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岡崎宏司の「EVは楽しい!」第15回:これから増える選択肢、ますますEVは楽しい!


TEXT:岡崎 宏司 PHOTO:小河原 認、ルノー、BMW、スマート、ボルボ
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e-208GT2年半以上愛用される岡崎さんは、これから登場するEVたちを加えて選べる喜びを感じています。「だから、ますますEVは楽しい!」と、期待感大にしてピックアップしています。

23年後半から、いろいろ選べそうだ

僕がプジョー e-208GTをピックアップした時のEVの選択肢、とくにコンパクトクラスの選択肢は限られていた。基本を同じくする「プジョー e-2008」と「シトロエン DS3 E-TENSE」、そして「ホンダe」くらいしか選択肢はなかった。

あれから2年半以上経った今でも、状況はさほど変わっていない。フィアット500eが加わったくらい。しかし、今年後半から12年内には、いろいろと選択肢は増えそうだ。

何がいつ頃日本で発売されるかはわからないが、希望をも込めて、早期の日本発売を期待したいコンパクトEVをピックアップする。

サンクが帰ってくる

まず挙げたいのは、「ルノー5(サンク)EV」。この5月にプロトタイプが発表されたばかりだが、生産販売は2024年に開始するとアナウンスされている。

かつてフランスで、欧州で、絶大な人気を獲得したルノー5だが、僕も強く惹かれ、家内用に5バカラを購入した。

そんな5がBEVとして戻ってくるというのだから、平静ではいられない。しかも、「カッコいい!!」ルックスを纏っている。黒のトップにイエローのボディ、そして鮮やかな赤のアクセントも刺激的だ。

かつて持っていた5バカラは艶やかな黒だったが……「5 EVも黒にしよう。赤のアクセントはそのままに……。ベージュの革張り内装のバカラモデルがあるといいなぁ!」と、すでに妄想は始まっている。

「走行距離は400km」程度とされるが、プジョー e-208とほぼ同等。とすれば、僕にはまったく問題ないし、多くの人にとっても同様だろう。

走りにしても、プジョー e-208とさほど遠くないレベルのものと思うが、ルノーHV車などの仕上がりのよさを考えると、かなりいいレベルの走り味を期待しても良さそうだ。

なぜ日本で販売されないのかが不思議なMINIクーパーSE

欧州市場では人気モデルになっている「MINIクーパー SE」だが、日本では販売されていない。コンバーチブルモデルも「999台の欧州限定車」だ。

MINI EVが日本市場でなぜ販売されないのか理由はわからない。……が、多くの人にとっては魅力的な選択肢になるだろうし、そう遠くない販売開始を期待しよう。

モーターは135kW/270Nmの出力/トルクを引き出し、0-100km/h7.3秒、最高速度は150km/hを発揮する。十分以上のパフォーマンスと言っていい。

航続距離は234kmと短めだが、欧州市場で販売されるMINIの5台に1台はEVモデルと聞く。つまり、この性能で、日常は十分カバーできる人は少なくないということである。

バッテリー容量は32.6kWhと小さい。だが、その分軽量になるし、重量配分のよさと重心の低さに、EVならではの瞬発力が加わる。なので、MINIならではの「ゴーカートフィールはさらに際立つ」ものになるのだろう。

導入が待たれるスマート・フォーツーEQ

欧州デビューしてから3年以上も経つのに、未だ日本上陸のない「スマート・フォーツーEQ」も気になって仕方がない。

とくに、カブリオモデルは、写真を見ているだけでワクワクしてくる。オープンにした状態で斜め後方から見た姿には強く惹かれる。

スマートブランドは2018年、内燃エンジンモデルを終了して、BEVモデルへの一本化を発表している。

そして発表された「フォーツーEQ カブリオ」は、17.6kWhのバッテリーを積み、走行距離は153km。実用走行距離を6070%と見ても、セカンドカー、あるいはサードカーと考えれば、何の問題もない。

日本で高い人気を獲得している「日産サクラ」の走行距離は180kmだが、ユーザーから文句が出ているという話は聞いていない。

スタイリッシュなボルボEX30にも期待!

今夏にも販売開始されるとアナウンスされている「ボルボ EX30」も、気になっている。

エクステリア、インテリアともに、とてもスタイリッシュなところにまず惹かれる。趣味も仕立てもいい最新デザインのスーツ……そんなイメージが浮かび上がる。うまく着こなしたらかなりカッコいいこと間違いなしだ。

走行距離(480km)も含めて、パフォーマンス的にもかなり高いレベルにある。2030年にはEV専業メーカーになると宣言したボルボらしい、気合の入った仕上がりだ。

幅が1,800mmを超えている(1,837mm)のが唯一の引っかかる点だが、他のあれこれの魅力を考えると、妥協できるかもしれない。

来年か再来年辺りには、コンパクト系EVの選択肢はどんどん拡大するだろう。楽しみで仕方がない。

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