#充電インフラ
TEXT:TET 編集部
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始

アプリもカードも不要で充電できる 電気自動車向け充電サービス「Terra Charge(テラチャージ)」を展開するTerra Chargeが、「プラグアンドチャージ」技術の導入に向けた取り組みを本格化し、2025年度より対応機種の充電器設置を開始すると発表した。 プラグアンドチャージとは、充電カードやアプリでの認証が必要だった従来の充電方法に対し、EVに充電プラグを接続するだけで充電・決済が可能となる技術。業界全体の課題となっているEVの充電体験の向上において、充電の手間が大きく軽減する画期的なものだといえるだろう。 プラグアンドチャージの実現には、充電器メーカー、自動車メーカー、そして充電サービス事業者間でのデータ連携が不可欠であるが、Terra Chargeでは充電器メーカーと協力し、プラグアンドチャージ技術の実用化を目指した共同開発を進めるとしている。 Terra Chargeによるプラグアンドチャージ対応EV充電器の設置は2025年から全国において開始されるが、プラグアンドチャージ機能の提供は追っての開始になるという。また、将来的にはすべての新設充電器をプラグアンドチャージ対応機種にするとのことだ。 多少なりとも煩わしさを感じることを否めないEVの充電が、プラグアンドチャージ技術の実装によってより快適なものになることを期待して待とう。

TAG: #EV充電器 #プラグアンドチャージ #充電インフラ
TEXT:TET 編集部
もっとも効率良い充放電を勝手にマネージメントしてくれる「ニッサン シェアエナジー」の提供開始

車両と建物の電力使用状況に応じて受給電タイミングを最適化 日産自動車は2024年2月2日 、 電気自動車(EV)の魅力をさらに向上させる商品として、 EVのバッテリーを蓄電池として充放電制御を行う日産独自のエネルギーマネジメントを活用したサービス「ニッサン エナジーシェア」の提供を、同年3月1日より開始すると発表した。 日産はこれまで、福島県浪江町などにおいて、EVの充放電を自律的に行う独自の制御技術を用い、エネルギーの効率的な活用の検証を行ってきた。「ニッサン エナジーシェア」は、 これらの検証を通して培った技術や知見をもとに、ユーザーのニーズや状況に応じた最適なエネルギーマネジメントサービスを、企画から構築、保守運用までワンストップで提供する、主に法人や事業者、自治体に向けて行うサービスだ。 EVのバッテリーは、クルマの動力源としてだけでなく、移動可能な蓄電池として、建物や地域へ電力を供給することが可能だ。「ニッサン エナジーシェア」は日産独自のエネルギーマネジメント技術「インテリジェント・チャージング・マネージメントシステム」の採用により、充電器もしくは充放電器に接続した充放電制御システムが、クルマの使用予定やバッテリー残量、建物の電力使用状況をリアルタイムに把握しながら、最適な受給電タイミングを自律的にコントロールする。これによりクルマとしての利便性を損なうことなく、電力のピークシフトやピークカットを図っている。 また、太陽光パネルなどで作られた再生可能エネルギーと連携させることで、エネルギーの地産地消や脱炭素化にも貢献。クルマの使われ方を熟知した日産だからこそ可能な、EVの価値を最大限に引き出すエネルギーマネジメントの仕組みだ。 ニッサン エナジーシェアの主な特長とは? ・スマート充電による ピークシフト 建物の電力消費状況と、EVのバッテリー残量や使用状況を把握し、EVへの充電タイミングを賢く制御する。複数のEVを保有している場合でも、建物の電力使用に影響を与えることなく、安心してEVを使用することが可能。 ・放電マネジメントによるピークカット 建物の電力需要が高まる時間帯に、EVから建物へ電気を戻すことで施設電力のピークをカットし、電力使用量を抑えるとともに、電気料金の削減にも貢献。 ・ 再生可能エネルギーの有効活用 建物などに太陽光パネルが設置されている場合、太陽光発電との連携が可能。太陽光での発電量が多いときには積極的にEVへ充電し、その電力を夜間に建物へ給電するなど、太陽光の発電状況に応じた受給電を効果的に行う。これにより、企業が自らの事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブ「RE100」への貢献にもつながる。 主なサービスは以下の3点だ。 1.コンサルテーション 要件定義、現状調査、ソリューションの提案や導入効果の試算など 2.システム構築 推奨機器の選定や施工業者の手配、システム初期設定や進捗管理など 3.保守運用 定期点検、トラブル対応や、稼働モニタリングによる効果分析、改善提案など 利用ユーザーの導入目的に応じた最適なソリューションの提案から、機器や施工業者の選定、補助金の申請など、スムーズな導入をサポート。導入後の保守運用や状況変化に応じた改善提案まで、ユーザーごとに異なる価値の実現をワンストップサービスで提供してくれる。 日産はエナジーシェアについて「EVのリーディングカンパニーとして、EVの開発・販売にとどまらず、世界で初めてとなるV2H(Vehicle to Home)の市場投入や、バッテリーの二次利用を行う4Rエナジーの設立など、持続可能な社会の実現を目指し、クルマのライフサイクル全体で、日産ならではの価値を提供してきました。引き続き、移動と社会の可能性を広げる、さまざま な取り組みや実証実験を通して、カーボンニュートラルの実現と、未来のまちづくりに貢献してまいります」とコメントしている。 また、日産は2024年3月から広島大学とともに、2030年までにキャンパスで使うエネルギーのカーボンニュートラル実現を目指す産学官民プロジェクト「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」の一環として、広島大学東広島キャンパス構内において「ニッサン エナジーシェア」を導入すると発表している。 企業・自治体でEVを複数の利用者でシェアする場合、保有者自身が充電タイミングと蓄電池としてのEV利用のバランスを適切に判断することは難しいが、こうして車両と建物側の利用状況に応じた充放電管理の仕組みをワンストップで組んでくれるのであれば、余計な手間をかけずにEV導入のメリットを最大化しつつ効率的な電力使用量の抑制が図れるのではないだろうか。EV導入企業は一度検討されることをおすすめしたい。

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東北自動車道・西那須塩原ICと「那須千本松牧場」(photo=磐城 蟻光)
TEXT:福田 雅敏/岩城 蟻光
降りて2分で爆速チャージ……パワーエックス、「西那須塩原IC」近くに150kWの充電器[2023.11.13]

10分の充電接続で130km分の電力を充填可能 高速道路の「充電退出」を見越したインフラ 【THE 視点】パワーエックス は、ホウライが運営する「那須千本松牧場」<栃木県那須塩原市>に、最高出力150kWのEV充電スポット「那須千本松牧場チャージステーション」を2023年12月にオープンする。 同社初の「経路充電拠点」となるステーションで、東北自動車道・西那須塩原ICから2分の場所に位置している。ICからアクセスも利便性も高い充電スポットと言えよう。東北方面や首都圏へのアクセスのための利用はもちろんだが、那須周辺の観光スポットに訪れる際の利用にも適している。 ステーションは「那須千本松牧場・第1駐車場内」に導入される。蓄電池式の超急速EV充電器「ハイパーチャジャー・スタンダード 」1基を導入。充電規格は「CHAdeMO」に対応し、2台の同時充電が可能で24時間営業となる。2023年12月中の運用開始を予定している。 最高出力150kWの速度は相当なもので、10分の充電時間で130km分を充填可能だ(対応車種は要確認)。専用アプリを使用し事前予約をすれば、待ち時間なくスムーズに充電が出来る。一般の急速充電器にある「充電1回30分まで」という規制(30分ルール)はなく、最大60分まで充電接続が可能。電欠ギリギリで充電を開始しても十分な量を回復することができるだろう。 パワーエックスは超急速充電器の設置に積極的だ。アウディの正規ディーラー「アウディ八王子」や[詳細はこちら<click>]、東京・南青山と目黒のビル駐車場にも導入済み[詳細はこちら<click>]。今後2023年末までに「新丸の内ビルディング」や「成田空港第1ターミナル」などを含む約10拠点のチャージステーションを拡大する予定である。 以前本欄でも紹介したが、経産省が主導するEV用充電器の設置に関する今後の計画の中で、超急速充電設備の拡充や、充電のための高速道一時退出を許可する制度の構築を打ち出している[詳細はこちら<click>]。 今回のパワーエックスの発表は、経産省の指針や制度変更などを見越したものと見て間違いないだろう。西那須塩原ICから2分の位置で「30分ルール」がなく最高150kWの急速充電ができるのは画期的。さらに言えば、パワーエックスは従量課金制の導入といった新たな運用方式を採用している。充電インフラの新機軸を構築しようと勢いづいているように映る。 近年のEVは、航続距離の延伸とともにバッテリーの搭載量(容量)が増えてきている。「充電には時間がかかる」というイメージを崩すためにも、パワーエックスの今後の展開を応援したい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ウーバー・ハイヤー」にテスラ車 ……ウーバージャパンは、タクシー企業の日の丸交通と連携し、アプリからハイヤーを配車できる「ウーバー・プレミアム」を11月10日より開始する。車両タイプが選択可能で「プレミアムEV」に「テスラ・モデルY」を導入する。 ★「MINIカントリーマン」の生産が開始 ……BMWのライプツィヒ工場で、SUV型の新型EV「カントリーマンSE・オール4」の生産を開始した。同工場は、BMWの「i3」の生産も担った歴史を持つ。 ★硫酸化物固体電解質の新しい生産技術の開発に成功 ……AGC(旭硝子)は、車載用全固体電池の材料として有力視される「硫化物固体電解質」の新生産技術の開発に成功した。ガラスと化学の技術を融合させた独自の溶融法を確立したという。 ★オペル、新型商用EV「コンボ・エレクトリック」を発表 ……小型の商用EVバンとなる。最高出力100kW(126ps)のモーターを搭載し、航続距離は330km(WLTP値)。100kWの急速充電に対応し、バッテリーの電力を30分で80%まで回復が可能。 ★宮古島にEVトゥクトゥク ……旅行会社のH.I.S.は、3輪の自動車「EVトゥクトゥク」のレンタルサービス「エモビ」を沖縄県久米島・宮古島に導入する(11月15日から)。サービス拠点は「リゾートホテル久米島アイランド」と「ウォーターマークホテル&リゾート沖縄宮古島」の2ヵ所。料金は3,000円/時から。 ★「人力シリーズハイブリッド」のEVバイクが特許 ……ペダルで発電機を回しモーター・タイヤを駆動するエンネの特定原付「T250」が特許の登録を完了させた。自転車型のEVバイクで、バッテリーによるEV走行のほか、ペダルで発電機を回しモーター・タイヤを駆動するユニークな機構を持つ。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.13]

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TEXT:烏山 大輔
パワーエックス社が従量料金制の充電事業を開始!再エネ100%電力による充電も可能

パワーエックス社は、10月26日より自社運営によるEV充電事業「PowerX チャージステーション」を開始した。専用アプリを使用し事前に予約もできるなどとても使い勝手の良い充電サービスだ。 予約可能で「充電待ち」なし 今回オープンしたチャージステーションは東京の南青山と目黒の2拠点。年内に丸の内や成田空港などの10拠点に、来年には100拠点に拡大していく計画だ。 都市部の集合住宅に住んでいるEVユーザーは、近くの急速充電器で充電するパターンが多いと思うが、その場合にネックとなるのが、他のユーザーが既に充電中の場合に、充電待ちが発生することだ。 パワーエックス社の充電サービスは、専用の「PowerX アプリ」を使い、利用の3日前から予約が可能なため、充電待ちを避けられる。予約時間は30分、45分、60分の3種類から選択可能だ。 予約した時間は、駐車スペースを確保できるため、60分の予約をして食事に向かい、充電を30分で終わらせたとしても、残りの30分間はクルマを停めておいたままでも良い。食事の途中でクルマに戻り、一般の駐車スペースに移動させなければならないということはない。 もし追加で充電をしたい場合は、予約している時間内であれば、アプリ操作とプラグを挿しなおすことですぐに充電を開始できる。 この充電サービスは毎月支払う固定費は無料。充電した分だけ支払う従量料金制を採用しているため、車両側の充電能力の差による不公平感もない。充電中は、アプリで充電できた量と料金、車両のバッテリー残量(SOC)をいつでも確認できる。目標の充電に達したらアプリ側で充電を終了させることも可能だ。 充電料金は、アプリに登録したクレジットカードから自動決済される。クレジットカードや自動車メーカーなどが発行する充電カードを手元に用意する必要もなく、スマホだけで予約から充電、決済までを完結させることができる。 同社が「国内最速クラス」と謳う最大150kWの超急速充電が可能で、クルマによっては10分間で約130km分をチャージできる。2台同時充電の場合でも、両車ともに最大120kWでの充電が可能だ。

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FOMM ONE(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
出光、EV新興のFOMMとともにバッテリー交換式EVの事業化を検討[2023.10.30]

多角的に事業を展開することで次世代への対応を早める出光 バッテリー交換式はインフラのひとつとして普及する可能性 【THE 視点】出光興産と新興EVのFOMMは、EV事業の協業に関する覚書を締結した。出光のサービスステーション(SS)ネットワークを活用し、EVのメンテナンスや軽自動車向けEVコンバージョンサービス体制の構築などを検討する。 FOMMは、小型EVの企画・開発メーカー。同社が開発した軽自動車規格の4人乗り小型EV「FOMM ONE」の販売を2019年からタイで開始し、2021年からは日本において販売を開始している。今後、出光と協業するということは、FOMMの販売体制の強化も意味することになる。 協業検討項目をまとめると以下となる。 1  「FOMM ONE」のメンテナンス等のアフターサービス 2  FOMMのバッテリー交換式コンバージョンEV事業における販売/改造業務/アフターサービス 3  SSネットワークを活用したFOMMのバッテリー交換ステーション事業の展開に関する検討 4  FOMMが将来的に量産を計画する新型車両の展開における連携可能性の検討 出光は系列SSを通じて給油に留まらない車検や整備等のカーケアサービスを手掛けてきた。新車販売台数の半数以上が電動車(ハイブリッド車含む)となっている現在の環境を踏まえ、電動車のメンテナンスを含むアフターサービス需要が今後加速すると予測している。このような環境の変化に対して、出光はバッテリー交換式EVに関する技術と知見を有するFOMMと協力して、EVに関連する多様なサービスとネットワークの拡充を目指す。 出光は新事業の開拓を加速している。カーコーティングの専門店を開いたり[詳細はこちら<click>]、トヨタと全固体電池の開発で協業したり[詳細はこちら<click>]、双葉電子とともに国産ドローンの開発を行なったり[詳細はこちら<click>]と、EVを含めた新時代のモビリティに対応できるよう多角的に事業を計画・実行している。 今回の発表で気になった点は「バッテリー交換EV」の事業化である。現在開催中の「ジャパン・モビリティ・ショー2023」にFOMMが出展しており、「FOMM ONE」のバッテリー交換型が展示してあったのだ。リアバンパー中央の黒い部分にバッテリーを搭載しそこから交換するという仕組み。「FOMM ONE」は水に浮いて走る(推進する)EVとしても知られている。バッテリーの防水性にも自信があるのだろう。 また、三菱ふそうやいすゞが小型トラックでのバッテリー交換のデモを行なったほか、ホンダも自社の交換式バッテリーを搭載した車両を展示。カワサキやEVスクーターのベクトリクスなども電池交換式を展示していた。 筆者も十数年前にバッテリー交換式のEVタクシーの実証試験をした経験を持つ。当時と比較して、バッテリーの性能向上や充電設備の拡充といったEVを取り巻く環境変化があったにも関わらず、ここに来て大手各社がバッテリー交換式に手を出すということは、今後トレンドの一つになるということを示唆しているのではないか。 各メーカーが計画する交換システムも自社のみで開発を行なわず、専門業者などとの協業で事業化を目指しているところも興味深い点だ。バッテリー交換というビジネスモデルが出来つつあると言える。数年後には、充電インフラのひとつのカタチとして認識されているかもしれない。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★パワーエックス、超急速充電サービスが稼働 ……最高出力150kWの公共急速充電サービスを開始した。10月26日より「シェアグリーン南青山」<港区青山1−12−32>と、「目黒セントラルスクエア」<品川区大崎3-1-1>が稼働している。2023年末までに、「新丸の内ビルディング」<千代田区丸の内1-5-1>と、「成田空港第1ターミナル」<P1駐車場1階>も稼働予定。10分の接続で約130km分の電力を充電できる充電サービスとなる。 ★★ルノー、次世代のモーターを採用へ ……仏自動車部品メーカーのヴァレオと共同開発した次世代モーター「E7A」を発表した。2027年より導入する。「E7A」は巻線ローターを使用したレアアースフリーのモーターで、現在のものよりも30%コンパクトだという。 ★ヤマダ電機の住宅ローンでEVの購入が可能に ……ヤマダデジタル会員向けのネット銀行「ヤマダ NEOBANK」の「ヤマダ NEOBANK住宅ローン」にEVやV2H機器の組み込みが可能となった。住宅からEVまでワンパッケージで購入できることとなる。 ★超急速充電サービスにグリーン電力 ……最高出力150kWの急速充電サービスを開始したパワーエックスは、クリーンエナジーコネクトと「バーチャルPPAサービス」の契約を結んだ。クリーンエナジーコネクトがパワーエックス専用に太陽光発電システムを構築し、充電サービスにグリーン電力を供給する。 ★会津若松市の循環バスがEVに ……福島県会津地方でバス事業を展開する会津乗合自動車(会津バス)は、会津若松市内を走るまちなか周遊バス「あかべぇ」に2台のEVバスを導入した。車両は「BYD・J6」。JR会津若松駅〜鶴ヶ城〜七日町といった主要観光スポットを通る。 ★パナソニック、千葉県市川市で充電インフラの整備を促進 ……「日常生活圏のどこでもEV充電ができる」をコンセプトに展開しているEV充電器のシェアリングサービス「エブリワ・チャージャー・シェア」のモデル地域を市川市に選定した。まずは、市の公共施設にEV用充電器を設置する。 ★アクスル、フォロフライのEVを導入 ……社用車として「フォロフライF1バン」を10月から1台導入した。国内初の1トンクラスのEVバンとなる。アクスルは配送車のEV化を進めているが、フォロフライの導入は初。今後積極的な導入に向けて検討するとのこと。 ★チューリング、自動運転EVのコンセプトカーを発表 ……完全自動運転EVへのマイルストーンとして、コンセプトカー「チューリング・マシン・アルファ」を「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で公開した。オープントップでバギースタイルをとっている。 ★太陽光発電システムが車両化 ……ポータブルのリチウムイオンバッテリー製品を展開するジャックリーは、太陽光発電のコンセプトマシン「ジャックリー・ソーラーマーズボット」を公開した。小型の自動運転EVの上部にソーラーを備えた車両で、自動で太陽光を追跡し発電する。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.30]

TAG: #THE視点 #充電インフラ #国内ビジネス
TEXT:桃田 健史
東大が実施中の国内初公道実証が国際規格化へ弾み。東大オープンキャンパスで技術詳細を聞く

夢のEV充電(給電)方法とも言われる、走行中充電(給電)。国内初の公道走行実験が行われている千葉県柏市で東京大学関係者らに実験に関する詳しい内容と、今後の見通しなどについて聞いた。 4年ぶりのオープンキャンパスで各種機器公開 東京大学が走行中充電(給電)の公道実験に乗り出した。 そんなニュースが2023年10月上旬に明らかになった。 それから数週間後の10月下旬、東京大学柏キャンパスではコロナ禍を経て4年ぶりにオープンキャンパスと呼ばれる一般公開で、各種研究所の成果を広い世代に向けて紹介するイベントが開催された。 そうした中、東京大学大学院 新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室を中心とした走行中充電(給電)のデモンストレーションが柏キャンパスで実施された。 これに合わせて、走行中充電(給電)に係わる各種車両の機器も公開され、同研究室関係者らが来場者に詳しく説明をした。 受電・送電のコイル出力は最大25kW まず、走行中充電(給電)の仕組みについて、紹介パネルには「スマホ『置くだけ充電』と同じ原理」であるワイアレス給電、と表現されていた。科学的な名称としては電磁誘導である。地中に埋めた送電コイルから、車体下部の受電コイルに対して給電する。 今回の公道実験は、国土交通省が公募した社会実験の中で「電気自動車への走行中給電による低炭素道路交通システムの実現のための実証実験」である。 送電コイルを埋設した場所は、柏キャンパスからクルマで10分ほどの距離にある、つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅近隣の商業施設「ららぽーと」前のT字路。交差点の30mほど手前だ。 送信コイルはケースの中に入れてあり、地表から約3㎝ほどの位置に設置。周辺をコンクリートで覆っている。 一般的なアスファルト舗装ではコンクリートより柔らかいため、通過交通が増えると道路表面が変形する可能性がある。 実際の作業としては、道路に長方形の大きな穴をあけて、そこに送信コイルを埋設したコンクリートの塊を重機ではめ込む。 現在、公道走行用の車両はトヨタ「ハイエース」と「RAV4 PHEV」の2台。その他、キャンパス内で走行する実験車両の合計3台が走行中充電(給電)対応となっている。 コイルの出力は1つ25kW。これを左右後輪の内側に近いサスペンションアームに取り付けてある。この位置だと、サスペンションが可動しても地上高の変化が少なく、受電・送電が安定的に行うことができる。 今回のデモンストレーションでは、出力を1.5kWに落として行った。 タイヤの内側に受電コイル装着の試験も 今回の展示では、ブリヂストン等と共同研究を進めている、タイヤ・ホイールの内側に受電コイルを設定するシステムの実機も公開された。 このシステムでは、地表との距離が短いため受電・送電の効率が安定することが考えられる。 こうした様々な方法で走行中充電(給電)について、民間企業各社や道路管理者などが共同で実用化を目指すとした。 走行中充電(給電)で重要な点は、受電・送電の出力と通過速度とのバランスだ。 通過速度が低ければ、充電(給電)する時間が長くなる。 そのため、今回の柏市内での実証実験のように、信号で止まったり、またはT字路でゆっくり走行するとったシチュエーションでの充電(給電)の効率を検証している。 実用化の可能性としては、走行ルートが決まっている路線バスが有力な候補として考えられる。 また、高速道路での可能性は、登坂車線のような充電(給電)専用で速度を落として走行する専用レーンを設ける、といったアイディアもあるだろう。 走行中充電(給電)については現在、日本のほか、スウェーデンがドイツなど欧州各国と連携する動きがある。 そうした中、国内的な技術としての規格化(標準化)に向けた動きも出てきているようだ。柏市での実証実験が、そうした国際連携の中で果たす役割は大きい。

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リマック・ネヴェーラ(photo=リマック・オートモビリ)
TEXT:福田 雅敏
3億円でも庶民派……スーパーカーの新たな価値を提示するEV「リマック・ネヴェーラ」

日本初上陸した個体は「アドリア海の真珠」そのもの スーパーカーや高級中古車の販売を手がけるビンゴは、クロアチアのハイパーEVメーカー「リマック・オートモビリ」の日本代理店を務めることとなった。それに伴い、同社の市販モデル「ネヴェーラ」が日本に上陸した。その発表会に赴いたのだが、実車を前にした感想をレポートしたい。 既に「デイリーEVヘッドライン」で何度も伝えている「ネヴェーラ」だが、日本に上陸した個体は、東欧クロアチアの美しさそのものをEVで表現していた。「アドリアブルー」と言える瑠璃色のボディカラーに、レンガ色をしたインテリアカラーは、リマックの故郷であるクロアチアの“アドリア海の真珠”と称される都市「ドゥブロヴニク」のイメージである。 上陸した個体はアドリアブルーだが、ボディカラー/インテリアカラー/ホイール/ブレーキ等のカラーは、オーナーの好みに合わせ自由に選ぶことができる。海外では2022年夏より既に納車も始まっているが、150台の限定販売となる。価格は2ミリオン・ユーロ(税別約3億2000万円)と破格である。 ニュル7分05秒298の理由はパワーだけではない 性能も破格で、およそ2,000psというとてつもない高性能パワートレインが搭載され、120kWhのバッテリーで490km(WLTP)の航続距離を持つ。その高性能ぶりの一部を紹介すると、0-100km/hは1.81秒、最高速度は410km/hに到達する。外観で目を引く専用の20インチホイールには、ミシュランの「パイロットスポーツ4S」を履いている。フロントは275/30R20、リアは315/35R20のサイズとなる。 0-100km/hもそうだが、ドイツ・ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは、量産EVの最速の7分05秒298というタイムを樹立。その秘訣はもちろん2,000psのパワーであることは間違い無いのだが、4つのホイールをそれぞれ独立制御できる「リーマック・オールホイールトルクベクタリング」と「アクティブエアロダイナミクス」と言われる空力性能に優れたボディデザインもあってこそだろう。フロントボンネットとリアウイングは可変式となって走行状態に合わせて可動するようだ。 ちなみにボディはフルカーボンのモノコック構造。高い剛性と軽量化に寄与している。5年という開発期間の中には、45回のクラッシュテストも含まれており、安全性が徹底的に検証されている。

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TEXT:烏山 大輔
東京都民は79万円で買えるかも!? ニチコンの新型V2Hは「どこでも置ける」度もアップ

ニチコン(京都市)は10月17日、東京都内で新商品発表会を開き、V2H(Vehicle to Home)システムの新商品「EVパワーステーション VSG3-666CN7」を発表した。どんな特徴があるのだろうか。 劇的な小型軽量化 V2Hとは、電動車(EVやPHEV)の充電もでき、逆に電動車の電力を家庭に給電もできるシステムだ。 新型V2Hシステムの価格は消費税、設置工事費別で128万円、来年3月に発売を予定している。 ニチコンは、2012年に世界初のV2Hシステムを発売、2019年の第2世代目(現行モデル)を経て、今回第3世代目の発表に至った。 新型の特徴はなんと言っても小型軽量化とプラグホルダのセパレート化だ。 現行モデルは、高さ855mm、幅809mm、奥行き337mm、重さは91kgだったが、新型は高さ620mm、幅470mm、奥行き200mm、重さは30.5kg(据置タイプ、壁掛タイプは29.4kg)と大幅な小型化を果たした。重さに至っては1/3と劇的な進化だ。 また、プラグホルダが別体になり、設置自由度も上がったため、スペースが限られる駐車場でも設置しやすくなった。   プラグホルダにも壁掛と据置の2タイプがある。さらに外壁に合わせて選択できるようにカラーバリエーションもシルバーとブラウンの2色を用意している。 新型はコンパクトになったが、出力は現行モデルと変わらず、6.0kVA未満(100Vで60A相当まで使用可能)を維持している。 新型は壁掛ができるようになったため、豪雨による水没被害の可能性も低減できるので安心だ。 停電時は自動で給電を開始 ニチコン独自開発の自動切替開閉器採用により、停電時は自動的に電動車からの給電を開始する。現行モデルでは切替スイッチや12Vケーブルを使用した起動動作が必要だった。 さらにこの自動切替開閉器は、V2H専用分電盤を取り付ける必要もなくなり、電力配線を簡素化できるため、施工費用の低減や設置スペースの削減も可能だ。ニチコン関係者の話によると現行モデルで40万円ほどだった施工費用を30万円ほどにできる見込みとのことだった。 新型は、新回路システム採用による効率向上も果たしているため、現行モデル比で約10%効率アップしていることも発表された。 夏の酷暑にも対応するため、動作温度範囲(使用周囲温度)の上限も10℃向上させ、50℃まで対応する。 保証についても、現行モデルは5年(沖縄・離島モデルは1年)だったが、新型は10年に倍増している。 都民は79万円で買えるかも V2Hに対する国の補助金(令和5年度事業)はすでに終了しているが、ニチコン製品はモデルによって24.9万円から75万円の補助金が交付されていた。 東京都は国とは別で、本体購入費と設置工事費の合計の1/2かつ上限50万円までの補助金が交付される。 今回の新型(128万円)が国から45万円の補助金、設置工事費が30万円だった場合、次のような計算で、東京都の補助金は34万円になるため、実費79万円で設置できる見込みだ。 158 x 1/2 – 45 = 34 158 – 45 – 34 = 79 自宅に太陽光発電があれば、その電力で昼間は自宅の電気を賄え、クルマも充電できる。夜間や停電時はクルマから給電することで通常通りの電気のある生活を送ることができる。そしてカーボンニュートラルにも貢献できる。高止まりしているガソリン価格に悩まされないこともメリットのひとつだ。 EVやPHEVにお乗りの方、または購入を検討されている方は、一緒にV2Hシステム購入も検討してはいかがだろうか。

TAG: #V2H #ニチコン #充電インフラ
TEXT:桃田 健史
EVの走行中給電を東大が日本発の公道実証実験へ 。普及が進まない背景にも迫る

東京大学大学院と民間企業各社が共同で進める「走行中給電システム」の研究が大きな転換期を迎えた。東大・柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)で日本初の「公道での実験」を開始すると、2023年10月3日に発表された。今回は量産化に向けてどのような可能性があるのか? 約5年の研究を経て社会実験へ 今回の実証は、東京大学、柏市、その他の関係機関と「柏ITS推進協議会」の枠組みによる「電気自動車の走行中給電技術開発の取り組み」として実施されるものだ。 関係機関とは具体的に、ブリヂストン、日本精工、ローム、東洋電機製造、小野測器、デンソー、三井不動産、SWCC、カーメイト、そして千葉大学の研究室を指す。 2018年から、これら関係者と東大が走行中給電システムを開発してきた。 また、2019年からは国土交通省の「スマートシティモデル事業(先行モデルプロジェクト)」の選定を受けている。 こうした共同研究開発の流れを受けて、今回の実証は国土交通省「道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」として採択され、2023年10月から2025年3月まで、柏の葉キャンパス駅西口至近の市道で実施するものだ。 3つのポイント 本実験のポイントは大きく3つある。 ひとつ目は、様々な車両で使えること。EVでも、プラグインハイブリッド車でも使用可能なシステムとした。 二つ目は、標準化を目指すこと。例えば、待機電力を極力小さくして車両検知を短時間で行う新しい車両検知システムを開発している。 そして三つ目は、コイルと路面を一体化したプレキャストコイルの耐久性を検証することだ。 こうした走行中給電の実用化に向けた新しい試みには大いに期待したいところだ。 一方で、走行中給電や、EV等の電動車における非接触給電については、2010年代前半から中盤頃と比べると、近年は実用化に向けた話題が日本国内ではあまり聞かれなくなった印象がある。 その背景には何があるのか? まず、EV等の電動車における非接触給電については、2000年代末から2010年代頭に三菱「i-MiEV」と日産「リーフ」登場した後に、各種のベンチャー企業が独自に、または大手自動車メーカー各社と共同開発する形でプロトタイプを公開した。 当時、日米欧の各地でそうした非接触給電プロジェクトについて詳しく取材した。 標準化の議論についても、米自動車技術会(SAE)の関連シンポジウムに定常的に参加して、その動向を追った。 だが、EV自体の普及がグローバルでなかなか進まない中、非接触給電の量産効果が見込めないという時代がしばらく続く。 その後、2010年代後半になり、グローバルでESG投資(環境、社会性、ガバナンスを重視する企業経営や投資に対する考え方)が拡大したことで、EV需要が一気に高まったものの、EVの搭載バッテリー量の大型化に伴い、充電については急速充電器の高出力化に重きが置かれるようになった。 直近では、2023年になってから、複数の日系自動車メーカーの電動化システム関係者に対して非接触充電の普及の可能性を聞いたところ「コストメリットと利便性において、従来の充電方式と併行して、またはとってかわって広く普及するには、まだかなり時間がかる」という回答だった。 非接触型と接触型での走行中給電 一方で、走行中充電については、非接触型と接触型の大きく2通りがある。 前者については、2010年代前半から、韓国の国立大学であるKAIST(韓国科学技術院)が精力的な研究開発を進めていた。実際、同大学の担当研究室を取材し、技術的な詳しい話を聞いた。 だが、現時点で韓国では、同技術の本格的な普及には至っていないのが実状だ。 また、接触型の走行中給電では、スウェーデン政府関連機関が高速道路の一部でパンタグラフ式装置を使った大型トラックで実証実験を行ったり、ホンダは日本国内の自動車関連施設でホンダ独自の方式で研究開発を進めているところだ。 こうした各方面での走行中給電システムに、今回の柏の葉での実証実験が加わることで、走行中給電の社会受容性の検証と、規格標準化による実用化が促進されることを大いに期待したい。

TAG: #充電インフラ #東京大学 #走行中給電
TEXT:生方 聡
2台同時の超急速充電が可能! パワーエックス社「ハイパーチャージャー」をアウディ八王子が市場初導入

2023年10月6日、移転リニューアルオープンした「アウディ八王子」に、パワーエックス社「ハイパーチャージャー」の市場第一号機が設置された。 単独で最大150kW、2台同時でも120kWの超急速充電が可能 アウディ ジャパンでは、EVを取り扱う正規ディーラーに150kWの超急速充電器「アウディ ウルトラチャージャー」の設置を進めている。これまではABB社の急速充電器を採用してきたが、今回初めてパワーエックス社の「ハイパーチャージャー」をアウディ ウルトラチャージャーとして採用した。一方、パワーエックス社にとっては、ハイパーチャージャーの市場導入はこれが第一号となる。 ハイパーチャージャーには蓄電池容量179kWhの「コンパクト」と、358kWhの「スタンダード」があり、アウディ八王子が導入したのは後者のスタンダード。充電ポートが2個あり、1ポートだけなら150kWで10分間充電できるブーストモードが機能する一方、2ポート同時充電でも120kWの連続充電が可能である。 「ハイパーチャージャーの強みは、スピードが150kWと国内最速級であることと、2基同時に充電しても120kWで使えることです。充電中に隣にEVが来ても、スピードが半分にならないので、常に短時間で快適に充電できます。そして、蓄電池型ということで、再生可能エネルギーが利用できるのも特徴のひとつです。50kWの商用低圧契約で運用できるため、設置の容易性もメリットといえます」と、パワーエックス社でEVチャージステーション事業部部長を務める森居紘平氏がその強みをアピールする。 大容量の蓄電池を備えるハイパーチャージャーは、50kWの商用低圧契約での運用が可能となり、「キュービクル」と呼ばれる高圧受電設備も不要となることから、他の90kW超級の急速充電器よりも設置や運用のコストを抑えることができるという設置者側のメリットがある。 今後の展開について森居氏は「(アウディディーラーとは別に)来年の早い時期までには都内10カ所にハイパーチャージャーを設置する予定です。来年には100カ所まで直営で増やしていく考えです」と意気込みを語った。

TAG: #アウディ #パワーエックス #充電インフラ

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