ボルボ 記事一覧

TEXT:岡崎 宏司
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第15回:これから増える選択肢、ますますEVは楽しい!

e-208GTを2年半以上愛用される岡崎さんは、これから登場するEVたちを加えて選べる喜びを感じています。「だから、ますますEVは楽しい!」と、期待感大にしてピックアップしています。 23年後半から、いろいろ選べそうだ 僕がプジョー e-208GTをピックアップした時のEVの選択肢、とくにコンパクトクラスの選択肢は限られていた。基本を同じくする「プジョー e-2008」と「シトロエン DS3 E-TENSE」、そして「ホンダe」くらいしか選択肢はなかった。 あれから2年半以上経った今でも、状況はさほど変わっていない。フィアット500eが加わったくらい。しかし、今年後半から1~2年内には、いろいろと選択肢は増えそうだ。 何がいつ頃日本で発売されるかはわからないが、希望をも込めて、早期の日本発売を期待したいコンパクトEVをピックアップする。 サンクが帰ってくる まず挙げたいのは、「ルノー5(サンク)EV」。この5月にプロトタイプが発表されたばかりだが、生産/販売は2024年に開始するとアナウンスされている。 かつてフランスで、欧州で、絶大な人気を獲得したルノー5だが、僕も強く惹かれ、家内用に5バカラを購入した。 そんな5がBEVとして戻ってくるというのだから、平静ではいられない。しかも、「カッコいい!!」ルックスを纏っている。黒のトップにイエローのボディ、そして鮮やかな赤のアクセントも刺激的だ。 かつて持っていた5バカラは艶やかな黒だったが……「5 EVも黒にしよう。赤のアクセントはそのままに……。ベージュの革張り内装のバカラ・モデルがあるといいなぁ!」と、すでに妄想は始まっている。 「走行距離は400km」程度とされるが、プジョー e-208とほぼ同等。とすれば、僕にはまったく問題ないし、多くの人にとっても同様だろう。 走りにしても、プジョー e-208とさほど遠くないレベルのものと思うが、ルノーHV車などの仕上がりのよさを考えると、かなりいいレベルの走り味を期待しても良さそうだ。 なぜ日本で販売されないのかが不思議なMINIクーパーSE 欧州市場では人気モデルになっている「MINIクーパー SE」だが、日本では販売されていない。コンバーチブル・モデルも「999台の欧州限定車」だ。 MINI EVが日本市場でなぜ販売されないのか理由はわからない。……が、多くの人にとっては魅力的な選択肢になるだろうし、そう遠くない販売開始を期待しよう。 モーターは135kW/270Nmの出力/トルクを引き出し、0-100km/hは7.3秒、最高速度は150km/hを発揮する。十分以上のパフォーマンスと言っていい。 航続距離は234kmと短めだが、欧州市場で販売されるMINIの5台に1台はEVモデルと聞く。つまり、この性能で、日常は十分カバーできる人は少なくないということである。 バッテリー容量は32.6kWhと小さい。だが、その分軽量になるし、重量配分のよさと重心の低さに、EVならではの瞬発力が加わる。なので、MINIならではの「ゴーカートフィールはさらに際立つ」ものになるのだろう。 導入が待たれるスマート・フォーツーEQ 欧州デビューしてから3年以上も経つのに、未だ日本上陸のない「スマート・フォーツーEQ」も気になって仕方がない。 とくに、カブリオモデルは、写真を見ているだけでワクワクしてくる。オープンにした状態で斜め後方から見た姿には強く惹かれる。 スマートブランドは2018年、内燃エンジンモデルを終了して、BEVモデルへの一本化を発表している。 そして発表された「フォーツーEQ カブリオ」は、17.6kWhのバッテリーを積み、走行距離は153km。実用走行距離を60~70%と見ても、セカンドカー、あるいはサードカーと考えれば、何の問題もない。 日本で高い人気を獲得している「日産サクラ」の走行距離は180kmだが、ユーザーから文句が出ているという話は聞いていない。 スタイリッシュなボルボEX30にも期待! 今夏にも販売開始されるとアナウンスされている「ボルボ EX30」も、気になっている。 エクステリア、インテリアともに、とてもスタイリッシュなところにまず惹かれる。趣味も仕立てもいい最新デザインのスーツ……そんなイメージが浮かび上がる。うまく着こなしたらかなりカッコいいこと間違いなしだ。 走行距離(480km)も含めて、パフォーマンス的にもかなり高いレベルにある。2030年にはEV専業メーカーになると宣言したボルボらしい、気合の入った仕上がりだ。 幅が1,800mmを超えている(1,837mm)のが唯一の引っかかる点だが、他のあれこれの魅力を考えると、妥協できるかもしれない。 来年か再来年辺りには、コンパクト系EVの選択肢はどんどん拡大するだろう。楽しみで仕方がない。

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ボルボ EX30の発表会でプレゼンするボルボ カーズのジム・ローワンCEO
TEXT:小川フミオ
ボルボは熾烈な戦いをいかに制するか。彼らがEVメーカーに「変身」した理由をCEOに訊く

相次いで新型EVを投入するボルボ。今後も毎年のようにニューモデルをリリースしていく予定であるという。EV専業メーカーになる道を選んだボルボは、これまでとは大きく変わっていくのだろうか。だが、舵取り役のジム・ローワンCEOの言葉からは、今回の「変身」は、彼らが「らしく」いるための選択であったことが明らかになった。 グローバル生産する“効能” 小型SUVのBEV、EX30を発表・発売(欧州)したボルボ・カーズ。このクルマが代表する今後のボルボの“行き方”こそ、市場に評価されるものだと、ジム・ローワンCEOは自信を見せる。 EX30発表会におけるローワンCEOへのインタビューから、ここでは、技術と生産と、それらに密接なかたちで結びついた印象のマーケティングについて、注目すべき発言をまとめた。 −−EX30は、2023年の欧州に続いて、日本でも発表・発売を予定しているとか。 「日本市場には、EX30のサイズはぴったりだと思うんですが、どうでしょうか。実際、私が聞くところでは、日本の市場調査では、EX30に期待する声はたいへん大きいとか。私が見たかぎりにおいても、東京のような市街地で乗るには、最適なサイズのクルマです」 −−先んじて2022年11月に発表された大型SUVであるBEVのEX90は、期待できる内容だが発売は2024年に延期された。 「いまソフトウェアをすべて書き換えて、2024年後半の発売に備えていこうという状況です。クルマはいちおう出来てきたのですが、私としてはソフトウェアの完成度に不満があり、そこで、4〜5ヵ月発売を延期しても、完成度を上げるほうを当然選んだわけです」 −−ボルボ・カーズにとってあたらしい動きは、EX90もEX30もグローバル生産を選択したことだ。 「EX30は中国生産した車両を世界各地に輸出します。EX90については、中国の自社工場とともに、サウスカロライナ州チャールストンの自社工場で生産します。私たちが吉利汽車(ジーリーともギーリーとも欧米では呼ばれる)と(EX30の)プラットフォームをシェアする戦略を選択したことで、開発費削減という恩恵が得られます。このさきボルボ・カーズでは毎年のように新車を発表していきたいと思っていますから、開発提携は重要な課題です」 「若いひと」に支持されるボルボ −−吉利汽車といえば、英国の伝統的なスポーツカー、アストンマーティンの大株主であり、ロータスの親会社でもあるが、BEVについても知見は豊富だ。 「吉利汽車のエンジニアリングにおける知見と蓄積されてきた技術力は、私たちのプロダクト開発においてもおおいに役立ちます。優秀なエンジニアもたくさん協力してくれています。中国企業がもつBEVの開発能力はたいそう高いものです。それらを役立てることでボルボというブランドの商品力はいっそう強化されると私は思います。ボルボに期待される安全性やデザイン性、それにサステナビリティに関するコンセプトは守りつつ、価格競争力を持つことが出来るのです」 −−大きな中国企業と密接な協力関係をもつことで、将来そこに飲み込まれていく不安はないか。 「協力関係を拡大していくことで、キャラクターを喪失しないかと不安の声も耳にしますが、ボルボ・カーズがボルボのブランドのもとで発売するプロダクトは、ホロモゲーション、安全性テスト、内外装、素材、サプライチェーンなど、すべて独自のものを使います。共用するのは、バッテリーなどを含めたプラットフォームです」 −−これから熾烈化するBEV市場で生き残っていく施策は、ボルボらしさを見失わないということか。 「ボルボは量産ブランドではありません。プレミアムブランドという位置づけです。そのなかには生産台数も含まれます。乗用車の市場で、1%ぐらいのシェアを持っていて、それを2%まで拡大することは出来るでしょう。ユーザーはボルボというブランドを好いてくれていて、安全性やサステナビリティに関して、ブランドイメージを高く評価してくれています」 −−ボルボはプログレッシブなブランドとして評価されている。 「調査によると、いまボルボに注目してくれるユーザーのなかには、科学の分野に携わるひとや、ソフトウェアのエンジニアや、マーケティングを担当しているひとなどが目立つそうです。年齢も若いひとが多い。このひとたちにとってボルボは“プログレッシブ(先進的)”なブランドなのです。これからも、やや保守的なイメージのあるブランドから多くのユーザーが移行してくると信じています。それは、私たちが大事にしている価値を、若いひとたちがシェアしてくれるからです」 <完>

TAG: #EX90 #トップインタビュー #ボルボ
ボルボ EX30の発表会でプレゼンするボルボ カーズのジム・ローワンCEO
TEXT:小川フミオ
ボルボが二兎を追わずに目指すものは何か。彼らがEVメーカーに「変身」した理由をCEOに訊く

ボルボにとって、電動化は氷山の一角。現在同社の舵取り役を務めるジム・ローワンCEOはそう語る。彼らは果たしてどこを目指しているのか。どうして内燃機関の開発を止めたのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオがCEOインタビューを通して、ボルボが見ている明日の姿を浮き彫りにする。 ソフトウェアやマテリアルに注目すべし ボルボ・カーズのジム・ローワンCEOは、これからの生き残りにおいては、素材の開発とコアコンピューティングテクノロジーが大事になる、とする。 ミラノにおけるEX30の発表会場で行なったインタビューから、要点を紹介していこう。 −−電動化が進んでいくなかで、自動車メーカーは何をやるべきか。ボルボ・カーズの考えはいかなるものか。 「電動化は氷山の一角にすぎません。私たちがいま行なおうとしているのは“変革”であって、電動化自体が目的ではないのです。電気モーターか、内燃機関か。みんな議論をそこで終わらせてしまっています。いま起きつつあるのは、実際はもっと深いところでの変革なのです」 −−ボルボが起こそうとしているのは、クルマ自体の変革か。 「いま、電動化とともに注目すべきは、コアコンピューターテクノロジー、ソフトウェア、シリコンといった分野であり、そして、忘れてはならないのが素材です」 −−クルマにおける変革は、見えないところで起こるということか。 「モーターは同期型か非同期型かとか、インバーターモジュールはどうするかなどといった議論もあります。いまさかんに取り沙汰されている話題でいうと、窒化ガリウムを使ったインバーターとか、パワー半導体のシリコンカーバイド(SiC)とか。要するにマテリアルサイエンスともいうべき領域が、私たち企業の未来に大きくかかわってくるのです」 −−自動車メーカーはまったく新しい領域に足を踏み入れはじめている。 「いまや、私たちはどんどん極小な領域に足を踏み入れていっています。サブアトミック(原子核内部)のところまで分け入っているわけです。ナノテクノロジーの分野が、この先の開発において、どんどん重要になっていくと思っています」 “エンジン”の選択肢より、新技術へ −−2023年6月に発表したEX30ではLFPバッテリーとNMCバッテリーというふうに、クルマのユーザーが何を求めているかによって使い分けている。 「駆動用バッテリーにしても、リチウムイオンとひと言でくくれなくなっていますから。今回は、性能はまずまずのレベルですが比較的廉価で、都市で使うぶんにはなんの問題もないLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーも搭載しました。さらに、シリコン負極(アノード)の開発を進めたり、またソリッドステートタイプ(全個体電池)もそろそろ現実ものとなってきたりという具合ですね」 −−ボルボ・カーズは2021年6月に「ソフトウェアがクルマを定義する時代がくる」としていた。素材とともにコンピューティングも重要な要素になる。 「コアコンピューティングテクノロジーがクルマの“性能”を左右する時代です。ビジョン処理とAI、一般的なコンピューティング、それにインフォテインメントと、さまざまな機能において重要なのです。私たちは、このさきクルマはソフトウェアによってスペックスが決まってくると思っていて、これからのプロダクトをSoftware-Defined Carと定義しています」 −−自動車の作りかたが根本的に変わってくる。ボルボ・カーズはさまざまな企業と提携したりしながら、あたらしい道を開拓していく姿勢が明確だ。 「(先述の素材を含めて)すべてを同時に行なっていかなくてはいけないのです。そんな時代に、ICEもBEVもというのでは、私たちのような規模の企業にとって、負担が大きすぎます。そこで私たちは電動化を選んだのです。あたらしい技術にこれからも投資していきます」 Vol. 3へ続く

ボルボ EX30の発表会でプレゼンするボルボ カーズのジム・ローワンCEO
TEXT:小川フミオ
ボルボが電動化の先に見る明日とは。彼らがEVメーカーに「変身」した理由をCEOに訊く

ボルボ・カーズはいち早く電動化に向けて大きな一歩を踏み出したメーカーのひとつ。とりわけ彼らは、リサイクル素材を多用するなど、ボルボ=サステナブルなイメージを強化するEVを精力的にリリースしている。何故彼らは電動化に“全振り”する戦略を採ったのか。ジム・ローワンCEOに、自動車ジャーナリスト・小川フミオが直撃した。 ボルボはこれからどこへ向かうのか 2023年6月に発表したコンパクトサイズのSUV、EX30で大きくBEVメーカーへの変身へと舵を切った感のあるボルボ。 EX30は、中国の吉利汽車とプラットフォームの共用戦略も採用。生産も中国で行なう一方、北米での販売も行なうなど、ボルボにとって、重要な車種だ。 2022年3月からボルボ・カーズの舵取りを行なっているジム・ローワンCEOに、ミラノでのEX30発表の機会をとらえて、インタビューを行なった。 スコットランド出身のローワン氏はダイソンCEOも務めていた経歴の持ち主。ローワンCEOを迎えたボルボは、EX90を2022年11月にストックホルムで公開。 このとき、ローワン氏は世界中から集まったプレスの前に姿を見せた。私もそのとき最前列でステージを見学させてもらった。 日本人の耳にはちょっとクセのある英語とともに、1965年生まれという先入観を吹き飛ばすような精力的な身振り手振りでもって、このさきボルボ・カーズは大胆にカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)の削減に取り組んでいくと語った。 EX90は(読者のかたは先刻ご承知のように)BEVの大型SUV。「30分の充電で600km以上走るBEVで、私たちがいまどういう姿勢であり、そしてこれからどこへ向かうかを示す指標です」と、ローワンCEOはそのとき述べた。 リサイクル素材の使用を大々的に謳っていたのも印象的だった。たとえば、スチールでは11%、アルミニウムでは25%、そしてプラスチックは15%(重量では48kg)がリサイクル素材となるという。 「電動化自体が目標ではない」 その流れのなかで、次に発表したのが、EX30である。ローワンCEOはなにを考えているか。 各テーマごとに、ローワンCEOのコメントとして、インタビューでの回答のなかから抜き出してみた。 −−現在、ボルボが掲げている目標のなかで、もっとも重要なものはなにか。 「一般的に言っているのは、2030年までに販売するクルマをすべてBEVにすることです」 −−電動化を着々と進めている。 「電気化自体が目標というわけではないのです。目指しているのは、サステナビリティ、地球環境保全です。そのために、カーボンフットプリントを削減します。パワートレインが電気になればそれでサステナブル、というわけではありません。部品、生産、廃棄まで含めて、2025年までに、2018年比で約40%、二酸化炭素を減じていく大胆な目標を立てました」 −−EX30ではリサイクルパーツの多用が謳われている。 「カーボンフットプリント減少のために重要なのは、クルマのなかで使う素材の選択です。リサイクルしたアルミニウム、リサイクルした鉄、リサイクルしたプラスチック。往々にしてリサイクル素材はコストがかかりますが、そこは問題でなく、正しいことをやっているのがもっとも重要なのです」 −−さらに素材には踏み込んでいる。 「私たちは、グリーンスチールを使う最初のメーカーです(注:現時点では未使用)。製造プロセスこそ一般のスチールとおなじですが、(製鉄プロセスにおいて通常コークスを使う際の二酸化炭素排出量を抑制する)水素を利用することでカーボンフットプリントを減らすことが出来ます。私はこれはいい選択だと思っています」 −−このさきもカーボンフットプリント削減への努力は惜しまない。 「私たちが掲げている目標は、2025年までにカーボンフットプリントを2018年比で40%減らすことです。そこに向かって、こうして着々と進んでいるのです」 Vol. 2へ続く

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TEXT:烏山 大輔
ボルボ・カー・ジャパン、Volvo Studio Tokyoで90kWの急速充電サービスを開始

ボルボ・カー・ジャパンは、4月にオープンしたブランド発信拠点「Volvo Studio Tokyo」でメディア向けの体験会を実施。新たに運用が始まった90kWの急速充電サービスの詳細も発表した。 都心の青山に現れたボルボオーナー専用の充電スポット Volvo Studio Tokyoは東京都港区南青山に位置する。この度始まった急速充電サービスは、ボルボオーナー向けだ。都心では珍しく、2口同時接続ながらそれぞれに90kWの充電能力を持つ。 「これだけの高性能充電器は、ビルの建設に合わせて、Volvo Studio Tokyoが入るという前提だったから設置できた。」と、ボルボ・カー・ジャパンの広報担当者が誇らしげに教えてくれた。 同じ港区内で充電器を探すと多数がヒットするが、その言葉通り、90kW以上に絞るとこの施設以外では2箇所4口に激減した。もし絞り込み条件に「雨にも濡れない」「スペースが広い」があればヒットするのはVolvo Studio Tokyoだけになるだろう。 オンラインで予約も可能なこの急速充電器(ABB製Terra184)は“1時間”の枠で予約ができる。充電時間は30分だ。この1時間枠というのは、ボルボ・カー・ジャパンのボルボオーナーに対する配慮だと思った。 急速充電ではスタンダードの30分という時間は、トイレ休憩には長いが、ランチには短いというまさに「帯に短し襷に長し」なのだ。実際に筆者も高速道路のサービスエリアで食事の途中に、充電が終わったクルマを一般駐車エリアに移動させ、食事に戻ったという経験がある。 ボルボオーナーは充電中にスタジオ内で愛車のチャージを待つのもよし、ランチに行ったとしても余裕を持って食事を楽しめるだろう。 充電料金は税込1,500円、つまり1分あたり50円だ。7月からe-Mobility Powerの急速・普通併用プランの急速充電料金も既報の通り1分あたり27.5円に値上げされるので、1,500円はそのおよそ2倍となるが、Volvo Studio Tokyoが都心の青山であることを忘れてはいけない。 この付近の時間貸し駐車場は1時間で1,600〜2,000円ばかりなのだ。つまり青山に1時間駐車したら実質無料で急速充電ができるようなもの。 「その30分の充電で現状のボルボのBEVは80%くらいまで充電できますよ」とは、先ほどの広報担当者の弁だ。 ボルボオーナーなら、青山で買い物や食事をしながら、愛車も充電し、十分なバッテリー残量で次の目的地へ出かけられるのだ。他ブランドのオーナーが羨むスポットではないだろうか。

TAG: #ボルボ #急速充電 #急速充電器
TEXT:田中誠司
ほんの一瞬、日本メディアの前に実車が登場 ボルボ「EX30」のデザインからわかること

「C40」「XC40」よりはっきりコンパクト。立体駐車場にも入る 2023年6月14日、ボルボ注目の新型車「EX30」の主要メディアに対するスニーク・プレビューが東京・青山のボルボスタジオ東京で実施された。これがアジア初お目見えでもある。 1週間前にミラノで披露されたばかりのこのクルマ、個体は違うとはいえ試作段階のものを空輸で持ち込み、「一刻も早く日本メディアに肉眼で見て確かめてもらいたい」というのが趣旨だ。ボルボ・カー・ジャパンのマーティン・パーソン代表取締役は「数少ないクルマをいち早く持ち込めたことには、ボルボグローバル本社の、日本市場に対する関心の強さが表れていると言っていいでしょう。大変嬉しく、心強いです」と笑顔を見せる。 ボルボ・カー・ジャパン マーティン・パーソン代表取締役とボルボ「EX30」 ショールームのフロントに並んだボルボ「C40」「XC40」に比べると、はっきりとコンパクトであることがEX30の第一印象だ。そして従来のボルボの、あるいは従来の乗用車のデザインからさらに垢抜けて、工業デザイン、ガジェット的な目新しい印象を受ける。コンポーネンツを凝縮した、エモーションに訴えかけるデザインだと思った。 ボディサイズは全長4,233mm、全幅1,837mm、全高1,549mmと、前出の2台に比べて全長が20cmほど短く、日本の立体駐車場にも入る全高がポイントだ。 フロントエンドはボルボのエンブレムを控えめに配したフロントパネルと、その上を覆う抑揚に富んだボンネットフードを組み合わせる。むろん、そこに風を通すグリルの機能は備わらない。その下の樹脂パネルはボディサイドにも同様の素材が用いられる。細かな縦格子が刻まれるこの素材は高級感を醸すが、一部にリサイクル素材を用いてサステイナビリティの向上に貢献しているという。

TAG: #EX30 #コンパクトカー #ボルボ
TEXT:TET 編集部
ボルボ、2023年5月のEVの販売台数は前年比3倍。欧州を中心に増勢し、1万826台を達成

ボルボは、2023年5月の電動車販売実績を発表した。それによると、バッテリー電気自動車(BEV)のグローバル販売台数は1万826台に達し、前年同月比で約3倍にも増加していることが明らかになった。 グローバルBEV販売の7割以上占める欧州市場 2030年までに世界の新車販売のすべてをBEVにするという野心的な目標を掲げ電動化を進めるボルボ。既に日本のラインナップにも、BEV、プラグインハイブリッド(PHEV)、48Vハイブリッド(HV)のいずれかの電動モデルを設定しているが、世界ではBEVが増勢を強めている。 今回の発表によると、5月のグローバル台数は6万398台で、前年同月の4万5,952台から31%増加となった。これは主に半導体不足等のサプライチェーン混乱が収束してきた影響と思われるが、BEVについては196%増の(昨年5月は3,652台)に達したとのことで、対前年比およそ3倍という数字は際立って強い。 市場別に見ると、やはりBEVが売れているのは欧州で、同地域における5月のBEV販売台数は7,655台(対前年同月比314%増)と、グローバルBEV販売の7割以上を占める。ちなみに、ブランド全体の販売台数に占める欧州のシェアは43%なので、いかに欧州でBEVの引きが強いかが分かるだろう。 次にボルボのBEVが売れているのは米国で、5月の販売台数は1,342台(対前年同月比66%増)となった。広い国土でBEVは不向きかと思われるが、カリフォルニア州など先進的な州では都市部住民を中心にBEVが相当売れているようだ。 >>>次ページ 新型車投入が日本におけるBEVの起爆剤となるか

TAG: #BEV #EX30 #ボルボ
TEXT:烏山大輔
ボルボ、EX30を発表。AWDモデルは0-100km/h加速3.6秒のパフォーマンス!

ボルボが5月9日から1ヵ月をかけて、情報を出し続けてきた新型BEV(バッテリー電気自動車)の「EX30」がいよいよ正式に発表された。欧州では注文受付を開始し、アメリカでは予約注文が可能となった。日本のウェブサイトでは「今夏発売予定」の表示なので、価格も含めた日本での正式発売を待ちたい。 EX30にかけるボルボの意気込み 6月7日の正式発表までに5回にわたりリリースを発表すること自体に、ボルボのEX30に対する力の入れようが窺える。当然フラッグシップでもなく、ボルボ史上最小のSUVなのだが、「お客様にとっても、私たちにとっても大きな意味を持つモデルです。」と同社は謳う。その理由は、EX30が急成長する小型SUVセグメントに参入し、ボルボのベストセラーモデルのひとつとなり、成長目標と収益目標に大きく貢献すると期待しているからだ。 これには、ボルボが2030年にEV専売ブランドになるとの大きな目標を、この小さなモデルからさらに加速させようとする同社の強い意気込みが感じられる。 日本では500万円を切る価格で登場か!? プレスリリースによると欧州では36,000ユーロ(1ユーロ=150円で540万円)からの価格設定とのこと。イギリスのウェブサイトでは32,940ポンド(1ポンド=175円で約576万円)、ドイツやスウェーデンではサブスクリプションを導入しているようで、それぞれ月額が599ユーロ(約9万円)、5,990クローナ(1クローナ=12.83円で約77,000円)となるようだ。 XC40(BEV)の価格に注目すると、イギリスでの価格が45,650.01ポンド(約800万円)、日本では679万円であることから、EX30は489万円とも計算できる。

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TEXT:TET 編集部
6月7日に公開予定のボルボの新型エントリーBEV「EX30」。内外装が部分公開

ボルボは5月31日(現地時間)、バッテリー電気自動車(BEV)の新型「EX30」を予告する新たな画像を公開した。 EX90にも通じる新世代ボルボ・フェイスを採用 2023年6月7日に世界初公開されることが発表されている「EX30」は、ボルボのエントリーBEVを担うコンパクトSUV。5月上旬にはリアコンビネーションライトやシート表皮などの一部ディテールが先行公開されていた。 今回追加公開されたイメージでは、ヘッドライトの点灯形状にボルボのアイデンティティであるトールハンマースタイルが採用されることが明らかになった。先に発表されたフラッグシップ電動SUV「EX90」と同じく、ピクセル状のLEDがグラフィックを構成しており、一見して新世代モデルとわかるデザインだ。 リアエンドは、リアコンビネーションランプがEX90と同様、上下に二分割されたデザインが採用されることが明確になった。一方、ドアハンドルはフラップタイプのEX90とは異なり、より一般的なグリップタイプになる模様だ。 インテリアについてはより多くの情報が明らかになった。まず、ダッシュボードセンターには、大型のインフォテインメントディスプレイを装備。モニターのサイズは12.3インチとなるようで、速度や充電レベルなど車両状態に関する情報に加え、Googleマップを使ったナビゲーションシステムを搭載する。通信は5G規格となり、ボルボとして初めてApple CarPlayのワイヤレス接続にも対応するようだ。 また、安全性を重んじるボルボらしく、運転中には重要な情報以外を排除して目を疲れさせない落ち着いた表示スタイルになるという。 >>>次ページ BEVならではのオーディオへのこだわり

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TEXT:烏山 大輔
ボルボ、2023年4月のBEV販売台数は前年比88%増。全体でも10%増で好調を維持

ボルボのグローバルでの2023年4月と1月〜4月までの販売台数から、電動化を進める同社の実績を観察する。 リチャージモデル(BEVとPHEV)のシェアが拡大 ボルボは2023年4月の世界販売台数が51,976台と前年同月比10%増だったことを発表した。この販売台数は、88%増(4,709台→8,830台)と大幅に伸びたBEV(バッテリー電気自動車)が牽引した。 地域別では、欧州は販売台数が5%増加し20,804台となった。リチャージモデルのシェアは63%に達し、BEVのシェアは26%だった。 一方、中国では販売台数が46%増加し、12,543台となった。リチャージモデルの販売台数は86%増加(677台→1,260台)し、シェアは10%。まだまだ伸び代が大きいように感じる。 米国では販売台数が4%減少し、9,611台となったが、リチャージモデルのシェアは31%に達した。BEVが71%増加(793台→1,356台)したことが大きい。 ボルボのBEVまたはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)パワートレインを搭載した電動化モデルである「リチャージ」は、世界で販売されたボルボ車全体の40%を占めた。BEVのシェアは17%であった。 また、2023年1月から4月にかけてのボルボの販売台数は214,914台で、こちらも前年同期比10%増となった。 SUVが売れ筋 同じく23年4月を車種別で見ると、販売台数のトップは16,658台(全販売台数に占める割合は32%)の販売数を記録したXC60、前年同月比で11%増加した。次いで13,740台(同26%)を販売したXC40、8,179台(16%)を販売したXC90が続く。XC40とXC90は前年同月とほぼ同じ水準である。この3車種合計で74%と大多数を占めることとなる。 販売台数のトップ3は全てSUVとなった。さらにボルボは新たなフラッグシップとしてBEVのEX90を投入する。そして小型BEVのSUVとなるEX30の発表は来る6月に迫る。これらのSUVによって、ますますボルボの勢いが加速しそうだ。 2040年までにクライメートニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)企業になることを目指すボルボは、2025 年にグローバルでBEV販売の割合を50%まで伸ばし(日本国内におけるEV販売の割合は45%)、2030年までにグローバルで販売するすべての新車をBEVにするという目標を掲げている。

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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