな数値に関しては、2025年1月24日時点の情報となり、実際の販売時には多少数値が異なってくる可能性がある。そのため、あくまでも参考数値として捉えていただきたい。 BYDのPHEV車両が日本に初導入される さて、BYDからはもうひとつ重要な発表があった。具体的な車種名は言及されていないが、BYDのプラグインハイブリッド車両(PHEV)を日本に導入することが今回明らかにされた。これまではバッテリーEV(BEV)のみを日本展開していたBYDだが、今後はPHEVをそのラインアップに加えることで選択肢を広げ、さらなる顧客拡大を期待する。 BYDのPHEVは、高効率のPHEV専用エンジンとモーター、ハイブリッド専用の変速機、最新のバッテリーマネジメントシステムなどが連携した「DM-i(デュアルモード・インテリジェント)」と呼ばれるシステムを搭載し、優れたパワーと燃費性能を両立しているのだという。 具体的な導入時期や詳細については後日案内するとされたが、国内100拠点のディーラー整備と並行し、これまでのBEV一辺倒の体制からPHEVも加えた車種ラインアップの拡充で、日本市場への攻勢を一層強める構えだ。 なお、BYDは中期的にはこれらBEVとPHEVを組み合わせ、7~8モデルを日本市場向けにラインアップする意向であることも同時に発表している。 2025年もシーライオン 7の発売開始を手始めに、BYDの存在感は増していきそうだ。

TAG: #BYD #シーライオン 7 #新型車
TEXT:高橋 優
中国車との兄弟車と噂される日産N7! 中国で起死回生の1台となるか?

N7はeπ007のリバッジモデルである可能性が高い 日産の新型ミッドサイズEVセダンのN7について、中国の合弁先であるDongfengのリバッジモデルである可能性が報道されています。詳細なEV性能をはじめとして、日産の中国市場における最新動向を分析します。 11月中に開催されていた中国のGuangzhouオートショーにおいて世界初公開された日産N7は、全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベースが2915mmという中大型セダンセグメントに該当します。さらに、N7には高級シートを採用したり、中国の自動運転スタートアップMomentaと開発した高性能ADASの搭載が発表されています。これは中国市場におけるトレンドをキャッチアップしており、2025年初頭にも発売される見通しであることからも、N7に対する期待が高まっていました。 とくに日産は中国市場の販売割合がグローバル全体の25%程度を占めており、北米市場に次いで非常に重要なマーケットであることから、中国を捨てるわけにはいきません。直近の2024年Q3の中国国内の販売台数は13.6万台であり、前年同四半期で-16.7%と急速に販売台数が低下中です。さらに日産が現在ラインアップしているBEVのアリアは、10月でたったの19台しか売れておらず、EV販売という観点で根本的な問題を抱えてしまっています。いずれにしても、中国市場における販売台数とEV販売をテコ入れするという観点で、この新型EVセダンのN7は、2025年シーズンの日産にとって重要な一台となり得るのです。 そして、新たに判明したN7の最新情報として、複数の現地メディアがN7には兄弟車が存在すると指摘しています。これは、合弁先のDongfengがすでにラインアップしているEVセダン、eπ007のリバッジモデルなのではないかという点です。 このeπ007は全長4880mm、全幅1895mm、ホイールベースが2915mmと車両サイズがN7と酷似しています。さらに、車内中央に配置された15.6インチのタッチスクリーンもN7に搭載されているセンターディスプレイとまったくく同じサイズです。 その上、中国EVに必須となっている、サッシュレスドア、および格納式ドアハンドルのデザインもeπ007とまったく同じデザインです。 いずれにしてもこれらの観点から、日産の新型EVセダンであるN7は、日産が独自に開発したEVではなく、合弁先であるDongfengのEVセダン、eπ007のリバッジモデルなのではないか。つまり、マツダEZ-6とDeepal SL03との関係性と同じように、中国製EVのガワだけを変えたモデルである可能性が濃厚ということになるのです。 今回注目されているeπ007のスペックを概観しましょう。まずはBEVとともに中国市場で急速に人気が高まっているレンジエクステンダーEVもラインアップしているという点が重要です。EREVの場合28.4kWhバッテリーを搭載することでEV航続距離200kmを確保。45リットルのタンク容量を活用すると最大航続距離は1200kmを実現しています。BEVの場合、最大70.26kWhバッテリーを搭載することで620kmの航続距離を確保。Cd値が0.209と優れていることもあり電費性能も比較的優秀です。 また、AWDグレードの場合、デュアルモーターシステムによって最高出力400kW、最大トルクも640Nmを発揮。0-100km/h加速も3.9秒と俊敏です。 さらに最小回転半径は5.6m、20ものスピーカーシステムを搭載。1.8平方メートルという巨大なガラスルーフ、高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合も71.5%と、衝突安全性を意識したボディの堅牢性を確保しています。 そして肝心な値段設定について、BEVとEREVともに日本円で280万円を実現しており、N7もコスト競争力の高い一台として期待することが可能でしょう。

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