#ニューモデル
リマック・ネヴェーラ(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
美しき豪速EV「リマック・ネヴェーラ」が日本発売……0-100km/h加速1.8秒[2023.09.19]

最高出力1,940ps・0-100km/h加速1.8秒・価格約3億1500万円と脅威の数字の羅列 日本初公開となった個体は鬼神的数値と相反する美しい佇まい 【THE 視点】ハイパーカーの輸入・販売を手掛けるビンゴは9月13日、クロアチアのEVメーカー「リマック オートモビリ」の市販モデル「ネヴェーラ」の日本導入を発表した。実車は15日まで「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」<東京都江東区新木場>にて展示した。 このデイリーEVヘッドラインでも伝えてきたハイパーEVが、筆者の想像より早く日本に上陸した[詳細はこちら<click>]。注目の高性能スポーツEVだけに、いち早く現車を確認すべく会場に向かった。 「ネヴェーラ」のスペックは驚異的である。4つのホイールにそれぞれモーターを搭載した4モーターのAWDで、最高出力1,427kW(1,940ps)・最大トルク2,360Nm(240.7kgm)を発生し、最高速は412km/h、0-100km/h加速は1.81秒を誇る。ちなみに展示車のナンバープレートは、そのパワーにちなんだ「1400KW」が刻印されていた。 最大容量120kWhバッテリーを搭載し、航続距離は490km(WLTP)。ボディサイズは4,750×1,986×1,208mmでホイールベースは2,745mm、車両重量は2,300kg。生産台数は150台で、価格は200万ユーロ(約3億1,500万円)からとなっている。日本でのデリバリーは2024年第三四半期以降になるとのこと。 日本初上陸となったマシンは、地中海に面したクロアチアらしさを感じる個体だった。0-100km/h加速はマッスルカーも裸足で逃げ出すような鬼神的な数字を叩き出しながらも、ボディと内装はその数値と相反するように美しい。 筆者の勝手な印象だが、クロアチアの「アドリア海の真珠」と称される港町「ドゥブロヴニク」を彷彿とさせるカラーを纏っている。外装はアドリアブルー(勝手に令名)をまとい、内装はレンガ作りの建物を彷彿とさせるベージュの内装。“クロアチアの誇り”と言わんばかりの佇まいである。 コクピットに座ることができたが、車内にある3つのディスプレイは、ボディカラーと同じアドリアブルーに発色され、とてもエレガントにも感じた。 この個体は、関東にも台風が上陸した9月8日に日本に空輸され、それからデパートでの内覧会を経て13日〜15日まで一般公開された。一種の「デモカー」のような個体だという。 海外の試乗会ですでに約3万km走行し、展示後は「モビリティリゾートもてぎ」で、購入希望者向けの試乗会を行ったようだ。日本で既に数台のオーダーが入っているという。来年後半には、公道でも見られるかもしれない。 なお、「ネヴェーラ」の詳細は別項を立ててリポートしたい。また、本媒体のスタッフが、「もてぎ」の試乗会で、実際にに同乗することができたようだ。そちらのレポートもお待ちいただきたい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アイシン、EV関連事業に5,000億円を投資 ……9月14日に開催した「中長期事業戦略説明会」で、今後3年間で5,000億円を投資しEVなどへの対応を加速すると発表した。2027年に第3世代の「eアクスル」を投入するという。 ★★ジャガー、エンジン車の受注を今年末で終了 ……「F-タイプ」「XE」「XF」「XFスポーツブレイク」の生産を2024年モデルをもって終了する。「F-タイプ」は11月21日(火)、他3車種は12月19日(火)をもって受注も終了するとのこと。2025年以降はピュアEVのみを扱うブランドとなる。 ★★ルノー、商用車「トラフィック」のEVを発表 ……新型商用EV「トラフィック・バン・E-テック・エレクトリック」を本国で発表した。最高出力90kW(122ps)・最大トルク245Nm(25.9kgm)で、航続距離は297km(WLTP値)。最高速度を90km/hに抑えたロングレンジ(322km)モデルも用意するという。 ★★AESC、バッテリーのマザー工場を茨城県茨城町に竣工 ……年間6GWhの生産能力を持つ工場で、従来品に比べてエネルギー密度を1.3倍、充電速度を35%短縮した次世代バッテリーの生産を2024年3月から開始するという。 ★スズキとパナソニックが電動車を共同開発 ……スズキとパナソニック サイクルテックが、電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新型電動モビリティの共同開発に合意した。スズキが企画・実験と担当し、パナソニックが試作車の製作・駆動ユニットの提供を行なうという。 ★ホンダ、「モトコンポ」が復活 ……折りたたみのユニークなスクーター「モトコンポ」の後継となる新型EVスクーター「モトコンパクト」をアメリカで発表した。価格は1,000ドル(約14万8,000円)未満だという。 ★ZF、EVバス向けのモジュラー型ドライブユニットを発表 ……最高出力380kW(517ps)で3速のギアボックスを内蔵したユニット。急坂に対応し航続距離の延伸も期待できる。ユニット自体も小型なため、フルフラットの車内設計がしやすくなる。 ★ポルシェ、「タイカン」がEVの最大高度変化の新記録を樹立 ……「タイカン4・クロスツーリスモ」が、中国にある海抜マイナス218.845mのアイディン湖から、標高5,355.134mチベット・ホントゥダバン山の登山に成功し、ギネス記録を打ち立てたという。 ★エネチェンジ、病院へのEV用充電器の導入を推進 ……医療品物流のアルフレッサと協業し、同社の持つ医療機関ネットワークにEV用充電器の設置を進めるという。 ★新電元、商用EV向け急速充電器を改良 ……最高出力50kWの「SDQCシリーズ」を13年ぶりに改良。「SDQC2F50」として11月より発売する。課金決済をしないスタンドアロンタイプで、長時間の使用が可能。 ★プラゴ、EV充電ステーション事業推進のために新たに資金調達 ……日本政策金融公庫・新宿支店/三井住友銀行/りそな銀行・池袋支店から新たに協調融資を受けた。累計の調達額は13億1,700万円となった。 ★東京ガス、相模大野のマンションにEV用充電器を大量導入 ……野村不動産管理の新築分譲マンション「プラウドタワー相模大野クロス」<神奈川県相模原市南区>に、東京ガスのEV充電サービス「イーブイレスト」の導入が決定した。物件の平置き駐車場の全207区画に設置される。 ★京都のアパートメントホテルがEV用充電器を導入 ……全16室の高級アパートメントホテル「ホテルマステイ神宮道」<京都市東山区>に、テラモーターズのEV用充電設備「テラチャージ」を3基導入した。最高出力3kWの普通充電タイプとなる。 ★神戸市で自動運転小型EVバス「ミカ」の一般試乗会を開催 …神戸市の須磨海岸で9月23日(土)〜29日(金)まで開催する。走行区間は須磨海岸内管理用通路(JR須磨駅〜願いの椰子の木)で、運賃は無料。小型EVバス「ミカ」はエストニア製の車両で定員は8名。自動運転レベル4に対応している。 ★日産、「アリア」の駆動システムがアメリカで受賞 ……電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」が、アメリカの自動車媒体ワーズ社の「10ベストエンジン&推進システム」に選出されたという。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.19]

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「マスタング・マッハ-E・ラリー」(photo=フォード)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
本物のオフローダーに還った野生馬……フォード「マスタング・マッハ-E・ラリー」を発表[2023.09.13]

SUVの「マスタング」を肯定し「シェルビーGT」と双璧をなせる新バージョン 趣味に振ったモデルが出るということはEVの新段階突入を意味する 【THE 視点】フォードモーターは9月7日、SUVタイプのEV「マスタング・マッハE」のラリー仕様「マスタング・マッハ-E・ラリー」を米国で発表した。 前後2モーター式AWDの「マスタング・マッハ-E GT」をベースに、最高出力358kW(487ps)・最大トルク最大トルク881Nm(89.7kgm)に性能を引き上げた。バッテリー容量は91kWhで、航続距離は400km。バッテリー容量の10~80%を、36分で急速充電できる。 足まわりは、専用のショックアブソーバーとスプリングにより車高を20mmアップ。直径385mmのフロントブレーキローターとレッド塗装のブレンボ製のキャリパーを装備。白いラリースタイルのアロイホイールを採用し、タイヤはミシュラン「クロスクライメート2」(235/55R19)を履く。フォードのこれまでのラリーカーをオマージュしたスタイルとなっている。 外観面での特徴は、車体上半身と下半身のモールディング/ユニークなフロントスプリッター/黒塗装のスチールルーフ/フォグランプ内蔵のフロントフェイシアなどを装備し、ラリーカーのテイストをふんだんに盛り込んだ。特にリアスポイラーは、「フォーカスRS」からインスパイアされたスタイルだという。 ちなみにフォードは、このモデルを開発するためにアメリカ・ミシガン州の試験場にラリーコースを新設したという。ラリークロスのベテランによる設計で、実際の公道に近い状況を再現した。「マッハ-E・ラリー」のプロトタイプを用いて800km走行してコースを作り上げたようだ。 EVにもいよいよラリーカーが出てきた。フォードはこれまで、「フォーカスRS」といったスポーツバージョンを販売してきたが、今度はそこにEVが加わった。 本気のラリーEVを設定するとは、フォードのEVが開発黎明期を過ぎ、普及期に入ったことを表すのではないだろうか。エコや実用ではなく、思い切り趣味、さらに言えばオンロードではなくダートに振ったスポーツモデルを設定することは、余裕がなければできないはずである。 いずれにしろEVでモータースポーツへの参戦ができる事を示しており、EVも新たな段階に入ったことを意味する。こういったとんがったEVは、スポーツカー好きなら一度は乗ってみたくなるのではないか。「マッハ-E・ラリー」ははっきり言って、一台のクルマとしてかなり魅力的だ。 「マスタング」には、オンロードのマッスルカーのイメージを強く抱く人も多いと思う。しかしEVの「マスタング・マッハ-E」は、新世代の「マスタング」が再現し昇華した伝統のマッスルスタイルを覆すような格好となってしまい、その名を冠することに疑問を抱く往年のファンもいたのではないだろうか。 しかし「マッハ-E・ラリー」が出たことで、そのSUVスタイルが肯定されたように思う。それも中途半端な“ガワ”だけのスタイルではなく、中身も本気でチューニングしてきたとあれば、ファンは納得するように思う。「シェルビーGT」の対極にある立派な“チューニング・マスタング”と言えるのではないだろうか。まさにエンブレムどおり“野生馬”である。 他社も「マッハ-E・ラリー」に負けないガチンコモデルをどんどんリリースして、EVにモータースポーツのイメージを植え付けてほしい。それがEV普及の後押しにつながるだろう。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★EVのホットハッチ「アバルト500e」、10月初旬にいよいよ日本に ……発売に向けて特別サイトをオープン。記念グレード「ローンチエディション」も導入。発表同日に同サイトにて先行予約受付を開始する。 ★★ステランティス、「フィアット・600e」の生産を開始 ……ポーランド・ティヒにある工場で生産を開始した。生産第1号はオレンジカラーの「ラ・プリマバージョン」だという。「600e」はSUVの新型EVで、「500」の伝統的なスタイルを踏襲している。航続距離は400km(WLTPモード)。 ★★オランダのVDLグループ、FCEVトラックにトヨタのシステムを採用 ……トヨタモーター・ヨーロッパとVDLグループが協業。トヨタのFCシステムを搭載したFCEVトラックを発表した。2023年から5年間、ルートトライアルを行なうという。 ★BMWグループ、MINIのオックスフォード工場をEV専用に ……イギリスにある「MINIプラントオックスフォード」を2030年にEV専用工場にする。投資額は6億ポンド(約1,100億円)。EVモデルの「クーパー・3ドア」と「エースマン」は2026年から同工場で生産。 ★愛・地球博記念公園<愛知県長久手市>でEVの「ネコバス」が運行 ……トヨタ自動車・MONET Technoligies・豊栄交通・スタジオジブリ・愛知県が、EVバス「APMネコバス」の運行に合意した。同公園内「ジブリパーク」周辺を走る。車両はトヨタの短距離・低速型EVを改造した6人乗りの車両となる。 ★小型EV開発のGLM、長野県野沢温泉村と実証実験 ……小型EV「ミモス」をはじめとした3種類の電動モビリティを実験に投入。狭路・坂道・気候といった条件化での利点と課題を洗い出すという。 ★東北大学、太陽光発電とEVの組み合わせが脱炭素化に有効と発表 ……住宅向け太陽光発電に加えてEVを蓄電池として活用するフランスの施策「SolarEVシティー構想」で、この組み合わせが脱炭素化に大きく貢献できると試算した。周辺地域のイル・ド・フランス全体で最大76%削減できるという。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.13]

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TEXT:小川フミオ
VWが打ち出す「LOVE BRAND」へ。ヘッド・オブ・デザインが語るポイント

フォルクスワーゲンのヘッド・オブ・デザインを務めるアンドレアス・ミント氏との語らいのなかで、小川フミオは「伝統の継承」にある素晴らしきデザインたちへのオマージュをきき出していく。 シロッコが、ブーメランを再解釈したように ーー「ID.GTIコンセプト」は、ゴルフGTIの”伝統”を継承して、23年3月発表の「ID.2 all」と同様、基本的にフロントモーターで前輪駆動というレイアウトです。デザインも同様に、オリジナルにこだわりますか。 「Cピラーを太く見せることが大事だというのは、さきに説明したとおりです。しかもオリジナル・ゴルフを見ていると、とくに上面図でみるとわかりやすいかもしれませんが、後方にいくにしたがって、微妙なテーパーがついています。ちょっとしぼっているんです。そこもつよく意識しました」 ーーCピラーが太すぎると、ななめ後方視界がさえぎられてしまいます。従来のゴルフではそこがやや難点でした。 「なるほど、なるほど、ID.GTIコンセプトでは、ゴルフ7に比べたら少し細くはしましたけれども、やはりデザインのエレメントとしては重要だと思っています。巌(いわお)のように頑強とか、堅牢というイメージをそのリアからフロントにかけて統一した形で持たせ、ステイブルというVWデザインのテーマにつながる要素ですので」 ーー伝統的なデザインといいつつ、でもたしかに、あたらしさを感じる気がします。 「側面のベルトラインを、前から後ろにかけてまっすぐに続くようにしたいと思いました。それは、審美的にも、ステーブルな印象という点でも重要だからです。そこで後席ドアのオープナーハンドルは、Cピラーのほうに移しています。開閉構造がベルトラインのデザインに与える影響を回避するためです」   ーーオリジナル・ゴルフは、イタリアのジョルジェット・ジュジャーロひきいるイタルデザインがデザインを手がけたとされていますね。 「Cピラーのデザイン処理は、すごいですよ。当時のジュジャーロのデザインにおいては、じつは、このトリートメントは典型的なんです。ゴルフ以外には、アルファロメオ・ジュリアや、私がもっとも好きなマセラティ・ブーメランでも同様です。平面的なシートメタルを使って、どうやって力強さを出すか。考えぬいた、あるいは直感的に知っていた、結果でしょう」 ーーブーメランとは意外ですが、デザインとしてはとてもいいですね。 「ブーメラン(1971年)は1970年代的な、パワフルなクルマのデザインです。ジュジャーロ氏は初代VWシロッコ(74年)もデザインしています。シロッコは、ブーメランのもうひとつの解釈といってもいいでしょう」

TAG: #ニューモデル #フォルクスワーゲン #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
新モデル「iX1 eDrive20」がBMWのEVに追加。実質500万円前後で購入可能かも?

独BMWは9月5日、バッテリー電気自動車(BEV)である「iX1」に、新グレード「iX1 eDrive20」を設定し、発表した。 BMWの新たな電動エントリーSUV BMWがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶSUVシリーズのうち、最もサイズの小さい「X1」をベースに、パワートレーンを電動化した「iX1」。今年2月にフルモデルチェンジした同モデルに、お手頃な新グレード「iX1 eDrive20」が追加された。 全長4,500mm×全幅1,835mm×全高1,620mmというボディサイズは、都市生活者にもピッタリのサイズ感だったが、従来のグレード構成は、前後ツインモーターのAWDパワートレインが最高出力272psを発揮する「iX1 xDrive30」のみ。スタート価格はBMWのBEVの中では最も安価ではあったものの、698万円となかなかの高額となっていた。 こうした状況のなか、よりリーズナブルなEVを求める人に朗報となるのが、今回本国で発表されたeDrive20だ。パワートレーンは204hp(約207ps)を発揮するシングルモーターによるFWD。xDrive30に比べると2割程パワーで及ばないが、0-100km/h加速は8.6秒、最高速度は170km/h(リミッター作動)と、街乗りには十分なスペックを確保している。駆動方式も頻繁にスキー等のレジャーへ出かけるのでなければ、FWDで必要十分と考える人もいるだろう。 eDrive20のフロアに搭載されるバッテリーの容量は64.7kWh。日本仕様のxDrive30が66.5kWhであるのに対し、若干小さい容量となるが、その差は微々たるもの。また、eDrive20の航続距離(WLTP暫定値)は、最大475kmとアナウンスされており、日本仕様のxDrive30(最大465km)よりも若干伸びている。基準等の差異による影響はあるにしても、xDrive30とeDrive20はほぼ同程度の航続距離と考えていいだろう。 >>>次ページ 車両価格は約600万円。補助金を利用できるとすれば……

TAG: #iX1 #SUV #ニューモデル
TEXT:烏山 大輔
テスラが新型「モデル 3」を受注開始!「オートシフト」を搭載か、航続距離は700km超えもあるか!?

テスラは9月1日、「モデル 3」のマイナーチェンジ版の受注を開始した。内外装デザインにも大幅に手が加えられた。その詳細をみていく。 パフォーマンスグレードはなし 今回発表された新型「モデル3」のグレードは、RWDとロングレンジの2つで、価格とスペックは下記の通りだ。納車は今年の12月以降を予定している。 RWD 563.1万円、航続距離513km(WLTP)、0-100km/h加速6.1秒、最高速201km ロングレンジ(AWD) 651.9万円、航続距離629km(WLTP)、0-100km/h加速4.4秒、最高速201km 現行型で航続距離605km(WLTC)、0-100km/h加速3.3秒、最高速261kmだったパフォーマンスグレードの発表はなかったので、今後の展開を待ちたい。 ついにレバーも無くなった BEV(バッテリー電気自動車)専業メーカーとして、これまでの自動車会社によるクルマ作りの固定観念のないテスラは、スイッチ類を“断捨離”し、驚くほどシンプルなインテリアを創り出してきた。 そしてその発想はついにステアリングコラムから左右に1本づつあったレバーさえも無くしてしまった。そしてレバーが持っていた機能、ウインカー、ワイパー、ライト、ACC(アダプティブクルーズコントロール)はステアリングホイールのスポーク部に移されている。 写真からは読み取れなかったシフトコントロールについてテスラ担当者に確認したところ、モデル Sと同様の「オートシフト」を含む下記の3種類が予定されているが、まだ日本仕様がどうなるかは決まっていないそうだ。 「オートシフト」:乗車後、シートベルトを着用してブレーキを踏むと、カメラが周囲を認識し、D or Rが自動で選択される。 「タッチスクリーン」:タッチスクリーン上に表示されるPRNDを押す。 「PRNDボタン」:天井部に表示されるPRNDボタンをタップする。 シフトレバーを無くすどころか、車両が判断することでシフト操作からもドライバーを解放するテスラの考え方には脱帽だ。 ドアトリムとダッシュボードの連続性のあるデザインも新しくなり、現行のそれと比べると、よりダッシュボードの奥に弧を描くような自然なラインになっている。この変更により広々感を得つつも、スッキリとした見た目になった。アンビエントライトもその効果をより強くすることに一役買っている。 前席のシートベンチレーションと後席用の8インチタッチスクリーンも新設された。

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Japan Mobility Show2023の全体イメージ図。出典:日本自動車工業会
TEXT:桃田 健史
4年ぶり開催でフルモデルチェンジ!2023年10月開催、新生「Japan Mobility Show」は大化けするか!?水素で発電する有料エンタメエリアも登場決定!

コロナ禍での東京モーターショー中止を含めて4年ぶりの開催となる、自動車に係わる東京での大規模イベント。新たなる名称「Japan Mobility Show2023」の概要が発表された。その内容とはいったいどのようなものなのか? 参加企業数はすでに倍増 日本自動車工業会(以下、自工会)は2023年8月30日、オンラインで記者会見を開き「Japan Mobility Show 2023」(一般公開:2023年10月28日~11月5日、於:東京ビッグサイト)の開催概要を公開した。 それによると、全体としては「自動業界の枠を超えて、他産業やスタートアップ、来場されるお客様を含め、日本の未来を新しい仲間と一緒に創っていくショー」と定義した。 参加企業数は、今回の発表時点で400社以上となっており、これは2019年に開催した東京モーターショーでの192社をすでに大きく超えている。 ショーの具体的な中身は、東京の未来を来場者が体感する「Tokyo Future Tour(東京フューチャーツアー)」がショーの中核となる。 ツアーの始まりは、大型モニターで東京の未来へと導く映像を数分間体験。これは、大手エンターテインメント施設や万博などでも用いられる手法だ。 その先には、4つのテーマをエリア別として、実際にモビリティを含めた空間を味わる。 ひとつ目は、「ライフ×モビリティ」。コロナ禍を経て、日本人のライフスタイルは大きく変化してきたが、近未来東京のライフスタイルの中で、モビリティはどんな存在になっているのかを、様々な企業が提案する形だ。ここでは、いわゆる「空飛ぶクルマ」も登場しそうだ。 二つ目は「エマージェンシー×モビリティ」。様々な災害にどのように備えるべきか、また実際に災害が発生した場合、モビリティはどのような活躍の可能性があるのか等を提案するエリアとなる。  三つ目は「プレイ×モビリティ」とし、スポーツや遊びとの関連性を強調する。 そして四つ目には「フード×モビリティ」として農作物の生産、食の調理や配膳まで、モビリティとの関連性を具現化する。

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「ハマーEVアースクルーザー・アップフィット」(photo=GMC)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
Born to be WILDER……無給電で1週間過ごせる「ハマーEV」のキャンパー登場[2023.08.28]

車両とは別電源で稼働する後付けキャンパーユニット 広大な大地が育てた本物のサバイバル仕様 【THE 視点】GMCは8月25日、「ハマーEVピックアップ」のキャンパー「ハマーEVアースクルーザー・アップフィット」を発表した。「ハマーEVピックアップ」 の車体に後付けしてキャンパー化することができるキットで、2024年に同車のユーザー向けにアースクルーザーを通じて販売するとのこと。 アースクルーザーは、アメリカ・オレゴン州にあるキャンパーのメーカー。「フォードF-350」のほか、「三菱ふそう・キャンター」「いすゞ・エルフ」などをベースに、オフロード走行も対応できるキャンパーを製作している。 この「ハマーEVピックアップ」向けキットの主な特徴は以下のとおり。 ・「ハマーEVピックアップ」向けに専用設計された軽量高剛性のカーボンファイバーボディ ・発電出力605Wの太陽光パネルと電力量6kWh/最大容量460Ah/電圧12Vのリチウムイオン・バッテリーを搭載。冷蔵庫などの家電製品を約1週間稼働可能 ・3層構造の断熱材を使用しあらゆる季節に対応可能なポップアップ・ルーフ ・機能性と部屋としてのデザインを追求したインテリア ・ダブルベッド/屋内外対応のシャワー/トイレといったアメニティの充実 ・使いやすさを追求した7インチの対角タッチスクリーン式コントロール・パネル ・1500Wのインバーターを装備 日本でも車中泊のブームが続いているが、世界でもトレンドのようで各社続々とEVのキャンパーを発表している。 フォルクスワーゲンは「ID.Buzz」のキャンパーを公開したし、メルセデス・ベンツは、「Vクラス」のEV「EQV」にキャンパーモデルの「マルコポーロ」の追加を匂わせている。日本ではHWエレクトロが「エレモ-L」のキャンパーを発表した。 今回、GMCが発表したのは「ハマーEVピックアップ」の後付けキャンパーキットだった。ハマーが持つ悪路の走破性を生かして、人里離れた自然の中で1週間も人道的な車中泊が楽しめるのは、このEVならではの特徴であろう。しかも走行距離に影響がない独立の電源なので、ユニットの電力が底をついても自走での帰還が可能だ。 日本に置き換えて考えれば、軽トラックに後付けの架装を施したキャンパーと同じジャンルに分類できる。ピックアップ・トラックは、アメリカの軽トラックと言える身近な存在だ。しかし国土面積や使用環境が違うと、こうも作り込みが変わるのか。趣味のキャンパーというよりも狩猟に使用するような“サバイバル仕様”である。キャンパーは、その国の大地が育てるのかもしれない。 日本にも豪華絢爛な富裕層向けのキャンパーは輸入・販売されているが、「ハマーEVアースクルーザー・アップフィット」には、それらとは一線を画すワイルドさがある。こんなキャンパーを相棒に、ぜひアメリカにて冒険をしてみたいものである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、SUVの新型EV「EQE SUV」の予約を日本で開始……高性能版「AMG EQE 53 4MATIC+ SUV ローンチエディション」は10月下旬以降 ★★フォルクスワーゲン、セダンの新型EV「ID.7」の注文が本国で可能に……航続距離621kmのグレード「プロ」から受注開始 ★★メルセデス・ベンツ、新型「Vクラス」のキャンパー「マルコポーロ」を発表……EVの「EQV」にも「マルコポーロ」の追加を匂わせる ★ポールスター、モービルアイと自動運転開発で協力……世界1億5,000万台以上がモービルアイの運転支援技術を採用 ★ボルボ、小型SUVの新型EV「EX30」をカナダで発売…… RWDモデルとデュアルモーターAWDモデルを導入 ★ポルシェ、Xboxとパートナーシップを締結……レースゲーム「フォルツァ・ホライズン」にて、75周年記念カラーの「タイカン4S」のダウンロードが可能に ★BMW、ドイツ・ライプツィヒ工場に高電圧バッテリーに対応した倉庫を新設……2024年半ばに完成予定 ★全企業のEV事業参入は1割……帝国データバンクが調査を公開、「EV普及によるプラスの影響」を有りと答えたのが全体の11.1%で「マイナスの影響」は13.6% ★BYDジャパン、1ヶ月間の試乗施策「eモビリティパートナープログラム」の車両受け取りエリアを拡大……横浜・名古屋・大阪・福岡に拡大、9月29日(金)まで募集中 ★エネチェンジとテラモーターズ、神奈川県小田原市の観光集客に協力……「小田原EV宿場町コンソーシアム」に参画、市内のEV用充電器の設置を推進しEVユーザーの集客を狙う ★テラモーターズ、青森県五戸町と連携協定……町役場や五戸総合病院など公共施設7ヵ所にEV用充電器を先行導入 ★ブレイズ、「中古車販売特別キャンペーン」を実施…… 10万円分のクーポンを用意、10月31日(火)まで ★埼玉県、リチウムイオン・バッテリーのリサイクル実証を開始……家庭用のバッテリーのレアメタルの含有量や回収コストなどを検証 デイリーEVヘッドライン[2023.08.28]

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サポートマーケティングサービスが開発した「エネバイ」(photo=サポートマーケティングサービス)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「オート三輪」がEVで堂々復活……「EVトゥクトゥク」を進化させた消防用具搬送車が登場[2023.08.23]

コンパクトな車幅により軽でも行けない場所にアクセス可能 商業用の配送車としても活躍が期待できるネオクラシカル 【THE 視点】サポートマーケティングサービスは8月21日、三輪のEVバイク「エネバイ」を、「危機管理産業展2023」<東京ビッグサイト/10月11日(水)〜13日(金)>にて展示・公開すると発表した。EVの「トゥクトゥク」に荷台を付け、消防用ポンプや太陽光パネルなどの積載・運搬が可能となるように改造した。 サポートマーケティングサービスは、この車両を消防バイクとして活用可能することを考え、2013年より開発を続けてきた。消防ポンプは、D級・C級・B級の順にサイズが大きくなり放水性も高くなる。従来はD級しか載せることができなかったが、B級ポンプを載せられるように自社で研究・開発を行なった。その結果、消防ポンプはもちろんのこと、それ以外の様々な救援物資も載せられる新たなジャンルの小型EVが完成した。 「エネバイ」の仕様は、全長2,450×全幅1,090×全高1,620mmで重量は270kg。最大積載量は200kgとなっている。駆動用交流モーターの出力は2kWで、家庭用100V電圧のコンセントから充電ができ、航続距離は90kmほどとのこと。 先日レポートをした「東京国際消防防災展2023」でも、この「エネバイ」を含む何台かの三輪EVの展示があった[詳細はこちら<click>]。 「トゥクトゥク」というよりは、現代日本の黎明期の物流を支えた「オート三輪」と言えよう。日本の小型の積載車と言えば軽トラックだが、それよりも幅が小さいため機動力があり、何より現場により近い場所に車体を停められるのは大きなメリットだ。 それにしても、EVでクラシックモデルを再生したり復刻したりするのは世界的なトレンドのようだ。しかし趣味・趣向を凝らしたファンカーとしてではなく、現代でもきちんと仕事ができる業務用車として復活させるのはどこか日本らしい。 消防・救命道具の運搬用だけではもったいない。かつて日本全国を「オート三輪」が走り回っていたように、配送業務のニーズにも応えられるのではないだろうか。キャビン付きなので、急な天候の変化からも運転者を守ることができ重宝すると思われる。「オート三輪EV」は、これからの活躍が期待できるネオクラシカルな新カテゴリである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ベントレー、クラシックカーの「ブロワー」をEVで復刻……オリジナルの85%のサイズで再現、小型EVメーカーの「ザ・リトル・カンパニー」とコラボ ★BMW、「i5」でプレイできる車内ゲームに「Who Wants to Be a Millionaire?」を追加(本国発表)……ゲームのプラットフォーム「エアコンソール」を活用した車内ゲームが続々追加 ★東京都、「令和5年度グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」を開始……グリーン水素の製造から利活用までの一連の機器・モデルプランを公募し補助金を交付 ★ブレイズ、「コストコ門真倉庫展」<大阪府門真市>にて展示販売会を実施……8月24日(木)〜9月03日(日) デイリーEVヘッドライン[2023.08.23]

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GLMミモス(photo=GLM)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
あるようでなかった全長3m未満・4人乗り……GLMが超小型EV「ミモス」を日本に導入[2023.08.21]

「日産サクラ」と「トヨタ C+pod」の中間に位置するボディサイズ 近距離移動の常用EVとして個人所有の需要もあるはず 【THE 視点】EVの開発を行うGLMは8月17日、カーシェアリング向けの小型EV「ミモス」の取り扱いを開始した。軽自動車規格のEVながら、全長3m未満と一般的な軽自動車よりも小さいボディを持つ。 「ミモス」は、本来は欧州市場向けに普通自動車規格で作られているモデルであるが、日本国内の保安基準と軽自動車規格を満たす仕様に改良し、軽自動車としての登録を実現したという。 世界的には日本の軽自動車よりも小さいボディの超小型EVの普及が進みつつある。「シトロエン・アミ」などはその良い例だ。超小型EVは日本の道路事情や生活環境にも合致するはずだが、そのようなEVは少ないのが現状。大手メーカーの軽では「日産サクラ」と、その兄弟車の「三菱 eKクロス EV」があるのみ。新興系の軽EVは商用がメインだ。 常用の超小型EVのニーズに応えるべく、GLMは「ミモス」の日本市場への早期導入を目指した。主に、シェアリングサービスを検討している行政団体や企業向けに販売及びリースを行う予定とのこと。 「ミモス」のスペックは、全長2,998×全高1,555×全幅1,478mm。4人乗車可能な4シーターで、4人乗車時でも荷物の積載スペースを確保している。バッテリーの最大容量は17.8kWhで、最大航続距離は約130km。充電は家庭用200V充電器の仕様で約6時間となっている。なお、写真は左ハンドル仕様となっているが、今秋には右ハンドル仕様も用意されるとアナウンスされている。 GLMというと自社開発のEVスポーツカーの「トミーカイラZZ」のイメージが強い。今回は自社開発を行なわず、EVの需要の高まりから早急にニーズに応えられるよう海外からの輸入を選択したようだ。自社開発は手間・時間・コストがかかるため、普及速度と相応の台数を優先するなら今回の判断はベストに思う。 サイズから見るに「日産サクラ」と「トヨタC+pod」の中間に位置するEVとなる。スズキが一時期販売していた「ツイン」をも思い起こさせる。 誰もが使いやすいサイズのため、不特定多数が利用するシェアリングサービスには向いている。しかし、近距離移動用の常用EVとしてマイカーの需要もあるはずだ。見た目も小型SUVのようで愛らしく、所有する楽しみもあるのではないだろうか。シェア限定とするのはもったいない。右ハンドル仕様が入れば、一定数の販売が見込めると思われる。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ランボルギーニ、SUVタイプのスーパーEVコンセプト「ランザドール」を発表……ブランド初のEV、前後2モーター式のAWD ★★ロータス、オーダーメイドのEVスポーツ「エヴィジャ」を公開……元F1ドライバーのジェンソン・バトンによるオーダー、最高出力1,500kW(2,039ps)のモンスター ★★ホンダ、北米アキュラブランドに新型EVを導入……SUVの「ZDX」および「ZDX タイプS」を2024年初頭に発売 ★★CATL、超高速充電対応の新型バッテリー「Shenxing」を発表……10分の充電にて航続距離400km分の電力を回復、フル充電で700km以上 ★ベトナムの新興ビンファスト、米国NASDAQに上場……米国株式市場に上場するベトナム系企業の中で最高の時価総額 ★リマック、ハイパーEV「ネヴェーラ」がニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにてEVのレコードタイムを更新……7分05秒298を記録 ★東芝エネルギーシステムズ、EV用バッテリーの劣化診断の実証を開始……モニター参加企業・団体の募集を開始 ★フォード、カナダ・ケベック州にバッテリー用のカソード工場を建設へ……韓国SKオンなどと共同、2026年上半期に生産を開始し4万5,000トン/年を生産 ★ステランティス、米カリフォルニア州にてリチウムを製造……現地法人のCTRに投資、地熱塩水からリチウムを製造する技術を開発 ★テラモーターズ、香川県坂出市/三重県東員町/大分県九重町にEV用充電器を設置……各自治体の公共施設を中心に充電器を導入 ★アルファチャージ、日旅産業と業務提携……日旅産業の主要顧客の宿泊施設にEV用充電器を設置、外出先で充電する「目的地充電」の普及を促進 ★パワーエックス、蓄電池型超急速EV充電器「ハイパーチャージャー」が補助金の対象に……スタンダードモデルとコンパクトモデルが、次世代自動車振興センターの「CEV普及充電インフラ補助金」の対象製品に登録、機器代と工事費を国から支援 ★東芝エネルギーシステムズ、EV用バッテリーを蓄電池システムに再利用……関西電力と共同実証、2023年冬から実証を開始し2024年度中のサービス提供を目指す ★東急建設、工事現場での水素燃料電池式発電機の実用性を検証……7月中旬まで行われた渋谷駅西口地下の工事にて照明用電源に活用、騒音の低減を確認 デイリーEVヘッドライン[2023.08.21]

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「moonn. T-01」(photo=カーステイ)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
キャンピングカーも“オール電化”……「HWエレクトロ・エレモ-L」の量産キャンパーが発表[2023.08.16]

完全電動のキャンピングカーの発表は国内初で今後普及の予感 アイドリングによる振動がなく空調完備で快適な車中泊が可能に 【THE 視点】キャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングサービスのほか、車両製造事業などを展開するカーステイは8月9日、HWエレクトロとEVキャンピングカーを開発し、先行予約を開始した。価格は1,150万円(税込)〜を予定し、1年間で20台の販売を目指す。 今回発表された「ムーン T-01」は、HWエレクトロの中型EVバン「エレモ-L」をベースに開発。「エレモ-L」が持つ広い荷室空間を活用し、大型家電やベッドを架装した本格的なキャンピングカーに仕上げた。 電力系統も独自の工夫を凝らした。走行用のメインバッテリー(最大容量43.5kWh)はもちろん備えるが、ルーフに大型のソーラーパネル(370W)を搭載し、200Aのサブバッテリーに充電が可能だ。 その電源にて電子レンジ・冷蔵庫・エアコン・IH調理器といった生活機器を動かす。もちろん100Vのコンセントも備えているため、あらゆる電子機器の充電・稼働ができる。乗車定員は2人で、車載のベッドはセミダブルまでの拡張に対応可能という。 EV車両としての特徴は、走行用のバッテリーを8時間で満充電にでき、通常のEVなので公共の充電器の利用が可能。航続距離は270kmで最高速度は90km/h、車高が2,045mmなので立体・地下駐車場の利用ができる。サブバッテリーは外部給電にて7時間で満充電になる。 「エレモ-L」は、今年の「東京オートサロン」にて実車の展示があり、筆者も間近で車両を確認している。車体サイズは、全長5,457×全幅1,850×全高2,045で荷室フロアの長さは2,890mmとなっている。 車体サイズは「トヨタ・ハイエース」のスーパーロングに近い。ただ、荷室はがらんどうで数値以上に広く感じた。会場では移動オフィスのようなカスタム車両が展示されていたが、キャンピングカーとしても活用可能だと思っていた。もしかしたら、その時点で開発が行なわれていたのかもしれない。 EVキャンピングカーは、電気がないところでも十分な電力を取れることがメリットになる。この車両の場合は、370Wの太陽光発電機能があるのも頼もしい。しかしこの車体サイズに最大容量43.5kWhのメインバッテリーだと少ないようにも思う。キャンピングカーとして活用するためには、近場にEV用充電器があるか確認する必要がある。この太陽光発電でメインバッテリーを充電できるよう、改良してはいかがだろうか。 電力の問題はさておき、アイドリングせずに車内の電源を入れておけるのは大変なメリットだ。熱帯夜などでは空調を動かしておけるので、安眠度が高まるだろう。車中泊とキャンプブームの昨今、このようなクリーンで静かなEVキャンピングカーは注目度が増すと思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★東京都、都有施設の公共EV用充電器を有料化……料金の支払いは電子決済、10月2日(月)から ★★ダイハツ、商用EVバンのコンセプトカー「ヴィジョン-F」を公開へ……「ガイキンド インドネシア国際オートショー2023」<8月10日〜20日>に出展 ★★アキュラ、新型EV「ZDX」を8月17日に初公開……「モントレー・カー・ウィーク」<米カリフォルニア/8月17日〜20日>にて、発売は2024年初頭[詳細はこちら<click>] ★★BMW、「i5」を含めた新型「5シリーズ」向けの純正アクセサリーを秋に発売……カーボンの外装などラインナップ予定 ★★オペル、SUVの新型EVを9月5日に発表……「IAAモビリティ」<ドイツ・ミュンヘン/9月5日〜10日>にて、新世代のインテリア装備など注目 ★★キャデラック、フルサイズSUVの新型EV「エスカレードIQ」を発表……シリーズ初の完全電動車[詳細はこちら<click>] ★ボグゾール、英国内のEV用充電器不足を解消するイニシアチブを開始……英国の地方自治体の69%が路上充電器を未設置、ブランドの完全電動化を見据えて行動 ★ヤマハ発動機、船舶向けの電動推進システム「ハルモ」の実証実験を開始……徳島市と連携し「ひょうたん島周遊船」を電動化 ★ボルボ、SUVのEV「EX90」を改良(本国発表)……RWDと5人乗りバージョンを追加 ★メルセデス・ベンツ、完全無人の自動駐車場に「EQEサルーン」や「EQSサルーン」が対応……ドイツのシュトゥットガルト空港にて ★レクサス、SUVのEV「RZ」のカスタマイズカー「RZスポーツ・コンセプト」を「モントレー・カー・ウィーク2023」に出展……「東京オートサロン2023」にて公開された車両 ★EVモーターズ・ジャパン、大阪市高速電気軌道に大型EVバス「F8シリーズ2-シティ・バス 10.5m」を納入……大阪シティバス56号・59号系統にて運行 ★自動配送ロボット開発のハコボット、大阪のネジ商社サンコーインダストリーから資金調達……屋外走行可能な「ハコベース」の開発・実証実験に充当、サンコーインダストリーは世界最高齢の総務部員(ギネス認定)が在籍する企業 ★ブイキューブ、法人向けにEV用充電器導入サービスを開始……助成金を活用し無料の導入プランも用意 ★ミツバ、「Ene-1 Suzuka Challenge」<鈴鹿サーキット/7月30日開催>のKV-Moto部門で9連覇を達成……単三乾電池40本を搭載したEVバイクで鈴鹿のフルコースを30分間走行し距離を競うレース デイリーEVヘッドライン[2023.08.16]

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