#ホンダ
TEXT:桃田 健史
ホンダが2026年から東京で電動ロボタクシー導入を発表。自動運転レベル4事業を推進

ホンダ、GM、クルーズの3社が2023年10月19日、都内で会見し「自動運転タクシーサービス」を2026年初頭に開始し、これに伴い合弁会社を2024年に設立することを発表した。会見に参加して詳しく取材した。 狙いは「新しい移動体験」 会見の中で紹介された車は、「クルーズ・オリジン」。クルーズ、GM、ホンダが共同開発した自動運転専用車両だ。 車内は、乗車員が対面して着座するレイアウトになっており、運転席がない、いわゆるドライバーレスの自動運転レベル4の車両である。 同車を使うサービスは、ユーザーがスマートフォンアプリを通じて乗車場所と目的地を指定することで、配車から決済まで一貫して配車システムが行う。 想定されるニーズとしては、ビジネスパーソンが車内で打ち合わせをしたり、ウェブ会議をしたり、または移動時間を活用してリラックスしたり。また、家族や友人でワイワイと移動時間を楽しんだり。そのほか、音楽や映像を楽しめるエンターテインメント空間としての商用利用など、様々な可能性について、ホンダを含む3社が示唆した。 ホンダの三部敏宏社長は「ホンダが目指すのは、『自由な移動の喜び』の創造だ。クルーズとGMとの協業による自動運転タクシーサービスを通じて、日本のお客様に新たな移動の価値を体験して欲しい」と、自動運転を使う事業の目的を表現した。 また、オンラインで参加したGM会長 兼 CEOのメアリー・バーラ氏は「GMは常にモビリティの未来に投資してきた。ホンダとのパートナーシップにより、ソフトウエアとハードウエアにおける最先端技術を活用して、移動におけるイノベーションを目指す」と、3社による共同研究開発の意義を語った。 2026年初頭に東京都心で導入 クルーズの自動運転サービスは、GMの小型EVシボレー「ボルト」ベースの車両を使いアメリカで社会実装されている。 日本での事業は、2026年初頭に「クルーズ・オリジン」を東京の都心で数十台導入することから始めるとした。そのために、2024年に3社で合弁会社を設立する。 その上で、自動運転を取り巻く社会情勢や、各地域での需要を考慮した上で、まずはGMシボレー「ボルト」をベースとした車両に運転車が乗った状態で、自動運転レベル2で公道での実証実験を進める。自動運転によるタクシーサービス運用が可能であるレベルまでシステムを磨き上げてから、「クルーズ・オリジン」を導入する流れとなる。 社会実装での最初のステップとしては、500台規模の運用を目指す。 これらの業績を踏まえて、台数の増加や、実施するエリアの拡大を考慮するとした。 事業性について、クルーズのアメリカでの実績を踏まえると、日本での採算性を高めることは十分に可能というのが、ホンダの見解だ。 「クルーズ・オリジン」の実車は、Japan Mobiility Show 2023(一般公開:2023年10月28日~11月5日)にホンダブースで展示される予定である。 自動運転をタクシーやバスのようにして使うビジネスモデルについては、すでにベンチャー各社が日本市場に参入しており、今回のホンダ・GMクルーズの登場によって市場動向が今後どのように変化するのがが注目される。

TAG: #GM #クルーズ #ホンダ
TEXT:桃田 健史
ホンダがエネマネで三菱商事とタッグ組む背景、EV需要拡大で必然となる新体系事業とはなにか?

ホンダと三菱商事はエネルギーマネージメント事業に関して協業することを発表した。EV搭載電池のリユースや、V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)等で新しいビジネスの将来性についてホンダ実証実験をもとに考察する。 電池リースは必然 ホンダと三菱商事は2023年10月12日、「EV普及を見据えた新事業創出に向けた覚書を締結」したと発表した。 具体的には、ホンダが2024年から順次発売予定の軽EVに搭載されるバッテリーのモニタリング機能を高度化するなどして、バッテリーのリサイクルを含めたバッテリーのライフタイムにおけるマネージメント事業を行う。 ホンダは2040年までにグローバルで製造販売する全ての四輪車をEV・FCEV化するとしており、電池のリユース事業を早期に構築する必要がある。 そのため、自動車販売事業やエネルギー関連事業をグローバルで展開する三菱商事と連携することは、ユーザーの視点からも十分理解できるといえるだろう。 他の事例では、日産が住友商事と電池リユース関連事業をすでに展開している。 エネマネで、ホンダ独自の実証で十分な知見あり もうひとつの事業が、V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)を通じたエネルギーマネージメント事業だ。 ホンダは2012年から自社でエネルギーマネージメントに関する実証試験を行ってきた。 埼玉大学近くに、ホンダ・スマート・ホーム・システム(HSHS)を設置し、ホンダ(本田技研工業または本田技術研究所)の従業員家族が一戸建て住宅で生活しながら、EVを活用したエネルギーマネージメントのデータを集約する方法だ。 さいたま市と2011年5月に締結した「E-KIZUNA Project」をきっかけに始まったもので、EVは「フィットEV」で始まり、現在は「Honda e」を使用している。 これまで三つの期間で、年間電気代、年間CO2削減量、そして家エネルギー率(※)という3つの指標でデータを比較した。 ※家エネルギー率:家全体の電力需要に対する、EVなどを含めた家のエネルギーマネージメント領域が負担する電力量の比率 現在は第四期となっており、可搬式バッテリーのモバイル・パワー・パック(MPP)によるエネルギー・ストレージ・システム(ESS)も活用している。 こうしたHSHSの知見を、かまぼこの老舗「鈴廣(すずひろ)」本社(神奈川県小田原市)の実証試験に活かしている。 鈴廣はホンダと連携する以前から、太陽光発電と地中熱による換気システムをBEMS(ビルディング・エネルギー・マネージメント・システム)を採用しており、2022年2月からホンダと連携した実証試験を実施している。「Honda e」5台と、ニチコン製のEVパワーステーションを導入した。 課題はマネタイズ このように、EV用蓄電池リユースやEVを活用したエネルギーマネージメントについて、 ホンダは三菱商事と事業化に向けて、各種の実証実験を進化させていくことになるだろう。 その上で、どのようなサービス事業をどのような価格設定で行うのか? 三菱商事では現在、三菱商事エネルギーがガソリンスタンド事業等でエンドユーザー向けの事業開発を行っており、こうした知見を下にB2B(事業者間)やB2G(行政向け事業)などでホンダと連携した新たなる事業展開が期待される。

TAG: #V2G #ホンダ #三菱商事
TEXT:加藤 ヒロト
ホンダのEV「e:NP1」はマイルドにもスポーティにもなる走り!来年からの新型車にも注目

中国市場におけるホンダの新型EV試乗記、これまでは内外装のデザインを見てきた。いよいよ走り出してみよう。「e:NP1」はどんな走りを披露してくれるだろうか。 快適性重視のマイルドな乗り味 肝心の乗り心地だが、これも非常に上々な印象だ。もちろん元の「ヴェゼル」ですでに完成度は高いので、あとはそこからどうBEV(バッテリー電気自動車)らしく味付けをおこなうかに焦点を置いたに違いない。 アクセルペダルとブレーキペダルの踏み心地は、昨今のホンダ車らしくスコスコ踏める感覚で、これがとても気持ち良い。全高はそれなりにある車だが、実際に運転してみても不安定感はなく、堅実な足回りの設計を感じた。この点に関してはヴェゼルより少しばかり向上している印象を受けた。 運転中に触るであろうハンドルのボタン類やエアコンの操作、ドライブモードの選択などももたつく反応はなく、運転への妨げは感じられない。ここが「先進性」をうたう車において肝心な部分で、せっかく数々の先進装備を搭載していたとしても、運転中にそれらの操作がストレスなくおこなえなければ本末転倒だと私は思うのだ。 やみくもに画面を増やし、ボタン類をすべてタッチ操作にするよりも、まずは基本的な操作において使用者にストレスを感じさせないことが「日常使いの道具としてのクルマ」で大事な点だろう。 加速感は申し分なく、アクセルを踏めば踏んだ分だけマイルドに加速してくれる。突然「ズドン」と来るような不快感はない。このあたりの制御を日本車はとても得意としているのだ。 BEVをさらに普及させたいのであれば、ガソリン車のドライブフィーリングとの違いを限りなく打ち消す必要がある。この観点から考えても、「e:NP1/e:NS1」が持つ違和感のない乗り心地はとても優秀だと感じた。 「運転しやすい」という表現を「面白くない」と解釈する人もいるかもしないが、決してそういうわけではない。 ちょっとスポーティーな雰囲気を味わいたければ、ドライブモードを「SPORT」に入れることで「NORMAL」よりも締まった走りを提供してくれる。元の車体設計の優秀さが功を奏しているのか、カーブを曲がる際も踏ん張りの効いたコーナリングを感じることができる。 「スポーツBEV」とまでは行かないものの、普通の街乗りに飽きたのなら、通常よりも少しスパイスの効いた走りも選べるというわけだ。良い意味で落ち着いており、気楽に運転できるBEVであるという印象を受けた。

TAG: #e:NP1 #e:NS1 #ホンダ
TEXT:加藤 ヒロト
中国でもホンダイズムは健在!電気自動車としても進化している「e:NP1」のインテリアとは

ホンダが中国で販売しているBEV(バッテリー電気自動車)の「e:NP1」。前回は外装にフォーカスをあてた。今回はインテリアに注目する。 「ヴェゼル」のボディに「ホンダe」の使い勝手を組み込む エクステリアがまさに「BEV版ヴェゼル」ならば、インテリアもその通りの印象を感じる。エアコンの吹き出し口から分かる通り、根幹をなすダッシュボード付近はヴェゼルと同一だ。 だが、車内を覗き込んで真っ先に目につく15.1インチのタテ型ディスプレイは「e:NP1/e:NS1」にしかない装備である。このディスプレイでナビ、インフォテインメント、エアコン、そして各種アプリケーションの操作を行うわけだ。 また、タテ型の特徴を活かして異なる機能を上下に同時並行で映し出せるため、例えばナビを表示しながらエアコン操作メニューを表示できるなど、実用性にあふれる設計となっているのも特徴だ。 大きめのディスプレイを採用する車種は大抵その反応速度に難があり、日頃使っているスマートフォンのようにサクサク動かない場合がほとんどだが、e:NP1/e:NS1のディスプレイはまったくストレスなく操作が可能であることも評価したい。ホンダeでも同様の印象で、インフォテインメント面におけるホンダの設計の優秀さを感じた。 また、セレクターがホンダeのようなボタン式になっているのもヴェゼルと異なる点である。ホンダのボタン式セレクターは押し心地が大変よく、またレスポンスも良いので個人的には高評価な要素だ。メーターもフル液晶となっており、まさにヴェゼルのボディにホンダeの使い勝手を押し込んだような車という印象を受けた。 室内空間はヴェゼルと変わらない印象だが、これも前回の記事で紹介したようにバッテリーの配置が関係していると思われる。フロア下に張り出す配置でキャビンを圧迫しないようにしているのだろう。 後部座席の足元は本来BEVでは不要なセンタートンネルの盛り上がりが少し確認できるが、気になるほどの高さではない。むしろ、ヴェゼルの時点でその盛り上がりはかなり抑えられており、比較してみてもその高さは両者間で同じのように見える。 これ以外にも内装パーツは多くがヴェゼルとの共通部品であるため、多少なりともコストカットに寄与していることだろう。

TAG: #e:NP1 #e:NS1 #ホンダ
TEXT:加藤 ヒロト
見た目は大事!ホンダの電気自動車「e:NP1」がスタイルキープのためにとった工夫とは

前回はe:NP1/e:NS1の成り立ちを紹介した。今回はこのクルマをより詳細に見ていく。 e:NP1は前輪駆動のみで2グレードの展開 広汽ホンダ 「e:NP1」/東風ホンダ 「e:NS1」は基本的にまったく同じ仕様、まったく同じグレードと販売価格、そして少し異なるエクステリアで展開されている。ゆえに今回試乗したのはe:NP1だが、これから書くことはすべてe:NS1と共通している。 まずはボディサイズだが、全長4,388mm x 全幅1,790mm x 全高1,560mm、ホイールベース2,610mmということなので、ヴェゼル(中国仕様)の全長4,380mm x 全幅1,790mm x 全高1,590mmとほぼ同じだ。ホイールベースももちろんまったく一緒となる。 一方、車両重量は同じベースグレード同士で1,296kgから1,652kg(68.8 kWhモデルは1,683kg)へと増加しているため、BEV(バッテリー電気自動車)特有の駆動用バッテリーを搭載する分として350~390 kgほどヴェゼルよりも重くなっている。 パワートレインはモーター出力182ps/バッテリー容量53.6 kWh、そして204ps/68.8 kWhの2種類となる。中国独自のCLTC方式で計測した航続距離は前者が420 km、後者が510 kmを誇る。ちなみにどちらも前輪駆動で、ヴェゼルに存在するような四輪駆動モデルは設定されていない。 

TAG: #e:NP1 #e:NS1 #ホンダ
TEXT:加藤 ヒロト
ホンダ「ヴェゼル」ベースのEVで中国ではすでに2世代目!「ホンダe:NP1」ってどんなクルマ?

日本でホンダの電気自動車といえば「ホンダe」のみだが、中国ではすでにヴェゼルベースの「2代目」の電気自動車が販売されている。この事実からも中国のBEV(バッテリー電気自動車)の普及の早さを感じる。中国でホンダ製EVはどんなクルマに仕上がっているのだろうか。 中国におけるホンダの立ち位置 ホンダは2023年4月、自社が掲げるEV政策のアップデートを発表した。以前は「2040年までにEV・FCEV(燃料電池車)の販売比率100%」としていたのを、「2035年までにEVの販売比率100%」へと変更、実質的な前倒しとなったことになる。 これには中国市場において急速的に拡大する電動化需要が裏にあり、そこで培った経験を世界中の市場へ広げる狙いがある。なので、中国市場はホンダのBEV(バッテリー電気自動車)事業にとって起死回生のチャンスを図る存在と言っていいだろう。 ホンダのBEVと聞くと、日本では2020年に発売されたコンパクトカーの「ホンダe」が真っ先に思い浮かぶだろう。実際のボディサイズはコンパクト感があまりないが、それでもパッケージングや乗り味、そして実際に走る際の制御はとても完成度が高い。 日本であまり売れている印象がないのは、まだ多くの人がBEVの価値は「航続距離」にあることを重視しているからかもしれない。その観点から考えるとホンダeの航続距離259km(WLTC)で495万円とは「コスパがいまいち」と考えてしまうのだろう。 初代「ヴェゼル」ベースのBEVは評価いま一歩だった 一方、中国では2018年より小型SUV「ヴェゼル」をベースとしたBEVを数モデル発売している。ここで軽く、中国独特の販売スタイルをご紹介しておきたい。 ホンダは中国において広州汽車との「広汽ホンダ」、そして東風汽車との「東風ホンダ」の2つの合弁会社を通じてホンダ車の生産と販売を中国国内でおこなっている。トヨタやフォルクスワーゲンなどと同様、ひとつの車種をデザインと車名を変更した姉妹車としてそれぞれの合弁会社から販売する形態だ。例えば、広汽ホンダの「フィット」は東風ホンダの「ライフ」、「インテグラ」は「シビック」、「アコード」は「インスパイア」、「ヴェゼル」は「X-RV」となる。 ホンダは今まで広汽ホンダの「理念」ブランドより「VE-1」、東風ホンダの「思銘」ブランドより「X-NV」「M-NV」といったBEVをリリースしてきており、そのどれもが初代ヴェゼルをベースとしている。だが、初代ヴェゼルの登場は2013年、そしてこれらのBEVの登場は2018~2020年となるため、設計がやや古いことは否めないだろう。 それもあってか初代ヴェゼルベースのBEVたちは市場においてそこまでプレゼンスを発揮できずにいた。今でも廉価モデルのBEVとしてひっそりと販売されているが、爆発的に売れているわけでもない。

TAG: #e:NP1 #e:NS1 #ホンダ
TEXT:烏山 大輔
アキュラ、ブランド初のBEV「ZDX」を発表。兄弟車プロローグとの違いは!?NSXのようなデザインコンセプトも公開

アキュラは8月17日(米国現地時間)にモントレー・カー・ウィークにおいて、来年初頭に発売を予定しているBEV(バッテリー電気自動車)の「ZDX」を発表した。 GMとの共同開発モデル、「プロローグ」は兄弟車か ZDXは、ゼネラルモーターズ(GM)との共同開発モデルと発表されているが、現時点ではバッテリーにGMのUltium(アルティウム)バッテリーを採用すると公表されているだけで、それ以外に「プラットフォームやパワートレインを共用」などの情報はなく不明だ。 ZDXは、来年早々と同時期の発売となるホンダ・ブランドの「プロローグ」と兄弟車だと思われる。両車の写真を見比べると前後ライトの形が異なるのはもちろん、ボンネット、4枚のドアとガラス、バックドアの形状さえも異なるため、この2車のデザインの作り分けには相当力が入っている。 ZDXは、ボディカラーとは別に、前後バンパーとドアの下部がシルバーになる模様。タイプSはさらにピラーとルーフ、ミラーがブラックの3トーンとなるようだ。プロローグはボディ下部がブラックなので、カラーリングもブランドによって異なっている。 ZDXのグレードは、A-Spec(RWDまたはAWD)とType S(AWD)の2種類が用意され、価格はA-Specが6万ドル(約870万円)台から、Type Sは7万ドル(約1,016万円)台からとのこと。 ライバルとなりそうなレクサスRZ 450e(59,650ドルから、バッテリー容量71.4kWh)と比較すると、102kWhのZDXのバッテリー容量は30kWhも大きい。航続距離はA-SpecのRWDが325マイル(約523km)、AWDは315マイル(約507km)、Type Sは288マイル(約463km)以上と発表された。 最大190kWの急速充電に対応しており、10分で81マイル(約130km)分をチャージできる。 ZDXのサスペンションは前後ともにマルチリンクを採用する。A-Specはコイルスプリング、Type Sは車高調整が可能なエアサスペンション、アダプティブダンパー、イエローブレーキキャリパー(フロントはブレンボ製)、アキュラ史上最大の22インチホイールが奢られる。

TAG: #ZDX #アキュラ #ホンダ
北米でのホンダBEV戦略についての説明。筆者撮影
TEXT:桃田 健史
未だホンダBEV戦略ロードマップの詳細見えず。24年発売アキュラ「ZDX」でGM協業スタートするも、ホンダ独自専用BEVプラットフォームとの”すみわけ”は?

未だにホンダBEV戦略の実態が見えてこない。GM協業「アルティウム」とホンダ独自のBEV専用プラットフォームとの“すみわけ”はどうなるのか。また、日本でのBEVシフトに対してコンサバ過ぎる印象もある。ホンダのBEVはこれからどこに向かうのか? アメリカ市場最優先は当然の流れ ホンダのアメリカ現地法人のアメリカン・ホンダモーターが2023年8月18日、米カリフォルニア州モントレーで開催された「モントレー・カー・ウィーク」で、アキュラブランド初のBEVとなる「ZDX(ゼィーディーエックス」量産モデルを発表した。北米での発売は2024年初頭の予定。最高出力500馬力の「ZDX タイプS」も合わせて公開した。 そのほか、アメリカでは「ZDX」の兄弟車である、ホンダ「プロローグ」も2024年に発売される。 日本には現状で、アキュラブランドを展開する計画についてホンダは明らかにしておらず、「ZDX」が日本で販売される可能性は低いものと考えられる。また「プロローグ」についても北米市場向けとなる見込みだ。 周知の通り、ホンダのグローバル事業はアメリカ市場への依存度が高い。 そのアメリカでは、バイデン大統領が2021年8月に2035年に向けた自動車の電動化に関する大統領令を発令。次いで、2022年8月にはIRA(インフレ抑制法)が上下院で可決された。IRAによって、BEVの国内生産やBEV関連部品の調達についてアメリカ国内外からの投資を促す形となっている。 ホンダのみならず、日系メーカー各社の幹部は「グローバルで見た時、直近で最も重要なのはIRAへの対応」と本音を漏らす。 そもそもアメリカ市場を重視する必要があるホンダとしては、アメリカでの急激なBEVシフトに必死で食らいついていく必要があると言える。 そのため、オハイオ州メアリズビル工場とアンナ・エンジン工場、そしてジョージア州内のトランスミッション工場でのBEVシフトに向けた工場再編に着手しているところだ。

TAG: #ホンダ #電気自動車
TEXT:桃田 健史
中国CATLが、充電10分間で400km走行可能な新型電池を発表、2023年末に量産開始。日本市場向けEVでも採用あるか?

車載向けBEV用リチウムイオン電池の世界最大手である中国のCATLが、充電時間が短く航続距離が長い新型電池を発表した。CATLは日系メーカーを含めて世界の自動車メーカー各社に電池を供給しており、今回の発表は世界のBEV普及に大きな影響を与える可能性が高い。 世界最大シェアのCATLが次世代電池公開 中国のCATL(寧徳時代新能源科技)は2023年8月16日、新型の電池を世界初公開した。 商品名はShenxing(神行超充電池)で、構造としてはリン酸鉄リチウムイオン電池。 CATLによれば、10分間の急速充電で走行可能な距離は400kmで、ひとつの電池パックでの最大航続距離は700kmとした。 技術的な裏付けについては、同社のホームページで製造工程における様々な技術革新や安全性を強調した。 2023年末には量産を開始するため、2024年以降に発売される自動車メーカー各社のBEVで採用されることになるだろう。 CATLは2011年創業とまだ日は浅いが、中国市場でのBEV市場の拡大に伴い急速に事業が成長。いまや車載向けリチウムイオン電池メーカーとしては世界トップの座にある。 韓国メディアが報じた、韓国の調査会社であるSNEリサーチが2023年7月に公開した資料によれば、グローバルで2023年1月~5月期の車載向けリチウムイオン電池の総容量は237.6GWh。 製造会社別に見ると、トップはCATLの86.2GWh(シェア36.3%)、次いで中国のBYDが38.1GWh(16.1%)、韓国のLGエナジーソルーションが33.0GWh(13.9%)、パナソニックが19.1GWh(8.0%)、そして韓国のSK オンが12.4GWh(5.2%)と続く。

TAG: #CATL #ホンダ #リチウム電池
TEXT:栁 蒼太
ホンダ、第13[国際]スマートグリッドEXPOに出展

ホンダは、2023年3月15日(水)から3月17日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第13回[国際]スマートグリッドEXPO」に出展する。 同社は、2050年に関わる全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを実現することを目指している。この実現に向けた取り組みの一つとして、今回のスマートグリッドEXPOでは、電動モビリティとエネルギーサービスを繋ぎ「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献する「Honda eMaaS(イーマース)」の世界観や、「移動」と「暮らし」の可能性を広げる、着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」の活用事例を展示する。 主な出展物 ●Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)(※1) さまざまな電動モビリティ/機器の動力源として活用が可能な、1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵するリチウムイオンバッテリー。再生可能エネルギー由来の電力を、モバイルパワーパックにためて持ち運びできるようにすることで、電動モビリティ/機器の動力としてはもちろん、家庭内・屋外での電源、また災害時の電力供給など、「移動」と「暮らし」の中でさまざまな用途への拡大が期待できる。 ※1 バッテリーリサイクルの社会的責任の観点から、バッテリー回収に協力できる法人向けの販売を行なっている。 ●Honda Power Pack Exchanger e: (パワーパックエクスチェンジャーイー) 複数のモバイルパワーパックを同時に充電し、スムーズな交換・利用を可能とするバッテリー交換ステーション。街中に設置することで、必要な時に充電済みバッテリーに交換することができ、充電時間を待つことなく、効率よく電動モビリティを利用することを可能となる。 ●GYRO CANOPY e: (ジャイロ キャノピー イー) 配送業務などでに利用されている「Honda e: ビジネスバイク」(※2)シリーズの一つで、モバイルパワーパックを動力源とした、バッテリー交換式のビジネス用電動三輪スクーター。雨や埃など天候の影響を受けにくくする大型のウインドスクリーンとルーフを装備している。 ※2 Hondaのビジネス用電動バイクの総称 ●Honda Power Pack Charger e: Prototype(パワーパックチャージイー プロトタイプ) モバイルパワーパック専用充電器のプロトタイプ。置くだけで充電が開始され、満充電で自動的に充電を終了するシンプルなつくりに加え、多段の棚に並べて使用することを想定した横挿し設計としている。 ●Honda Power Pod e: Prototype(パワーポッドイー プロトタイプ) モバイルパワーパックの充電/給電器のプロトタイプ。モバイルパワーパックから電力を取り出し、非常時の電源や家庭内・屋外での電源として利用が可能。また、2台を並列運転することで、より長時間の電力を得ることができる。 ●Honda Power Exporter e: 6000 Prototype(パワーエクスポーターイー6000 プロトタイプ) 電動車両(BEV・FCV・PHEV)から電気を取り出し、交流100V/200V、定格6kVAの出力が可能な、可搬型外部給電器のプロトタイプ。高品質な電気が求められる精密機器をはじめ、200Vの出力により、大きな電力を要する電気機器へも適応。幅広い電力供給ニーズに対応する。 ●MEV-VAN Concept […]

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