#ホンダ
TEXT:山本晋也
モニターもなきゃ急速充電もない……がなんの問題もない! N-ONE e:のエントリーグレードは「EVの本質」を追求したクルマだった

N-ONE e:が狙う市場とは 2025年9月12日に発売されたホンダの軽乗用EV「N-ONE e:」が好評だ。 WLTCモードで295kmという一充電走行距離は、現時点で軽乗用EVにおける最大のライバルである日産サクラの180kmを大きく上まわっている。エントリーグレードで269万9400円、コネクテッドナビを標準装備した上級グレードでも319万8800円という価格は、いずれもコストパフォーマンスに優れたEVという評価を得ているようだ。 価格の話を深掘りすると、「サクラのエントリーグレードは259万9300円だから、N-ONE e:は割高に見える」という指摘があるだろう。しかし、N-ONE e:はエントリーグレードを含めた全グレードで渋滞時にも対応したACC機能を含む、先進運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備している。サクラのエントリーグレードは日産の看板機能である「プロパイロット」がメーカーオプションとなっているのに対して、実質的なコスパでは上まわっていると評価できる。 ただし、サクラは全車にCHAdeMO規格の急速充電ポートを備えているが、N-ONE e:のエントリーグレードは急速充電をオプション設定としているという違いがある。そして、N-ONE e:のエントリーグレードが急速充電を標準装備していないというのは、けっして目先のコストダウンを狙ったものではない。そこには、しっかりとしたロジックに基づいた理由がある。 一部で話題になっているように、N-ONE e:のエントリーグレードはモニターレスを前提とした専用のインパネが与えられている。標準装備のオーディオもBluetoothによってスマートフォンとつないで音楽などを楽しむという、非常にシンプルな仕様だ。 「いまどきナビのないインパネなんてあり得ない」と思うかもしれないが、こうした仕様は合理的な考えから生まれている。自宅周辺の近距離エリアを、通勤など、ルーティン的に走っているのであればナビは不要。それであれば、ディスプレイのない状態で成立するクルマに仕上げることは自然な判断だ。 主に自宅周辺を走るのであれば、急速充電(≒経路充電)を考慮する必要もない。シンプルに普通充電にだけ対応しておけば問題ないのだ。それでも、普通充電は6kWまで対応している。これにより、充電警告灯が点いてから満充電までわずか4.5時間で済んでしまうという。1時間も繋げば、だいたい65km相当の充電が可能になるのだから、近距離ユースで考えれば急速充電が不要というのも納得だ。

TAG: #ホンダ #新車 #軽自動車
TEXT:斎藤 充生
ホットハッチ大好き英国人も唸らせたホンダ「スーパーワン」! 2026年の発売を前にプロトタイプを日本初公開【ジャパンモビリティショー2025】

「令和版ブルドック」だと絶賛のBEVホットハッチ ホンダはジャパンモビリティショー2025で、軽量コンパクトなバッテリーEVスポーツモデル「Super-ONE Prototype(スーパーワン・プロトタイプ)」を世界初公開した。 今年7月に英国で行われたモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で公開された先行コンセプトモデルの「Super EV Concept」は、英国やアジア各国のさまざまな路面環境や気候条件で走行試験を重ねていることがアナウンスされたものの、ボディはカモフラージュされていたため詳細を掴めないでいた。 ところが今回、ジャパンモビリティショー2025で発表されたスーパーワンは、2026年の量産開始を前にほぼ完成形と言える仕上がりのプロトタイプとして登場。気になる部分を詳細に観察することができた。 軽規格からはみ出してもやりたかったこと ボディフォルムから想像がつく通り、ベースとなったのは先ごろ発売を開始した軽EVの「N-ONE e:」だ。その試作車両を入手したホンダ社内のとある部署が、「軽自動車規格の制約を取り払ってチューニングしたらおもしろいクルマになるのではないか」という以前から思い描いていたことを具現化したのが、このクルマなのだという。なのでスーパーワンは軽自動車ではなく、登録車となる。 スーパーワンというネーミングは、N-ONE e:のハイパワー版を意味するのかと思いきや、これまでの常識や企画の枠を超越する存在(Super)として、ホンダならではの唯一無二(One and Only)の価値を届けたいという思いから名付けたという。 ベース車から大幅に拡幅されたブリスターフェンダーは、見た目の迫力もさることながらトレッドの拡大に貢献している。これにあわせてサスペンションの見直しを図り、走りとハンドリングを向上。具体的な数値は伏せられているが、ベース車のN-ONE e:に対し出力とレスポンスの向上が図られたパワートレイン、そして軽EV由来の軽い車体との相乗効果で、往年の「テンロクホットハッチ」を彷彿とさせるような走りになったと、ホンダブースの担当者は力強く説明してくれた。 ちなみに英国でテスト走行のことを尋ねると、次のようなエピソードを聞くことができた。 「英国は狭い道ばかりなのにヨーロッパ大陸で生産された大型モデルに我慢して乗っている状態で、こういった小さなホットハッチが本当に欲しいようです。実際にスーパーワンに乗せたら一様にみんながおもしろいと言ってくれました」 もしかすると、スーパーワンは日本人も英国人も大好きな、あのミニよりミニでカッ飛び系のホットハッチになっているのかもしれない。そのことをホンダ担当者に伝えると、「言えないですけどね」と断りを入れながらも首を大きく縦に振って見せてくれたので、当人たちも相当意識して開発したようだ。 そして、テスト車両をホンダ社内で試乗した役員らは、皆かつての「(シティーターボⅡ)ブルドックだ!」と大喜びしたという。カーボンニュートラル実現に突き進むホンダにあって、EVでも痛快なホットハッチが開発できることを素直に喜んだのだろう。 令和版ブルドックと呼ばれたことで、製作途中から非対称グリルや、インテリアに青い挿し色を入れるなど、ブルドックをオマージュした要素を組み入れたというから、往年のホンダファンにとっては感涙ものだろう。 前置きが長くなってしまったが、ここからはスーパーワンの細部や注目ポイント、さらに気になる価格などについて紹介しよう。

TAG: #JMS2025 #N-ONE e: #スーパーワン #プロトタイプ #ホンダ
TEXT:TET 編集部
ホンダはジャパンモビリティショー2025で「陸・海・空・宇宙」を制す!? 「FUN to Drive」な小型EVと「0シリーズ」の新型SUVを世界初公開

「Honda 0 シリーズ」第3弾は普及価格帯のSUVか? 10月31日(金)から一般公開される「ジャパンモビリティショー2025」の開催に先駆けて、自動車メーカーを中心に続々と出展内容が発表され、盛り上がりを見せ始めている。 今回は、創業以来「夢を原動力に、技術と独創的なアイデアで、人と社会の可能性を広げるモビリティの創造にチャレンジしてきた」ホンダを取り上げる。 その展示内容は「陸・海・空」と多方面にわたり、じつにさまざまなモビリティが展示予定となっている。そこで、今回は四輪EVに特化して見どころを紹介したい。 まずは「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を開発アプローチに据えてプロダクト開発が行われる、まったく新しいホンダのEVシリーズ「Honda 0 シリーズ」について取り上げないわけにはいかないだろう。 先ごろ開催された世界陸上で展示されたほか、同大会の投てき競技では4分の1サイズのHonda 0 SUVが競技をサポートする車両としてフィールドを駆け巡っていたので、ご記憶の方も多いことと思う。 その「Honda 0 SUV プロトタイプ」がジャパンモビリティショーに初登場する。Honda 0 シリーズの第1弾モデルであり、開放的な視界と自由度の高い広々とした居住空間をもたらすこの中型e-SUVは、これまで米国と英国で先行公開されていたもので、待望の日本上陸となる。 そして、Honda 0 シリーズの第2弾モデルであり、フラッグシップと謳われる「Honda 0 SALOON(サルーン)プロトタイプ」も今回のショーに登場し、本邦初公開を果たす。 しかし、それらを差し置いても注目なのは、Honda 0 シリーズの新たなモデルがジャパンモビリティショー2025で世界初公開されることだろう。 「Honda 0 シリーズの価値をより多くの方にご体感いただけるモデルとして、新たに加わるSUVモデル」というホンダからの発表以外、一切ベールに包まれたままのモデルだが、果たしてどのような姿で登場するのか妄想が膨らむ。 「FUN to Drive」な四輪小型EVを世界初公開 世界初公開モデルはHonda 0 シリーズだけに留まらない。ホンダらしいFUNを追求し、使い勝手の良さと操る喜びの両立を目指して開発したという、四輪小型EVのプロトタイプも披露される。 このモデルは、『日本、英国、アジア諸国の小型EV需要の高い国で走行試験を実施しており、ホンダが目指す「FUN to Drive」に磨きをかけている』とホンダが事前アナウンスしている。その言葉から想像すると、今年のグッドウッドで公開された小型EV「Super EV Concept」が一瞬脳裏をよぎるが、果たしてどうだろうか。 このほか、参考出品としてHonda Micro EVが展示されるほか、北米市販予定モデルのアキュラRSXプロトタイプに、先月発売されたばかりのN-ONE e:や水素ハイブリッドモデルのCR-V e:FCEVなど、多数の四輪モデルが展示される。 世界初公開のEVモデルは二輪やe-MTBでも控えているし、船外機にボート、飛行機、F1、さらには着座型パーソナルモビリティ「UNI-ONE」にロケットまで、多種多様なモビリティが展示される。 これらは、ホンダブースを中心に「Tokyo Future Tour 2035 ~モビリティの未来の姿にワクワク~」や「Mobility Culture Program ~モビリティそのものにワクワク~」、「Out […]

TAG: #Honda 0 series #JMS2025 #ホンダ
TEXT:TET 編集部
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表

ホンダ初の固定式バッテリーを採用した電動ネイキッドモデル ホンダの英国現地法人ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドが、現地時間9月16日にホンダにとって欧州初となる電動モーターサイクルの新型モデル「WN7」を発表した。 ホンダは2050年を目途に、ホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルの実現を目指していることは周知の通りで、二輪製品は先行して2040年代のカーボンニュートラル実現を目標に取り組みを進めている。 2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付けたホンダは、現在グローバルで電動ラインアップの拡充を進めており、今回発表されたWN7もそのひとつである。 WN7はEICMA2024(ミラノショー)に出展した「EV Fun Concept」の量産モデルにあたり、ホンダ初の固定式バッテリーを採用したFUN領域向けの電動ネイキッドモデルだ。モデル名のWN7は、Wが開発コンセプトの「Be the Wind(和訳:風になる)」、Nが「Naked(ネイキッド)」、7が出力クラスの数字に由来し命名されている。 固定式バッテリーはリチウムイオンタイプを採用し、一充電航続距離は130km以上とされる。欧州のEV急速充電器用コネクター規格CCS2での充電に対応し、30分で20%から80%までの急速充電が可能なのだという。 出力は600㏄、トルクは1000㏄の内燃エンジン車に匹敵する性能を有し、EVならではのスリムで未来的なフォルムのマシンを力強く走らせる。 ホンダはこのWN7に、75年以上にわたる二輪車開発の経験や知見を注ぎ込み、内燃エンジン車とは異なる静かでスムーズな乗り味を与えたという。むろん電動モデルであっても、操る楽しさと走る喜びを高次元で実現しているのはいうに及ばずだ。ホンダが目指すカーボンニュートラルの実現に向け、四輪だけでなく二輪も電動モデルのバリエーション展開を強化し、ここからさらに加速していくことが見込まれる。今後登場する電動モデルにも期待したい。

TAG: #カーボンニュートラル #ホンダ #新型車情報 #電動バイク
TEXT:TET 編集部
これまでに40万人が参加したeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2025」の開催が決定

世界3エリアで決勝進出者を選考 2023年の初開催から、これまで累計40万人以上が参加した人気のeモータースポーツイベント「Honda Racing eMS 2025」が今年も開催される。 ホンダのモータースポーツ事業を担うホンダレーシング(HRC)が主体となり、リアルレーシングシミュレーター「グランツーリスモ7」を用いて行なわれるこのイベントは、より多くのひとにモビリティを操る楽しさと、身近にモータースポーツの感動を感じてもらうことを目的に開催されるイベントだ。第2回目となった昨年の大会では、世界70か国から延べ20万人が参加し、その注目度の高さが話題となった。 大会は大きくふたつのセクションに分けて実施される。まずは、オンライン予選「Online Qualifer」を8月29日(金)から9月28日(日)まで開催。グランツーリスモ7のオリジナルコース「レイク・マジョーレ」を舞台に、当イベントオリジナルの特別リバリーをまとった「ホンダNSX コンセプトGT ’16」でタイムアタックを行う。参加条件は8月29日時点で年齢が満7歳以上(日本在住者は満6歳以上)で、プレイステーション5または4でグランツーリスモ7のオンラインプレイが可能な方に門戸が開かれている。 なお、この特別リバリー車両は、大会参加賞として予選に参加したすべての方にプレゼントされるので、グランツーリスモ7のマシンコレクターも参加不可避のイベントだ。 オンライン予選の成績上位者で、年齢が満18歳以上の選手は、続く12月6日(土)・7日(日)に行なわれるオンライン決勝大会「Grand Final」に進出する。決勝レースは「欧州・中東・アフリカ」、「北米・中南米」、「アジア・オセアニア」の3つの地区に分けて開催され、それぞれの地区トップがチャンピオンとなる。なお、「アジア・オセアニア」地区の決勝レースのみ、昨年大会の優勝者である佐々木拓眞選手がシード権を持って出場するため、他地区に比べ1名少ない9名が決勝レースに挑む形となる。 また、Honda Racing eMSアンバサダーには、昨年に引き続き223万人ものチャンネル登録者を抱える人気Vチューバー「戌神ころね(いぬがみころね)」が起用され、より多くの方に向けてeモータースポーツの魅力を伝えていくとしている。 昨年大会は、U17クラスが設けられたり、Hondaウェルカムプラザ青山に予選を勝ち抜いたプレイヤーを集めてオフライン形式の決勝ラウンドを開催したりと、非常に手の込んだイベントであったが、一転今年はシンプルで分かりやすいフォーマットに変更。見る側も見やすくなったと言えそうだ。だが、eモータースポーツは走ってナンボ。腕に覚えのあるeモータースポーツプレイヤーは、この機会にぜひ挑戦してもらいたい。

TAG: #eモータースポーツ #HRC #イベント #ホンダ
TEXT:TET 編集部
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露

Honda 0 Series用と思われたASIMO OSをAcuraブランドにも展開 ホンダは、北米で展開する高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の新型EVとして、SUVタイプの「アキュラRSXプロトタイプ」を、米国カリフォルニア州で開催された自動車イベント「モントレーカーウィーク」の会場で世界初公開した。 アキュラRSXプロトタイプは、アキュラブランドの次世代EVモデルの方向性を示すコンセプトモデル「アキュラ・パフォーマンス・EVコンセプト」をベースに、2026年後半の発売を見据えて作り上げられたプロトタイプモデルだ。 モントレーカーウィークで世界初公開されたアキュラRSXプロトタイプの注目点は、ホンダが独自に開発した次世代EVプラットフォームを採用する最初のモデルであること。そして、ホンダ独自のビークルOSとしてCES2025で発表され、ホンダ・ゼロシリーズに搭載すると伝えられた「ASIMO(アシモ)OS」を採用していることだ。 これらにより、ホンダはユーザーごとの好みや運転行動を学習し、”超・個人最適化”された移動体験を実現すると公式リリース内でコメントしている。 また、デュアルモーターによるAWDや、スポーティなセッティングを施したダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンション、ブレンボ製ブレーキを標準装備するなど、低重心設計による没入感のある魅力的な走行体験を提供すると付け加えている。 デザインと先進技術でアキュラを再定義する デザイン面では次世代EVプラットフォームが可能にするデザインの自由度を最大限に生かし、クーペのようなシルエットに深く彫り込まれた形状のサイドパネルを備え、力強いプロポーションを与えることに注力されている。加えて、21インチの大径マルチスポークホイールとそれを覆うホイールアーチ、ロングホイールベースと車体の四隅に配置されたタイヤによって前後のオーバーハングは切り詰められ、現代的で走りの良さを予感させるデザインに仕上げられている。 むろん、フロントフェイスはアキュラ独自のダイヤモンド・ペンタゴン・デザインを進化させて採用。上段に配置されたシャープな形状のデイタイムランニングライトと、下方に設置されたLEDヘッドライトによって、上下分割型の印象的なヘッドライトデザインが構築されている。 アメリカン・ホンダモーターでアキュラのデザイン・エグゼクティブを務める土田康剛氏は、「アキュラRSXプロトタイプは、優れた空力性能がもたらすパフォーマンスを、スポーティなクーペスタイルで表現しています。このモデルを皮切りに、パフォーマンス性や独自性を表現した普遍的な美しいデザインと先進技術を軸にAcuraブランドを再定義していきます」とコメントした。 EVとしての美点を運動性能とデザイン性の両面に活かしたアキュラRSXプロトタイプ。量産モデルはハイブリッドを含むICE(内燃エンジン)搭載車とEVの混流生産が可能で、米国におけるEV生産のハブ拠点とホンダが位置付けているオハイオ州メアリズビル四輪車生産工場で生産され、2026年後半の発売を予定しているとのことだ。

TAG: #アキュラ #プロトタイプ #ホンダ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
ホンダの軽EV第2弾「N-ONE e:」がいよいよ見えてきた! 今秋デビューを前に先行予約&ティザーサイトをオープン

N-ONEを電気自動車仕様にリデザイン 今秋の発売が予定されているホンダの新型電気自動車(EV)「N-ONE e:」が、8月1日より先行予約を開始した。それと同時にティザーサイト(先行情報サイト)もオープンし、徐々にホンダの軽EV第二弾にあたるこのクルマの全容が見えてきた。 ベースとなったN-ONEは、ご存知のようにホンダの人気軽自動車「N」シリーズの一翼を担うプレミアム軽自動車として確固たる地位を築いているクルマだ。そのN-ONEをEVモデルに仕立てるにあたっては、バッテリー、インバーター等のEV特有のパワーユニットを軽自動車規格の枠内に収めるため、デザインチームは設計に苦慮したという。 同じ顔のN-ONE e:は2台と無い!? フロントデザインは再設計され、内燃機関モデルのN-ONEに比べると幾分ボンネットを中心に角張らせた印象。一方フロントグリルを含む各種開口部はミニマムに設計され、シンプルかつモダンな印象を与えている。 ホンダの軽EV第1弾にあたるN-VAN e:でも採用されたバンパーリサイクル材は、さらなる改良が加えられてN-ONE e:にも引き継がれた。そもそもバンパーリサイクル材とは、生産過程で廃棄されたバンパー材を回収・洗浄・粉砕まで行って再利用したもので、その過程の妙で表面に現れる白い粒子状の斑点が1台ごとに異なる。 N-VAN e:用のバンパーリサイクル材に比べ、あえて斑点がしっかりと視認できるよう改良が施されたというN-ONE e:用のバンパーリサイクル材を使用したフロントグリルは、視覚的な特徴にもなっている。むろん、現代に求められるサスティナビリティを追及したがゆえの表現ではあるが、同じ模様のフロントグリルが他には存在しないと考えればなかなか面白い取り組みだ。 ほかにもフロアカーペットにはホンダ従業員の作業着を再資源化して活用するなど、環境性に配慮した創意工夫がそこかしこに散りばめられていて、エコロジー意識の高いユーザーにとっても満足度が高いといえるだろう。

TAG: #N-ONE e: #ホンダ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
ASIMOがOSになって帰ってきた! ついにお披露目された「Honda 0シリーズ」が掲げる壮大な未来とは

量産第1弾はSUVを2026年から北米へ ホンダがまったく新しいEVシリーズである「Honda 0(ゼロ)シリーズ」を2026年から市場投入することを明言したのは、いまからちょうど1年前のCESでのことだった。既成概念を無視したかのような斬新なデザインを身にまとったコンセプトカーは、所詮0シリーズの方向性を示唆するコンセプトデザインであると勘ぐってはいたものの、それから1年を経てCES2025で発表された2台のコンセプトカーは、奇抜なデザインもそのままに進化して登場した。 また、この新型EVシリーズのビークルOSとして、ホンダのロボティクス技術の象徴である「ASIMO(アシモ)」の名前が用いられたのが非常に印象深い。CES2025で発表された「Honda 0シリーズ」に関して項目ごとに報告したい。 「ASIMO OS」がHonda 0シリーズの要 Honda 0シリーズは、「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を開発アプローチに掲げている。その「Wise(賢い)」の要となるのがホンダが独自に開発したビークルOS「ASIMO OS」だ。 ASIMOの名はクルマ好きでなくとも広く一般的に知られているところで、かつてのホンダのCMにも登場し、その愛くるしい姿とやや前傾姿勢で自律歩行するさまは、最新テクノロジーを有しながらも親しみやすさを感じさせられたロボットだった。 そのASIMOの名をホンダは「世界中の皆様に驚きと感動を与え、次世代EVの象徴となることを目指す」ものとして、Honda 0シリーズを司るビークルOSの名称に起用した。 ASIMO OSはソフトウェアプラットフォームとして、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)やIVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテイメント)などのクルマのシステムを制御するECUを統合的にコントロールする。 そして、ASIMO OSを基盤として車載ソフトウェアを常にアップデートすることで、移動に楽しさや快適性をもたらす空間価値やデジタルUX、人車一体の操る喜びを司るホンダ独自のダイナミクス統合制御などの機能やサービスを、車両を販売した後もOTA(Over The Air)を通じてユーザーの嗜好やニーズに合わせて進化させていくとしている。 このASIMO OSを搭載するのがHonda 0シリーズであり、今回その第1弾として発表されたのがHonda 0 SUVだ。そしてHonda 0シリーズのフラッグシップにあたるのがHonda 0 SALOONである。 Honda 0シリーズの第1弾「Honda 0 SUV」 Honda 0 SUVは、Honda 0シリーズの第1弾となる中型SUVだ。今回お披露目されたのはプロトタイプであり、昨年のCES2024で公開された「ホンダが将来のEVで実現したい空間価値の考え方」を示すコンセプトモデル「SPACE-HUB(スペース ハブ)」の考え方を踏襲しているという。 また、開発アプローチの「Thin, Light, and Wise」をSUVに適用することで、空間の広さを一層拡張し、開放的な視界と自由度の高い広々とした居住空間を実現している。 SUVらしく、4つのタイヤが大地を踏みしめるかのような力強いプロポーションでありながら、薄くクリーンに仕立てたフロントマスクに、大胆に削ぎ落されたテールデザインは、ほかに似ているクルマを探すのが難しいほどの独創的なフォルムを描いている。 車両オーナーは、ASIMO OSがユーザーひとりひとりに“超・個人最適化”することで、進化し続ける空間価値やデジタルUXを享受できるのだという。さらには、ホンダ独自のロボティクス技術で培った、3次元ジャイロセンサーを用いた高精度の姿勢推定と安定化制御などで、さまざまな路面環境において安心で意のままのダイナミクスを実現するとホンダは説明している。 Honda 0 SUVの量産モデルは、2026年前半に北米市場へ投入され、その後日本や欧州などグローバル各地域へ展開されるという。 Honda 0シリーズのフラグシップ「Honda 0 SALOON」 […]

TAG: #CES2025 #Honda 0 series #ホンダ
TEXT:TET 編集部
ホンダの新世代EV「e:NP2」と「イエ」シリーズはここから生まれる! 中国合弁会社「広汽ホンダ」の新工場が広州市に誕生

高効率・スマート・低炭素な生産体制を目指して建設 ホンダの中国における四輪生産販売合弁会社である広汽本田汽車有限公司(以下、広汽ホンダ)が、2024年12月23日から、中国広東省広州市に新設した「開発区新エネルギー車工場」と呼ばれる新工場の稼働開始を発表した。 ホンダは、中国国内に四輪車の生産販売合弁会社をグループ内に2社保有している。ひとつは東風本田汽車有限公司(以下、東風ホンダ)であり、もうひとつが今回新工場が稼働した広汽ホンダである。 前者の東風ホンダは、湖北省武漢市で2004年4月に第1工場を稼働させたのを皮切りに、2019年に第3工場の稼働を開始。それぞれ年間24万台の生産能力を誇る。そして直近の2024年9月からは、全世界のホンダの生産工場でも初の試みとなる、電気自動車(EV)専用の生産工場「新エネルギー車工場」を年間12万台の生産能力で稼働させている。 後者の広汽ホンダは、広東省広州市に拠点を構え、第1工場である黄埔工場を1999年3月に稼働させて以降、増城工場と呼ばれる第2・第3工場を2015年までに順次稼働を開始させている。3つの工場はそれぞれ年間24万台の生産能力を備えている。 その広汽ホンダの新工場「開発区新エネルギー工場」は、約34.9億元(日本円にして約750億円)もの金額が投じられ、高効率・スマート・低炭素な生産体制を目指して建設された。プレス・溶接工程においては、部品搬送の自動化により物流要員のゼロ化を実現し、AIによる溶接強度検査をホンダとして初採用。組立工程では、工程全体の約30%を自動化することで、高効率な生産ラインを実現しているとされている。 環境面では、工場敷地内に合計22メガワットの太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーを活用することで、中国政府によるCO2排出に関する基準に対し、年間約1.3万tのCO2排出低減を見込んでいるという。 また、新開発した低VOC(揮発性有機化合物)塗料の採用や、工場排水に含まれる有害物質を100%処理できる設備の導入により、環境負荷の低減を図っている。工場からのVOC排出量は大気汚染への影響を最小限とするため、広東省の基準限度に対してさらに70%以上の削減を目指すとしている。 ホンダは「2050年にホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」というグローバル目標に向けて動いている。 中国においては、2022年に販売を開始したEV「e:N(イーエヌ)」シリーズに加え、2024年度に販売開始を予定している新世代EVシリーズ「烨(yè:イエ)」もあわせて、2027年までに10機種のホンダブランドのEV投入を予定している。 それらにより、ホンダは2035年までに中国でのEV販売比率を100%にまで押し上げる計画だ。 新工場「開発区新エネルギー車工場」は、その計画の要となる「e:NP2」と「イエ」シリーズの生産が予定され、年産12万台の生産能力を備える。まさにホンダが掲げる目標達成の道筋においては、重要なピースであるといえるだろう。

TAG: #ホンダ #中国 #生産
TEXT:TET 編集部
2026年の市場投入が待たれる「Honda 0シリーズ」! 1月開催のCES2025でプロタイプカーと搭載OSなどを公開予定

ついにホンダの新EVシリーズが動き出す ホンダが2026年からグローバル市場へ投入することを明言している新型EV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」について、米国現地時間の2025年1月7日(火)から10日(金)まで、米国ネバダ州ラスベガスで開催される「CES 2025」の場で、プロトタイプ2車種を世界に向けて初公開すると、そのシルエットとともに発表した。また、Honda 0シリーズに搭載を予定している、独自のビークルOSについても発表する予定だという。 ホンダは2024年1月に行われたCES 2024において、新たなEVシリーズである「Honda 0シリーズ」を開発し、2026年から北米市場を皮切りに順次グローバル市場に向けて投入していくこと、そして「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」という3つの開発アプローチテーマをもとに開発を行っていることを発表している。 そこから1年の時を経て、今回のCES 2025では、現地時間の1月7日にプレスカンファレンスを開催し、「Thin, Light, and Wise」のなかでもとくに「Wise(賢い)」という部分にフォーカスしたプレゼンテーションを行う予定であることを明らかにした。 その内容は、Honda 0シリーズに搭載する独自のビークルOSや、自動運転技術がもたらす提供価値、ソフトウェアデファインドビークル(SDV)としての価値を支えるSoC(System on Chip)半導体の概要について触れる予定だという。 また、カーボンニュートラルの実現に向け、Honda 0シリーズとともに展開する新たなエネルギーサービスについても紹介する予定であると事前告知された。 すでに技術的な内容については一部が報道向けに公開されており、関連記事(もはや思考停止寸前なほどホンダの新型EVは新技術盛りだくさん! 2026年に発売予定の「Honda 0シリーズ」技術発表会を開催)にもある通り、徐々に全容が明らかとなってきたHonda 0シリーズではあるものの、まだまだ未知数な部分は多い。 今後を占う意味でも重要なこのプレスカンファレンス。その模様は、日本時間2025年1月8日(水)午前3時30分から、Youtubeでも生配信されるので、ぜひ注目いただきたい。

TAG: #CES2025 #Honda 0 series #ホンダ

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